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kintoneで定期タスクを自動作成、更新漏れを防ぐチェック機能を実装|あおい社会保険労務士法人さまのアプリ開発事例

kintoneでタスクを自動作成、抜け漏れを防ぐ仕組みとは?

社労士業務の特徴のひとつに、毎月・毎年1回など、決まったタイミングで実施する定期タスクが多いという点を挙げることができます。
特に、年に一度だけ実施する業務となるとまず抜け漏れなく実施すること自体が難しく、管理に苦労されている社労士さまも多いのではないでしょうか?

今回ご紹介する社労士法人さまでは、kintoneを使って定期タスクの作成を自動化してタスク管理を効率化したことに加え、「自動化のための事前登録」の抜け漏れを防ぐ仕組みも構築しました。
定期タスク管理の効率化や、タスクの抜け漏れを防ぐ仕組みづくりに興味のある方は是非ご覧ください!

顧客管理を脱Access、kintoneで定期タスクの自動作成まで実現

横浜に事務所を構えるあおい社会保険労務士法人さまは、社会保険労務士4名、人事コンサルタント1名が所属する社労士法人で、企業の労務管理のサポートをおこなっておられます。
顧問契約しているお客様の労務管理のみならず、労務管理相談や就業規則、社内規定の作成などにもスポット対応していることが特徴です。

代表である社労士の平山先生はこれまで、さまざまな業務の効率化やコスト削減に積極的に取り組んでこられました。

例えば、PC所有台数分のライセンス費用データ連携の難しさなどの課題があったAccessによる顧客管理をkintone(キントーン)へ移行し、さらに顧客情報を整理整頓して活用できる状態にしました。
▼顧客管理をkintoneで行うメリットとは?~社労士編~

また請求書は、必要な情報を毎月確認してから手入力で登録・作成されていました。
手間を省き、ミスをなくすため、請求データを自動生成できるようにプラグインを活用したkintoneアプリのカスタマイズに成功されています。
▼請求書情報を自動作成できる社労士のkintone顧客管理とは?

そして、冒頭でご紹介した通り管理が難しい「顧問先ごとに決まったタイミングで実施する定期タスク管理」には、kintoneのプラグインkrewData(クルーデ―タ)を活用して自動化しています。
これは「社労士業務改善パッケージ」と同じ仕組みで、顧問先ごとに定期的なタスクを自動作成できるため、漏れのないタスク管理と進捗管理を実現しています。

「タスク自動作成のための登録」に抜け漏れが……状況把握が必要

このように、さまざまな業務についてkintoneを活用して効率化を進めてこられたあおい社会保険労務士法人さまですが、kintoneの運用を進めるうちに定期タスク管理について新たな課題が発生していました。
それは、「顧客管理アプリの更新が漏れて、タスクが作成されないことがある」ことです。

先ほどご紹介した社労士業務改善パッケージの定期タスクの自動作成の仕組みでは、新規の顧問契約があった場合や既存顧客に契約追加があった場合には、kintoneの顧客管理アプリへ「定期タスク実行タイミングはいつなのか」を登録する必要があります。

以下画像のように、タスクを作成してほしいタイミングにチェックを入れることで、毎月「今月チェックがついている顧客はどこなのか」をkrewDataが確認してタスクを作成しています。

コムデック kintone 社労士 タスク管理 士業 進捗管理 事例

タスク管理について定期タスク自動作成の仕組みができていても、必要な登録作業自体がおこなわれなければ自動作成は実施されず、管理から漏れてしまいます。
あおい社会保険労務士法人さまではこの更新・登録作業が漏れてしまい、タスクの自動作成に至らない、ということが起こっていたのです。

krewDataで登録状況をチェック、登録間違いも確認できる一覧を作成

「顧客管理アプリがきちんと登録され、定期タスクが作成できる状態になっているか」を確認するためには、顧客管理アプリのレコードひとつひとつを開いて先ほどのチェック項目欄までスクロールし、「タスク登録の漏れがないか」「どのように登録されているか」を見る必要があります。
顧客や顧問先が多ければ多いほどこの作業にはかなりの手間と時間を要しますが、定期タスクが作成されないことのほうが大きなリスクにつながりかねません

そこで、定期タスクが作成される状態になっているかを効率よく確認するため、「顧客ごとの定期タスクの登録状況をひと目で確認できる、そんな一覧を作れないか?」と考えたあおい社会保険労務士法人さま。
すでに導入しているkintoneプラグインのkrewDataを活用して、「定期タスクの登録抜け漏れチェック」フローを構築することになりました。

考えた定期タスク登録状況一覧化の仕組みは、以下のシンプルなフローになっています。

  1. 顧客管理アプリの定期タスク登録状況をチェック項目(手続きの種類)ごとにバラす
  2. 手続きの種類ごとに再集計して、同じ顧問先のデータを一つのレコード内にまとめる
  3. 定期タスクチェック用のアプリに登録し、一覧で各手続の登録状況を判断できるようにする

顧客管理アプリで登録状況を判断しにくい理由は、各月ごとにそれぞれ「賞与」や「36協定」等のチェック項目があり、「全ての月を横断して、その顧客はどの手続きにチェックが入っているのか」がわかりにくいためです。

そこで、まずはkrewDataで顧客情報アプリに登録されている「何月にどの手続きを作成するのか」という情報を取得し、行列変換という機能でどの手続きが登録されているのかを「月ごとに1行」のデータとなるように編集しています。
その上で、手続きの種類ごとにフィルターをかけてから顧客ごとにデータを集約しました。

しかしこれだけでは「その顧客の何月にどのチェックが入っているか」を抽出しただけで、手続きが何も登録されていない顧客はわかりません。
そこで、「手続きが登録されていない顧客」の情報を顧客情報アプリから抽出し、手続登録がある顧客のデータと結合して定期タスクチェック用アプリに出力しています。

コムデック kintone 社労士 タスク管理 士業 進捗管理 事例

「定期タスクの登録漏れがないか」を確認することが目的であるため、定期タスクの登録がない顧問先・顧客も対象として一覧に表示されるようになっています。

さらに、「年度更新の登録漏れがないか」といった業務ごとの登録状況も確認できるように項目を設定し、定期タスクの種類の分だけ列を作成して表示できるようにしています。

コムデック kintone 社労士 タスク管理 士業 進捗管理 事例

このようにプラグインを活用して、顧客管理アプリのデータを見やすいように加工することで「定期タスク自動作成のための登録漏れ」を防ぎ、タスク管理そのものをより確実かつスムーズにおこなえる環境を実現できました。

タスクの自動作成に潜む落とし穴を未然に防ごう

業務効率化や抜け漏れのないタスク管理をおこなうために、kintoneで定期タスクを自動作成したいとお考えの社労士さまも多いかと思います。

社労士業務改善パッケージを導入すれば自動でタスクを作成してくれるため、出来上がったタスクの進捗を追っていけば良いため、対応漏れもなくなり、業務を確実に進めていくことが可能です。
しかしその一方で、「自動でタスクを作成するためには、あらかじめタスクを作成すべき時期を登録しておく」必要があります。
元の登録が抜けていたら、せっかく自動化できる仕組みがあっても機能しません。

あおい社会保険労務士法人さまでは、krewDataの活用により顧客管理アプリに登録されている「定期タスクの実施チェック」の登録情報を集約し、別のアプリで確認できるようにしました。

従来の顧客管理アプリでは、わざわざ一件一件レコード詳細画面を開かなければ登録状況を確認することができませんでしたが、別アプリに集約されることで一覧上で登録状況を確認できるようになり、定期タスク登録の抜け漏れ防止に役立っています。

さらに、定期タスクチェックアプリ」のデータを「ファイル書き出し」することで「その時点でのタスク請負状況一覧を保存できる」ことも、副次的なメリットだったそうです。

社労士のみならず、kintoneでタスクを自動作成できる機能を実装したい場合には、登録の抜け漏れチェックができるようカスタマイズしておくことがおすすめです!
kintoneによるタスク作成の自動化と併せて、「自動化を抜けもれなく実行させるためのチェック」も効率化してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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