エクセルの人事評価シートをkintone化!評価制度をkintoneで運用するメリットとは?|製造業 八州製作株式会社さまのアプリ開発事例

人事評価制度を運用するなかで、エクセルで作成した評価シートを活用されている企業さまも多いでしょう。
エクセルを利用している場合、上長との共有に手間がかかったり最新のファイルがどれかわからなくなったりと、運用に課題があるのではないでしょうか。
そんな時、評価シートをkintone化すれば、管理を効率化でき、評価集計も自動化可能です。
今回は、エクセルで作成した人事評価シートをkintone化したことで、人事評価制度の運用体制が整った八州製作株式会社さまの事例を紹介します。
「エクセルの評価シートを使っていて管理が大変」「人事評価制度の運用を効率化したい」という企業さまは、是非ご覧ください。
目次
kintoneを導入して社内基盤を整備 次は人事評価制度の運用にkintoneを活用したい
八州製作株式会社さまは、自動車部品をはじめとした金属製品のモトとなるダイカスト金型の製造を手掛ける企業さまです。
加工作業の機械化を進めることで、安定した品質で製品を提供できるのが魅力で、お客さまである部品メーカーさまのものづくりの価値を高められるような金型を追求するとともに、安定供給できる体制を整えておられます。
2023年には第二工場を新設し、大型の金型需要にも対応が可能になった八州製作株式会社さまでは、これまでkintone(キントーン)を使い、さまざまな業務の効率化に取り組まれてきました。
たとえば、紙やエクセルで構築していた全体の仕組みを俯瞰して課題を洗い出したうえで、kintoneを使った最適化を行いました。
また、構築した仕組みをベースにkintoneで原価管理を実行できるようにし、業務や従業員の状況に合わせてアップデートを繰り返しています。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
▼kintone導入は伴走支援の活用がおすすめ!課題の洗い出しで業務フローの改善も実現|製造業 八州製作株式会社さまの伴走支援事例
▼kintoneと基幹システムを連携して原価管理を効率化!|製造業 八州製作株式会社さまのアプリ開発事例
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▼kintoneを使った原価管理でミスによる不良品を削減!|製造業 八州製作株式会社さまのアプリ開発事例
これまでの取り組みでkintoneによる社内基盤が整ってきたタイミングで、評価制度を導入することになった八州製作株式会さま。
まずは自社で制度設計を進め、エクセルで評価シートを作成されました。
しかし、エクセルで運用をスタートすると、更新や共有に手間がかかったり、最新データの行方がわからなくなったりするおそれがあります。
管理の煩雑化を防ぎたいと考えた八州製作株式会社さまは、これまで整えてきたkintoneを活用して評価制度を運用できないかと検討を始めました。
kintoneなら、既に全社員が利用している状態のため、運用面での懸念も少ないというメリットがあります。
八州製作株式会社さまでは、期の切り替わりからスタートする評価制度の運用開始に向けて、すでにエクセルで作成した評価シートのkintone化を急ぎ進めることになりました。
人事評価制度の運用に向けてkintoneアプリで評価シートを構築!
八州製作株式会社さまが作成されたエクセルの評価シートをもとに、kintoneアプリを構築した流れは次のとおりです。
1.評価制度の概要をヒアリング
まずは、八州製作株式会社さまが想定されている評価制度の概要をヒアリングさせていただきました。
このとき、すでにコムデックで運用していたkintoneによる評価制度の仕組みも紹介し、イメージの参考にしていただいています。
コムデックでは、従業員が「自分自身の行動を振り返り、アップデートする」ための仕組みとして評価制度を実施しています。
エクセルのテンプレートだと次第に内容が更新されなくなり、制度自体が形骸化していくおそれがあったため、見やすく触りやすいkintoneを使って評価基盤を構築しました。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
2.kintoneのアプリや画面構成をすり合わせ
ある程度イメージが固まったら、元のエクセルシートのスクリーンショットを切り貼りしたイメージ画像をベースに、完成形のkintone画面構成の認識をすり合わせました。
このとき、八州製作株式会社さまから改善点や要望をもらい、さらにアップデートしています。
最終的には、後述する評価アプリのフィードバックシートアプリに反映されています。
3.評価シートのkintone化を実施
次に、すり合わせたイメージに合わせてアプリを構築し、プラグイン等も設定してマスタとなるアプリ等からデータを参照できるようにしました。
実際にkintone化したアプリを納品するときは、すぐに使いはじめられるように共有いただいた評価基準等のデータを登録した状態でお渡ししています。
また、アプリやマスタに登録されている情報や状況、使い方など詳しく説明し、利用開始までに必要な準備(従業員マスタへの等級登録やフィードバックシートの項目調整)もあわせて共有しています。
kintone化した人事評価制度の仕組み
ここからは、実際に構築したアプリもお見せしながら、実際の使い方とアプリの内容を解説していきます。
フィードバックシートアプリで目標と評価を管理
従業員は、評価アプリである「フィードバックシート」に、レコードを追加して自分の評価シートを作成します。
このとき、自分の名前を従業員マスタから、役職や等級などの情報を自動参照してくる仕組みとなっているため、手打ちしなくても簡単に評価シートを作ることが可能です。
こちらは、実際のフィードバックシートの画面です。
役職や等級などはマスタから自動転記されますが、評価者は必ずしも固定ではないためその都度入力してもらうようになっています。
あとは従業員が目標と結果を入力し、中間評価と半期評価のタイミングで上司がフィードバックを入力する形で運用を進めます。
プラグインを使って評価シートへの項目入力を効率化
八州製作株式会社さまの評価制度は、等級ごとに目標の指針が決まっています。従業員はその指針に沿って自分自身の目標設定を行う仕組みです。
等級ごとに行動考課が詳細に決まっているほか、技術職と管理職の等級ごとに行動考課の内容は異なります。
目標を立てる際には、これらの項目を見て検討する必要があります。
そのため、従業員マスタに従業員ごとの等級を登録しておき、名前を取得すれば等級も自動で取得され、等級に紐付いてマスタから目標が参照される仕組みを構築しました。
従業員マスタは既存のものを活用し、等級を参照する項目を追加しています。
この仕組みの構築には、条件分岐処理プラグインを利用しました。
条件分岐処理プラグインとは、レコードが条件に該当した時に自動で入力処理をしたりエラーチェックを行ったりと、様々な処理を実行できるプラグインです。
今回は、このプラグインを利用して「従業員マスタから等級を参照し、等級マスタから目標を参照する」という自動処理を設定しました。
kintoneの標準機能には、ほかのアプリに登録されている情報を自動で引っ張ってくるルックアップ機能が存在します。
しかし、アプリAからアプリBに引っ張ってきた項目を使って、さらにアプリCの情報を引っ張るといった二段階の自動参照はできないため、その処理に条件分岐処理プラグインを使いました。
こちらが条件分岐処理プラグインの設定画面です。まず、等級データの参照元とコピー先を設定しています。
続いて、「等級をルックアップする項目」の自動ルックアップ設定を行いました。
これは「この値に一致するレコードを、等級マスタから探す」という検索キーにあたります。
この設定をしておくことで、ルックアップ内サブテーブルコピープラグインが動作して、等級マスタに登録されている目標情報が参照されます。
ルックアップ内サブテーブルコピープラグインとは、kintoneのサブテーブル(テーブル)内のフィールドをルックアップ時にコピーできるようにするプラグインです。
標準機能ではテーブル内のフィールドがルックアップ時にコピーできないため、このプラグインを活用しています。
人事評価制度の評価シートをkintone化したメリット
八州製作株式会社さまは、kintoneだからこそできるデータ構造を活用して、評価シートのkintone化を実現できました。
これにより、エクセルだと発生しやすいファイル管理の煩雑化や最新データの紛失といったトラブルを防ぐことが可能です。
あとは、各個人のシート(レコード)を作成して、実際に目標を立てるところから運用をはじめていく予定となっています。
kintoneで評価の自動集計も目指す
八州製作株式会社さまは、これまで整えてきたkintone環境を使って、評価制度の運用の基盤ともいえる評価シートを構築することに成功しました。
使い慣れているうえ、日々の業務で触るkintoneで目標や評価を管理できれば、従業員のみなさまが目標を意識して業務を遂行できます。
将来的には、kintoneで評価の自動集計もできるようにしたいとのことでした。
コムデックでは、お客さまのニーズに合わせてその場でアプリを構築する「kintone対面開発」を提供しています。
「kintoneを使って評価制度を管理したい」「エクセルで作った評価シートをkintone化したい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。
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