kintoneで部門別採算管理を効率化!|介護福祉業 社会福祉法人 幸知会さまの開発事例
| 業種 | 介護・障害福祉業 |
| 従業員数 | 約170名 |
| 地域 | 栃木県 |
| 目的 | アメーバ経営を成功させるため、エクセルによる採算管理を脱却して、部門別の数値を見える化したい |
| 課題 | ・売上や経費をエクセルで管理しているため、月次の会議資料を作成する際に部門別の集計や按分が必要になり、膨大な工数がかかっている ・エクセルを個人で管理しているため、リアルタイムの数値を共有できない |
| 効果 | ・各事業所で入力したデータを部門別に自動集計できるようになった ・リアルタイムの数値もkintoneで確認できるようになった |
部門別の採算管理は経営判断をするために欠かせない要素ですが、多くの企業がそれらのデータ管理や資料作成をエクセルで行っています。
エクセルの場合、集計に手間がかかるだけでなく、ミスが起きやすいのが難点です。
集計作業が属人化しやすかったり、リアルタイムの数値を把握できなかったりすることもデメリットでしょう。
採算管理の効率化のためにはシステムの導入が有効ですが、既製品のシステムを導入しようとしたものの「自社の集計方法が独特で、対応できる製品がない……」と諦めている方も多いのではないでしょうか。
そんなとき、kintoneとプラグインを活用すれば、自社にぴったりの採算管理システムを構築することが可能です。
本記事では、kintoneで部門別採算管理の効率化に成功した社会福祉法人 幸知会さまの事例を紹介します。
目次
売上管理に予実管理、経費の按分……エクセルでの採算管理は限界に
社会福祉法人 幸知会さまは、栃木県内で21の介護福祉施設を運営する法人さまです。
高齢者向けの介護施設から障害児向けのデイサービスや事業所内保育園まで、幅広いサービスで地域社会を支えていらっしゃいます。
そんな社会福祉法人 幸知会さまでは近年、部門や施設ごとに採算管理をする「アメーバ経営」を採用されています。
介護福祉業というと、売上や利益の追求とは遠いイメージがあるかもしれませんが、適正な利益を出して運営を続けていくことは、利用者さまやスタッフ、地域のためにも大切なことです。
そのため社会福祉法人 幸知会さまでも、データに基づく経営判断を全施設に浸透させようと、さまざまな取り組みを行っています。
これまでは売上や経費の管理にエクセルを使っていたのですが、月次の経営会議の資料を作成するのに、膨大な工数がかかることが課題となっていました。
というのも、会議で使う部門別採算表は、個人が管理するエクセル表をもとに、手作業で固定費や共通費を部門ごとに按分していたからです。
労働時間を元にして営業部門に配賦する作業などもあり、集計ロジックが複雑で、作業が属人化しつつありました。
また、エクセル管理は個人に任せているため、リアルタイムで採算状況を共有できないことも課題です。
これらの課題が重なった結果、毎月の会議資料を作るのに精一杯で、蓄積したデータを次の経営判断に活かしきれていないと感じていらっしゃいました。
そこで社会福祉法人 幸知会さまは、アメーバ経営を成功させるために、部門別採算のエクセル管理や属人的な作業を脱却して、データを入力すればそのまま会議資料として使える仕組みを作り、全施設でデータに基づく経営判断を浸透させたいと考えました。
システムの導入にあたっては、現場スタッフの負担を減らしつつ、移行する際の混乱も避けたいところです。
以上をふまえて、kintone(キントーン)とプラグインを使って部門別採算管理の仕組みを構築することにしました。
kintoneを使った集計・分析に役立つプラグイン
kintoneは標準機能だけでも採算管理を行えますが、拡張機能を使うことでより高度な集計やカスタマイズが可能になります。
ここでは、kintoneを使った集計・分析に役立つプラグインを2つ紹介します。
複数アプリをまたぐデータ集計ができる「krewData」
kintoneで複数アプリをまたぐデータの集計・加工をする場合は、「krewData(クルーデータ)」を使うのがおすすめです。
krewDataを使えば、プログラミングの知識が無い方でも、パーツをパズルのように並べるだけで集計フローを設定できます。
これにより、予実管理や経費管理などのデータを部門別・期間別などさまざまな切り口で自動集計できるようになります。
また、krewDataは集計作業だけでなく、kintoneと外部システムを連携する際のデータ加工や出力にも使えます。
月次や日次など決まったタイミングで実行する「スケジュール実行プラン」と、kintoneアプリを更新したタイミングで随時実行する「リアルタイム実行プラン」が選べるのが特徴です。
krewDataの操作方法や活用例については、こちらの記事でも詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
▼krewDataの使い方完全ガイド!基本操作や活用のコツを徹底解説
部門別のデータを1画面に表示できる「krewDashboard」
ダッシュボードとは、複数のデータを1画面にまとめて表示し、ひと目で把握できるようにしたもののことを言います。
経営者が、月次の推移や部門別の内訳など全体像を把握する際にも役立つ機能です。
kintoneの標準機能でも簡単な表やグラフは作成できますが、複数アプリのデータを同時に1画面に表示することはできません。
そんなときに「krewDashboard(クルーダッシュボード)」を使うと、ノーコードでダッシュボードを構築できます。
kintoneの標準機能には無いグラフ表現や機能が使えて、資料作成の手間も大幅に削減できるのがメリットです。
従来の集計方法を整理してからkintoneで自動集計できる仕組みを構築
ここからは、社会福祉法人 幸知会さまのアプリ構築の流れを解説します。
まずはじめに、既存のエクセルや集計ロジック、集計作業の流れを整理しました。
「経費明細」「採算表」「会議資料」といったエクセル資料があることや、施設ごとの収益構造や、アメーバ経営の採算ロジックもここで確認しておきます。
その情報を元に、kintoneアプリの全体像を設計します。
大まかに言うと「売上明細を入力→経費や按分率を入力→自動集計してダッシュボード化」という仕組みを作ることにしました。

続いて、全体設計を元に、必要なkintoneアプリを構築していきます。
まず、集計の元となる「経費明細アプリ」や「売上明細アプリ」を構築しました。

各事業所で直接kintoneに入力してもらうため、シンプルで入力しやすい設計にしています。

按分が必要なものは、マスタから按分のルールを参照できる形式にしています。
これにより、「どの項目の時にはどの部門にどれだけ按分するか」を自動的に反映できるだけでなく、按分の比率が変わったときも柔軟に変更可能です。

アプリを構築できたら、krewDataで集計フローを設定していきます。
固定費や共通費は、労働時間や部門ごとの定数などに基づいて、自動で按分できるよう設定しました。
また、予算管理アプリには年間予算を取り込んで、予実比較もできるようにしています。

さらに、krewDashboardを使って、集計結果を元にしたダッシュボードや会議用の資料も構築します。

「実績部門集計表アプリ」「重点項目アプリ」「レポートアプリ」は、それぞれそのまま会議資料として使える形にしました。

最後に、テスト運用を行ってから本格運用を開始します。
2か月間は従来のエクセル集計とkintoneを並行で運用し、数字を突合しました。
kintoneでもエクセルと同じ集計結果が得られることを確認したうえで、本格運用を開始しています。
kintoneで採算管理をするメリットとは
社会福祉法人 幸知会さまのkintone開発には、大きく2つのポイントがありました。
1つめは、複雑な集計ロジックを再現することです。
固定費と変動費、労働時間比率、営業部への配賦、端数調整など、部門ごとに按分するうえで考慮しなければならない事項が多くありましたが、これらについてはkintoneの計算結果とエクセルの計算結果を突合して、差異が出た場合は1つずつ原因を探して解消しながら、自動集計を設定していきました。
2つめのポイントは、現場の方たちが無理なくkintoneへ移行できるように配慮することです。
具体的には、kintoneレコードの再利用、絞り込み条件の保存、エクセルのような使用感にするためのプラグインなどを実装しました。
また、導入後の約3ヶ月間は、運用が定着するよう集中的にフォローしました。
こうした工夫の甲斐もあり、社会福祉法人 幸知会さまは各事業所で入力したデータを部門別に自動集計できる仕組みを実現されました。
経営会議資料を作る手間がなくなり、kintoneを見ればリアルタイムで数字を確認できるようになっています。

現場の方々も、大きく混乱することなくkintoneに移行でき、運用が定着しつつあります。
複雑な按分計算をシステム化したことで、業務の属人化も解消できました。
強いてデメリットを挙げるとすれば、kintoneに入力したデータがそのまま集計に反映される仕組みのため、元のデータ入力を確実に実施いただく必要があるという点です。
この点については、実際に運用されるメンバーへの運用ルール周知が不可欠となります。
複雑な集計フローの構築もコムデックにお任せください
部門別採算管理や会議資料の作成は、経営判断の材料になる重要な作業です。
一方で、複雑さゆえに「資料を作って終わり」になりがちで、十分に活用しきれていないケースも見られます。
kintoneとプラグインを使うことで、複雑な集計作業や資料作成を自動化し、内容の分析や施策の立案に注力できるようになることがメリットです。
社会福祉法人 幸知会さまもkintone活用が定着してきて、蓄積したデータを活用するフェーズに移行しつつあります。
今後はAIによる月次要約や分析なども取り入れて、重点項目を軸にしたスピーディーな経営判断を実現していきたいとのことでした。
コムデックでは、お客さまのご要望をお聞きしてその場でkintoneアプリを構築する「対面開発」を行っております。
複雑な集計ロジックのシステム化においても多数の実績がございますので、是非お気軽にお問い合わせください。

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