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AIでベテラン社員の提案営業を再現!独自の「組織知」を形成するAI活用法

目的 ベテラン社員が持つ知識や経験を組織全体で共有できる仕組みを作り、提案営業の品質を底上げしたい
課題 ・既存のお客さまへの追加提案は、ベテラン社員の経験や勘に頼りがち
・お客さまとのやりとりの内容は担当者が個人で管理しており、社内で共有・活用しきれない
効果 ・経験の浅い担当者でも、ベテランと同じ水準の提案ができる
・お客さまごとの状況を踏まえて、漏れなくアップセル・クロスセルの提案ができる

提案営業は、担当者によって得手・不得手の差が大きい業務です。
お客さまとの何気ない会話からニーズをキャッチできる人、お客さまに頼まれて初めて気付く人、そもそも自社の商品やサービスをきちんと把握しきれていない人……というように、さまざまな担当者が混在している組織が大半ではないでしょうか。

個人の能力に差があるのは自然なことですが、組織としてこの状態を放置していると、チャンスを逃し続けてしまう恐れがあります。
そこで有効なのが、AIを活用した「組織知」の形成です。

この記事では、組織知の形成によって提案営業を底上げするAI活用方法について解説します。

提案営業によくある課題

営業活動においては、既存のお客さまに対して現在よりも上位の商品をお勧めする「アップセル」や、別の商品の追加購入をお勧めする「クロスセル」などの提案営業が欠かせません。

一方で、実際の現場では次のような課題がよく見られます。

  • 提案営業はベテラン社員の経験や勘が頼りになっている
  • 「いつ・誰に・何を提案するか」について、ベテランと若手で同じ品質を再現できない
  • 電話やチャット、打ち合わせ等でのやり取りの内容は担当者が個人で管理しており、社内で共有・活用できない
  • 取り扱う商品やサービスが増えた結果、どのお客さまに何を提案すべきか整理しきれなくなっている
  • 担当者の異動・退職のたびに、お客さまとの過去のやりとりやニーズがリセットされてしまう

このように、提案営業のノウハウを個人に頼る状況が続くと、組織として出せる成果には限界があります。
「担当者の異動や退職をきっかけに、お客さまが他社に流れてしまった」というのも、よく耳にするパターンです。

これからの提案営業はAIを使った「組織知」の形成がカギ

上記のような提案営業の課題を解決するためには、「組織知」の形成が有効です。
ここからは、組織知とは何か、どうすれば形成できるのかについて解説します。

こちらの記事では「組織知」を取り上げたDX担当者勉強会のレポートを公開しています。

▼AIを使って成果を再現できる組織になるには?|第33回DX担当者勉強会レポート

組織知とは

組織知とは、個人が持つ知識やノウハウ、暗黙知などを組織全体で共有・蓄積し、組織の資産として活用できる状態にしたもののことを言います。
具体的には、業務の進め方や判断基準、社内ルール、企業文化などが含まれます。

組織知が明文化されていて、誰もがそれを活用できる状態にあれば、ベテランか新人かに関係なく、一定のレベルでパフォーマンスを発揮できるのがメリットです。

とは言え、組織知は往々にして「暗黙知」であることが多く、また「誰もが活用できる」ようにはなっていないことがほとんどでしょう。

そんな時、組織知にAIを掛け合わせれば、AIが組織知を把握していれば、利用するユーザー側は組織知を意識せずとも活用できる状態になります。

これを、コムデックでは「組織知=人的資本 × AI資本」という図式で表せると考えています。
ここで言う「人的資本」とは、一人ひとりの知識、判断力、発想力、人間関係づくり、パターンを見抜く力などを指します。

また「AI資本」とは、会社として構築・蓄積するAI活用の仕組みを指します。
例えば、ワークフロー、独自データ、AIロジック、評価の蓄積などです。

この考え方のポイントは、人的資本とAI資本が「相互に学習し合うループ」を回すことで、他社には無い独自の組織知を形成できるという点です。

組織知

掛け算で表されるということは、どちらかがゼロだと、もう片方の値がどれだけ高くてもゼロになってしまう、ということです。
つまり、「人的資本」と「AI資本」の両方を高めていくことが重要になります。

AIで組織知を形成する方法

AIで組織知を形成する方法は、次の4つのステップで表せます。

  1. AIが学習するためのデータベースを作る(一次情報、一次解釈の蓄積)
  2. AIがデータベースをもとにアウトプットを生成する
  3. 2のアウトプットに対して、人の意見・判断・成果をフィードバックする
  4. AIがフィードバックの内容を学び、次のアウトプットに活かす

ここでポイントになるのが、ステップ1のデータベースの中身です。

一次情報とは、打ち合わせ履歴、契約内容、CRMなどを指します。
これらについては、すでにしっかり管理できている企業さまも多く見られます。

一方で、一次解釈である担当者の所感、成功・失敗の要因、振り返りなどを管理できている企業さまは、まだ少ないのが現状です。
一次情報だけでなく、一次解釈まで蓄積してからステップ2以降を回していくことで、初めてAIが真価を発揮して、他社との差別化ができるようになります。

kintone × AIで提案営業のシステムを構築する方法

組織知の形成は、特定のツールでなければできないというものではありません。
お客さまの情報と担当者の判断理由を蓄積し、組織で共有できる仕組みがあれば、手段は問いません。

ここでは一例として、kintoneとAIで提案営業のシステムを構築する方法を見てみましょう。
提案営業におけるkintone(キントーン)× AIの活用事例については、こちらの記事もご覧ください。

▼kintone × AI で既存顧客への追加提案を自動生成する方法

▼kintoneからパワーポイント出力!?AIが提案書を自動作成!メンテナンス業の提案品質を底上げする方法

▼不動産オーナーへの提案にAI活用!kintone × AIで成約率を上げる方法

今回は、社労士事務所でのアップセルやクロスセルの提案を例に解説します。

はじめに、データを蓄積するためのkintoneアプリを作成します。
管理する情報は、お客さまからのご要望、自社が提供できる商品、コミュニケーション履歴(ミーティング、電話、チャット)などです。

お客さまからの相談記録

お客さまからの相談記録

これまでの提案内容

これまでの提案内容

チャットの履歴

チャットの履歴

ミーティング履歴

ミーティング履歴

続いて、「コムデック 生成AI for kintone」を設定します。
コムデック 生成AI for kintoneは、kintoneとChatGPTを連携するためのサービスです。

このサービスを使うことで、kintoneに蓄積した自社独自のデータを検索・分析したり、新たな施策を提案したりすることが可能になります。

先ほど作成したアプリの情報を横断して分析し、提案内容を生成するようあらかじめ指示を登録しておきます。

指示を登録

その上で、アウトプットを出力させるアプリでボタンを押すと、AIが動いて自動分析を始めます。

AIが動いて自動分析

出力された結果を確認し、より良い内容へと調整させるためのフィードバックを返します。
お客さまの現状や今後の方針を把握している担当者が、AIの生成結果を見て適切かどうかを判断したうえで、修正を依頼する仕組みです。

出力結果

フィードバックによって出力結果が書き換わるので、問題が無ければ「この内容で保存」をクリックします。
このとき、さらなる修正依頼も可能です。

問題なければ「この内容で保存」をクリック

保存をすると、「この修正内容をメモリに登録しますか?」という確認が出てきます。
メモリとは、「次に同じ出力をAIが行うとき、今回のフィードバック内容を踏まえて出力を行うかどうか」の記録です。

「登録」を選択すると、フィードバックを元にした内容がメモリアプリに蓄積されます。

内容がメモリアプリに蓄積

保存されたメモリは、この時点では「候補」の状態になっています。

保存されたメモリ候補

候補は「AI設定アプリ」からも確認が可能です。

「AI設定アプリ」からも確認が可能

管理者がフィードバックを確認し、会社の「組織知」として採用する場合は「メモリアプリ」または「AI設定アプリ」で「承認」を行います。

AI設定アプリで「承認

これにより、次回以降のプロンプトに自動で組み込まれるようになり、これを繰り返すことでフィードバックを学習してより自社らしい提案をAIが出力できるようになります。

プロンプトに自動で組み込まれるように

組織知の形成にAI × kintoneを活用するメリットとは

今回のアプリ構築のポイントは、AIが1回目に出力した結果に対して、単に採用・不採用を登録するのではなく、担当者がなぜそのように判断したのか、理由まで具体的にフィードバックする仕組みにした点です。

フィードバックの内容としては、次のようなものがあります。

  • 採用した理由(お客さまの課題や方針に合っている、過去の相談内容と関連が高い、実施効果が見込める)
  • 見送った理由(繁忙期でタイミングが悪い、すでに対応済み、予算や体制に合わない、優先度が低い)
  • 提案の優先順位と判断基準(緊急度、期待できる効果、お客さまとの関係性、実現のしやすさ)

これにより、担当者はAIのアウトプットを確認して、お客さまの個別の事情も踏まえながら「本当に喜んでいただける提案か」の判断に専念できるのがメリットです。

この方法なら「いつ・誰に・何を提案するか」について、組織で統一した判断基準を共有できます。
経験の浅い担当者でもベテランと同じ水準の提案ができますし、アップセル・クロスセルの提案を、お客さまごとの状況を踏まえて漏れなく行えるようになります。

また、情報収集や整理など準備にかかっていた時間を削減できるため、お客さまと向き合う時間に充てられることもメリットです。
担当者の異動や退職があってもノウハウが組織に残るため、引継ぎもスムーズです。

根拠と事例を添えた提案によって説得力が増すので、成約率や満足度の向上も期待できます。
提案の判断理由が蓄積されれば、組織としての「お客さまとの向き合い方」が言語化されていくので、教育にも活用できます。

kintone × AIで誰でも質の高い提案営業ができる組織を作ろう!

提案営業を強化するためには、個人の知識や経験に頼るだけでなく、それらを組織全体で共有する「組織知」を形成することが有効です。
蓄積したデータをAIで分析し、その結果と判断理由を組織で共有できる仕組みがあれば、効率良く組織知を形成できます。

今回ご紹介したkintoneは、その仕組みを作る手段の一つです。

コムデックでは、kintone × AIの活用をサポートする「コムデック 生成AI for kintone 導入コンサル」というサービスを提供しております。
「組織の営業力を底上げしたい」「AIを活用したいけど何から始めたら良いのか分からない」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。

「コムデック 生成AI for kintone 導入コンサル」サービスページはこちら

この記事を書いた人

前村 拓哉

お客様の悩みに寄り添うエキスパート

お客様の課題や市場の変化を捉え、kintoneをはじめとしたIT活用による業務改善を提案しています。営業現場で寄せられるリアルな相談に加え、製品アップデートや活用事例、業界動向などの最新情報を幅広く収集し、お客様に役立つ形で分かりやすく伝えることを得意としています。 サイボウズ認定資格「Kaizen Management Expert」を取得しており、ツールの導入だけで終わらない、継続的な業務改善の視点も強みです。 登録者約3,500人のYouTubeチャンネル「kintone芸人」でも、実践事例や最新ノウハウを発信しています。

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