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工程管理のカギは「組織知」形成!AIで遅れを早期検知し、改善策を提案する方法

目的 作業が遅れている現場を早期に検知し、適切な対策を講じられるアラートシステムを構築したい
課題 ・進捗管理は現場からの報告に頼っており、管理者や経営者が遅延に気付いた時には手遅れになっている
・工程の遅れが原価や利益にどの程度影響を及ぼすのか、すぐに把握できない
効果 ・作業の遅れや原価悪化の兆候を早期に検知し、手遅れになる前に人員や資材を手配できる
・ベテランの経験や勘を「組織知」として共有することで、経験の浅い担当者でも現場のリスクに気付ける

建設業や製造業の工程管理では、案件ごとの納期や作業計画、人員計画など、さまざまな情報を総合した高度な判断が求められます。
そのため、どうしてもベテラン社員の経験や勘に頼りがちになります。

一方で、個人のスキルに頼った運用では、ミスが起きたり管理できる件数に限界がきたりしてしまうこともあります。
作業の遅延に気付いたときにはすでに手遅れだった……という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

工程管理を適切に行うためには、リスクを早期に察知して、迅速に改善策を講じることが大切ですが、そこで役に立つのがAIを活用した「組織知」の形成です。
この記事では、工程管理におけるkintone × AI活用について解説します。

工程管理によくある課題

企業における工程管理では、次のような課題がよく見られます。

  • 進捗の把握は現場からの報告に頼っており、経営者・管理者が気付いたときには手遅れになっている
  • 工程の遅れはベテランの経験や勘で察知しており、他の人では再現できない
  • 工程の遅れが原価や利益にどの程度影響するのか、すぐに把握できない
  • 進捗の管理方法や報告内容が統一できておらず、現場によってバラバラ
  • 同時に複数の現場・工程を抱えており、どこから手を打つべきか決められない

このように、工程管理を「仕組み化」できていない状態を放置していると、さまざまなリスクがあります。
例えば、基準にばらつきが生じる、対応が遅れる、同じ失敗を繰り返す、担当者が変わるとノウハウがリセットされる、などです。

AIを使った「組織知」の形成で工程管理が変わる

上記のような工程管理の課題を解決するためには、「組織知」の形成が有効です。
ここからは、組織知とは何か、どうすれば形成できるのかについて解説します。

こちらの記事では「組織知」を取り上げたDX担当者勉強会のレポートを公開しています。
▼AIを使って成果を再現できる組織になるには?|第33回DX担当者勉強会レポート

組織知とは

組織知とは、個人が持つ知識やノウハウ、暗黙知などを組織全体で共有・蓄積し、組織の資産として活用できる状態にしたもののことを言います。
具体的には、業務の進め方や判断基準、社内ルール、企業文化などが含まれます。

組織知があれば、ベテランか新人かに関係なく、一定のレベルでパフォーマンスを発揮できるのがメリットです。

さらにコムデックでは、これからの時代の組織知は「組織知=人的資本 × AI資本」で表せると考えています。
ここで言う「人的資本」とは、一人ひとりの知識、判断力、発想力、人間関係づくり、パターンを見抜く力などを指します。

また「AI資本」とは、会社として構築・蓄積するAI活用の仕組みを指します。
例えば、ワークフロー、独自データ、AIロジック、評価の蓄積などです。

さらに、「個人でのAI活用」と「組織でのAI活用」には、次のような違いがあります。

個人でのAI活用 組織でのAI活用
目的 作業の自動化、効率化 学習ループ、独自の「組織知」を形成
活用方法 AIを単発で使い、個人の生産性向上に利用 AIを組織横断で使い、知識・経験・成果をAIに学習させつつ利用
AIの役割 人間の作業を補助、スピードアップ 人とAIが相互に学習する(日々の業務記録や顧客とのやりとり、試行錯誤を人とAIの間で循環させる)
ポイント できていないことをAIにやらせる AIを活用し付加価値を高める

「組織知」を考える際のポイントは、人的資本とAI資本が掛け算で表されるという点です。
これは、どちらかがゼロだと、もう片方の値がどれだけ高くてもゼロになってしまうことを意味します。

したがって、組織知を形成する際は「人的資本」と「AI資本」の両方を高めていくことが重要になります。

AIで組織知を形成する方法

AIで組織知を形成する方法は、次の4つのステップで表せます。

  1. AIが学習するためのデータベースを作る(一次情報、一次解釈の蓄積)
  2. AIがデータベースをもとにアウトプットを生成する
  3. 2のアウトプットに対して、人の意見・判断・成果をフィードバックする
  4. AIがフィードバックの内容を学び、次のアウトプットに活かす

ここでポイントになるのが「データベース作り」です。

一次情報とは、工程計画、日報、人員・資材の手配状況などを指します。
これらについては、すでにしっかり管理できている企業さまも多く見られます。

一方で、一次解釈である担当者の所感、成功・失敗の要因、振り返りなどを管理できている企業さまは、まだ少ないのが現状です。
一次情報だけでなく、一次解釈まで蓄積してからステップ2以降を回していくことで、初めてAIが真価を発揮して、他社との差別化ができるようになります。

kintone × AI で工程管理の仕組みを構築する方法

組織知を形成するためのツールはいろいろあります。
前述の通り、データベースを蓄積し、組織で共有できる機能があれば使えますが、ここでは一例としてkintoneとAIで工程管理の仕組みを構築する方法を紹介します。

工程管理におけるkintone(キントーン) × AIの活用事例については、こちらの記事もご覧ください。

▼AIが進捗遅延を予測!「気づいたら遅れてる」をkintoneで防ぐ方法

▼AIが生産計画の遅延を自動検知・分析!コムデック 生成AI for kintoneで製造現場の対応を変える

1.データを蓄積するためのアプリを作成する

蓄積するデータは、工程計画、進捗実績、日報、作業報告、人員・資材の手配状況、遅延要因(天候・不具合について)などです。
例えば、「生産管理アプリ」では案件ごとに、工程単位の開始・終了の予定日と実績日を記録し、予定どおり進んでいるかを判定します。

データを蓄積するためのアプリを作成

また「製造日報アプリ」には、作業内容と作業時間を記録します。

製造日報アプリ

2.コムデック 生成AI for kintoneで分析し、改善策を生成する

データを蓄積するためのアプリができたら、「コムデック 生成AI for kintone」を設定します。

コムデック 生成AI for kintoneは、kintoneとChatGPTを連携するためのサービスです。
このサービスを使うことで、kintoneに蓄積した自社独自のデータを検索・分析したり、新たな施策を提案したりすることが可能になります。

先ほど作成したアプリの情報を横断して分析し、計画と実績がずれて遅延している案件を抽出したうえで、工程別の遅延傾向と繁忙期に向けた懸念点、取るべき改善アクションを生成するよう設定します。

改善アクションを生成するよう設定

繁忙期情報を入力して「生産遅延リスク早期警告」ボタンをクリックすると、AIが動く仕組みです。

生産遅延リスク早期警告

ボタンを押すとAIが分析を行い、生成結果が表示されます。

左側に使用したプロンプトと参照データ、右側にAIの出力が並ぶので、どの視点で分析したのかとあわせて内容を確認できます。

AIの出力

3.AIの分析結果に対してフィードバックを行う

AIの分析結果が出たら、責任者が確認して「本当に遅延リスクが高い現場はどれか」「有効な施策は何か」を判断します。
判断理由や実際に講じた対策、その結果をAIにフィードバックして、出力の修正を依頼します。

力の修正を依頼

フィードバックすると出力結果が書き換わるので、問題なければ「この内容で保存」をクリックします。

フィードバックすると出力結果が書き換わる

「この修正内容をメモリに登録しますか?」というダイアログが表示されるので、登録したい内容にチェックを入れて「選択した内容を登録」をクリックすると、フィードバックが蓄積される仕組みです。

フィードバックが蓄積される仕組み

4.管理者が承認し、次回以降のAIに反映する

メモリに追加されたフィードバックは、アプリ上で「候補」として蓄積されています。

次回以降のAIに反映

管理者は保存されたフィードバック内容を確認し、会社の「組織知」として採用する場合はメモリアプリまたはAI設定アプリで「承認」をクリックします。

採用する場合はメモリアプリまたはAI設定アプリで承認

承認すると、次回以降のプロンプトに自動で組み込まれる仕組みです。

次回以降のプロンプトに自動で組み込まれる仕組み

このように、「データの蓄積→AIによる分析→人間によるフィードバック→次の分析に反映」を繰り返すことで、自社の現場では遅延する際にどのような兆候があらわれるのかを学習し、アラートの精度と改善案の実効性を高めることが可能になります。

組織知の形成にAI × kintone を活用するメリットとは

建設業や製造業の現場では、じっくりパソコンに向かう時間が取りづらい傾向があります。
そのため、工程管理を強化する際にも現場の負担を増やすことなく、入力やチェックを続けられる仕組みを作ることがポイントです。

同時に、ベテランの判断基準をAIに対して丁寧にフィードバックしていくことも欠かせません。

具体的な視点として、次のようなものが挙げられます。

  • AIが出したアラートのうち、本当に危険だったもの/問題なかったものと、その理由
  • 遅れの本当の原因(人員不足、資材待ち、前工程の遅れ、施主都合、天候など)
  • 実施した挽回策とその効果
  • 「この兆候が出たら要注意」という経験則

こうしてAIを育てていくことで、遅延や原価悪化の兆候を早期に検知して、手遅れになる前に人員や資材を手配できるようになります。
ベテラン社員の危機察知の視点を組織で共有できるので、経験の浅い担当者でも現場のリスクに気付けることがメリットです。

また、このシステムは使うほどにアラートの精度が上がり、形だけではない実用的な仕組みになっていくのが特長です。
遅延の原因と有効な施策が蓄積されることで、そもそも遅延が発生しにくい計画・段取りができるようになります。

管理者や経営層も全現場の状況をリアルタイムで把握できるので、優先順位をつけた支援ができることもメリットです。

kintone × AI で工程管理のノウハウを組織に蓄積しよう!

工程管理を適切に行うためには、リスクをいち早く察知して対処することが重要です。
kintoneで蓄積したデータをAIで分析し、その結果をさらにkintoneを介して共有・活用することで、ベテランのノウハウを「組織知」として蓄積できるようになります。

コムデックでは、kintone × AIの活用をサポートする「コムデック 生成AI for kintone 導入コンサル」というサービスを提供しております。
「工程管理を強化したい」「人が入れ替わってもパフォーマンスを維持できる組織にしたい」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。

「コムデック 生成AI for kintone 導入コンサル」サービスページはこちら

この記事を書いた人

西道 涼

課題を見抜き解決に導くスペシャリスト

コムデックのkintone事業部部長として、中小企業の業務改善とDX/AI推進を支援しています。 会社ごとの悩みや業務上の課題を丁寧にヒアリングし、単にITツールを導入するのではなく、「ITやAIを活用して課題をどう解決し、業務をどう変えていくか」まで見据えた提案を得意としています。 特にkintoneの導入支援や、導入後の活用・定着を支える伴走支援に強みがあり、課題整理から要件設計、構築、運用改善まで一貫してサポート。 お客様の立場に立って最後まで責任を持って向き合う姿勢から、長期にわたり厚い信頼をいただいています。

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