kintoneで協力業者マイページを構築!発注・請求・査定・支払をオンラインで一元化|建設業 株式会社森長工務店さまの開発事例
| 業種 | 建設業 |
| 従業員数 | 43名 |
| 地域 | 大阪府 |
| 目的 | ・協力業者とのやりとりをペーパーレス化したい ・必要な情報をいつでも確認できる仕組みを整えたい |
| 課題 | ・協力業者との契約や請求を紙とエクセルで管理しており、いまどんな状況か把握しづらい ・印紙代や郵送代、帳票を再発行する手間がかかっている |
| 効果 | ・契約書や請求書をペーパーレス化できた ・協力業者とのやりとりが、いまどのような状態なのかを見える化できた |
建設業界では、紙やエクセルを中心に情報を管理している企業さまも多く見られます。
発注業務や請求業務を紙で行っていると、やりとりに時間がかかる、最新の状況が把握できない、再発行の依頼のたびに手間がかかるなど、さまざまなデメリットがあります。
情報を1つのシステムに集約して、集計や請求書発行も自動化したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そんなときにkintoneと連携サービスを使えば、データを一元管理して協力業者ごとのマイページで公開し、請求書や明細書の発行までできるようになります。
本記事では、協力業者とのやりとりのオンライン化に成功した株式会社森長工務店さまの事例を紹介します。
目次
協力業者への発注や契約手続きをオンライン化したい!
株式会社森長工務店さまは、大阪市に本社を構える建設業者さまです。
創業以来80年以上にわたり「誠実」「堅実」の精神を守り、幅広い施工実績を積み上げて来られました。
そんな株式会社森長工務店さまも、情報管理を紙の書類やエクセル中心で運用されている企業さまの1つです。
工事の進捗や査定状況の管理はエクセルで行われていた他、工事が決まると協力業者に紙の書類で発注をかけるので、印紙代もかかっていました。
発注後は工事の進捗等に合わせて毎月月末締めで協力業者から請求書や明細書が紙で届くので、それを総務が日報と突き合わせて内容を確認し、現場の担当者も確認、さらに上長が確認してから社長が査定するという流れです。
査定額を取りまとめた後は、安全協力会費などを差し引いて振込処理を行い、支払金額を書面で通知したり、差し引いた金額の領収書を発行して送付する必要もあります。
紙の書類で管理していると、協力業者とのやりとりが今どのような状態にあるのかも分かりづらく、すぐに確認できないことも課題となっていました。
帳票の再発行依頼が来ることも多く、その度に手間がかかります。
書類がきちんと戻ってきたかどうかのチェックや、保管もしなければなりません。
紙による管理を長年続けてきた株式会社森長工務店さまですが、協力業者の数も200を超え、このまま経理担当者に依存して人力で処理をし続けるのは現実的ではありません。
そこで、協力業者とのやりとりをペーパーレス化して、必要な情報をいつでも確認できる状態にしたいと考えられました。
やりとりをオンライン化すれば、入力や集計を自動化できる他、印紙代や郵送代を削減できます。
郵送不要になれば提出期日まで余裕ができるため、自社だけでなく、協力業者にとっても使いやすい仕組みを作ることが可能です。
以上を踏まえて、kintone(キントーン)と連携サービスを使ってオンライン上でやりとりできる仕組みを構築することにしました。
kintoneと連携サービスでマイページや電子契約の仕組みを構築
ここからは、株式会社森長工務店さまのkintone開発の流れを5つのステップで解説します。
ステップ1.現状のヒアリングと全体像の設計
はじめに、株式会社森長工務店さまの現在の業務フローや課題、やりたいことをヒアリングしました。
今回やりたいことを簡単にまとめると、kintoneアプリでの発注・請求・査定管理です。
まず、発注管理では、kintoneと電子契約サービスのfreeeサインを連携して、注文書を自動送付します。
受け取った協力業者は内容を確認し、請書に署名を行えば発注処理は完了です。
署名後、発注された内容は協力業者のマイページ上で確認することができます。

続いて、請求・査定については、協力業者自らがマイページ上から今回の出来高や請求額を入力し、そのデータを元に査定処理や取りまとめ・支払い処理を行う仕組みです。

ステップ2.kintoneアプリと自動集計フローの構築
全体像が設計できたら、次は必要なkintoneアプリを構築していきます。
「発注管理アプリ」「支払査定アプリ」など、従来の紙の書類をベースにしながらアプリを作成していきました。

発注管理アプリで金額が確定すると、自動的に「支払査定アプリ」に「請求情報を登録すべきデータ」が出来上がります。
協力業者からは後述のマイページにて「登録が必要なデータ」が見えている状態となり、そのデータに必要情報だけを入力すれば良いため、工事名や工事番号を改めて入力する必要がありません。

支払査定アプリ
建設業においては、ひとつの発注に対して複数回の請求が発生します。
そこで、「krewData(クルーデータ)」というプラグインを使って、協力業者が入力した後、「請求完了(請求残高が0)でなければ、次の請求用データを自動作成」しています。
kintoneの標準機能では複雑なデータの集計やデータの自動登録はできませんが、それを可能にするのがkrewDataです。
プログラミングの知識が無い方でも、設定画面でパーツをパズルのように組み合わせるだけで、高度な集計フローが設定できます。
この時、前回の査定金額(支払金額)を集計して「既に支払った金額」も自動更新される仕組みになっているため、金額を間違えるリスクや確認の手間を低減しています。
支払査定アプリが出来たら、前述のkrewDataを使って、協力業者別にその月の支払額を自動集計できるよう構築していきました。

査定金額や控除金額を集約したこのアプリからは、「k-Report(ケーレポート)」で「支払通知書」や「領収書」を発行できます。
発行された書類は、後述の協力業者マイページ上からダウンロードしてもらうことが可能です。
このアプリに集約されたデータを元に、インターネットバンキングに登録する全銀形式データ(FBデータ)も出力可能です。

これにより、発注→請求情報の登録→協力業者別に自動集計→支払いデータの作成 という一連の流れをkintone化できました。
ステップ3.協力業者用のマイページ・請求登録フォーム・電子発注書を構築
kintoneアプリを構築できたら、次は電子契約システム「freeeサイン」で発注書の電子締結の仕組みを作っていきました。
発注管理アプリを元にfreeeサインへと連携することで、kintone上で署名状況がわかります。

発注書を送られた協力業者側は、画面上で必要情報を入力していくことで注文請書の発行まで完了する仕組みです。

完成した発注書は双方にメールで通知される他、freeeサインの画面上やkintoneのアプリ上でいつでも確認できます。
続いて、「kViewer(ケイビューワー)」を使って協力業者用のマイページを構築します。
kViewerは、kintoneアプリで管理する情報について、見せたい情報を・見せたい人だけに公開できる連携サービスです。
例えば、店舗の予約管理ページや会員制サイトのマイページなどを公開するときに役立ちます。
株式会社森長工務店さまがマイページで実装した機能は以下の通りです。
- 発注内容の確認
- 請求情報の入力・請求書発行
- 請求に対する査定状況の確認
- 支払通知書(振込金額と内訳)の発行
- 領収書の発行
実際のマイページがこちらです。
あらかじめ登録されたメールアドレスでログインできるようになっており、自社に関わる情報のみ閲覧可能になっています。

請求情報の入力についてはkViewerとも連携できる「FormBridge(フォームブリッジ)」という連携サービスを利用しています。
FormBridgeを使うと、申し込みフォームやアンケートフォームなどをWEBで公開し、送信された内容を自動でkintoneアプリに保存できるようになります。

請求情報を登録すると、協力業者はマイページ上で自社の適格請求書発行事業者登録番号が表示された請求書を発行・ダウンロードできます。

請求情報登録後は、マイページ上で査定状況を確認できます。

査定が完了していれば、支払通知書・領収書(控除がある場合)をダウンロード可能です。

これで、データの一元管理とマイページ公開、電子契約という一連のシステムが完成しました。
ステップ4.協力業者向けの説明会を実施
新しいシステムでは、協力業者に自分でマイページを操作してもらうことになります。
そのため、協力業者のための専用マニュアルを作成しました。
主な内容は、ログイン方法、発注確認、請求登録、差し戻し対応、査定確認、支払通知書ダウンロードなどについてです。

マニュアルを配布するだけでなくオンライン説明会も実施し、200を超える協力業者さまに参加していただきました。

ステップ5.アプリの調整とデータ移行を実施して運用開始
最後に、協力業者向けの説明会で出た要望もアプリに反映しました。例えば「マイページで請求情報を入力したら、その画面から請求書も発行できるようにしてほしい」といった内容です。
データ移行に際しては、支払査定業務を毎月行っている関係で、どのタイミングで移行させるかが悩みどころでしたが、今回は一部のデータのみ移行することで対応しました。
これに伴い「発注書はあるが入力すべき請求データが存在しない」というケースも発生してしまうため、それ専用のフォームも構築して対応しています。
開発の終盤では多数の修正作業が発生しましたが、1つずつ着実に対応して運用開始にたどり着きました。
kintoneのスペースに、リンク付きの使い方を記載することで、誰でも同じように利用できるようにしています。

kintoneでマイページや電子契約システムを構築するメリットとは
今回、株式会社森長工務店さまでの大規模なアプリ開発がうまくいった要因は、大きく2つあります。
1つめは、kintoneや連携ツールでできることの制約に合わせて、株式会社森長工務店さまが業務フローや帳票フォーマットを柔軟に変えてくださったことです。
例えば、従来は協力業者の見積書と実際の発注額が異なる場合に、合意書を発行されていました。
しかしkintoneを導入するにあたって、合意書が必要な場合と不要な場合があると、総務がチェックして帳票を出し分けるという工数が増えてしまいます。
そこで株式会社森長工務店さまは、合意書の文面を変更して、全てに「合意書」を発行するという運用に変更されました。
もう1つの要因は、各協力業者さまのご理解が得られたことです。
もともと、請求書は株式会社森長工務店さま専用のフォーマットを統一して使ってもらっていたため、電子化もスムーズでした。
オンライン説明会にも、200以上という想定を超える数の企業さまが参加してくださり、運用開始初月から9割以上の協力業者がオンライン上で対応してくれています。
こうした背景もあり、株式会社森長工務店さまは協力業者とのやりとりをペーパーレス化することに成功されました。
契約書や請求書がいまどの状態かも、kintoneで見える化できました。
請求登録を標準化したり、帳票を再発行する手間を削減できたこともメリットです。
強いてデメリットを挙げるとすれば、協力業者への初回ログインの案内や、運用周知が必要になるという点です。
相手によってITリテラシーにも差があるため、配慮しながら丁寧に進めることが大切です。
kintoneで発注管理や契約管理を効率化しよう!
紙やエクセルで発注管理や契約管理をしていると、やりとりに時間と郵送費がかかったり、いまどのような状態なのかが把握しづらかったりすることがあります。
そんなときにkintoneを導入すれば、情報管理はもちろんのこと、契約書や請求書の自動作成までできるようになります。
株式会社森長工務店さまは、運用を開始してまだ間もないため、具体的に削減できた時間は測定できていませんが、慣れればかなりの工数削減になりそうだと手応えを感じていらっしゃいます。
まずはこの仕組みを軌道に乗せつつ、将来的にはお客さま対応でAI活用も進めていきたいとのことでした。
コムデックでは、お客さまのご要望をお聞きしてその場でkintoneアプリを構築する「対面開発」を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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