kintoneとエクセルの違いとは?業務管理における比較と移行が必要なケースを解説
エクセルでの業務管理が定着している企業では、複数人でのデータ共有やバージョン管理に課題を抱えるケースが少なくありません。
「最新版がどれかわからない」「集計作業に時間がかかる」といった声は、多くの現場で聞かれます。
こうした課題を解決する選択肢として、kintoneへの移行を検討する企業が増えています。
しかし、エクセルとkintoneは根本的に異なるツールであり、すべてをkintoneに置き換えたほうがよいかは運用次第です。
本記事では、エクセルとkintoneの違いを整理したうえで、移行すべきケースと残すべきケースを解説します。
自社の業務に合った判断をしたい企業さまは、ぜひご覧ください。
この記事でわかること
- エクセルとkintoneの根本的な違い
- エクセルからkintoneに移行して業務効率が向上した事例
こんな人におすすめの記事です
- エクセルでの業務管理に限界を感じており、kintoneへの移行を検討している方
- エクセルとkintoneの違いを理解したうえで、自社に合った選択をしたい方
目次
kintoneとエクセルの根本的な違い
エクセルとkintone(キントーン)は、どちらもデータを扱うツールですが、設計思想と得意分野が大きく異なります。
エクセルは表計算ソフトとして個人作業や高度な分析に強みがあり、kintoneは業務管理プラットフォームとしてチーム作業に強みがあります。
どちらが優れているかという問題ではなく、業務内容に応じて使い分けることが重要です。
それぞれの特徴を理解することで、自社に合った選択が可能になります。
エクセルは表計算ソフト
エクセルは、Microsoftが開発した表計算ソフトウェアです。
セル単位での自由な操作が可能で、数式やマクロを駆使した柔軟なデータ処理ができる点が特徴です。
300種類以上の関数を搭載しており、複雑な計算やデータ分析に対応できます。
ピボットテーブルやグラフ機能を使えば、多角的なデータ分析も可能です。
VBAやマクロを活用すると、繰り返し作業の自動化も実現できます。
オフライン環境でも作業できるため、ネット接続が不安定な環境でも安心して使えます。
個人での作業や高度な分析が求められる業務では、今でもエクセルが最善の選択肢となるケースが多くあります。
kintoneは業務プラットフォーム
kintoneは、サイボウズが開発したクラウドベースの業務管理プラットフォームです。
複数人でのデータ管理やワークフロー、コミュニケーションに特化しており、チームでの情報共有を前提に設計されています。
ノーコード(ドラッグ&ドロップ)でアプリを作成できるため、プログラミングの知識がなくても自社の業務に合わせたシステムを構築できるのが特徴で、案件管理や顧客管理、日報管理など、さまざまな業務アプリを短期間で構築できる点が強みです。
リアルタイムでの情報共有とステータス管理が可能なため、チーム全体で最新の状況を把握しながら業務を進められます。
クラウドツールであることから、場所を選ばずアクセスできる点も魅力と言えます。
kintoneについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
▼kintone(キントーン)とは?できること・できないこと・使い方を業務別に紹介!
kintoneとエクセルの業務管理における違い
エクセルとkintoneでは、同じ業務であっても進め方が大きく異なります。 それぞれの特性を理解することで、自社に合った選択ができるようになります。
ここでは売上集計業務を例に、データの入力方法、集約方法、情報共有スピードの3つの観点から具体的な違いを解説します。
| 比較項目 | エクセル | kintone |
| データ入力 | セルに直接入力、自由度が高い | フォーム形式で入力、項目が統一される |
| データ集約 | 関数やピボットテーブルで柔軟に集計 | データが自動で一箇所に集まる |
| 情報共有スピード | ファイルを手動で送信 | ログインすれば常に最新情報を確認 |
データの入力方法
エクセルはセルに直接入力する形式であり、一覧画面で自由に編集できる点がメリットですが、ローカルファイルで複数人が同時に編集すると競合が発生します。
あとから保存した人のデータが上書きされてしまうため、誰かが編集している間は他のメンバーが待たなければなりません。
kintoneはフォーム形式で入力する仕組みであり、項目ごとに入力欄が用意されています。
エクセルで例えると、エクセルの1行1行が独立したデータ(レコード)になっている状態のため、複数人が同時にそれぞれの行に相当するデータを編集してもリアルタイムで反映されます。
※同一レコードを複数人が同時に編集する場合は競合が発生します。
データの集計方法
エクセルは関数やピボットテーブルを使って柔軟に集計できます。
慣れた操作で多角的な分析が可能ですが、ファイルが分散していると集約に手間がかかります。
各部署が作成したファイルを手作業で統合する必要があるため、時間と工数がかかるでしょう。
kintoneはデータが自動で一箇所に集まるため、集計やレポート作成の手間が減ります。
また、あらかじめ集計の設定をしておけば、集計対象のデータが登録された瞬間にグラフ等に反映されるため、改めて集計を行う手間がありません。
ただし、標準機能だとエクセルのような複雑な関数は使えないため、高度な分析にはプラグインが必要になります。
情報の共有スピード
エクセルはオフラインでも作業でき、インターネット環境がなくても使える点が強みです。
しかし、ファイルを共有するには手動で送信する必要があり、最新版の管理が煩雑になりやすいというデメリットがあります。
「最終版」「最新」といったファイル名が乱立し、どれが本当に最新なのか分からなくなるケースも珍しくありません。
kintoneはログインすれば常に最新情報が表示され、全員が同じ情報を確認できます。
変更があればリアルタイムで反映されるため、わざわざファイルを送り直す手間がありません。
ただし、インターネット接続が必須であり、オフライン環境では使えない点には注意が必要です。
kintoneで解決できるエクセルの課題
エクセルは表計算ツールとして優れていますが、幅広い業務を管理するうえでは課題が多くあります。
ここでは、エクセルで発生しがちな3つの課題と、kintoneでそれをどう解決できるかを解説します。
ファイルが散らばって最新版がわからない
エクセルはファイル単位で管理するため、複数人が編集すると「最終版」「最新」「確定版」といったファイルが乱立しがちです。
メールで送られてきたファイルと、共有フォルダのファイルが異なるといったトラブルも起こりやすく、どれが最新版か分からなくなり、古いデータで作業してしまうリスクがあります。
一方、kintoneはクラウド上に常に最新版が保存されるため、バージョン管理の手間がありません。
変更履歴も自動で記録されるため、誰がいつ何を変更したかを確認できます。
その結果、「このデータは最新なのか」と疑う必要がなくなり、安心して業務を進めることが可能です。
フォーマットがバラバラで集計に時間がかかる
エクセルは自由度が高いため、部署や担当者ごとに異なるフォーマットを使いがちです。
フォーマットが統一されていないと、集計時にデータを整形する手間が発生します。
列の順番が違ったり、日付の表記が異なったりすると、手作業で修正しなければなりません。
kintoneは入力フォームを統一できるため、全員が同じ形式でデータを入力します。
その結果、データの整形作業が不要になり、集計やレポート作成がスムーズになるでしょう。
必須項目を設定すれば、入力漏れも防ぐことが可能です。
リアルタイムで状況を把握できない
エクセルはファイルを開かないと状況が分からず、最新のファイルは各担当者が持っている場合にはそれぞれの担当者に確認する手間がかかります。
「あの案件はどうなっているか」を知るために、わざわざ担当者に連絡するといった非効率が生まれやすいでしょう。
また、最新のファイルを手に入れたとしても、複数のファイルを開いて情報を確認する必要があり、全体の進捗を把握しにくいという課題があります。
kintoneは一覧画面で常に最新状況を確認でき、フィルタ機能で見たいデータをすぐに絞り込めます。
ステータス管理機能を使えば、案件の進行状況を一目で把握可能です。
リアルタイムで共有されるため、朝礼や会議のための資料作成・進捗確認の手間が大幅に削減されます。
エクセルのまま運用したほうがよいケース
エクセルとkintoneは用途が異なるため、業務内容によっては、エクセルのまま運用したほうが効率的なケースも多くあります。
エクセルのまま運用したほうがよいケースは以下のとおりです。
- 個人で完結する作業で、上長等への状況共有などが必要ない業務
- オフライン環境での作業
業務内容に応じて、エクセルとkintoneを使い分けることが重要です。
エクセルからkintoneへ移行したほうがよいケース
エクセルでの業務管理に課題を感じている場合、kintoneへの移行がおすすめです。
特に複数人でのデータ共有やリアルタイムでの状況把握が求められる業務では、kintoneが大きな効果を発揮します。
kintoneへ移行したほうがよいケースは以下のとおりです。
- 複数人でデータを共有している
- 部署や拠点ごとにフォーマットが異なる
- リアルタイムで状況を把握したい
なお、すべてをkintoneへ移行したほうがよい場合もあれば、そうではない場合もあります。
業務に応じて使い分けたり、kintoneとエクセルを連携させたりすることで、それぞれの良さを活かしながら業務を効率化できます。
以下の記事ではエクセルからkintoneへ移行するメリットについて詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
▼【脱エクセル】kintoneへ移行するメリットやおすすめの連携サービスについて解説!
エクセルからkintoneに移行し、業務効率が向上した事例
ここでは、エクセルからkintoneに移行して業務効率が向上した2つの事例を紹介します。
脱エクセルで売上集計の負担を削減
社会保険労務士法人きんかさまでは、売上集計をエクセルで行っており、手作業での集計に多くの時間がかかっていました。
最新ファイルが共有されず更新漏れが起こったり、集計作業が属人化したりと、業務負担が大きくなっていたのです。
kintoneに売上データを集約してkrewData(クルーデータ)で集計を自動化した結果、従来行っていたエクセルでの集計作業を削減できました。
担当者の月次集計や確認作業にかかる工数が大幅に削減されただけでなく、バラバラに管理していた売上データがkintone上に一元化され、最新情報の確認やデータの検索が容易になったのです。
さらに、krewDataを活用した集計作業の自動化により、特定の担当者でなくても売上集計を遂行できる状態を実現し、業務の属人化も解消できています。
▼売上管理をkintoneに一元化!エクセルからの脱却で売上集計作業の負担を大幅に削減|社会保険労務士法人きんかさまのアプリ開発事例
エクセルライクを維持して自動集計を実現
株式会社一蔵が運営するきもの着方教室いち瑠さまでは、全国の着付け教室から寄せられるデータを集計していましたが、各教室のデータ入力を手作業で行っており時間と手間がかかっていました。
また、教室から寄せられる報告データの正確性にバラつきがあり、本部での集約時にデータの信頼性が低下することも課題でした。
そこで、kintoneのプラグインを活用してデータの自動集計を実現。
krewSheet(クルーシート)を使ってエクセルライクなレイアウトにすることで、エクセルの使いやすさを維持したまま、加工や資料の作成ができるようになりました。
集計結果をエクセルへエクスポートすることで、従来の業務フローを大きく変えずに効率化を実現しています。
▼kintoneのプラグインを活用して自動集計を実現!エクセルライクなレイアウトで使いやすさも維持|株式会社一蔵が運営するきもの着方教室いち瑠さまのアプリ開発事例
kintoneとエクセルで迷ったらプロに相談しよう
エクセルとkintoneは用途が異なります。
高度な計算や分析が必要な業務はエクセルを活用し、チームでの情報共有が必要な業務はkintoneを活用する使い分けが効果的です。
ただし、プラグインを活用すれば、kintoneでもエクセルのような高度な集計や見やすい表・グラフを作成することは可能なので、実態に応じて一元化を検討しましょう。
どの業務をkintoneに移行すべきか判断に迷う場合は、kintoneのプロに相談することをおすすめします。
コムデックでは、お客さまの課題に合わせて最適なkintoneアプリをご提案・構築する「kintone導入支援」というサービスを提供しています。
「エクセルからkintoneへの移行を検討したい」「自社に合った使い分けや連携方法を知りたい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。









