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kintoneで製造業の工程管理アプリを作る!対面開発で脱紙・脱エクセル!

社員全員で連携して作業を行っていく製造現場では、作業工程や納期の管理がより重要になります。

今回は、そんな作業工程・納期管理を紙やエクセルで行っていた製造業の会社さまが、「仕事を進めるうえで重要な作業工程表のデジタル化」から見える化に乗り出したkintone初回対面開発の様子をご紹介します!

作業工程は従業員全員に紙で配布、アナログ管理で起こるデメリットとは?

有限会社上村工作所さまは、三重県伊勢市二見町にあるモーター電子機器の巻線加工を行っていらっしゃる製造業の企業さまです。

熟練の職人さんがひとつひとつ手作業で加工を行い、多種少量の注文にも柔軟に対応されていらっしゃる有限会社上村工作所さまで取り扱う製品数は100余り。
一つ一つの製品に、複数の工程と異なった製造図面があります。

注文が入ったら、まずはエクセルに納期と製品名・ロット番号と台数を記録し、その製品に対応した図面番号を手作業で入力。
この時、誤った図面番号を記入してしまうと、納品するべき製品とは全く異なる図面の製造が進行してしまうこともある、と話すのは有限会社上村工作所さまの社長さまです。

「よく似た製品名や図面番号でも、中身は全く違うので…実際に製造工程に進んでから『あれ?』と気が付くこともありますね」

この工程表が仕事の基準となっているだけに、この時点でミスがあるとタイムロスが発生してしまいます。

工程表ができたら、各作業工程のリーダーが納期から逆算して作業日を決定。
そうやって作成された作業工程表が次の画像です。作成した工程表は、印刷して全社員に配布します。
納期や工程・台数等に変更があった時には、もう一度印刷して再配布しなければなりません。

有限会社上村工作所さまではこの作業工程表が仕事を進めていく上で中心となる情報のため、それらが紙・エクセルであることによって手戻りが発生するリスクや、情報共有の手間が発生している状態でした。

さらに、製作の実績を確認するために各作業工程の担当者の方のメモを社長さまが集計しエクセルに転記していらっしゃったため、製作の進捗状況を把握にも時間がかかります。

アナログから脱却したい…そのためには「仕事の中心」からkintone化!

kintone(キントーン)の活用を自社のどこからはじめるかはその会社さまそれぞれです。

例えば、これまでご紹介してきたkintoneの初回構築では「全社員に最短スピードでkintoneを使えるようになってもらいたい」という思いから社内の申請書類からアプリ化をはじめた会社さまもあれば、「特定の部門の作業進捗把握ができていないので、そこから見える化したい」と案件管理から着手された会社さまもいらっしゃいます。

▼kintone対面開発初回打合せ大公開!全社員がkintoneを活用するための極意編
▼kintone対面開発初回打合せ大公開!30分でヒアリング~アプリ構築編

有限会社上村工作所さまのkintone導入の目的は、紙を中心としたアナログな仕事の管理を脱却し、仕事の進捗状況を効率的にリアルタイムで把握できるようにすること。

Zoom+大型モニター+ご自身のPCを活用して対面開発を行っている様子

将来的には工程表を大きなモニターに表示して、従業員の方にも仕事の状況をタブレットで入力してもらいたいというご要望を実現するために、まずはエクセルの工程表をデジタル化、つまりエクセルからkintoneへの置き換えから着手することにしました。

慣れたこれまでの仕事の進め方を変えるには大きなパワーが必要ですが、有限会社上村工作所さまの場合には工程表の作成に関わるのは社長と各工程のリーダーのみ。

最初は関わる人を制限し、実際に作業を行う従業員の方への影響を最小限に抑えて負担がかからないようにできるのです。

エクセルを元にまずは置き換え。でも入力の手間やリスクはぐっと少なく!

現状の仕事の進め方をヒアリングする中で、「各製品に応じて図面があり、間違えた図面名を記入してしまうとそのまま間違えた状態で製作が進んでしまう」とお伺いしました。

そこで、まずは3分かからず「製品に対応した各工程の図面」を管理するためのアプリを作成。

その場で実際の製品名と図面名をご登録いただきながら、「途中で図面が変更になり、顧客の注文内容に応じて旧図面で作ることもある」ということで特記事項を入力する項目を作成。

kintoneの履歴機能で、「いつどの図面に変わったのか、過去の図面名は何だったのか」が見えるようになります。

製品と図面の情報を登録いただいたら、今度は作業工程をkintone化していきます。
まずはエクセルの内容をそのまま項目として配置しますが、ここで先ほど登録いただいた製品ごとの図面情報をkintoneのルックアップという機能で活用!

「機種選択」の項目の横にある「取得」ボタンを押すと、先ほど登録いただいた製品名が呼び出され、該当するものを選択すれば自動で図面名が入力される仕組みです。

これまでであれば製品ごとの図面を記載した一覧から、製品に応じて図面名を転記していましたが、だからこそ別の図面名を記載してしまったり…といったリスクが生まれていました。
ですがkintone化することで自動で入力されるようになるので、手間もリスクもありません

▼kintoneルックアップ機能をフル活用!文字結合プラグイン・アプリ間レコード更新プラグインの使い方

その場で作業工程もいくつか登録いただき、これまでのエクセルを置き換えられるよう見た目も調整していきます。

有限会社上村工作所さまの作業工程管理アプリで調整した部分

  • その製品の作業が完了したか完了していないか、作業の状況も簡単に把握できるようにステータス項目を追加
  • 未完了の作業工程のみ一覧に表示
  • いつ作業工程の内容が変更されたのかわかるように、更新日順で並ぶ一覧を作成
  • これまでの工程表と同じように、納期順に表示する一覧も別途作成

出来上がった工程表はこんな感じ。

見た目こそ少し異なりますが、記載されている情報はほぼエクセルの工程表と変わりありません。

工程表を大きなモニターに表示できるようになるまでは、いったんこちらの一覧をエクセルで出力いただき印刷して従業員の方に共有いただくことになりました。

「仕事の中心」の次は各工程の作業スケジュールを見える化

作業工程アプリにより、有限会社上村工作所さまの仕事を進める上で中心となる情報がkintone化されました。

続いて、各工程の具体的な作業日・作業台数等をkintone上で見える化していきます。

先ほどは「製品名」でルックアップ機能を活用して図面の情報を参照しましたが、今度は「作業工程アプリ」に登録したロット番号からルックアップを行い、納期や台数といった情報を自動入力します。

実際にその製品の作業を行う日と、その日に作業を行う台数を入力いただいたら、kintoneプラグインのカレンダーPlusを使ってカレンダー上に予定を表示させます。

これで、「この日は何の作業を行うのか」「どれくらいのペースで進めるのか」「特定の日に作業が集中してしまっていないか」を一目で把握することができます。

カレンダー上でドラッグ&ドロップで予定を動かすこともできるので、調整も簡単に行えます。

今回は、カレンダーPlusのリソース別機能を活用し、「日ごとの作業内容」だけではなく「ロットごとの作業状況」も一目でわかる状態を作りました。

カレンダーに表示する内容も、この画面を見ただけで状況が把握できるようにロット名や機種名、製造台数や納期を入れる等、自動計算を活用して工夫をしています。

初回構築で作業工程の見える化まで!リアルタイムな進捗把握を目指して…

有限会社上村工作所さまのkintone初回構築では、「仕事の中心をまずアナログからkintoneに置き換え、入力・共有の手間やリスクを無くす」ことに注力し、納期や製品情報の他、作業に必要な情報の取得を自動化、さらに工程の見える化を行いました。

この日kintoneに始めて触れられた有限会社上村工作所の社長様は
「紙やエクセルでやっていたことをPCに変えてくことはもっと大変で時間がかかると思っていましたが、kintoneであれば自分たちが使いやすいように項目を調整できるので、入力面等でこれまでとほとんど変わりなく運用できることがわかりました。これでまずは社内の紙を減らしていける体制にもっていければと思います」
と話されていらっしゃいました。

kintoneとDropbox(ドロップボックス)を連携させて、社内の全ての情報をオンラインで確認できるようにしたいとのことです!

今後は各工程のリーダーの方にも打合せに参加いただいて他の工程の見える化も進めていく他、従業員の方に現場でiPadをご利用いただき、予定だけではなく実績も管理していけるようにさらにアプリを改良していく予定です!

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この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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