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シフト管理はkintoneで!脱紙・エクセルを実現した勤務シフト表|飲食業 株式会社勢乃國屋さまのアプリ開発事例

kintoneでシフト管理を実現する方法とは

シフト制の職場の皆さんは、従業員さんの勤務シフトはどのように管理されていますか?
担当者が勤務表(当番表)をエクセルで作成し、印刷して掲示あるいは一人ひとりに配布…という企業さまも多いのではないでしょうか?

今回は、そんなアナログなシフト管理の課題をkintone活用によって解決した事例をご紹介します!

シフト表はエクセルで作成・印刷して掲示……「その場でないとわからない」

株式会社勢乃國屋さまの創業は明治時代。伊勢神宮内宮に繋がる宇治橋正面に店舗を構え、お餅や最中を製造、伊勢神宮へお参りする方々に販売されています。
お土産物の販売だけでなく、伊勢ならではの地場の食材を使ったお食事も提供している飲食業の企業さまです。

株式会社勢乃國屋さまの店舗では、これまで多くの飲食業の企業さまがそうであるようにシフト管理を紙とエクセルでおこなっていました。
担当者がエクセルで勤務シフト表を作成して紙に印刷・掲示するという形式で、従業員の方が各自メモをしたり写真を撮ったり、各々の方法で自分のシフトを記録していく姿はどの飲食業の企業様でもよく見る風景ではないでしょうか?

コムデック 勢乃國屋 kintoneシフト管理

株式会社勢乃國屋さまで作成されていた勤務表

しかし、このエクセルと紙によるシフト管理の場合、以下のような管理上の課題を抱えています。

  • 会社へ行かないとシフトがわからない
  • 自分がメモ・撮影したシフト表から変更になっている可能性がある
  • 最新のシフトは会社に行かなければ確認できない
  • 変更があれば都度、手書きで直したり印刷しなおしたりする
  • 休暇の日数集計は紙の勤務表を見て数えており、作業に時間がかかる
  • 出勤時しかシフト希望を担当者に伝えられない
  • 急な変更を関係者に共有しきれず、トラブルになる

シフト表を脱エクセルすることでこれらの課題を解決したいと考えられていた株式会社勢乃國屋さまは、以前から活用してきたkintoneをシフト管理にも利用できるのではないかと思いつきました。

エクセル→kintoneへシフト管理を切り替えたい!カレンダーPlusでシフト表作成

株式会社勢乃國屋さまでは、数年前からkintone(キントーン)を活用した業務改善を推進しています。
代表的な商品であるよもぎのお餅「神代餅」を製造するための在庫管理を紙からkintoneへ移行し、日々の製造記録もkintone上で確認できるようになりました。

工場へkintone在庫管理システムを導入して目視や紙を卒業できた事例はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
▼在庫管理をkintone化!業務効率化の鍵は徹底的な「見える化」にあった|製造・小売・飲食業 株式会社勢乃國屋さまのアプリ開発事例

kintoneを活用すればシフト管理も脱紙・脱エクセルできるはず!ということで、従業員が自宅にいても最新のシフト表を確認でき、いつでもシフト希望を出せるような仕組みの検討が始まりました。

シフトを作成する担当者の業務負担軽減(コストダウン)も重要とのことで、まずは見やすいシフト表を作るべくコムデックラボではおなじみのカレンダーPlusを導入。
カレンダーPlusはその名の通り、kintoneにカレンダー機能を追加するプラグインです。
ドラッグ&ドロップで直感的な操作ができ、スケジュールを共有することができます。

カレンダーPlusについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼ 無料で使える!kintoneカレンダーPlusプラグインの使い方 

元々シフト管理に使っていたエクセルシートをベースとして、株式会社勢乃國屋さまの社長自らが作成されたkintoneアプリがこちら!

コムデック 勢乃國屋 kintoneシフト管理

kintoneはプログラミングなどの知識がない方も業務に合うシステムを感覚的に作成できることが特徴です。
これまでに業務に沿ったアプリ作成を進めてきた株式会社勢乃國屋さまは、すでにご自身でアプリ開発ができる程に腕を上げていらっしゃいました。

カレンダーPlusの機能を活かしてアップデート!さらに”使える”シフト管理アプリに!

これまで使っていたエクセルをもとにして、作成されたkintoneのシフト管理アプリ。
これでも十分、「何日に誰が勤務するのか」はわかりますが、「部門別のシフト表」や「従業員別のシフト表」を確認するためには都度kintoneで絞り込みを行う必要がありました。
「部門ごとやスタッフごとのシフトを見やすくしたい」「入力ミスや漏れをできるだけ防ぎたい」ということで、カレンダーPlusの活用していない機能や別のプラグインも入れながらシフト管理アプリをアップデート。

以下のような形で、より使い勝手のよりシフト管理アプリを構築していきました。

  • 「リソース別スケジュール管理機能」を使って、絞り込み設定をしなくても勤務部門別、スタッフ別でのシフト表示が可能に
  • 勤務部門にごとの表示色を設定して、より見やすく
  • 「再利用レコード初期化プラグイン」を利用し、次の月のシフトを作成する際の入力ミスを防ぐ仕組みづくり
  • 確定の予定を変更する際に、必須入力項目のチェックが自動でおこなえる「条件分岐処理プラグイン」の追加

kintoneの標準機能を十分に活かしてシフト作成や管理に関する業務をスリム化する一方で、それによって起こりやすいミスやエラーを防ぐためのプラグインも積極的に採用していきました。

そのようにして出来上がったシフト表がこちら!拠点が縦軸、日付が横軸になり、どの店舗にいつ誰が何時からのシフトで入るのかが明確になっています。

コムデック 勢乃國屋 kintoneシフト管理

kViewerでさらに見やすく&オンラインでシフト希望提出

こうして、ご要望に沿ったシフト管理アプリができあがった株式会社勢乃國屋さまですが、「シフト表の共有」「シフト希望の提出」には一つの問題がありました。

kintoneには「ログインユーザーのレコードだけ絞り込む」機能があるため、一人ひとりにkintoneアカウントを付与している企業・店舗の場合は、「自分のシフトだけ」を表示するカレンダーを作ることは難しくありません。
絞り込みの条件を都度設定しなくても、「ログインユーザーのシフトだけを表示するシフト表」を一つ作成しておけば、あとは各自のログインアカウントに合わせて表示される内容が自動で変わるためです。

しかし、株式会社勢乃國屋さまではkintoneアカウントを複数人で共有しているため、kintoneの標準機能のみで「自分のシフトだけをチェック」するには少し手間がかかる状態でした。
加えて、シフト希望を出すときもまず自分の名前を入力するところから始めてもらう必要があります。

各従業員さんからのシフト希望提出はなるべく入力項目を少なくし、誰でも使えるものにしたいという考えがあった株式会社勢乃國屋さま。
そこで、kViewerとフォームブリッジというkintoneの外部拡張サービスを活用し、「シフト表の共有」と「シフト希望の提出」どちらの課題も解決できる方法を取ることにしました。

kViewerは、kintoneのアカウントを持っていない人でもkintoneに保存されている情報を閲覧できるツールです。
kintoneのアカウントを持っている側がどの人にどの情報をどのような形式で表示するかを選択・設定し、kViewerからそれらを表示する専用ページ(ビュー)を公開することができる、という仕組みになっています。

公開される情報はkintoneが更新されると連動して更新されるため、最新の情報が閲覧可能です。
専用ページ(ビュー)には閲覧制限をかけられ、メールアドレスやソーシャルログインによる認証設定やID/パスワード形式のログイン設定もでき、さまざまな使いかたができるツールとなっています。

フォームブリッジは、WEBフォームとkintoneを紐づけられる外部連携サービスです。
アンケートや問い合わせフォーム、そしてその回答を保存したいkintoneアプリを用意すれば、外部から回答がある度に指定したkintoneアプリへデータが自動で登録、保存されていきます。

株式会社勢乃國屋さまでは、団体予約の受付をオンラインで行うためにkViewerとフォームブリッジを導入済みだったため、これらのツールを社外だけではなく社内向けに活用する方法を選択。
従業員さん一人ひとりにkViewerの認証情報(アカウント)を設定し、各自のシフトが見られるページ全員のシフトが確認できるページの2種類を作成し、従業員がそれぞれ自分に必要な情報を閲覧できるようにしました。

コムデック 勢乃國屋 kintoneシフト管理

シフト希望の提出については、シフト希望が出せるフォームをフォームブリッジで作成し、シフト表からのリンクでフォーム入力画面に遷移できるよう設定しました。
最初に簡易認証を設定しているため、氏名は自動で入力されます。
あとは希望の日時や休み等を入力するだけで提出完了の、誰でも使えるシンプルなフォームになっています。

コムデック 勢乃國屋 kintoneシフト管理

もちろんスマホからの入力にも対応しているため、出社しなくても提出可能です。
提出された内容はkintoneに自動的に保存されるため、翌月のシフトを作るタイミングでkintoneをチェックすると従業員のシフト希望をまとめて確認できるという状態になっています。

これまで手書きや口頭で集めていたシフト希望がより確実かつ見やすくなり、スムーズにシフト作成が進められるようになったのです。

kintoneでシフト表を作成するメリットとは

株式会社勢乃國屋さまでは、kintoneでシフト管理を行うことによって以下のようなメリットが得られています。

  • 社内PCや各スタッフのスマホからシフト確認が可能になった(印刷や掲示が不要に)
  • 修正が即時反映され、常に最新のシフトを自宅にいながらでも確認できる
  • 全員が同じ情報を共有できるため、コミュニケーションが円滑化
  • 従業員が出勤してなくてもシフト希望を提出でき、希望が自動集約されるため、シフト作成業務が効率化

運用をはじめてから、カレンダーPlusの「終日」の仕様とkViewerの仕様の違いによって表示がぶれてしまうという問題がありましたが、終日勤務の場合でも時間を入力いただくことで解決できました。
kintoneなら登録された情報を元に自動的に集計・グラフ化できるため、その月の休暇日数なども都度数える必要がなくなり、確認も容易にできるようにもなったとのことです。

シフト管理業務をkintoneで効率化

紙のシフト表を脱し、飲食店店舗のシフト管理にkintoneアプリを利用しはじめた株式会社勢乃國屋さま。
シフトを作る担当者の業務効率化はもちろんのこと、シフト表を閲覧・利用する従業員にもたくさんのメリットがありました。

もし御社が今シフト管理を紙やエクセルで行っているのであれば、kintone活用を検討してみるのはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

佐田 薫士

『kintoneスペシャリスト』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主にkintoneのカスタマイズを得意とし、サイボウズ認定資格である「kintone Associate」「kintone Customization Specialist」「kintone AppDesignSpecialist」「System Design Expert」を取得しています。 kintoneは他ツール(RPAや販売管理システム等)との連携も得意としていますので、皆様の業務の手助けになりそうな事例を見つけ、是非ご相談ください! youtube「kintone芸人」で検索!

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