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ゲストスペース・じぶんページ・kViewerでkintoneのデータを外部公開!各機能の違い・メリット・費用は?

じぶんページ・kViewer徹底比較 kintone外部連携サービス

例えば発注書や商品の在庫状況、委託された業務の進捗状況、現時点でのスケジュール等、協力業者やお客様、つまり社外の人に情報を共有する機会は多くあります。
それをFAXやメール、電話等で共有するのではなく、直接kintone上の情報を相手に見てもらうことができたら業務効率が上がると思いませんか?

今回は、そんな外部ユーザーへの情報共有を可能にするツール「じぶんページ」「kViewer」それぞれの特徴と、どんな時に向いているのかを事例と共にご紹介します!

この記事でわかること

  • kintoneのデータを外部ユーザーに公開する方法
  • じぶんページとkViewer、ゲストユーザーの違い
  • ゲストユーザー、じぶんページ、kViewerそれぞれに向いている使い方
  • じぶんページとkViewerの導入事例

こんな人に向いている記事です

  • kintoneのデータを外部公開したい人
  • 自社に合っているのはゲストユーザーなのかじぶんページなのか、それともkViewerなのか迷っている人

kintoneのデータを外部公開したい!kintone標準の「ゲストユーザー」とは?

kintone(キントーン)にはもともと外部ユーザーに情報を公開するための「ゲストユーザー」という機能(アカウント)があります。
ゲストユーザーは「ゲストスペース」内であればデータの閲覧はもちろん、アプリにレコードを追加することもでき、さらにスレッド(チャット)機能でコミュニケーションをとることもできます。

「ゲストスペース」は通常のスペースを作るときと同じように、「ゲストスペースを作成」から作成していきます。
なお、ゲストスペースではないスペースを後からゲストスペースに変更することはできません

コムデック 外部共有

ゲストユーザーの料金は、kintoneスタンダードコースを利用している場合には1ユーザー当たり1,200円、ライトコースなら580円と、通常のライセンスよりは安価となっています。
コースは自社の環境に依存しますので、ゲストユーザーのみライトコース、といったことはできません。

ゲストユーザーのアカウント一つ一つに料金が発生しますが、もしゲストに招待したいユーザー自身もkintoneを使っている場合には、ゲストユーザーのアカウントとkintoneアカウントを共通化できるためゲストユーザーの利用料はかからなくなります。

コムデック 外部共有

ゲストユーザーは「ゲストスペース」として作成されたスペースの中の情報しか閲覧することができないため、ゲストスペース外のアプリを見てもらいたいときには使えません。
kintoneでは社内だけで使う通常のスペースであればアプリのスペース間移動が可能ですが、ゲストスペースへの移動はできないため既にあるアプリの情報をゲストユーザーに公開するのは難しくなります。

また、ゲストユーザーアカウントを複数作成し、例えばA社用、B社用、とすることは可能ですが、各アカウントで見える情報を変えたい場合にはそれぞれのアカウントに対して細かく設定を行うか、ゲストスペース自体を別にする必要があります。

加えて、ゲストスペースに作成したアプリは社内の別のアプリを参照(ルックアップや関連レコード一覧)することができません
例えばゲストスペース内のアプリで別のアプリを参照しようと思ったら、同じゲストスペース内に参照元のアプリが作られている必要があるのです。

これらの特性を踏まえて、ゲストスペースに向いている外部情報共有の形は以下の通りです。

  • 公開すべき情報が限定的で、ゲストスペースにアプリを独立させられる
  • ゲストに直接レコードを登録してほしい、レコードを編集してほしい
  • どちらかというとコミュニケーションメイン
  • 共有したい先が10ユーザー以下

とは言え、外部に情報共有したいケースが全てこの条件に当てはまるわけがありません。
そんな時、kintone内の情報をスペース問わず外部に公開できるのが、「じぶんページ」や「kViewer」といった外部連携サービスです。

スペースの制限なしでkintone内の情報を外部共有!

「じぶんページ」「kViewer」は、kintoneに入力されたデータを外部に公開できるという点はゲストユーザーと同じです。

しかし、ゲストユーザーは「ゲストスペース」内のアプリしか閲覧・編集等ができなかったのに対して、これらの外部連携サービスではスペース関係なく外部に公開することができます

どのアプリを公開するのか、そのアプリの中でどの情報(フィールド)を公開するのか、指定した情報をどう言った条件で公開するのか(例:顧客番号がユーザーIDと一致するデータだけを公開)等柔軟に条件を設定でき、外部ユーザーごとに設定されたIDとパスワードでログインしてもらうことで「そのユーザーに必要な情報だけ」表示されたマイページを自動でつくることができるのです。

各サービスそれぞれ特徴がありますので、事例と共にご紹介していきます!

「じぶんページ」とは?設定や見た目がシンプルでわかりやすい

じぶんページはその名の通り、外部の方の「自分専用のページ」ができる外部連携サービスです。

利用料金はひと月あたり11,000円で、50ユーザーまで同料金内で使うことができます。
50ユーザーを超えた場合も110円/月なので、ゲストユーザーよりも安価に運用可能となっています。

利用ユーザー側は、PCのブラウザでログインできるのはもちろんこと、専用のアプリでスマートフォンからログインすることも可能です。

複数のアプリをマイページに表示でき、マイページのトップからそれぞれのアプリの一覧に入っていく形です。
ユーザーごとに表示するアプリを指定でき、条件設定等も簡単に行えるのが特徴となっています。
ユーザー側の画面もシンプルで使いやすくなっていますが、一方で画面内の見え方は変更できないため、例えば「この情報だけは詳細に入らなくてもトップで見えるようにしたい」といったことはできなくなります。

じぶんページ最大の特徴は、じぶんページユーザーも、権限を設定すればレコードの編集・新規登録・削除ができること。
レコードに対してコメントもでき、kintone側では通常のコメントとして確認・返信ができるので、じぶんページを介して外部の方とのコミュニケーションをとることができます。

コムデック 外部共有

これらの特性を踏まえて、じぶんページに向いている外部情報共有の形は以下の通りです。

  • 複数のアプリから、そのユーザーに関係のある情報だけを表示したい
  • ユーザーに直接レコードを登録してほしい、レコードを編集してほしい
  • レコードのデータに対してコメントしてほしい
  • 共有したい先が数十ユーザー
  • 利用者があまりIT慣れしていないのでシンプルな見た目がいい

じぶんページの導入事例 介護業・人材派遣業で活用!海外連携も

じぶんページは見た目がシンプルでITに慣れ親しんでいない方でも使いやすく、なおかつコメントもできることから、入居者様の情報をご家族に共有したい介護業で特に活用されています。

▼kintone×じぶんページ=一元管理で信頼構築がスムーズに!

こちらの介護事業所さまでは、これまでは電話でご家族の方に連絡を取ることが多く、お互いに不在で何度も折り返しが必要になってしまい、結果的に伝えたい情報をなかなかお伝えできないことがあったといいます。

じぶんページを導入してからは入居者さまの施設での様子をほぼリアルタイムでお伝えできるようになり、「入居している本人がどんな様子で、どんな気持ちで生活しているのかすごくわかるようになった」とご家族の方の安心につながりました。

コムデック 外部共有


▼kintone×じぶんページでご家族さまにスムーズな情報共有と大きな安心感を!

コロナ禍でなかなか面会ができない中、少しでもご家族の方に安心をお届けしたいという想いでじぶんページを導入。
もともとkintoneに集約されている入居者様の情報から、「ご家族さまにとって必要な情報」「知ることで安心につながる情報」に限定し、見やすいページになるよう整えました。


▼海外連携にも活用できるkintone!「じぶんページ」導入で協力会社と取引先のスムーズな情報共有を実現

外国人技能実習生受入サポート業の企業様では、なんと海外との情報連携にじぶんページを活用しています。
外国人技能実習生の日本語学習状況等をkintoneに集約し、さらにそれを配属予定先の企業様に公開することで、派遣元団体と配属先企業さまの双方が安心して送り出し・受け入れができるように努めていらっしゃいます。

コムデック 外部共有

「kViewer」とは?ダッシュボードビューで複数の情報を一画面に集約

kViewer(ケービューワー)は「マイページ」だけに限らず、kintone内の情報を外部公開できるサービスです。
必ずログインが必要なゲストユーザーやじぶんページとは異なり、「マイページ」ではない、広く外部に共有するためのページも作成することができます。
もちろん、簡易認証と言う形でIDとパスワードを設定すれば1000ユーザーまで同じ料金内でマイページを作ることができるため、顧客数が多く、なおかつ表示したい情報が多岐にわたる場合にはこちらがおすすめになります。

リスト形式、グラフ形式、カレンダー形式、カード形式、セグメント形式、ダッシュボード形式、マイページ形式、高度なグラフ形式の8つの見え方を用途に合わせて選択することができるのが最大の特徴で、使える機能に応じて4つのコースが用意されています。

共有したい情報の形に合わせてコースをお選びいただければ問題ありませんが、コムデックのお勧めは「ダッシュボードビュー」が利用できるプロフェッショナルコースです。
アプリごとに公開する情報の種類を選択したり、条件を指定したりするところはじぶんページと変わりありませんが、kViewerのダッシュボードビューでは複数のアプリの情報を一つの画面に集約して見せることが可能となります。

コムデック 外部共有

トップの見た目をカスタマイズできることと、登録できるユーザー数が多いのが魅力のkViewerですが、コメント機能やレコードの編集・追加機能等はありません。

これらの特性を踏まえて、kViewerに向いている外部情報共有の形は以下の通りです。

  • ユーザー登録等は関係なく、kintone内の情報を外部に共有したい
  • 複数のアプリから、そのユーザーに関係のある情報だけを表示したい
  • 情報は閲覧できるだけでいい
  • グラフやカレンダーも共有したい
  • 共有したい先がかなり多い

kViewerの導入事例 士業・建築申請代行業で活用!

kViewerは各社の目的に合わせてカスタマイズしているケースが多くなっています。
今回ご紹介する以外にも、予約情報を登録したアプリをもとにカレンダーのページをkViewer上に作成し、その内容を自社HPに埋め込むことで予約カレンダーとしている企業さまもいらっしゃます。

▼kViewerで情報共有!「ダッシュボードビュー」で顧問先の労務管理プラットフォーム構築

こちらの社労士法人さまでは、kViewerを活用して「顧問先様の社会保険手続きプラットフォーム」を構築。
フォームブリッジという別サービスと連携することでさらに利便性を高めています。

マイページにログインすれば自社の 手続の状況を確認できる他、これまでであれば問い合わせなければわからなかった内容についていつでも最新情報を確認できるようになりました。

コムデック 外部共有


▼kintoneとkViewerの連携で社内にも取引先にも嬉しい情報共有!

案件の進捗状況を取引先に共有するため、毎週kintone内の情報を取りまとめてエクセルを更新していたという建築申請代行業の企業さま。

kViewerを使うことでkintone内の情報がそのまま反映されるようになり、エクセルを作成する手間がゼロになりました。
取引先にとっても、「報告を待たなくても、ログインすれば最新の案件状況を確認できる」ことは大きなメリットとなっています。

コムデック 外部共有

ゲストユーザー・じぶんページ・kViewerの特徴・向いている使い方

ここまでご紹介したゲストユーザー、じぶんページ、kViewerの特徴を簡単にまとめました!

ゲストユーザー じぶんページ kViewer
特徴 自社で「ゲストアカウント」を契約する 「マイページ」のためのアカウントを作り、ユーザーを招待する 公開ページに「簡易認証」をつけることでマイページのように扱うことができる
情報公開範囲 ゲストスペースに限る
その他条件はユーザーごとに設定
ユーザーごとに設定可能
スペースによるアプリの制限なし
アプリごとに設定可能
スペースによるアプリの制限なし
公開対象 ログインID・パスワードを知っているユーザー ログインID・パスワードを知っているユーザー 不特定多数に公開可能
または
ログインID・パスワードを知っているユーザー
権限 閲覧・編集・追加・削除が可能
スレッドにおけるコミュニケーションが可能
※制限も可能
閲覧・編集・追加・削除が可能
コメントが可能
※制限も可能
閲覧のみ
ユーザー数 1ユーザーずつ追加可能 50ユーザー
※51ユーザーから追加料金
最大1,000の認証設定が可能
料金
※いずれも月額
スタンダードコース
1,200円
ライトコース
580円
※別環境のkintoneユーザーであれば共有化で無料となる
11,000円
※ユーザー数超過の追加料金は110円
ライト
6,000円
スタンダード
9,000円
プレミアム
15,000円
プロフェッショナル
24,000円
無料環境 1か月のお試し期間あり あり
※2ユーザーまで
1か月のお試し期間あり
その他 kintoneのアプリは使えない 専用アプリあり HPに埋め込み可能

ゲストユーザーは、少数のユーザーに対して独立したアプリの情報を共有したい場合や、kintone上で活発にコミュニケーションを取りたい場合に向いています。

操作画面がシンプルなじぶんページは、専用アプリもあるためITに不慣れな人にも使いやすく双方向のやり取りも可能です。

kViewerは閲覧のみですが、個別に情報を公開することも不特定多数に公開することもでき、複数アプリの情報を一画面にまとめて表示することができます。

このように、「kintone内の情報を外部に共有する」だけでも複数のサービスがあり、それぞれ全く違う特徴を持っています。
自社の行いたい情報共有はどのサービスが適しているのか、お試し期間や無料環境等もご利用いただきながら検討してみてください!

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この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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