kintoneで在庫管理アプリを自作したけどうまくいかない……プロに相談してリアルタイムで在庫を把握できる環境を実現!|製造業 株式会社今井機業場さまの事例

在庫管理は、kintoneが得意とする業務の1つです。
kintoneなら在庫データを一元管理でき、リアルタイムで情報共有できます。
しかし、そのような在庫管理を自社で構築しようとした企業さまからは、よく「アプリを自作してみた結果、アプリ間の連携や集計をどうすれば良いのか分からなくて諦めた」というお悩みを伺います。
集計や連携を断念した結果、kintoneがただ現在の在庫数を入力するツールで終わってしまっているという企業さまも多いのではないでしょうか。
kintoneの本当の価値は、適切なカスタマイズによって集計を自動化したり、リアルタイムで在庫を把握したりできる点にあります。
そこで今回は、在庫管理の自動集計を実現した株式会社今井機業場さまの事例を紹介します。
kintoneで集計や分析を効率化したいとお考えの方は、ぜひご覧ください。
目次
紙の台帳を使った在庫管理は限界……kintoneで最新の在庫状況を把握したい!
株式会社今井機業場さまは、富山県南砺市に2つの工場を構え、経編ニット生地の開発・製造を手掛ける企業さまです。
国内有数の織物の街で、高い商品開発力と技術力を強みとして、年間300点以上の商品を開発・製造されています。
株式会社今井機業場さまでは、ニットの原材料となる原糸の在庫管理を紙の台帳で行っていました。
しかし、この方法では原材料の残数の確認に時間がかかってしまい、リアルタイムでの管理ができません。
加えて、計算ミスや記入漏れなどのヒューマンエラーが発生することも課題となっていました。
そこでまず、今井社長が自らkintone(キントーン)の導入を試み、アプリを構築されました。
ところが、実際にやってみるとアプリの設計や集計用のプラグイン「krewData(クルーデータ)」の設定で躓き、うまく構築できなかったそうです。
原材料の在庫管理をkintone化したい、原材料の残数も自動集計できるようにしたい、と考えた今井社長からご相談をいただいたコムデックでは、在庫管理の現状や実現したいことを詳しくお聞きしたうえで、対面開発という形で一緒にアプリを構築することになりました。
kintoneデータの自動集計ができる「krewData」
さまざまな機能を備えるkintoneですが、標準機能では複数アプリにまたがるデータの集計ができません。
そこで役に立つのが、「krewData」というプラグインです。
krewDataを使えば、複数アプリにまたがるデータを自動で集計・加工できます。
プログラミングの知識が無くても、パズル感覚で集計フローを設定できるのが特徴です。
また、krewDataは集計したいタイミングによって、2つのプランが選べることもポイントです。
日次や月次など、決まったタイミングで実行したい場合は「スケジュール実行プラン」、アプリの操作にあわせてその都度実行したい場合は「リアルタイム実行プラン」が使えます。
このような特徴を踏まえて、krewDataは在庫管理や予実管理、工数管理、外部システムとの連携など、あらゆる場面で重宝されているプラグインです。
在庫管理の業務フローを整理して、kintoneアプリを構築
ここからは、実際に株式会社今井機業場さまで構築したアプリについて解説していきます。
はじめに、構築前のステップとして現時点での在庫管理の業務フローを整理しました。フローを整理することで、どのようなアプリが必要になるかがわかります。
今回は、この業務フローを踏まえて、「入庫管理」「出庫管理」「在庫台帳」などのアプリが必要となることがわかったため、まずは「入庫管理アプリ」から構築をスタートしました。
入庫管理アプリでは、発注日、原糸名、入庫数量、出庫数量、残量などを確認できる他、過去の入庫履歴や、入庫伝票のPDFも表示できるようにしました。
さらに、登録したデータは「krewSheet(クルーシート)」というプラグインを使って一覧表示させます。
krewSheetは、kintoneデータをエクセル感覚で表示・編集できるプラグインです。
集計結果を一覧表示するSheetモードと、集計しながらデータを入力でき、ピボットテーブルも表示できるXrossモードがあります。
実際に、入庫管理アプリのデータを一覧で表示したものがこちらです。
各アプリが用意できたら、krewDataで集計フローを構築していきました。
株式会社今井機業場さまの場合には、日々の入出庫をリアルタイムで把握したいので入出庫のアプリに登録されたらそのタイミングで在庫を自動集計できるように「リアルタイム実行プラン」を使います。
原糸の種類ごとに「在庫数=現在の数量+入庫数-出庫数」で算出するように設定し、集計結果の表示にも先ほどのkrewSheetを活用してできた在庫管理がこちらです。
入出庫のアプリに情報が登録されたら、リアルタイムで在庫台帳のアプリに反映されます。
また、在庫数については下限値をあらかじめ決めておき、その値を下回る場合は色を変えて表示できるよう設定しています。
これにより、発注すべき原材料がひと目で把握できるため、在庫切れを防げるようになりました。
今回のアプリ開発のポイントは、はじめにお試し版のアプリを作成して実際に使っていただき、細かい部分の調整を行ってから本番環境として導入したことです。
これにより、新しいシステムで現場が混乱したり、大きな不具合を起こして業務に支障が出たりするのを防ぐことができました。
kintoneで在庫管理をするメリットとは
株式会社今井機業場さまは、在庫管理をkintone化したことで、パソコンやスマホがあればリアルタイムでどこでも情報を確認できる環境を実現されました。
自動集計なので、残数を計算する手間もかからず、計算ミスや記入漏れなど、ヒューマンエラーが防げることもメリットです。
これまでは、「日ごと」の入出庫履歴しか見られませんでしたが、今回のアプリ開発によって「原材料ごと」のデータも確認できるようになりました。
【応用編】kintoneのカスタマイズで、さらに高度な在庫管理も実現できる
ここからは応用編として、kintoneのカスタマイズでできる、さらに高度な在庫管理を3つ紹介します。
1つめは、krewDataで「半製品」や「出荷予定日」のデータまで集計するというカスタマイズです。
これにより、現在の在庫数だけでなく、今後の在庫予測まで自動で立てられるようになります。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
▼kintoneで2週間先まで在庫管理!変動を予測し生産計画の精度を向上させよう|製造業 株式会社小島製作所さまのアプリ開発事例
2つめは、JavaScriptを使った開発で、在庫のロット番号まで管理するというカスタマイズです。
この方法は、食品や薬品のように賞味期限や使用期限がある物の管理に役立ちます。
詳しい開発方法については、こちらの動画でも解説しています。
3つめは、連携サービス「プリントクリエイター」を使って、バーコードやQRコードで在庫管理をするというカスタマイズです。
スキャンするだけで商品を識別できるようになるため、間違いが起きにくく、棚卸もラクになります。
こちらの記事では、実際に導入された製造業者さまの事例を紹介しています。
▼kintoneで在庫管理!棚卸作業を劇的効率化!|製造業 株式会社小島製作所さまのアプリ開発事例
kintoneで在庫管理を効率化しよう!
株式会社今井機業場さまは、当初は自分たちでkintoneを構築しようとしてうまくいきませんでしたが、コムデックにご相談いただいたことで、理想の環境を実現されました。
kintoneはノーコードで開発できるのが魅力のツールですが、拡張機能や連携ツールも多いため、しっかりと使いこなすためには、それなりに専門知識が必要です。
コムデックでは、お客様のお悩みをお聞きしてその場でkintoneアプリを構築する対面開発を行っております。
「アプリを自作してみたけれど、思うようにできなかった」というご相談も大歓迎です。
kintoneを熟知するスタッフが最適な方法をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。
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