公的手続きで交付される文書の処理方法をkintoneで共有|社会保険労務士法人 エフピオさまの開発事例

社会保険労務士は企業の公的手続きを代行するため、結果の通知書や会社控えなどさまざまな公文書が送られてきます。
こうした公文書については、「メールで送ってほしい」「原本を会社に送ってほしい」「従業員本人に直接送ってほしい」というように、顧問先企業と手続きの種類によって対応が異なります。
顧問先企業が増えると管理も複雑になるため、それらの管理・対応が属人的になってしまっているという社労士さまも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、戻ってきた公文書の処理をkintoneで管理して対応を効率化した社会保険労務士法人エフピオさまの事例を紹介します。
社労士業務におけるkintone活用については、こちらの動画でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
目次
戻ってきた通知書や会社控えの処理方法を誰でもすぐ分かるようにしたい!
社会保険労務士法人エフピオさまは、千葉県千葉市と東京都中央区にオフィスを構え、従業員規模が約50名の大きな社労士事務所です。
社保手続きや給与計算だけでなく、コンサルや研修など幅広いサービスを提供されています。
社会保険労務士法人エフピオさまは、DX化にも積極的に取り組んでいる法人さまです。
以前から社保手続きに電子申請を活用したり、手続き結果の確認にRPA(パソコン上の業務を自動化するロボット)を活用したりしてきました。
kintone(キントーン)もすでに導入されており、コムデックが提供する「社労士 業務改善パッケージ」をご利用いただいています。
「社労士 業務改善パッケージ」は、その名の通り社労士業務に必要なkintoneアプリがセットになっていて、一からアプリ開発をしなくても使えるパッケージです。
「顧問先管理アプリ」「契約管理アプリ」「手続管理アプリ」「助成金管理アプリ」「請求管理アプリ」などが含まれています。
そんな社会保険労務士法人エフピオさまで課題となっていたのが、手続き後に戻ってきた公文書の処理、通称「戻り処理」でした。
戻ってきた公文書は、顧問先企業や手続き内容によって「健康保険の通知書はメールのみで良い」「雇用保険の通知書は専用クラウドにアップロードしてほしい」というように、処理方法が異なります。
エクセルの管理表はあるものの、定義が曖昧で分かりにくく、実態として文書管理は担当者にしかできない仕事になっていました。
そこで、戻ってきた公文書の処理方法を事務所内で共有し、誰でも対応できるようにしたいと考えた社会保険労務士法人エフピオさま。
パッケージを活用しているkintoneを使って、実現を目指すことにしました。
kintoneアプリを連携して、戻ってきた公文書の処理方法を自動表示させる
今回は、社労士 業務改善パッケージにもとからある機能に少し手を加えて、戻り処理を確認できる仕組みを構築しようと考えました。
さっそく、戻ってきた公文書の処理方法をkintoneで管理できるように「戻り処理管理アプリ」を作成しました。
戻り処理管理アプリでは顧客名と手続きの区分(社会保険、雇用保険、等戻り処理が発生する手続きの種別)、処理方法を管理しています。
これにより「A社の健康保険取得のとき→企業宛に郵送する」というように、処理方法が分かる仕組みです。
今回はそれに加えて、社労士 業務改善パッケージに最初から入っている「手続きマスタアプリ」を活用する仕組みを構築しました。
「手続きマスタアプリ」は、やるべきタスクのテンプレートを管理するためのアプリです。
例えば「健康保険・厚生年金保険資格取得届」という手続きに必要なタスクを手続きマスタアプリにあらかじめ登録しておくと、実際に手続きを行う際にこれらのタスクが参照される仕組みです。
まずはこの手続きマスタの中に、「雇用保険の戻り処理」や「社会保険の戻り処理」を追加し、そのタスクができたときに「戻り処理管理アプリ」の情報を関連レコードで表示させようと考えました。
これなら、「顧客名」と「手続きの種類」が一致したときに、『その顧問先のその手続きに関する戻り処理方法』を自動表示できるため、誰でも処理できる設計です。

タスク実施時に表示される戻り処理の内容
細かすぎる情報が落とし穴に……シンプルな設計にして再検討
ここまで手続きマスタアプリと戻り処理管理アプリを使って、顧問先毎・手続毎の戻り処理を表示させる仕組みを構築しましたが、結果はうまくいきませんでした。
その原因は、2つめの「戻り処理管理アプリ」の情報が細かすぎて、そもそもの情報登録があまりにも大変という点にありました。
というのも、社労士事務所で扱う手続きの種類は、入社・退社・住所変更・産休育休・労災……など、膨大な数になります。
この顧問先企業の数 × 手続きの種類分の処理方法を「戻り処理管理アプリ」に登録することは不可能でした。
それならばと、最も手続きする頻度が高い「社保取得・社保喪失・雇保取得・雇保喪失」の4パターンだけに絞ることも考えましたが、それでも相当な数になってしまいます。
そこで、社会保険労務士法人エフピオさまは、思い切って考え方を変えることにしました。
「戻り処理管理アプリ」では、顧問先企業の数 × 手続きの種類という最も細かいレベルで管理するのをやめて、あえて顧問先企業ごとという大きなくくりで管理することにしたのです。
例えば「A社は(手続きの種類に関係なく)企業宛に郵送」といった具合です。 手続により特別な処理が必要な場合には、備考欄に記載をしておくこととしました。
これにより、無理なく情報を整備でき、「手続きマスタアプリ」にもきちんと反映できるようになりました。
社労士 業務改善パッケージを導入するメリットとは
「社労士 業務改善パッケージ」は、一からアプリを構築しなくても、マスタとなるデータを取り込めばすぐに使い始められるのが特長ですが、ノーコードで修正ができるkintoneなので、今回のように独自の業務フローや課題がある場合でも、それらに応じたカスタマイズができるのがメリットです。
実際に社会保険労務士法人エフピオさまでは、手続き後に戻ってきた公文書の処理方法を管理できるようになりました。
欲を言えば「顧問先企業 × 手続きの種類」で管理して、全ての処理方法を網羅できるのが理想ですが、細かくし過ぎると今度は運用の手間がかかってしまいます。
新規顧客が増えるたびに、発生するかどうかも分からない手続きの書類の戻し方を全てヒアリングして登録する、というのは現実的ではありません。
また、管理を細かくし過ぎると、後からアプリを改修する際の自由度が下がってしまうことも懸念されます。
管理する情報は多ければ良いという訳ではなく、運用面とのバランスを見ながら決めることが大切です。
kintone活用なら「社労士 業務改善パッケージ」がおすすめ!
社会保険労務士法人エフピオさまは、kintoneの「社労士 業務改善パッケージ」をカスタマイズすることで、顧問先企業のニーズには応えつつ、事務所内の誰でも対応できる仕組みを実現されました。
今後、新たな課題やニーズが生じたとしても、kintoneを柔軟にカスタマイズすることで、変化に対応し続けられることでしょう。
コムデックでは、社労士事務所の業務効率化に特化した「社労士 業務改善パッケージ」をご提供しています。
みなさんの職場に、次のようなお悩みはありませんか?
- 顧問先企業によって契約内容や対応方法が異なるため、担当者にしか処理できない
- 全体のタスク量や進捗状況が分からず、抜け漏れが発生する
- 顧問料と実際にかかっている工数を比較する術がなく、採算が取れているのか分からない
- 顧問先企業からの問い合わせ対応に追われ、業務がなかなか進まない
「社労士 業務改善パッケージ」なら、これらのお悩みを解決できます。
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