「タスクの進捗を一か所で管理したい」kintoneで理想のタスク管理ツールを実現!社労士 業務改善パッケージのカスタマイズ事例

社労士では多岐にわたる手続きが同時に進行するため、タスク管理が重要となります。
顧問先企業とのやりとりは担当者が個別に行うため、進捗状況がブラックボックス化しやすいという課題もあり、それらのタスクを一元管理したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そんな時、kintoneを使えばタスクの状況を一か所でまとめて確認・管理することが可能です。
今回は、社労士の業務を一元化できる「社労士 業務改善パッケージ」をカスタマイズして、理想のタスク管理ツールを実現する方法を紹介します。
社労士 業務改善パッケージについては、こちらの動画でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
目次
社労士業務を丸ごと管理できる「社労士 業務改善パッケージ」
はじめに、kintone(キントーン)の「社労士 業務改善パッケージ」とは何かを簡単にご紹介します。
社労士 業務改善パッケージは、社労士業務に必要なkintoneアプリがセットになったパッケージです。
顧問先管理、契約管理、給与計算や算定基礎届、年度更新と言った決まった頻度で発生する定期タスクの進捗管理、さらに入社や退社といった顧問先都合で不定期に発生する手続の進捗管理アプリなどが含まれます。
kintoneはノーコードで開発できるのが魅力のツールですが、業務に必要な全てのアプリを一から構築するとなるとなかなか大変です。
実際に一部の企業さまからは「せっかくkintoneを導入したものの使いこなせていない」「プラグインがあり過ぎて、どれを使えば良いのか分からない」といった声も聞かれます。
そんな時社労士業務改善パッケージで導入すれば、構築の手間無くすぐに使い始められるだけでなく、自分たちの業務に合わせてカスタマイズしていくことも可能です。
社労士業務改善パッケージでは、顧問先情報を登録しておけばタスクが自動作成される仕組みになっています。
例えば「A社は7月に賞与支給や算定基礎届の手続きがある」と登録すれば、自動的に7月の「賞与支払届管理簿」や「算定基礎届管理簿」にA社のタスクが追加されます。
アラート機能もあるため、手続き期日の抜け漏れ防止の通知も可能です。
他にも、スケジュール管理や日報管理、請求管理などあらゆる業務をkintoneに集約できる、便利なパッケージとなっています。
共通していただくパッケージの課題…タスク管理を1ヶ所にまとめたい!
社労士 業務改善パッケージは、多くの社労士事務所さまにご利用いただいているサービスです。
自社独自のカスタマイズを行うことで、パッケージをより使いやすく、自社の業務をやりやすくアップデートを重ねています。
そんな中、比較的少人数で運営されている社労士事務所さまから共通していただく要望の一つが、「タスクをひとつのアプリで確認したい」というご要望です。
社労士パッケージでは、給与や賞与と言った定期的な手続きのタスクはそれぞれの管理簿にタスクが作成され、入退社等の不定期なタスクは「手続きの対象者」は各アプリ、実際のタスクは「不定期手続き管理簿」に自動でタスクが作成される仕組みとなっています。
これは、毎月、年1等決まった頻度で発生するタスクは特定のアプリで管理したほうがタスクが混ざりにくく管理しやすい(従来の「特定のタスク進捗を管理するエクセル」をkintone化した形)という理由と、「一人の対象者に関わるタスクでも、複数人で分担して進めることがある」場合に対応できるようにという意図があります。
全てkintoneの中で管理できる仕組みにはなっているのですが、少数精鋭で事業を行っておられる社労士事務所さまの場合、一人の担当者が一気通貫して手続きを行うことも珍しくないため、「各アプリに入って確認するのが手間」「一か所で全員のタスク量と進捗を把握できるようにしたい」というご要望がよく挙がってくるのです。
一応、社労士業務改善パッケージの中に進捗状況をグラフで一覧表示する機能はあるのですが、こちらも業務別になっています。
「全てのタスクを1ヶ所にまとめて、直近のタスクがどれだけあるのかをすぐに把握したい」「事務所全体のタスク量を把握することで特定の人に仕事が偏るのを防ぎ、適切に割り振れるようにしたい」というご要望に応えるため、コムデックでは社労士 業務改善パッケージをさらにカスタマイズする方法を検討しました。
試行錯誤しながら、1ヶ所でタスクを確認できる仕組みを構築
ここからは、実際のカスタマイズの流れを詳しく紹介します。
まずは、各業務アプリに自動作成される最新のタスクをkrewData(クルーデータ)で集約し、新たに作った「タスク管理アプリ」にまとめようと考えました。
krewDataは、kintoneの複数アプリにまたがるデータを集計・加工するためのプラグインです。
定期的にデータを集計する「スケジュール実行プラン」と、アプリ操作に応じて集計する「リアルタイム実行プラン」が選べます。

各管理簿のデータを一か所に集約するkrewDataフロー
しかし、この方法ではあくまでタスクを登録・更新するのは各管理簿となり、「タスク管理アプリ」は閲覧専用になってしまいます。
タスクを更新したいときは、元となる業務アプリをわざわざ開く必要があったのです。
そこで、同じくkrewDataを使って「タスク管理アプリで更新→元となる業務アプリにも自動で反映」という設定できるのではないかと考えました。
社労士 業務改善パッケージにもkrewDataは実装されているのですが、「スケジュール実行プラン」のため、1日1回しかアプリ間のデータ連携ができません。タスク管理アプリは1日に何度も更新されるため、決まったタイミングでしか状況を反映できない「スケジュール実行プラン」は不向きですし、かと言って「リアルタイム実行プラン」にするとコストが上がってしまいます。
これらを踏まえて、krewDataを使ってデータを反映するという案は却下となりました。

社労士業務改善パッケージのもともとのkrewDataフロー
次の案として、別のプラグインを使ってリアルタイムに「タスク管理アプリで更新→元となる業務アプリにも自動で反映」を実現することも検討しましたが、タスク管理アプリは多くの業務アプリと紐づいているため、それら全てに設定していくとなるとコストがかかります。また、新しく管理簿が増えたときのメンテナンス性も鑑み、こちらの案も却下となりました。
最終的にたどり着いたのが、各業務アプリに作成されたタスクを拾い集めるのではなく、そもそもタスクが作成される場所を1つのアプリに集約するという方法です。
これなら、各業務アプリとタスク管理アプリの両方を更新するという問題が起きず、タスク管理アプリで直接編集できます。
このように、さまざまな試行錯誤を経て、タスク管理を1ヶ所にまとめる仕組みが実現しました。
「社労士 業務改善パッケージ」をさらにカスタマイズした効果とは
今回のカスタマイズ例では、社労士 業務改善パッケージの標準機能では各アプリにばらけているタスクを集約し、1つのアプリで全て確認できるようになりました。
担当者はひとつのタスク管理アプリの「ログインユーザーのタスク一覧」を見れば、自分のタスクを横断的に把握することが可能です。
管理者も、担当者ごとのタスクやチーム全体のタスクを見られるようになり、マネジメントしやすくなりました。
さらに、自動作成されるタスク以外にも、必要に応じて個別のタスクを自分で登録できることもメリットと言えます。
デメリットとしては、全てのタスクが1ヶ所に反映されるため、アプリの中身が煩雑になるという点が挙げられます。
もともと、社労士 業務改善パッケージの機能では、アプリの項目が業務ごとに最適化されています。
例えば、給与計算管理簿のタスクなら「勤怠締日、支払日……」といったように、その業務を実施するのに必要十分な項目を備えているのです。
ところが、今回のカスタマイズではタスク管理アプリに全業務を集約したため、全ての業務アプリの項目を盛り込むと膨大な量になってしまいます。
条件を指定して、「このタスクの時にはこの項目は非表示」といった設定も可能ですが、手間がかかり過ぎるため現実的ではありません。
今回は、各業務の進捗管理に共通して必要な最低限の項目に絞ることで対応しましたが、実際に運用するときには項目の精査が必要になるでしょう。
社労士事務所でのkintone伴走支援なら、コムデックにお任せください!
社労士事務所でkintoneを導入する際は、「社労士 業務改善パッケージ」の利用がおすすめです。
わざわざ一からアプリを構築したり、難しいプラグインの設定をしたりしなくても、今あるデータを流し込むだけですぐに使い始められるのがメリットです。
パッケージはそのままでも十分に機能しますが、伴走支援でさらに自社にフィットする形にカスタマイズすることも可能です。
<社労士事務所によくあるお悩み>
- 管理すべきタスクが多く、抜け・漏れが発生する
- 業務が担当者に属人化してしまいがち
- 契約料金に対して工数がかかり過ぎ、採算が取れていない
- 顧問先との情報共有に手間がかかる
実際にご利用いただいたお客さまからは「業務の見える化が一気に実現できた」「エクセル管理から抜け出せて便利になった」といったお声をいただいております。
kintone活用の知識とノウハウを持つスタッフが、お客さまのお悩みをしっかりとヒアリングして、最適な活用方法をご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
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