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kintoneで予実管理!実績集計はkrewDataで自動化|総合建設業 株式会社太昭組さまのアプリ開発事例

kintone×krewData 予実管理の自動化を実現

常に経営者や経営幹部の方が気にかけている「今期の目標に対する進捗、達成率」
目標に対する現在の実績を管理し、さらに今後の見込み案件の数字も見込んで達成率を出して……

目標数字達成に向けて必要なことですが、これをエクセルでやろうとすると都度表内部の数字を手で修正する必要があります。

今回は、kintoneとkrewDataを活用して予実管理を自動化した導入事例をご紹介します!

会議の度に都度集計・資料修正は翌月反映……リアルタイムな情報が欲しい!

今年創立100周年を迎える株式会社太昭組さまは、山口県を中心に島根や広島、そして東京でも事業を展開しておられる総合建設業の企業さまです。

建築、土木工事はもちろんのこと、企画設計や注文住宅、土地活用のご提案等、幅広いニーズに応えられることを強みとしていらっしゃいます。

2020年からkintone(キントーン)の導入をスタートされ、「kintone上で仕事が見える化されている状態」を目指して工事案件管理や顧客管理、アフターメンテナンス管理等、これまで主にエクセルで管理してきた情報をkintoneに移行してきました。

現在はkintoneアプリの構築に携わったメンバー以外にも利用範囲を広げ、徐々に「kintoneを軸に業務を進める」体制を整えています。
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そんな株式会社太昭組さまでは、毎月管理職の方が集まり、案件会議を実施しています。

現在の案件の進捗状況の共有に加えて、最も時間をかけて検討するのは「今期の目標数値に対する現在の進捗状況」「この先予定されている案件の確度、 成約に至った場合の進捗達成率」です。

全体の進捗を把握するために、各カテゴリごとの現在の工事案件の状況を確認して集計した「予実管理表」をエクセルで毎月作成しています。
別のシートに期中の全案件のカテゴリと金額、状況を入力し、自動集計されたカテゴリごとの合計値を以下画像のような進捗確認用のシートに転記します。

進捗率は自動計算されますが、この予実管理表を作成するために毎月かなりの時間を割いていたとのことです。

この表に加えて、会議で利用していたのは「予定案件管理表」という、まだご契約が決まっていない案件の状況を確認するための一覧です。

予定案件管理表自体は、案件名とおおよその工期、金額が記載された簡単なものですが、その予定案件の中から「もしこの案件が契約になった場合、今期の目標達成にどれくらい近づくか」をシミュレーションしたいときには、予定案件管理表の数値予実管理表の数値に加える必要があります。

案件の再集計が必要になることから、会議中に資料を直してすぐに進捗率を確認ということが難しく、「この予定案件とこの予定案件が契約となったら、今期の達成率がどうなるか」をシミュレーションした資料は翌月の会議にならないと出てこない状態だったといいます。

前述の通り、株式会社太昭組さまはすでにkintoneを導入されており、予実管理表に必要な実績の情報はkintone上に揃っています。

そこで、毎月会議の度に作成している予実管理表と予定案件管理表もkintone化し、自動集計が行えないかと考えました。

案件状況に応じて表示項目を制限!同じアプリで予定案件も実績も管理

予実管理のkintone化をスタートさせた株式会社太昭組様では、当初は「これまでのエクセルを置き換えた運用」を考えていたため、「実績を入力するアプリ」と「予定案件管理表」を独立したアプリとして構築する予定でした。

しかし、別のアプリにしてしまうとkintoneの標準機能では集計が難しく、エクセルでの運用と同様に「予定案件のうち、契約になった場合今期の数値がどうなるか」すぐには確認できなくなります。

加えて、株式会社太昭組さまではすでに工事案件管理アプリを運用されていたため、別で各工事案件の実績を入力するとなると「工事案件管理」と「工事実績管理」で二重管理の手間が発生してしまいます。

これらの課題を解決するためには、新しい独立したアプリを構築するのではなく、既存の工事案件管理アプリで「予定案件」も「実績」も管理する必要がありました。

元々、工事案件管理アプリには工事の契約金額、つまり実績値を入力する項目が備わっていました。

しかし、大規模な工事は3期にまたがることもあり、単純にすべての金額を契約した期に計上することはできません。
また、工事案件管理アプリは工事の詳細な内容も入力するため、予定案件管理の段階や、実績を管理するだけであれば不要な項目が多くありました。

複数期にまたがる案件はテーブルで期毎の実績値を入力

まず、複数期にまたがる案件の実績値を管理する方法として、テーブルで期毎の実績を入力していく形をとりました。

工事の合計金額のうち、今期に計上する実績、来期に計上する実績それぞれを入力していきます。

kintoneでは、テーブルに入力した情報も各行の内容に応じて集計を行うことができるため、この形であれば複数期にまたがる工事案件も各期に分けて計上可能です。

不要項目を省いた一覧画面でエクセルのように管理

次に、工事案件管理アプリは項目数が多く、予定案件の入力時や実績入力時には不要な項目が邪魔になってしまうという問題点については、予定案件だけを確認できる一覧や、実績値の入力に必要な項目だけに絞った一覧も作成し、「テーブルデータ一括編集プラグイン」を活用することで一覧画面上での編集を可能にしています。

一覧画面でも編集が行えることで、これまでのエクセルによる管理と使用感はさほど変わらず使えるようになりました。

テーブルデータ一括編集プラグインについて、詳しくはこちら!
▼無料で使えるkintoneプラグイン!効率化を実現するおすすめ10選

kintoneで目標管理・実績管理を実現!

既存の工事案件管理アプリを修正することで、期毎の実績を管理・集計できるようになりました。

続いて、期毎の目標を管理するための「目標管理アプリ」を作成。

こちらは対象の期と各カテゴリごとの目標値を入力していくだけのシンプルなアプリになっていますが、レコードを新規作成した際に最初からカテゴリが表示されるように「テーブル複数行初期表示プラグイン」を活用しています。

あらかじめカテゴリが表示されているため、目標が決まったら各カテゴリごとの数値を入力していくだけ。
カテゴリの入力忘れ等も防止しながら、入力の手間を省くことができます。

ここまでで、株式会社太昭組さまでは「各カテゴリごとの期毎実績値の集計」「カテゴリごとの目標値の管理」ができるようになりました。

カテゴリごとの期毎実績値集計

カテゴリごとの目標値

目標対比はkrewDataで自動集計、スペースで予実管理表を再現

工事案件管理アプリと目標管理アプリ、それぞれに登録された期別、カテゴリ別の数値情報を合わせて目標対比を見るために、株式会社太昭組さまではkrewDataを活用しています。

krewDataとは?

標準機能では難しい、kintoneアプリ間のデータを集計・加工するプラグインです。

スケジュール実行とリアルタイム実行を選択でき、自動集計を行いたい場合や、自動でタスク作成をしたい場合に向いています。
krewData活用事例はこちら!
▼士業でkintone活用!日報から作業工数・単価を自動集計

工事案件管理アプリから工事のカテゴリと期毎の計上金額、粗利額等を抽出して自動集計を行い、目標管理アプリで登録された数値情報と照らし合わせて目標との差分を計算するため、工事案件管理アプリに実績値を入力していれば自動で集計されていきます。また、krewDataのリアルタイム実行を設定しているため、工事案件管理アプリの実績情報や目標管理アプリが更新されれば即集計結果に反映されます。

これにより、従来は資料修正に時間がかかるため翌月にならないと出てこなかった「この予定案件とこの予定案件が契約になった場合、今期の達成率がどうなるか」のシミュレーションは、工事案件管理アプリで案件のステータスを変更するだけで反映されるようになりました。

案件の状況変化をリアルタイムで把握できる状況が整ったのです。

「予定案件」を「予定案件(仮受注)」に変更することで目標対比の集計結果に加算される

krewDataを活用して実際に自動集計を行っている株式会社太昭組さまの予実管理表がこちら!

kintone内に「予算管理」スペースを作り、エクセルのシートで管理していたように期毎の集計結果をまとめて表示しています。

実績値の登録が進めば、会議の際にはこのページだけで全体の進捗についての検討ができるようになるでしょう。

データから次の戦略を検討できるように……kintone活用範囲の拡大を目指す

今回、krewDataを活用することでこれまで管理職の方の工数を奪っていた予実管理がkintoneで自動化されました。

目標に対する実績が見える化され、目標達成にはあとどれくらい案件が必要なのか、どの案件を契約に導くべきなのかをより効率的に検討できるようになります。

今後は、「どの案件を受注すべきか」を検討する上で最も重要な「予定されている工期で自社リソースが空いているか」を検討するため、予定案件段階で必要人数を概算し、現在動いている案件と合わせて人員配置を見える化・効率化する取り組みや、社内稟議の仕組みをkintone化していく予定です。

工事案件管理から始まり、予実管理も実現された株式会社太昭組さま。

今後はkintoneの活用範囲を広げ、さらなる効率化と意思決定のスピードアップを目指されることでしょう!

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この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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