kintoneから電子サインシステムへの転記を自動化!|建設業 株式会社 建.LABOさまのアプリ開発事例
最近は電子サインシステムを導入する企業が増えていますが、それに伴って「取引先情報や契約内容の転記に手間がかかっている」という声もよく聞くようになりました。
ある程度はテンプレートで保存しているものの、残りは人の手で入力して完成させている、という企業さまも多いのではないでしょうか?
手入力が必要な部分があると、どうしても時間がかかり、ミスが起きる原因にもなってしまいます。
そこで今回は、krewDataを使うことでkintoneからfreeeサインへの転記を完全に自動化した株式会社 建.LABOさまのアプリ開発事例を紹介します。
「ボタン1つで契約書が作れたらいいのに…」と思ったことがある方は、是非ご覧ください!
目次
freeeサイン for kintone を導入したけど、転記の手間が残る…完全に自動化したい!
株式会社 建.LABOさまは、東京都新宿区に本社を構える内装デザイン事務所です。
主に美容室やクリニックなどの、空間デザインや設計、施工のトータルプロデュースを手掛けていらっしゃいます。
高いデザイン性と機能性を両立したプランニングが強みで、これまでに全国600店舗以上の施工実績がある企業さまです。
株式会社 建.LABOさまは、kintone(キントーン)を活用した業務効率化にも積極的に取り組まれています。
そんな株式会社 建.LABOさまが今回注目したのは、契約書作成時の転記作業です。
基本的な契約書の作成方法は、kintoneの「案件管理アプリ」から契約に必要な情報をアクション機能で「契約書アプリ」に転記し、freeeサイン for kintoneに連携する、というものです。
ただ、freeeサインの仕様で、kintoneのテーブル形式のデータだけは連携できないことが分かりました。
テーブル形式とは、以下のような明細のデータです。
項目数が決まっているのならテーブル形式ではない方法も可能ですが、工事の金額によって明細数が変わるため、kintoneで管理する上ではテーブル形式の方が便利です。
自動で連携するためには、「案件管理アプリ」から「契約書アプリ」に転記する段階でテーブルを1行ずつ分解する必要がありますが、アクション機能では対応できません。
テーブル部分だけ手入力するという方法はあるものの、転記ミスの可能性があるため絶対に避けたいという思いがありました。
そこで株式会社 建.LABOさまは、krewData(クルーデータ)というツールを使って「案件管理アプリ」のテーブル形式のデータを自動で分解し、「契約書アプリ」に転記させることにしました。
krewDataとは
krewDataは、kintone上にあるデータの集計や加工ができるツールです。
krewDataは、プログラミングの知識がなくても、パズル感覚で直感的に動作を設定できるのが特徴で、テーブル形式のデータだけでなく、文字列やチェックボックス、ラジオボタンなど、kintone上のあらゆる情報を集計・加工できます。
よく使われるのは、複数アプリにまたがるデータを集計して1つにまとめる機能や、条件に合わせたデータを自動登録する機能です。
例えば、売上の予実管理を集計したり、タスク登録を自動化したりできます。
今回は、テーブル形式のデータを1行ずつ分解し、複数のデータとして登録するために使うことにしました。
さらに、集計・加工のタイミングも「スケジュール実行」と「リアルタイム実行」の二つのプランを選べるため、業務の特性に合わせた自動化が可能です。
今回は「リアルタイム実行」プランを使ってアプリを開発することにしました。
テーブル形式のデータを分解して契約書アプリに転記する方法
ここからは、株式会社 建.LABOさまで構築した、契約書自動転記システムの構築フローについて解説します。
まず、kintoneからfreeeサインに連携するための「契約書アプリ」の画面がこちらです。
転記の元となる「案件管理アプリ」では、先ほどお伝えした通り「項目名/支払予定日/入金予定額」の部分がテーブル形式になっています。
このテーブルを分解して転記するため、krewDataで以下のようなデータ編集フローを構築しました。
契約書を作成するべきステータスになったら、Webhookによって自動的に転記が実行される仕組みです。
Webhookとは、Webアプリであらかじめ設定しておいた「情報更新」や「メール受信」などのイベントが発生したときに、自動的に別のアプリと連携する機能のことを言います。
kintoneでも、レコードの追加・編集・削除やコメント入力、ステータス更新がイベントの対象として標準実装されています。
krewDataによる加工を経て、「案件管理アプリ」から「契約書アプリ」に連携された結果がこちらです。
テーブル形式だったデータも、人の手を介すことなく、項目ごとに分解して登録できました。
空欄があるとエラーが発生…必須項目のチェックは後の工程に回して解決
アプリ開発の過程で、1つ困ったことが起きました。
freeeサインでは、契約書作成のために入力必須の項目があります。
契約書上で必須となる項目は、kintoneアプリ上でも当然必須項目にしています。
しかし、案件管理で契約書を発行すべきステータスになったからと言って、契約書に必要なデータが集まっているとは限りません。
そのため、必須項目に相当する情報が空白のままでkrewDataが実行されると、案件管理から契約書データを作る際にエラーが発生してしまいます。
そこで、kintone上の項目は「必須」の指定を外し、本来契約書上では必須の項目も、kintone内では空白でデータを作成できるようにしました。
ただし、本当に契約書を発行すべき時に必要情報が埋まっていないと困るため、必須項目がきちんと埋まっているかどうかのチェックには「条件分岐プラグイン」を使い、契約データの再編集をするときにチェックするようにしています。
条件分岐プラグインは、kintoneのレコードがあらかじめ設定した条件に該当したら、自動で書式設定やエラーチェックを実行してくれるプラグインです。
今回のようなエラーチェック以外にも様々な業務に活用できます。
krewDataで転記を自動化するメリット
株式会社 建.LABOさまは、krewDataを活用したアプリ開発によって自動で契約書データが生成できるようになり、契約書の内容を転記する手間をゼロにすることができました。
「案件管理アプリ」でテーブル形式だったデータを手で入力する必要も無いため、転記ミスの心配もありません。
今回「テーブル形式のデータを自動で分解して他のアプリに連携する」という手法を確立したことで、あらゆるフォーマットの契約書にも応用できるようになったことも、大きなメリットです。
強いて言えば、従来のアクションボタン1つで転記する仕組みに比べて、構築の難易度や設定時の工数が大幅にアップしてしまうことがデメリットですが、一度krewDataのフローを作ってしまえば他のフォーマットにもある程度は流用できるため、毎回一から作るほど大変ではないでしょう。
kintoneと電子サインの連携は自動化して効率アップ!
株式会社 建.LABOさまは、kintoneとfreeeサインの連携を自動化することで、契約書作成の効率を大幅にアップされました。
今後は、発注や在庫管理、予算管理、原価管理などにもkintoneを活用していきたいとのことです。
電子サインシステムは、業務を効率化するための強い味方ですが、システムを導入したことで入力の手間が増えている企業さまが多いのも実情です。
「手間が増えたな」「もっとスマートに連携できないかな」と感じたら、妥協せずにアプリ開発を検討してみましょう。
株式会社コムデックでは、お客さまの課題をお聞きして、目の前でアプリを構築する「kintone対面開発」を行っています。
ITの専門的なことが分からないという方も、ご要望を伝えていただければ最適な方法をご提案できますので、是非お気軽にご相談ください。
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