krewDataを使ってkintoneにおけるセット商品の在庫管理を実現!手作業の削減に成功した仕組みを解説

kintoneには在庫管理に使えるサンプルアプリがあり、入出庫数を登録すれば自動で現在の在庫数を集計することが可能です。
ただし、基礎化粧品のライン使いセットやお菓子の詰め合わせなど、複数部品を組み合わせた製品のようなセット商品の在庫を管理するときはセット商品の構成品ごとに手入力で在庫数を入力・管理しなければなりません。
そのため、個数を打ち間違えたり、販売するタイミングで構成品が足りなかったりと、人的ミスが起こりやすくなります。
そんな時、krewDataを活用してセット商品の売上登録をすれば、構成品の現在在庫を自動集計する在庫管理の仕組みを構築できます。
今回は、コムデックが実際に構築したセット商品の構成品在庫数を自動集計してアプリに反映する在庫管理の仕組みを解説します。
「セット商品の出庫に合わせて構成品の在庫数を自動集計したい」「セット商品の在庫管理もkintoneで行いたい」という企業さまは、是非ご覧ください。
目次
kintoneの標準機能だとセット商品の在庫管理は難しい……自動集計で手作業を削減したい!
セット商品を販売するときは1セットと数えますが、実際に在庫管理を行うときは、構成品の個数をそれぞれカウントしなければならないケースがあります。
しかし、kintone(キントーン)の標準機能やサンプルアプリでは、セット商品の販売数に合わせて構成品の在庫数を自動で減らすという動きができません。
そのため、販売数や残りの在庫数を手打ちで入力したり、単品とは別に在庫をストックしてセット商品のみで在庫管理を行ったりといった方法で対応しているケースも少なくありません。
こうした運用は、人的ミスによる在庫数のズレが生じやすくなり、構成品の欠品リスクを高めます。
売りたいときに売れないと売上に響くだけではなく、顧客が買いたいときに買えないことで顧客満足度にも影響が出るおそれがあります。
だからといって、単品とセット商品を別で管理する運用は在庫管理が煩雑化し棚卸の負担が増えてしまいます。
こうした運用を続けるにはリソースが必要なため、人手不足の現場ではいずれ限界が訪れるでしょう。
今回は、これらの課題を解決するために、売れたセット商品の数に応じて構成品の在庫数が自動で差し引かれる仕組みをkintoneで構築しました。
krewDataを使ってkintoneでセット商品の在庫を自動集計する仕組みを構築
今回は、次の3つのアプリを使って、セット商品の在庫を自動集計する仕組みを構築しました。
- 構成品マスタアプリ
- 入出庫履歴アプリ
- 売上/出庫管理アプリ
ここでは、各アプリの役割を解説します。
構成品マスタアプリにセット商品の構成を登録する
構成品マスタアプリは、セット商品がどのような商品で構成されているかを登録するアプリです。
たとえば以下の場合、基礎化粧品セットBがハンドクリーム1個とリップクリーム1個、ボディソープ1個で構成されていることを設定しています。
あわせて、構成品それぞれの現在在庫数が表示される仕組みにしました。
入出庫履歴アプリで在庫管理を行う
入出庫履歴アプリは、在庫の入出庫履歴がわかるアプリです。
このアプリでは、セット商品を構成する各商品が、いつ・いくつ売れたかがわかるようになっています。
売れた分の在庫は差し引かれ、総計の列に残りの現在在庫数が表示されます。
このダッシュボードは、krewDashboard(クルーダッシュボード)を使って構築しました。
krewDashboardとは、各アプリに登録されたデータをひとつのダッシュボードに集約できるプラグインです。
ピボットテーブルやグラフのほか、ゲージやレーダーチャートなど、さまざまな方法でデータを可視化できます。
だれでも直感的に在庫状況をつかめる見やすい画面を構築しました、セット商品が売れ時の売上登録も在庫管理の画面上からできるようにしました。
「売上を登録する」をクリックすると、売上/出庫管理アプリの新規登録画面が開くので、出庫データを入力できます。
また、入出庫履歴アプリのダッシュボードには「出荷可能数」というシートを作り、現在の在庫数から出荷できるセット商品の数を集計・可視化しました。
たとえば、ハンドクリーム1個とリップクリーム2個で構成される基礎化粧品セットAは、2025年3月26日時点で71個の出荷が可能になっています。
この時点でハンドクリームの在庫が246個だったとしても、リップクリームの在庫が142個であれば、セットAの在庫数は「142÷2=71」という式で計算しなければなりません。
今回は、このような計算を自動で行えるようになっています。
もし、26日に基礎化粧品セットAの注文が入ったら、この画面から「注文に対応できるか」「いくつ販売できるか」をすぐに判断できます。
売上/出庫管理アプリで売上登録を行う
売上/出庫管理アプリは、売上登録を行って出庫を管理するアプリです。
この画面で会社名を入力し、売れた商品や出庫倉庫を選び、数量を入力すれば登録完了です。
構成品マスタアプリに登録したセット商品はもちろん、単品の売上登録も可能です。
売上情報を登録後に「保存」をクリックすると、krewData(クルーデータ)によって集計が実行されます。
krewDataとは、複数のアプリで管理しているそれぞれのデータを集計できるプラグインです。
設定したスケジュールで自動集計する「スケジュール実行」と、ボタンを押すことで集計が実行される「リアルタイム実行」の2つのプランがあり、今回はリアルタイム実行を採用しました。
売上のデータを保存するとkrewDataが実行され、入出庫履歴アプリに出庫情報が自動反映されます。
3月28日に基礎化粧品セットAが2セット売れたので、ハンドクリーム2個とリップクリーム4個の在庫が差し引かれました。
このように、売上/出庫管理アプリと入出庫履歴アプリを連動させ、現在の在庫数が見える仕組みを構築しました。
kintoneでセット商品の在庫管理を行うメリット
今回構築したkrewDataの集計フローは、セット商品を構成する商品の在庫数を出庫タイミングで減算させる処理が特徴です。
また、売上登録を行ったタイミングでリアルタイムに集計を実行することで、在庫数をズレなく管理できる仕組みにしました。
kintoneでセット商品の在庫管理を自動化できれば、管理ミスの防止につながります。
在庫管理業務が効率化されるため、人的リソースを別の作業に割けることもメリットです。
また、セット商品が売れたとき「構成品がない」という状況が起こるのを防ぎ、「売りたいときに売る」ことが可能になります。
顧客も「買いたいときに買える」ので、満足度が高まるでしょう。
kintoneで在庫管理のさらなる効率化を目指す
今回は、セット商品が売れたときに構成品の在庫数を自動で集計する仕組みを構築しました。
売上登録さえ欠かさず行えば、最新の在庫数をリアルタイムで確認できるため、注文が入ったタイミングで「構成品の在庫がない」「セット商品をいくつ販売できるかがわからない」といった状況を防ぐことが可能です。
コムデックでは、お客さまのニーズに合わせてその場でアプリを構築する「kintone対面開発」を提供しています。
「セット商品の在庫管理もkintone上で行いたい」「セット商品が売れたタイミングで構成品の在庫数を自動集計したい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。
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