DXやkintoneの伴走支援について、皆で考える研究所。

kintoneとLINE WORKSの連携で運転者のアルコールチェックを効率化|株式会社アイケーディさまのアプリ開発事例

LINE WORKS→kintone連携でアルコールチェックの自動登録を実現

これまで緑ナンバーだけが対象だった社用車を運転する人のアルコールチェックですが、2023年12月から白ナンバー事業者でも義務化されました。
事業所の安全運転管理者は、社用車を運転する人に対して運転の前後でアルコール検知器を使ってチェックを行い、その結果を1年間保存しなければなりません。

このアルコールチェックの実施と結果の管理に手間がかかっている企業さまも多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、kintoneとLINE WORKSを連携することで、アルコールチェックの実施と結果の管理を効率化した株式会社アイケーディさまの事例を紹介します。
現場の手間を最小限にしつつ、コストをかけずにアルコールチェックを実施したいとお考えの方は、是非ご覧ください!

毎日のアルコールチェックが義務化…手間とコストをかけず、スマートに運用したい!

株式会社アイケーディさまは三重県津市に本社を構える総合建設業の企業さまです。
1949年の創業以来、学校や工場の建築・改修、道路や橋の土木工事など、幅広い分野で実績を積み重ね、地域に貢献されてきました。

株式会社アイケーディさまはIT活用にも積極的に取り組まれており、これまでにkintone(キントーン)LINE WORKS(ラインワークス)を導入されています。

過去の導入事例についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

▼kintoneとLINE WORKSを連携!チャット連携で業務効率を向上させる方法とは | kintone for LINE WORKS

前回の記事では「kintoneが現場の従業員の間であまり活用されていない」という課題に対して、「すでに定着しているLINE WORKSにkintoneの通知を連携する」という方法で活用促進に成功されたことをご紹介しました。

そんな株式会社アイケーディさまが次に直面した課題が「アルコールチェックの義務化」でした。
株式会社アイケーディさまでは社用車を運転する方が大勢いらっしゃるので、毎日チェックが必要です。
また、現場に直行直帰のため、各自でアルコールチェックを行う必要がありました。
本当ならkintoneにチェック内容を登録してもらいたいところですが、全員が運転の前と後でログインしてデータを登録するのは手間がかかります。

現場の従業員が手間をかけずにアルコールチェックをできる仕組みを構築したいと考えた株式会社アイケーディさま。
kintone以外に良いサービスが無いかと探してみましたが、手間とコストの面で条件を満たすものが見つかりません。

そこで新しいツールを導入するのではなく、すでに利用しているkintoneとLINE WORKSを連携し、チャット内容をkintoneに自動登録するという方法でアルコールチェックの実装を目指すことになりました。

kintone for LINE WORKSにできること

株式会社アイケーディさまがkintoneとLINE WORKSの連携に使ったのは、kintone for LINE WORKSという連携ツールです。
kintone for LINE WORKSには、次の2つの機能があります。

<通知機能>

通知機能は、埋もれてしまいがちなkintoneの標準機能による通知をLINE WORKSに飛ばせる機能です。
kintoneの個人アカウントが無くてもLINE WORKSのアカウントで通知を受け取ることができます。
通知を連携することで大事な予定をリマインドしたり、あらかじめ設定した出来事の発生をいち早く把握したりできます。
「期日の1日前に自動でお知らせしてほしい」「入金があったらすぐに対応したい」「案件の新規登録があったらすぐに確認したい」というときにもぴったりの機能です。

前述の通り、株式会社アイケーディさまでは既にこちらの機能を利用されています。

<チャット登録機能>

チャット登録機能は、LINE WORKSのチャットに登録内容を送信するだけでkintoneにデータを登録できる機能です。
こちらも、kintoneの個人のアカウントが無くてもLINE WORKSのアカウントのみで使うことができます。スマホから操作できるので、外出が多い人や、パソコンが苦手な人の利用にも向いています。

今回は「チャット登録機能」を使ってアルコールチェックができる環境を構築していきました。

kintoneとLINE WORKSを連携させて、アルコールチェックの管理アプリを構築

ここからは、アプリ構築の流れについて詳しく解説します。

1.kintoneに「チャット登録機能」に必要なアプリを追加

kintone アルコールチェック
まずは、チャット登録に必要なアプリを作成していきます。
LINE WORKSから飛んできた内容を登録するアプリとセッション管理アプリ、対話フロー設定アプリが今回必要なアプリです。

2.LINE WORKSから送られた内容が登録されるアルコールチェック管理アプリを作成

kintone アルコールチェック

アルコールチェックアプリを作る際には、確認者・確認方法・指示事項は初期値を設定し、運転者や車両番号はLINE WORKSユーザーマスタプリに登録しておいた情報をルックアップしています。
「チャットの送信元が誰なのか」を判断して自動で取得してくるため、入力の手間を省くことができます。

kintone アルコールチェック

LINE WORKSユーザーマスタアプリの登録情報


3.チャット登録用BOTとの対話フローを設定

LINE WORKSから登録情報を送信してもらう際には、チャットBOTとの対話形式で情報を送ってもらいます。
今回は、チャットに「アルコールチェック」と送ると「アルコールチェックの写真を送ってください」とBOTが返答し、その後送られてきた画像をkintoneに登録する仕組みになっています。

kintone アルコールチェック

この時、毎回「アルコールチェック」と打っていただくのも手間なので、チャット登録を開始するためのキーワードはLINE WORKSの固定メニュー機能を活用し「アルコールチェックの登録」をタップすれば良いように設定しています。

kintone アルコールチェック

この設定により、運転者は「LINE WORKSのチャットを開く→固定メニューをタップ→画像を送る」という3ステップだけで、アルコールチェックの報告ができる仕組みが完成しました。

kintone登録後は、安全運転管理者が登録内容を確認すればアルコールチェック完了です。

結果の集計はkrewSheetで自動化

LINE WORKSからkintoneへの連携を実施する前の株式会社アイケーディさまでは、LINE WORKSで「アルコールチェック報告」というチャットグループを作成し、運転者がチェック結果を送信して、安全運転管理者が確認し、その後担当スタッフが1件ずつ出勤シフトと照らし合わせて確認してkintoneアプリに登録するという方法で管理を行っていました。

今回kintoneとLINE WORKSを連携したことで結果の登録は自動化できましたが、アルコールチェックの結果と出勤シフトの照合はまだ目視確認が必要です。
1件ずつデータを探して照合することは避けたいと考えた株式会社アイケーディさまは、kintoneに登録された結果を「krewSheet(クルーシート)」を使って一覧表にまとめることにしました。

krewSheetは、kintoneアプリのデータをエクセルのように一覧表示できるプラグインです。
シンプルに一覧表示をする「Sheetモード」と、レイアウトを変更してピボット集計や行列変換もできる「Xrossモード」があります。
今回はXrossモードを使って、縦軸が運転者、横軸が日付となる表を作成することで、出勤シフトとの照合も簡単におこなえるようになりました。

kintone アルコールチェック

kintoneとLINE WORKSを連携するメリット

株式会社アイケーディさまでは、kintoneとLINE WORKSの連携によりわざわざkintoneにログインしなくてもアルコールチェックの報告ができる仕組みを実現しました。
報告の手順は、LINE WORKSのチャットでチェック結果の画像を送信するだけです。運転者の名前や車両番号も自動で反映されるので、手間は限りなく少ないと言えるでしょう。

さらに、チェック結果は自動でkintoneに保存されるので、1件ずつ転記する必要がなくなりました。
出勤シフトとの照合も簡単に行えるため、1日あたり15分、月にして5時間もかかっていた登録・照合作業を削減できたのです。

ただ、実際に運用を始めたところ、チェック結果の画像を毎日保存するためkintoneのストレージ容量を圧迫してしまうことが分かりました。
これについては、LINE WORKSのトークルーム設定で、送信画像の品質を「オリジナル(約2M)」から「標準(約400KB)」に変更することで対処しています。

アルコールチェックの管理もkintone×LINE WORKSでラクラク!

kintoneとLINE WORKSを連携すれば、kintoneにログインしなくてもLINE WORKSからデータを登録できるようになるため、現場の負担を減らすことができます。
アルコールチェックの場合にはチェッカーをスマホで撮影してそのままチャットに送るだけなので、ほんの数秒でどこからでもデータを登録できるのがメリットです。

今後はLINE WORKSからkintoneへの登録機能の活用範囲を広げて、さらなる業務効率化を目指したいとのことでした。

コムデックでは、kintoneとLINE WORKSを連携するサービス「kintone for LINE WORKS」を提供しております。基本的な操作・設定方法はもちろんのこと、組織の課題に応じた活用方法もご提案できますので、是非お気軽にご相談ください!

「kintone for LINE WORKS」サービスページはこちら

この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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