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kintoneでタスク管理を一元化! 通知のひと工夫で進捗管理も可能に!|教室運営業 株式会社チアリーさまのアプリ開発事例

kintone タスクの割り振りと進捗管理を一元化

複数の拠点を運営している企業さまでは、本部から各拠点にタスクを依頼したい時、どのように連絡されていますでしょうか?

メールや電話、専用の連絡ツールなどさまざまな方法がありますが、kintoneを活用すればタスク依頼と進捗管理の一元化が可能です。
通知機能で見落としや提出忘れも防げるため、本部も拠点もタスク管理がしやすくなります。

本記事では、kintoneにタスク管理を集約し、通知機能の工夫で進捗管理も可能にした株式会社チアリーさまのアプリ開発事例を紹介します!
タスク管理や進捗管理にお悩みの方は、是非参考にしてください。

タスク管理を集約して本部からの依頼を一括配信できるようにしたい

株式会社チアリーさまは、パソコン教室やプログラミング教室、英語教室、麻雀教室など全国で約100ヶ所の教室を運営されている企業さまです。
1973年に子ども向けの英語教室としてスタートして以来、時代の変化に応じてパソコン教室やプログラミング教室も手掛けながら、30年にわたり事業を継続しておられます。

全国に100ヶ所以上の教室を持つ株式会社チアリーさまでは、本部と各教室とのやりとりが日常的に発生します。
例えば、教材リリースをはじめとした「お知らせ」や、シフト表の提出依頼のような「タスク依頼」がその代表例です。

当時の株式会社チアリーさまでは、本部と教室とのやりとりに関して以下のような課題がありました。

  • 本部と教室の連絡ツールが複数あり、どれを見れば良いのかが分かりにくい
  • 連絡ツールの1つである自社開発のサイトでは、お知らせ配信やタスク依頼をする際、教室ごとに同じ内容のお知らせ・タスクを一つずつ作成しなければならず効率が悪い
  • 自社開発のサイトは、アカウント制限の関係で本部の中でも取り扱える人が限られている

これらの課題の内、お知らせ配信についてはkintone(キントーン)の導入により業務が改善されました。

kintoneを活用したお知らせ配信についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼お知らせ配信をkintoneに集約!通知設定で見落としも防止 | 教室運営業 株式会社チアリーさまのアプリ開発事例

そんな株式会社チアリーさまが、さらなる業務効率化のために着手したのがタスク管理の一元化です。

今回のアプリ開発で実現したいことは、以下の6点です。

  • 本部と各教室の連絡ツールを1つに集約する
  • 本部アカウントで誰でもタスク依頼が配信できるようにする
  • 本部から各教室へのタスク依頼を、一括配信できるようにする
  • タスクの内容によって、配信先を「管轄」「エリア」「コンテンツ」「教室」など、さまざまな条件で絞り込みができるようにする
  • 自分の教室以外に向けたタスク依頼は見えないようにする
  • 教室側で、タスクの処理状況がひと目で分かるようにする

かなり盛りだくさんの内容になりましたが、kintoneの高い柔軟性と、豊富な拡張機能を活かして、タスク管理の一元化プロジェクトがスタートしました。

kintoneでタスク管理に必要なアプリを作成し、krewDataで配信

はじめに、kintoneでタスク依頼を一括配信できる仕組みを作っていきます。
配信に必要なアプリの作成と、実際に配信を行うためのkrewData(クルーデータ)のフロー構築の2段階に分けて解説します!

タスク管理に必要なアプリを作成する

まずはタスク管理に必要なアプリを用意します。
今回は、教室リストと本部用のタスク一括作成アプリ、そして各教室がタスクを確認するためのタスク管理アプリの3つになります。

教室リストアプリでkintoneアカウントと紐づけ

教室リストはその名の通り教室の基本情報を管理するアプリです。
教室ごとにkintoneアカウントを付与して、どの教室はどのアカウントなのかを紐づけるためのアプリになっています。
このアプリはタスク管理のために新たに作成したわけではなく、お知らせ配信の開発時に作成したものと共通のアプリとなります。

コムデック kintone タスク管理 作り方 TODOアプリ 課題管理表 進捗管理

管轄エリアコンテンツといったフィールドは、タスク一括登録アプリでそのタスクを配信する先を絞り込む際に利用する項目です。

タスク一括作成アプリにタスクを登録

タスク一括作成アプリは本部から教室へのタスク依頼内容を登録するアプリです。

コムデック kintone タスク管理 作り方 TODOアプリ 課題管理表 進捗管理

「共有範囲」で管轄エリアコンテンツを選択することで、簡単に配信先を絞り込めます。
もちろん、教室を個別で指定することも可能です。
ここで登録した内容を元に、後述のkrewDataで各教室分のタスク依頼を自動作成します。

コムデック kintone タスク管理 作り方 TODOアプリ 課題管理表 進捗管理

タスク管理アプリで各教室が自分のタスクを確認

教室側がタスクを確認するためのアプリです。
本部から届いた依頼内容を閲覧できます。

コムデック kintone タスク管理 作り方 TODOアプリ 課題管理表 進捗管理

教室から本部への提出物がある場合には、アプリ内に直接ファイルを添付して提出できるようになっています。

コムデック kintone タスク管理 作り方 TODOアプリ 課題管理表 進捗管理

なお、タスク管理アプリでは自分の教室以外のやりとりを閲覧する必要はないため、以下の手順で権限設定をしておきます。

  1. アプリを開き、管理画面から「アクセス権」の「レコード」を選択
  2. 「kintoneアカウント」が未入力のレコードは本部以外には見られない方が良いため、「レコードの条件」で「kintoneアカウント」フィールドを選択し、条件は「次のいずれも含まない」、対象者は「Everyone」グループを選択
  3. アクセス権はEveryoneのアクセス権のチェックを全て外す。
    また、管理者のアクセス権は全てチェックして保存。
  4. ログインユーザーが自分の教室のレコードだけ見られるようにするため、「レコードの条件」で「kintoneアカウント」フィールドを選択し、条件は「次のいずれかを含む」、対象者は「Everyone」グループを選択
  5. アクセス権にはEveryoneのアクセス権のチェックを全て外し、「フォームのフィールドを追加」で「kintoneアカウント」を選択し、「閲覧」にチェック。
    管理者のアクセス権は全てチェックして保存。

コムデック kintone タスク管理 作り方 TODOアプリ 課題管理表 進捗管理

krewDataで配信する

アプリが準備出来たら、教室リストのデータとタスク一括作成のデータを使ってkrewDataで配信するためのフローを構築します。

krewDataとは、複数のkintoneアプリにまたがるレコードを集計し、自動実行できるkintoneプラグインです。

krewDataには、指定したスケジュールで定期的にレコードを集計する「スケジュール実行プラン」と、任意のタイミングで集計する「リアルタイム実行プラン」があります。
タスク依頼は随時発生する業務なので、リアルタイム実行プランにしました。

kintoneの「タスク一括作成アプリ」が登録されると、配信する教室の数だけレコードが自動で作成されるように設定したフローは以下画像の通りです。

コムデック kintone タスク管理 作り方 TODOアプリ 課題管理表 進捗管理

krewDataのリアルタイム実行プランの活用事例については、こちらの記事でも詳しく紹介しています!
▼kintoneで予実管理!実績集計はkrewDataで自動化|総合建設業 株式会社太昭組さまのアプリ開発事例

進捗管理はJavaScriptカスタマイズで見逃しを防止

タスク依頼を一括配信する仕組みができたところで、次は進捗管理を実装していきます。
株式会社チアリーさまでは、タスクの処理状況を分かりやすくするため、kintoneのプロセス管理機能を活用しようと考えました。

プロセス管理とは、申請の承認や稟議決裁など、複数のユーザーでタスクを管理するための機能です。

コムデック kintone タスク管理 作り方 TODOアプリ 課題管理表 進捗管理

プロセス管理の活用事例については、こちらの記事でも詳しく紹介しています!
▼kintoneのプロセス管理でワークフローを設定する方法|条件分岐通知機能など詳しく解説

しかし、krewDataの仕様上、自動的にタスクを配信する際に作業者(次のプロセスを実行する人)を指定できないため、タスクの配信時に作業者を教室のアカウントに指定してプロセス管理機能を動かすことができません。
そのため、タスク依頼が配信されてもkintoneのトップページに「未処理」として表示されず見落としてしまうことが多々ありました。

タスクが登録された時点で通知を行うこと自体は可能ですが、通知をおこなっているのはタスク管理アプリだけではないため、他の通知が多く見逃してしまう恐れがあります。

そこで株式会社チアリーさまでは、タスク管理アプリ内で作業者を一括指定するJavaScriptカスタマイズを実施。
「作業者一括更新」ボタンを押すと、自動的に作業者が配信先の各教室に指定され、プロセス管理を動かせるようになりました。

コムデック kintone タスク管理 作り方 TODOアプリ 課題管理表 進捗管理

ボタンを押す手間はありますが、教室側のkintoneアカウントで「未処理欄」にタスクが表示されるため、タスクの見逃し、対応漏れを防ぐことができるようになりました。

kintoneでタスク管理をするメリット

今回のアプリ開発では、本部と教室それぞれにメリットがありました。

まず、教室側では本部との連絡ツールが1つに集約できました。
また、プロセス管理を活用することで未処理タスクが表示されるため、見逃しや処理漏れを防止できるようになったこともメリットです。

本部側では、kintoneアカウントがあれば誰でもタスク依頼ができるようになりました。
配信先を管轄エリアコンテンツなどで絞って一括配信できるため、以前のような手間もかかりません

一方で、教室がタスクを確認するためのアプリと本部がタスクを配信するためのアプリをkrewDataでつなげているため、krewDataがエラーで止まってしまうと配信ができなくなってしまいます。
もしkrewDataにエラーが発生した際、メンテナンスできる人が必要になるでしょう。

kintoneでタスク管理をすれば、一括配信で依頼が楽に!

株式会社チアリーさまは、kintoneを活用することでタスク依頼の一括配信を実現し、通知の工夫で見逃しも防止できるようになりました。
教室側でもタスク管理が効率化したことで、より生徒さまへのサービス提供に集中できるようになりました。

コムデックでは、お客様の業務課題をお伺いし、その場でkintoneアプリを構築する「対面開発(開発支援・構築支援)」も行っております。
タスク管理やkintoneに関するお悩みだけではなく、社内のIT活用全般に関するご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください!

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この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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