kintoneでKPI管理アプリを構築!数値に基づいた経営判断が可能に!KPI管理の方法とおすすめプラグインをご紹介
▼本事例の要約
| 目的 | 複数ある事業のKPIを効率良く一元管理したい |
| 課題 | 事業部ごとに管理する情報やKPIがバラバラで、リアルタイムの経営判断ができない |
| 効果 | ・KPIの管理の手間が減った ・リアルタイムで事業部ごとの状況を把握できるようになった ・事業責任者のKPIに対する意識が高まった |
企業は経営管理や目標管理を行うために、KPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)を設定するのが一般的です。
これらの指標を管理することで、成果を可視化したり、データに基づく意思決定ができるようになるのがメリットです。
中でもKPIは定期的に管理して目標に達していない場合は改善が必要になりますが、実際のところは「KPIの集計が2か月遅れで出てくるためうまく判断に生かせていない」「対応が後手に回ってしまうという」企業さまも多いのではないでしょうか。
このような状況に陥る原因は、見るべき情報が分散していることや、集計に手間がかかり過ぎることにあります。
特に社内で複数の事業部を抱える企業でのKPI管理は大変です。
そんなときにおすすめなのが、kintoneの活用です。
kintoneを使えば、複数事業の情報を一元管理して集計を自動化することが可能です。
本記事では、kintoneでKPI管理アプリを構築する方法について詳しく解説します。
目次
複数ある事業部の業績をまとめて管理しよう!
複数の事業を展開する企業さまでは、KPI管理について次のような課題がよく見られます。
- 事業部によって顧客情報や売上情報、KPIがバラバラに管理されている
- 事業責任者が自分の事業の進捗を定量的に把握できていない
- 経営層が各事業の状況を横断的に比較・分析できない
- 売上、成約数、顧客数などの重要指標が属人化しており、組織として管理できていない
- エクセルや紙での集計に手間と時間がかかってしまい、リアルタイムの経営判断ができない
このような状況が続くと、現場の従業員たちは何を優先すればいいのか、あとどれぐらい頑張れば良いのかが分からなくなってしまいます。
また経営者の視点でも、どの部門が利益を生んでいて、どの部門が足を引っ張っているのかが見えづらくなり、経営判断を誤ってしまうかもしれません。
そうした事態を避けるために有効なのが、kintone(キントーン)とプラグインを活用したKPI管理です。
▼kintone(キントーン)とは?できること・できないことまとめ アプリの活用事例もご紹介!
kintoneデータの集計・一覧表示ならkrewシリーズがおすすめ
kintoneはあらゆる業務アプリを作れる便利なツールですが、標準機能ではアプリ間をまたぐ集計・分析が困難です。
そのため、今回のように複数アプリのデータを集計したい時には、プラグインが必要になります。
そこでおすすめなのが、krewシリーズです。
krewシリーズはお試し期間もあるので、まずは小規模で試してから本格導入できるのがメリットです。
以下で代表的なkrewシリーズの特徴を詳しく紹介します。
複数アプリのデータを集計できる「krewData」
krewData(クルーデータ)は、kintoneの複数アプリにまたがるデータを自動で集計・分析できるプラグインです。
プログラミングの知識が無くてもパズル感覚で設定できるため、IT部門に頼ることなく、現場社員が自らデータ集計の仕組みを構築できます。
集計するデータは、数値はもちろんのこと、文字列、日時、チェックボックス、ラジオボタンなど、あらゆるフィールドタイプに対応しているのも特徴です。
実行方法には2種類あり、月次や日次など決まったタイミングで実行する「スケジュール実行」と、アプリを更新した際に実行する「リアルタイム実行」が選べます。
こうした特徴を踏まえて、krewDataは在庫管理や予実管理、工数管理、外部システムとの連携などによく使われるプラグインです。
krewDataについて詳しくは以下の記事で解説しています。
▼krewDataの使い方完全ガイド!基本操作や活用のコツを徹底解説
アプリデータをダッシュボード化できる「krewDashboard」
krewDashboard(クルーダッシュボード)は、kintoneアプリのデータを表やグラフで視覚化し、1画面にまとめて表示できるプラグインです。
リアルタイムでデータが反映されるため、わざわざ資料を作成しなくても、常に最新情報をチェックできます。
また、krewDashboardはピボットテーブルや棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフなど10種類以上の多彩な表現ができるため、データの特性に合わせて使い分けられます。
さらに、期間や部門を絞り込んで表示する「スライサー機能」や、知りたい箇所をクリックするだけで詳細表示できる「ドリルダウン機能」なども備わっています。
krewDashboardを使えば、複数の事業部を抱える企業がKPIを管理する場合でも、アプリをあちこち開くことなく1つの画面で全体像をキャッチできるのがメリットです。
kintoneとプラグインを使ってKPI管理アプリを構築
ここからは、kintoneとプラグインを使ってKPI管理アプリを構築する流れを解説します。
はじめに、各事業部のKPI管理アプリを構築します。
例えば「顧客管理アプリ」「案件管理アプリ」「売上管理アプリ」などです。
それぞれのアプリには、訪問数や成約数、売上金額など、自社のKPI集計に必要な項目を設定します。

次に、krewDataで集計フローを設定します。
以下のように設定すると、事業部ごとのデータを横断的に集計できます。

このとき、「成約単価=売上÷成約数」のような計算式を設定すれば、分析に必要な計算も自動化可能です。
続いて、krewDashboardで集計結果をダッシュボード化していきます。
今回は、事業責任者向けの「事業別KPIダッシュボード」と、経営層向けの「全事業統合ダッシュボード」という2種類のダッシュボードを構築しました。

事業別KPIダッシュボード 1事業部で1つのダッシュボード

全事業統合ダッシュボード
アプリ構築のポイントは、最初は1つの事業で構築・検証してから、他の事業部にも横展開することです。
これにより、不具合や混乱を最小限に抑えながら、確実に運用できます。
また、KPIのフォーマットは事業部間で統一しておくと、経営層が全体を見るときに比較しやすくなるのでおすすめです。
kintoneでKPIを管理するメリットとは
kintoneでKPIを管理すると、月次の集計作業を待たなくてもリアルタイムで事業部ごとの状況を把握できます。
これにより、感覚ではなく数値に基づく判断ができるのがメリットです。
数値で可視化されれば、「良くなった」「達成した」といった実感が得やすく、組織全体のモチベーションアップも期待できます。
krewDashboardならグラフや表で直感的に把握できるので、「細かい数字の羅列を見るのは苦手……」という人にもぴったりです。
データを詳しく見る必要があるときには、表示期間や部門などを簡単に切り替えられます。
今までのように、何パターンも資料を作ったり、修正に時間をかけたりする必要がありません。
また、責任者はKPIを常時確認でき、主体的にPDCAを回せるようになります。
経営層が会社全体の状況を俯瞰して、迅速にリソースの配分や投資判断ができることもメリットです。
さらに、以前であれば担当者の頭の中にあった情報を、企業の資産として蓄積・活用することも可能になります。
kintoneを使ったKPI管理で現場の意識を高めよう!
KPI管理は、いかに現場の日常業務に落とし込んで、意識を高めていくかが重要です。
運用する際は、現場の責任者や担当者へのヒアリングを丁寧に行うことが欠かせません。
アプリ構築後も、定期的に集計項目やロジックを見直し、事業の成長に合わせて進化させていきましょう。
今回は事業別のKPI管理をまとめて行う場合を例に解説しましたが、この方法は拠点別やチーム別の場合にも応用できますので、ぜひ参考にしてください。
コムデックでは、お客さまのご要望をお聞きしてその場でkintoneアプリを構築する「対面開発」を行っております。
対面開発なら、市販のシステムでは対応できない複雑な仕組みや、自社の業務フローに合わせた仕組みも実現できます。
漠然と「こんな感じにしたい」というご相談も大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。

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