kintoneで構築した受付システムとQRコードの活用で受付人員の削減に成功｜一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまのアプリ開発事例

セミナーをはじめとするイベント運営が多い企業さまでは、規模が大きくなるにつれて来場者管理や受付対応が煩雑化するため、人員増加やシステム導入といったコストがかかります。
そんなときkintoneを活用すれば、来場者情報の管理から受付対応までを一元化するほか、QRコードを活用した受付対応の半自動化が可能となり、運営に割くリソースを削減可能です。

今回は、以前kintoneで受付システムを構築した一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまが、QRコードを活用したアップデートに成功した事例を紹介します。
「イベントの受付対応･管理を効率化したい」「イベント受付に活用している複数のツールを一元化したい」という企業さまは、是非ご覧ください。

kintoneでイベントの来場者管理からアンケート回収までを一元管理する受付システムを構築

一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまは、電池のサプライチェーンを持続可能な形で発展させることで、電池産業に貢献することを目指されている非営利法人さまです。
2021年4月に設立された当初は50社ほどの会員数でしたが、現在は210社以上が加盟しており、会員同士の情報交換や、セミナー･イベントによる人材育成などによるサポートを通じて日本の電池産業を支えておられます。

一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまは、これまでkintone(キントーン)を基盤とした業務改善に積極的に取り組まれてきました。
前回は、セミナーをはじめとするイベント管理の効率化を実現されています。

以前はエクセルで会員名簿を作成し、加入区分ごとにシートを分けるといった運用でイベントを管理されており、エクセルの情報をもとにメールやチラシを配信したり、Googleフォームを使ってイベントアンケートを回収したりと、エクセルのほかにもさまざまなツールを活用されていました。

しかし、会員が増えるにつれ、こうした運用体制では作業負担が大きくなることが課題として浮上。
そこで、少ないリソースでも満足度が高いイベント運営を実現できるように、kintoneを中心としたイベントの受付システムを構築しました。

7つのkintoneアプリで、会員情報やイベントのスケジュールなどの管理、受付対応、終了後のアンケート回収までを一貫して行える仕組みです。
これらのアプリを活用した結果、来場者1名当たりの処理時間を短縮でき、スムーズな受付を実現されました。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

▼イベント管理をkintone化して工数を10時間削減！参加者の満足度も向上｜一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまのアプリ開発事例

kintoneで効率化されたけれどまだ人は必要……受付対応を無人化したい！

前回構築した受付システムでは、イベント当日に配布した受講票に掲載されたQRコードを読み込むことで受付できるようになっていました。
QRコードをスキャンすると、必要な情報がkintoneの受付管理アプリに自動入力されます。

来場者には、あらかじめQRコードつきの受講票を印刷したうえで会場に持参してもらいます。
受付担当者は来場者から預かった受講票をスキャンしたあと、受講票を折りたたんで来場者のネックストラップに差し込むという運用でした。

kintoneで仕組み化する以前に比べると受付業務は大幅に効率化されたものの、受付対応に何名かは人員を配置しなければならず、その分人的コストが発生します。
この部分をもっと効率化できると考えた一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまから、受付の無人化を目指したいというご相談をいただきました。

そこで、コムデックで実際に活用している受付システムをもとに、受付担当を減らし、無人に近づけるアップデートをさせていただくこととなりました。

kintoneの受付システムをアップデート！QRコードを活用してスムーズな受付対応を実現

受付対応の無人化を目指して、QRコードを受講者自身に読み込んでもらう形で受付を半自動化するシステムにアップデートしました。
今回活用するアプリ･マスタは以下のとおりです。

来場予定リストアプリには、来場予定者の氏名や連絡先、来場ステータスが記録され、QRコードとして出力されます。
kintoneから受講票を印刷して持参してもらい、受付をすればQRコードを通じて来場者情報を確認できる仕組みです。

受付時には、kintoneが以下の画面になっていることを確認し、来場者自身で印刷した受講票をQRコードリーダーにかざしてもらいます。

すると、以下のように来場ステータスが自動で「済」に更新されます。

これで受付は完了です。
従来は受付担当が行っていましたが、今回のアップデートで来場者自身に行ってもらうよう変更しました。

受講票の受け渡しがなくなり、受付担当が来場者にネックストラップをお渡しする必要もなくなりました。
この仕組みは、一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまにとってもっとも大きなイベントである総会にてすでに実践されています。

初めてということもあり、コムデックから1名が総会に参加して受付の流れをフォローさせていただきました。

当日は受付がスムーズに流れるよう、来場者が受講票を持参されたかどうかで対応を分けたところもポイントです。
受付票を持参の方には、来場者自身で受講票をQRコードリーダーにかざしてもらうため、担当者は受付のフォローだけを行います。

一方、受付票を持参されていない方も1割ほどいらっしゃるため、その場合は担当者が受付で来場者情報を入力して受講票を印刷し、受講者に渡したうえでQRコードリーダーにかざしてもらいました。

kintoneの操作と印刷が必要になるため受付担当者をゼロにはできませんが、9割の来場者はご自身で受付を進められるので担当者の負担は大幅に減ります。

なお、受付業務の事前確認で、印刷がうまくできないというトラブルがありましたが、これに対してはすぐに電話でフォローさせていただきました。
また、会場のWi-Fiの調子によって動作状況が変わるため、総会の会場でもテスト印刷を実施しています。

このように、コムデックから総会に参加させていただいたことにより、直前も密なフォローができました。

kintone × QRコードによる受付システムで人員の削減に成功！

一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまは、従来のkintoneをベースとした受付システムをアップデートしたことで、受付の担当人員を減らすことに成功されました。
実際に運用して受付自体もスムーズに運営できたことから、手応えを感じているとのことです。

「受付作業担当者を減らせた分会員の皆様に来場の感謝をもってお迎えすることができるようになりました。受付効率化による新たな価値は、会員へのホスピタリティ強化へ移行できると考えています」と担当の方も話されています。

2025年の総会では、初めてこの仕組みを活用したため受付担当者を数名程度配置しましたが、次回以降は数名で回せることを想定しているとのことです。
受付時のトラブル対応や受講票の未持参があることを考慮すると担当者をゼロにするのは難しいものの、極限まで人的コストを抑えての運用は実現可能でしょう。

kintoneを活用してさらなる業務改善を目指す

一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまは、これまでもkintoneを活用してさまざまな業務改善に取り組まれてきました。
今回はその延長線上で、以前構築した受付システムの運用をアップデートされています。

QRコードの読み込みを受講者自身に任せる形にしたことで受付担当の人員を削減することに成功し、受付対応がスムーズになり、担当者の負担も軽減されています。

コムデックでは、お客さまのニーズに合わせてその場でアプリを構築する「kintone対面開発」を提供しています。
「イベント運営を効率化したい」「受付対応を自動化したい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。

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