仕入管理や見積管理にkintoneを導入して書類作成を自動化|製造業 株式会社しまコスメティックさまのアプリ開発事例

中小企業においては、まだ仕入管理や見積管理をエクセルで行っている企業さまも多く見られます。
エクセルの場合、柔軟に入力ができて便利な反面、顧客情報や金額などをその都度手で入力しなければならず、時間がかかるのが難点です。
そんな時、kintoneを使えば仕入管理も見積管理もまとめて効率化できます。
そこで本記事では、kintoneとプラグインを活用して仕入管理や見積管理のシステム化に成功した、株式会社しまコスメティックさまの事例を紹介します。
製造業でのkintone活用については、こちらの記事でも事例を紹介していますので、あわせてご覧ください。
▼製造業でよくある課題をkintoneで解決!製造業務改善パッケージ
目次
仕入管理や見積管理をシステム化して、書類作成を自動化したい!
株式会社しまコスメティックさまは、化粧品・健康食品・衛生用品などの開発から販売までを手掛ける株式会社エム・ワイさまのグループ会社の1つです。
国内の自社工場で、化粧品の企画提案から製造までを担っていらっしゃいます。
株式会社しまコスメティックさまはこれまで、仕入管理・顧客管理・見積管理などあらゆる業務にエクセルを使っていました。
一例を挙げると、営業担当の業務として「仕入業者に仕入見積を依頼する→原価を踏まえて顧客に提示するための見積書を作成する→契約が決まったら仕入業者への発注書を作成する」というものがあります。
営業担当は、これらの書類を作るために毎回エクセルで顧客情報や仕入先情報などを手入力しなければならず、とても非効率な状態でした。
また、他の人が案件の進捗状況について知りたいときは、わざわざ営業担当に聞きに行かなければ分かりません。
以前はこの方法でも何とかなっていましたが、会社の規模が大きくなるにつれて、エクセルでの書類作成や情報共有が難しくなってきました。
そこで「仕入見積→顧客への見積提示→仕入受注」という一連の流れを仕組化して、業務効率をアップさせたいと考えた株式会社しまコスメティックさま。
進捗状況もシステムで管理すれば、社内全体がリアルタイムで情報共有できます。
これにより、社内の対応漏れを無くしたり、顧客満足度を向上させたりするのが目標です。
合わせて、株式会社しまコスメティックさまでは課題解決のノウハウも蓄積して共有したいと考えました。
将来的には生産計画もkintoneで立てていく方針のため、今からその下地も作っておく必要があります。
以上を踏まえて、kintone(キントーン)とプラグインを使って仕入管理と見積管理をシステム化することにしました。
業務フローを整理して必要なアプリを準備
ここからは、株式会社しまコスメティックさまにおける実際のアプリ構築の流れを解説します。
はじめに現在の業務フローをヒアリングして整理し、「仕入の見積依頼」「顧客への見積提示」「仕入発注」という3つのステップがあることが分かりました。
各ステップの情報は連動しており、仕入れの金額を元に見積もりを作ったり、見積もりが確定したら仕入発注を行ったりといった動きになります。
次に、それぞれのステップの情報管理に必要なkintoneアプリを検討し、構築していきました。
1つめは、仕入先から見積を取得した際に情報を入力する「仕入先見積管理アプリ」です。
仕入先や原料名、単価、仕入金額などを管理します。
2つめは「見積管理アプリ」です。
こちらのアプリで案件を選択して、顧客に提示する見積書を作成します。
3つめは「発注管理アプリ」です。
成約した案件に関する発注書をこちらのアプリで作成・発行します。
これで、仕入管理・見積管理に必要なアプリの準備が整いました。
krewDataを使って転記作業を自動化
アプリが用意できたら、次はkrewData(クルーデータ)を使って転記作業を自動化していきます。
krewDataは、kintoneの複数アプリにまたがるデータを集計・加工できるプラグインです。
今回のように、1つのアプリに入力されたデータを、別のアプリに転記したい場合にも活躍します。
krewDataでは、集計したいタイミングによって「スケジュール実行プラン」と「リアルタイム実行プラン」が選べます。
集計の実行結果のログも残るため、いつ処理されたかがひと目で確認できるのもポイントです。
株式会社しまコスメティックさまでは、2つめの「見積管理アプリ」に案件名を入れるだけで、1つめの「仕入先見積管理アプリ」の情報が自動で反映されるよう設定しました。
仕入明細が自動作成されたら、原料の仕入金額を見ながら見積単価を入力できます。
続いて、見積が確定したら、「見積確定」にチェックをして保存すると、見積内容が自動的に3つめの「発注管理アプリ」に反映されます。
あとは希望納品日など一部の項目を追記するだけで発注データが完成します。
さらに今回は、帳票出力のために「k-Report(ケーレポート)」というプラグインも使用しました。
そもそも、kintoneの標準機能では、「見たままの画面を印刷する」ことしかできません。
そんな時k-Reportを使えば、請求書や見積書、発注書と言った書式の決まった書類を簡単に出力できるようになります。
k-reportにより、発注書や見積書は各アプリの出力ボタンを押すだけで作成できるようになりました。
仕入管理や見積管理にkintoneを活用するメリット
株式会社しまコスメティックさまは、仕入管理や見積管理をkintone化したことで、仕入先情報や見積金額を何度も転記する手間がなくなり、大幅に工数を削減できました。
見積から発注までの業務が繋がって、スムーズに進められるようになったことがメリットです。
エクセルや紙の書類をあちこち見なくても、kintoneの画面上で完結できるようになりました。
また、kintoneを見ればいつでも情報共有できるため、対応漏れも防げます。
強いてデメリットを挙げるとすれば、kintoneの使い方に慣れる必要があるということです。
新しいシステムを導入すると、最初はどうしても「操作が難しい」「前の方がいい」と感じてしまう方もいらっしゃいます。
また、顧客情報や仕入先情報などについても、エクセルからkintoneに移行させる手間がかかります。
導入時は一時的に大変かもしれませんが、長い目で見ればメリットの方が大きいでしょう。
kintoneで仕入管理・見積管理を効率化しよう!
株式会社しまコスメティックさまは、仕入管理・見積管理にkintoneを導入することで、大幅な業務効率化を進めていらっしゃいます。
現在はテスト運用を経て、より使いやすいシステムにするためのブラッシュアップ中です。
今後は製造管理や原価管理、売上予測にもkintoneを活用する予定で、これにより顧客満足度や業務効率、意志決定の速度も向上させていきたいと考えていらっしゃいます。
さらに、製造業の株式会社しまコスメティックさまでの運用が軌道に乗ったら、次は卸売業に適した形にカスタマイズして、グループ会社の株式会社エム・ワイさまにも展開する予定とのことでした。
コムデックでは、製造業の業務効率化に特化した「製造業 業務改善パッケージ」をご提供しております。
このパッケージには、顧客管理や在庫管理、原価管理、工程管理など、製造業に必要なアプリが一通り揃っています。
こちらのページでは、登録なしでどなたでもご利用いただけるデモ環境も公開しておりますので、ぜひ実際の使用感を体験してみてください。
kintoneのことから業務改善の方法まで、ご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください!
コムデックでは業種にあわせた業務効率化の
支援を行っております!
お問い合わせはこちら