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kintoneの在庫管理アプリで在庫日数を把握!欠品による機会損失を防ぐ|食品販売業さまのアプリ開発事例

過去の販売データから在庫数を自動予測!食品系の在庫管理を実現

みなさんの会社では、在庫管理や先々の在庫予測、それに伴う発注の計画をどのように立てていらっしゃるでしょうか。

適切な量とタイミングを見極めて、過不足なく在庫管理をすることは簡単ではありません。
食品の場合には賞味期限も関係してくるため、在庫管理はより複雑になります。
ベテラン社員の経験や勘に頼っている企業さまが多いのが現状ですが、このような運用では効率が悪く、異動や退職によって業務が滞るリスクもあります。

そこで今回は、kintoneを使ってデータに基づく在庫予測を実現した食品販売業の事例を紹介します。
在庫の管理や在庫予測をシステム化したいとお考えの方は、是非ご覧ください。

基本の在庫管理アプリはできたけど……今後の出荷予測も自動化したい

今回の事例の企業さまでは、以前から在庫管理にkintone(キントーン)を導入されていました。

「定期購入分」と「都度購入分」に分けて在庫を管理しており、この2つの売れ行きを考慮して発注します。
現行の「在庫管理アプリ」は、定期購入分と発注済みの数だけを集計する仕組みになっていました。

しかし、この方法だと、現時点で確定している在庫は把握できますが、この先どれくらいのペースで減っていくのか、次はいつ頃在庫が無くなりそうなのかは把握できません。
商品の売れ行きは曜日や気温によっても変動するため、発注業務は担当者の経験と勘に頼る部分もありました。
そのため、予測が外れて在庫が余ってしまったり逆に足りなくて機会損失になったりといったムラが生まれていました。

そこでこの企業さまでは、前年や直近の出荷実績に基づいて、データから在庫予測を立てたいと考えられました。
在庫予測の精度を上げることで機会損失を減らすことと、これを機に発注業務の手間がなるべく減るような仕組みを作ることが目標です。

以上のことを踏まえて、今回はプラグインを使ってkintoneデータの集計と出荷予測を自動化することにしました。

kintoneデータの集計・分析に役立つ「krewData」

まずは、前年や直近の出荷実績データに基づいて、今後の在庫予測を立てる方法を検討しました。

予測に必要なデータとしては、次のようなものが挙げられます。

  • どの商品が、何曜日に、いくつ売れるのか
  • 季節の変化に伴って、いつ頃から売れ行きが変わるのか
  • 休日の前は、出荷数がどれくらい増えるのか など

さっそくkintoneの出荷実績データを集計したいところですが、実はkintoneは複数アプリにまたがるデータの集計や分析が得意ではありません。

そこで役に立つのが、「krewData(クルーデータ)」プラグインです。

krewDataを使うことでkintone上の複数アプリにまたがるデータを自動で集計・分析できるようになります。
プログラミングの知識が無くても、パズル感覚で簡単に集計フローを設定できるのが特徴です。

krewDataでは、日次や月次のように決まったタイミングで集計する「スケジュール実行プラン」と、アプリ操作と連動して集計する「リアルタイム実行プラン」が選べます。
そのため、業務の特性に合ったプランを選ぶことで、在庫管理や予実管理、請求データの作成、外部システムとの連携など、あらゆる作業の効率化が期待できます。

kintoneを使った在庫管理アプリの作り方

ここからは、実際のアプリ構築の流れや、在庫予測の計算方法について解説します。

はじめに、在庫予測に必要な以下の4つのアプリを用意します。

  • 商品マスタ:商品名、コード、1ケースの数量などを管理
  • カレンダーマスタ:日付と営業日・休業日を管理
  • 受注アプリ:受注を管理
  • 発注アプリ:発注を管理

次に、krewDataを使って過去の出荷実績を元に商品ごとの出荷数の平均値を算出します。
出荷実績については、商品の区分に応じて参照する期間を指定し、算出した平均値を1日あたりの出荷予測数量とします。

次に、在庫があと何日もつかを表す「在庫日数」を、「累計の予定在庫数÷出荷予測数量」で算出します。
具体的な例で言うと、1日あたり10本売れる商品の累計予定在庫が80本の場合は

    「80本 ÷ 10本 =8」

となり、在庫日数は8日となります。
これで、各商品の在庫があと何日ぐらいもつのかを自動計算できるようになりました。

算出した在庫日数はダッシュボードで一覧表示

この食品販売業の企業さまでは、数千種類の商品を取り扱っているため、1種類ずつ在庫日数を確認しているとかなりの時間を要します。
そこで、算出した在庫日数を「商品ごと×日付ごと」に把握できるよう、ダッシュボードで一覧表示することにしました。

ダッシュボードとは、表やグラフを1画面にまとめて、ひと目で分かるようにしたもののことを言います。
膨大なデータも瞬時に把握できるのがメリットです。

今回は「krewDashboard(クルーダッシュボード)」プラグインを使って、在庫日数をダッシュボード化していきました。
krewDashboardは、kintoneアプリのデータを1画面でダッシュボード化できるプラグインです。

ドラッグ&ドロップの操作で簡単に設定ができ、10種類以上の表やグラフなど多彩な表現ができます。
一覧画面で詳しく知りたい箇所をクリックするとドリルダウンで詳細データを表示できるため分析する際に効果を発揮します。

構築したダッシュボードでは、在庫日数が5日以内になると赤色で表示されるように設定し、発注から納品までにかかる時間も考慮して早めにアラートを出すことで、欠品を防ぐ仕組みを構築することができました。

kintoneで在庫日数を管理するメリットとは

今回の事例企業さまでは、kintoneアプリの構築によって過去の出荷実績データに基づいて客観的な在庫予測を立てられるようになりました。
必要な在庫数を固定してしまうのではなく、直近の出荷実績を考慮して算出するため、売れ行きの変化にも柔軟に対応できるのがメリットです。

また、システムで自動計算することで集計作業の手間をなくし、計算ミスや見落としを防げるようになることを目指しています。
これにより、「発注業務はベテラン社員にしかできない」といった業務の属人化の解消にもつなげたいと考えています。

kintoneはクラウドツールなので、スマホやタブレットがあればいつでも・どこでも最新情報を共有できることもメリットです。

kintoneの在庫管理アプリで欠品による機会損失を防ごう

今回作成したダッシュボードは全商品の在庫日数が一覧で表示される仕様ですが、発注が必要な商品のみの情報を抽出できるように今後はアプリをさらにブラッシュアップして、在庫日数がマイナスの商品だけを抽出できる機能も追加したいとのことでした。

コムデックでは、お客様のお悩みをお聞きして、その場でkintoneアプリを構築する対面開発を行っております。
「今使っているアプリがあるけど、もっと使いやすくしたい……」というときに、ご要望をお聞きしてカスタマイズすることも可能です。
kintoneを熟知するスタッフが、最適な方法をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

「kintone対面開発」サービスページはこちら

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この記事を書いた人

佐田 薫士

『kintoneスペシャリスト』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主にkintoneのカスタマイズを得意とし、サイボウズ認定資格である「kintone Associate」「kintone Customization Specialist」「kintone AppDesignSpecialist」「System Design Expert」を取得しています。 kintoneは他ツール(RPAや販売管理システム等)との連携も得意としていますので、皆様の業務の手助けになりそうな事例を見つけ、是非ご相談ください! youtube「kintone芸人」で検索!

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