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kintone × ChatGPTで面談記録や支援計画の作成を効率化|介護福祉事業 株式会社ワンセルフさまの開発事例

介護 kintone×AI 面談記録・支援計画作成を自動化

介護福祉の現場スタッフには、利用者さまのケアだけでなく、記録や計画書の作成など多くの事務作業も求められます。
スタッフの中にはパソコンが得意でない人や、文章を書くのが苦手な人もいるため、そうした人にとって事務作業は大きな負担です。

そのため、「事務作業の時間を圧縮して、なるべく利用者のケアに専念させてあげたい」と考えているマネージャーの方も多いのではないでしょうか。

そんなときにおすすめなのが、kintoneとChatGPTを連携したAI活用です。
本記事では、kintoneとChatGPTを連携して、面談記録や支援計画作成の自動化に取り組んでいる株式会社ワンセルフさまの事例を紹介します。

ChatGPTを使った報告書の作成に成功!次は面談記録や支援計画書の作成も自動化したい!

株式会社ワンセルフさまは、群馬県の高崎市と富岡市で10の介護福祉施設を運営する企業さまです。
放課後等デイサービスや生活介護施設などを運営し、地域の支援が必要な方とそのご家族を支えていらっしゃいます。

株式会社ワンセルフさまは、以前からkintone(キントーン)を導入されており、活動記録や面談記録などをアプリで管理していました。
これまでのアプリ開発では、kintoneの「活動記録アプリ」に登録したデータをChatGPTで要約し、報告書の原案を自動作成するという仕組みも構築されました。

従来は活動記録を半年分印刷してマーカーでチェックしたり、担当スタッフに聞き取りをしたりして1人分の作成に1時間以上かかっていた報告書を、ChatGPTと連携することでわずか3分ほどで作成できるようになっています。

前回のアプリ開発については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

▼kintoneとChatGPTを連携して介護記録に基づく資料作成を効率化|介護福祉事業 株式会社ワンセルフさまの開発事例

報告書の作成業務を大幅に効率化できた株式会社ワンセルフさまですが、スタッフがやるべき事務作業は他にもたくさんあります。
例えば、利用者さまのご家族と面談した際は「面談記録」という書類を作成しますが、担当スタッフが記憶を頼りに書き起こすため、内容をまとめるのに時間がかかっていました。

また、利用者さまには1人ひとりの状況を加味した支援計画書も作成しなければなりません。
支援計画書とは、基本情報や現状、支援目標、支援方法などをまとめた書類です。

医師や介護スタッフ、利用者さま本人、ご家族など、さまざまな方からの情報をもとに作成するため、こちらも大変な時間と労力がかかります。

株式会社ワンセルフさまの事務作業の全体像

株式会社ワンセルフさまの事務作業の全体像

こうした状況を踏まえ、株式会社ワンセルフさまはご家族との面談記録や支援計画書の作成にもAIを活用したいと考えました。

ただ、効率化と言っても100%の自動化を目指したいわけではありません。
人が判断する余地は残して、人間らしい共感や思いやりを大事にするのは大前提です。

そこで、前回構築した報告書作成の仕組みを応用して、面談記録や支援計画書の作成にもChatGPTを活用することにしました。

ChatGPTで思い通りの結果を出力させるコツ

ChatGPTを使った要約やデータ分析では、「実際にやってみたけどうまくいかなかった」という声もよく聞かれます。
例えば「専門用語の使い方がおかしい」「イメージ通りの結果が出てこない」といったものです。

こうした失敗を防ぎ、思い通りの結果を出力するためには、大きく3つのコツがあります。

データを投入する前に整える

ChatGPTで要約や分析を行う際は、投入するデータを整えることが重要です。
具体的には、欠損値、重複、表記ゆれ、異常値などを除くことが挙げられます。

また、プロンプト(AIへの指示文)で「売上金額が0円になっているデータは除いて分析してください」のような一文を入れることも有効です。

具体的な指示を出す

具体的な指示を出すことも、思い通りの分析結果を出力させるポイントです。
例えば、売上を分析する際「このデータを分析して」と入力しただけでは、何を知りたいのか分かりません。

「月ごとの売上データからトレンドを分析して、前年同月比の割合と、上位3つの要因を特定してください」のように入力すれば、求める数値が得やすくなります。

また、出力形式についても「何文字程度の文章で」「棒グラフで」のように指定しましょう。
さらに、前提条件や業界特有の知識もあらかじめ伝えておくと、出力の精度がアップします。

段階的にアプローチする

複雑な分析を行う際は、一度に指示せず、段階的にアプローチすることも大切です。
例えば、過去の売上データを分析して、それをもとに来年の販売戦略を立てる場合を考えてみましょう。

「このデータを分析して、来年の販売戦略を立てて」と指示すると、表面的で使えない分析結果が出力される可能性が高くなります。
そんなときは、次のようなステップを踏んで対話を繰り返すように指示を出すと、出力の精度が高まります。

    <例 過去の売上データをもとに、来年の販売戦略を立てる>

  1. この売上データを、月ごと、商品ごと、エリアごとにまとめてください
  2. 商品ごとの売上推移の特徴を分析してください
  3. 商品ごとの売上推移が異なる原因として考えられることを3つ挙げてください
  4. これまでの結果を踏まえ、商品ごとの販売戦略を提案してください

また、処理中にエラーが発生したときの対処法(処理を停止する、警告を出して続行する、など)もあらかじめ決めておくと、スムーズに進みます。

kintoneとChatGPTの連携で複数アプリのデータも横断的に要約

ここからは、実際に株式会社ワンセルフさまで行ったアプリ開発の流れを解説します。

はじめに、要約の元となるデータがkintone内に必要ですが、株式会社ワンセルフさまでは以前から活動記録アプリを運用されていたため、このアプリをそのまま活用することにしました。

次に、利用者さまご家族との面談をZoomで録画し、Zoomの機能を使って文字起こしと要約を行います。
要約文ができたら、kintoneの「面談記録アプリ」にデータを登録します。

株式会社ワンセルフさまの場合は、前回のアプリ開発(報告書作成の自動化)の際にChatGPTとの連携設定は完了していたため、あとはインプットするアプリと出力先のアプリを指定して、プロンプトを設定すれば面談記録を作成できます。

プロンプトを設定

これで、「支援計画」のたたき台となる資料の完成です。

「支援計画」のたたき台となる資料

kintoneとChatGPTを連携させるメリットとは

株式会社ワンセルフさまのアプリ開発は現在進行形で、まだ模索中の部分もあります。

具体的には、面談記録のデータをkintoneに登録する方法について「Zoom→AWS→kintone」とするのか、もしくは「Notta(※文字起こしツール)→kintone」とするのか2つの案があり、それぞれで試行錯誤しているところです。

そのため、ChatGPTの導入による正確な効果測定はまだできませんが、このままいけば面談記録や支援計画書の作成時間は短縮できそうです。
パソコン操作が苦手なスタッフも入力作業のハードルが下がるため、資料の内容を考えることに集中できます。

また、以前はスタッフのスキルや主観によって成果物の質にバラつきが出る可能性もありましたが、ChatGPTで客観的な情報をまとめられるようになりました。
ChatGPTの便利さを実感できたことで、今後社内のIT化が進むことも期待されます。

ただし、ChatGPTはあくまで効率化の道具なので、人間による最終確認や調整は必要です。
株式会社ワンセルフさまの場合は、もともと全自動化を目指しているわけではないので、この点は問題ありません。

注意点として、利用者さま全員分の書類を作成しなければならないため、AIを利用するためのAPIコストはそれなりにかかってしまいます。
これについては、トータルで見れば作業時間を短縮できるメリットの方が大きくなる見込みです。

kintone × ChatGPTで現場スタッフの負担を軽減しよう!

株式会社ワンセルフさまは、kintoneとChatGPTを連携して、事務作業の効率化を進めていらっしゃいます。
前回の報告書作成業務に続き、面談記録と支援計画書の作成業務も、自動化まであと一歩のところまできました。

こちらが実現すれば、他の帳票作成にも活用範囲を広げるなど、AIに頼むことと人間がやるべきことのバランスをとりながら、さらなる効率化を進めていきたいとのことでした。

コムデックでは、kintoneの導入から運用、定着までをトータルでサポートする「kintone伴走支援」を行っております。
kintoneの知識はもちろんのこと、業務知識や実務経験も兼ね備えたスタッフが対応いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

「kintone伴走支援」サービスページはこちら

この記事を書いた人

西道 涼

『クラウドサービスの先導者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主に中小企業のクラウドサービスの提案から導入支援まで、一貫してサポートさせていただいております。 たくさんのクラウドサービスが普及する中、どのクラウドサービスが自社に合っているのか…お悩みではありませんか? 是非一度御社の理想をお聞かせください。ぴったりのクラウドサービスをご提案させていただきます!

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