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kintoneと外部連携できるkViewerで販売店向けの情報公開を実現 | タッチパネル輸入販売業 ナイスモバイル株式会社さまのアプリ開発事例

kintoneの情報を外部公開!kViewerで会員サイトを構築

御社は取引先との連絡をどのような手段でおこなっていますか?
最近ではチャットを取り入れていらっしゃる企業もありますが、大半はメールや電話、場合によってはFAXを利用されているのではないでしょうか?
取引先や販売店からの問い合わせが多く、電話やFAXなどの回答に追われている…このような企業さまも少なくありません。

A店舗からの質問に回答しても、B店舗・C店舗から同じような問い合わせがくればその都度対応しなくてはなりません。
問い合わせが多ければ、対応に追われて従業員の業務負担が増えたり別の業務に注力できなかったりといった弊害が生じます。
在庫状況や発送状況等、取引先が知りたいことはだいたい決まっているため、それらの情報を確認できる会員サイトのようなものを作るのが理想ですが、「そもそもどうやってそんなサイトをつくるのか」という問題や、今度はそこの情報を最新の状態に保たなければならないという課題が出てきます。

そんな時、kintoneのデータを活用できる外部連携サービスを使えば、kintone内の最新情報を社外に共有することが可能です!
今回の記事では、外部連携サービス「kViewer」を活用してkintoneユーザー以外へkintone内の情報公開を実現し、問い合わせ対応業務を効率化したナイスモバイル株式会社さまのアプリ開発事例を紹介します。

各販売店からの問い合わせで工数増加、販売店にとってもデメリット

ナイスモバイル株式会社さまは、長野県に本社を構え、全国に拠点を展開しているタッチパネル輸入販売業の企業さまです。
タッチパネル関連製品の導入プロデュースなども手掛け、ITによる働き方改革の支援を行っておられます。

コムデックでも、ナイスモバイル株式会社さまの「MAXHUB All in One Meeting Board」が複数台活躍中!オンラインでもオフラインでもマルチに活用できるインタラクティブホワイトボート(電子黒板)です。
▼MAXHUBの魅力大公開 WEB会議の価値最大化!

そんなナイスモバイル株式会社さまでは、販売店からの問い合わせがあると、都度電話やメールFAXなどで対応していました。
しかし、当然のことと言えば当然のことですが、販売店からの問い合わせには各営業担当がそれぞれ回答する必要があり、電話をかけても不在だった時にはまた時間を空けて連絡を……とラリーが続いてしまうことも。
販売店目線では「営業担当者に問い合わせをして回答を待つ」、ナイスモバイル株式会社さま目線では「問い合わせの内容を確認し、回答を用意して連絡する」たったそれだけ、と思うかもしれませんが、これが一日に複数回ともなると、問い合わせる販売店にもナイスモバイル株式会社さまにも負担がかかります。

電話やメール、FAX等による問い合わせ対応の課題は以下の通りです。

問い合わせ対応の課題

  • 会社として同じ内容の質問に何度も回答する工数がかかる
  • 販売店からすれば面倒で、ナイスモバイル株式会社さまも回答する手間・コストがかかる
  • 担当によって回答にばらつきが出ることもある

問い合わせは各販売店からバラバラにやってきますが、それらの問い合わせの中でも特に多いのが「製品の情報」「在庫状況」「案件状況」です。
それらの情報をまとめて共有できるポータルサイトのようなものがあれば、お互いに問い合わせの手間を削減できるのではないかと考えました。

納期や案件状況はkintoneで管理、kintone内の情報を外部公開できる?

問い合わせ業務の負担軽減のために外部へ情報を共有するためのポータルサイトを作ると言っても、ゼロから構築するのは費用も時間もかかります。
加えて、案件の状況など各販売店ごとに表示する情報を変えなくてはなりません。

そこで利用できるのではないかと考えたのがkintone(キントーン)です。
ナイスモバイル株式会社さまでは以前からkintoneを活用しており、よく問い合わせのある情報の一部は既にkintoneで管理していました。

コムデック ナイスモバイル kintone kViewer

ナイスモバイル株式会社さまが案件管理と在庫管理を一気に解決したkintone活用事例はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
▼案件管理・在庫管理をkintoneで一元化!KANBANプラグインで進捗管理がずっと楽に

kintoneなら、アカウントごとに見せるべき情報を制限できるため万事解決……に思えましたが、既存のデータを外部に公開するためにはいくつかの問題がありました。
そもそも、kintoneの標準機能では「ゲストスペース」を利用する以外にkintone内の情報を公開する方法がありません。

ゲストスペースとは、その会社のkintoneユーザー以外の人(ゲストユーザー)が情報を閲覧できるコミュニケーションスペースです。
相手が既に別の環境でkintoneアカウントを持っている人であれば無料で利用することができます。(アカウントを持っていない場合、有料のゲストアカウントが必要です)
kintone内の情報を外部に公開するためには、最初に「外部公開用のスペース(ゲストスペース)」を作っておく必要があり、アプリを別のスペースから移動させてくることはできません。
そのため、すでに外部公開用でない形(スペース)でアプリを運用している場合は、公開したい情報をゲストスペース外のアプリからゲストスペース内のアプリに転記する必要があるのです。

せっかく外部公開できても、そのための情報を改めて登録しなくてはならないとなると「情報を最新の状態に維持する」ためのコストがかかります。これでは問い合わせ業務を無くせたとしても意味がありません。

kViewerを使ってkintone内の情報を外部公開!

公開用のスペースやアプリを改めて作ることなく、kintone内の情報を外部に共有したい……そう考えたナイスモバイル株式会社さまが着目したのが「kViewer(ケイビューワー)」でした。
kViewerは、kintone内にある情報やデータを外部公開できるサービスです。このサービスを利用すれば、kintoneライセンスを持たないユーザー(社内・社外)にも、すでにゲストスペース外で運用している情報の公開が可能となります。
kViewerで販売店用のポータルサイトを作成しておけば、あとはkintoneの情報を更新するだけで「販売店に知らせたい情報のみ」を常に最新情報で公開することができるのです。

【kViewerでできること】

  • kintoneアプリの情報から、共有したい情報に絞って公開
  • 表示したい情報に合わせて表示方法を設定(リスト、カレンダー、ダッシュボード等々)
  • 簡易認証で販売店ごとにID/PASSを発行
  • 全体に共通で閲覧できる内容と、特定の販売店にしか見られない情報(案件情報や価格)をコントロール

ナイスモバイル株式会社さまでは、kintoneとkViewerを外部連携して「お知らせ情報」や「在庫状況」、「案件情報」「製品情報」「よくあるご質問」「ご提案から導入までの流れ」などを組み合わせた「ダッシュボードビュー」を作成しました。
販売店が「ここさえ見れば知りたいことが全てがわかる」ように構築した、こだわりのポータルサイトがこちらです!

コムデック ナイスモバイル kintone kViewer

お知らせに始まり、 ナイスモバイル株式会社さまの製品に関する情報やその販売店個別の案件情報まで、販売店が求めている情報がぎゅっと一ページに凝縮されています。
ここからは、配置してある各情報についてもう少し詳しく見ていきましょう。

お知らせの右には、製品に関する情報へのリンクがまとめられています。
仕様だけではなくチラシや紹介動画にも飛べるようになっているため、販売店の営業担当の方はここを見れば常に最新の資料を一気に確認することができます。

コムデック ナイスモバイル kintone kViewer

お知らせの下には問い合わせ用のフォームへのリンクが設置されており、各ボタンから入力した情報はkintoneアプリに直接登録されるようになっています。

さらにその下、「ご提案~導入までの流れ」をクリックすると、販売店の方からよく確認される導入までのフロー記載したページに遷移
さらにそこから、各STEPのカードをクリックすると詳細な解説を見ることができます。

フォームブリッジの導入事例については、以下の記事で紹介しているので、kintoneと外部連携サービスを活用して業務効率化を図りたい企業さまは是非ご覧ください!
▼kintone×フォームブリッジで入力フォームを設置して外部からの案件入力が可能に | タッチパネル輸入販売業 ナイスモバイル株式会社さまのアプリ開発事例

コムデック ナイスモバイル kintone kViewer

「在庫状況確認」からは、ナイスモバイル株式会社さまが取り扱っている各製品のリアルタイムな在庫状況を表示。
これだけの情報ですが、販売店からの問い合わせ数としてはかなり多い「今在庫ありますか?」を減らすことができます。

コムデック ナイスモバイル kintone kViewer

その他にも、FAQはカテゴリ分けもされており検索も可能なため、問い合わせずとも自分で答えを見つけることが可能です。

コムデック ナイスモバイル kintone kViewer

販売店ごとに公開情報をコントロールできるから安心

ここまでご紹介したのは、「全ての販売店に同じ情報を共有したい」項目でした。
お知らせや在庫状況など、これまで担当者によって回答がブレていたものが統一され、販売店は自分でポータルサイトを確認しにいくことで疑問を解消できます。

ところが、案件情報やその進捗状況については「全ての販売店に同じ情報を共有」するわけにはいきません。当然ですが、A販売店の案件・価格情報はA販売店だけが閲覧できる必要があります。
販売店ごとの公開情報の制御を行うため、ナイスモバイル株式会社さまではkViewerの「簡易認証機能」を活用しています。
簡易認証機能を使うことで、kViewerにアクセスするときにIDとパスワードの認証制限をかけることができます。
そのIDに応じて表示する情報を自動で切り替えることができるのです。
これにより、「特定のユーザーのみに、特定の情報を公開」することが可能となります。

ナイスモバイル株式会社さまでは、簡易認証機能を活用して「その販売店からご依頼を受けた案件の対応状況」と「その販売店経由の納品進捗状況」をそれぞれ公開しています。

コムデック ナイスモバイル kintone kViewer

コムデック ナイスモバイル kintone kViewer

※簡易認証機能は2023年1月末で廃止予定です(2023年1月末までに設定した簡易認証については、2025年1月31日までご利用いただくことが可能です)
※その後はよりセキュリティレベルの高い「Toyokumo kintoneApp認証」をご利用いただくことができます。

kintone上の最新情報を連携!kintoneの外部連携サービス「kViewer」を使うメリット

「kViewer」によって、販売店向けのポータルサイトを構築したナイスモバイル株式会社さま。
このポータルサイトの構築により、販売店からの問い合わせは減少し、各営業担当も回答に追われることがなくなりました。
販売店にとっては問い合わせをしなくても「疑問点があるときは、まずポータルサイトを見に行く」という羅針盤となるでしょう。
その結果、ナイスモバイル株式会社さまにとっても何度も同じ問い合わせに対応する必要がなくなり、回答にかかっていた工数の削減が実現できました。
販売店向けのポータルサイトは、単に「情報を公開できる場」というだけでなく、双方にとって効率的に業務を進められるプラットホームとなるのです。

kintoneの外部連携サービス「kViewer」を活用した効果

  • 案件の進捗や在庫の状況を、販売店がアクセスして確認できる
  • 同じような問い合わせに回答するコストを削減できる
  • 情報のアップデートはkintoneからできる

ちなみに、ポータルサイトを最大限活用するためには「ポータルサイトの情報(kintoneに登録されている情報)」を常に最新化しておくことが大切です。
すべての販売店がリアルタイムで最新情報を確認できるため「営業担当が伝え忘れていた」といった情報格差がなくなります。

ただし、外部連携のkViewerにはメリットが豊富な一方、一部デメリットもあります。
それは「販売店が増えたときには都度IDとパスワードを発行して共有する必要がある」という点です。
公開対象が多くなるほど発行・管理が複雑になりやすい、という点をあらかじめ理解しておく必要があります。

kintoneとkViewerを導入すれば共有したい情報のみを外部公開できる!

kintoneと外部連携サービス「kViewer」を導入することで、ナイスモバイル株式会社さまでは「共有したい情報のみ」を外部公開できるポータルサイトの作成大幅な工数削減を実現しました。
販売店は問い合わせする手間、ナイスモバイル株式会社は回答する工数が削減されたことで、結果的に無駄なコストの削減にもつながりました。

kintoneを使うことで社内での情報管理・共有が容易にできるようになります。
しかしその一方で、標準機能だけではkintone内の情報の外部公開方法は限られ、外部公開用のスペース・アプリである必要があります。
そこで、kViewerにより外部向けのポータルサイトを構築することで、kintoneの環境や情報はそのままに、必要な情報だけを外部に共有することができます。
kintoneアプリで情報を更新すれば自動的にkViewer上の表示も更新されるため、常に最新情報を外部に共有することが可能です。

加えて、ナイスモバイル株式会社さまの場合には、kViewerと同じトヨクモの外部連携サービスである「フォームブリッジ」を活用し、Web上に公開する入力フォームも設置しています。
情報公開だけでなく、各販売店に案件依頼などの入力もしてもらうことで、直接kintoneへデータ登録がされるため業務フローの簡略化も実現できます。

もし今御社が問い合わせが多く困っている、あるいは「社外にkintone内の情報を公開したい!」と考えているのであれば、ナイスモバイル株式会社さまのように外部連携サービスを活用してみるのがいいかもしれません。
せっかくkintoneに最新情報があるのなら、社内だけではなく社外にも共有してみるのはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

前村 拓哉

DX化の伝道師

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主にkintoneのカスタマイズを得意とし、サイボウズ認定資格である「kintone Associate」「kintone AppDesignSpecialist」「Kaizen Management Expert」を取得しています。 Youtube「kintone芸人」では、実際の事例をわかりやすく説明したり、DX化を進めていく上で大事なことを提言しています!

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