kintoneを活用したCRMの成功事例9選!施策を成功に導くポイントも紹介

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企業が行うマーケティング手法の1つに、CRMがあります。
CRMは顧客満足度の最大化を促し、売上や利益を伸ばすために有効です。
効率的にCRMを実施するためにはCRMツールの導入がおすすめですが、CRMツールは様々な種類があるため、何を使ったらいいかとお悩みの方も多いのではないでしょうか?
もし今CRMツール探しで迷っているのなら、kintoneの活用がおすすめです。
本記事では、kintoneを活用したCRMの成功事例を9つご紹介します。
CRM施策を成功に導くポイントも解説しますので、CRMツールの選定や既存顧客へのアプローチ方法の参考にしてみてください!
この記事でわかること
- kintoneを活用したCRMの成功事例
- CRMを効果的に活用するポイント
こんな人におすすめの記事です
- CRMの成功事例をもとに、自社でも課題解決できるかどうか確認したい方
- CRMを活用して自社の売上を伸ばしたい方
目次
CRMとは?
CRMとは、顧客情報を分析し、関係を構築・維持するマーケティング手法です。
「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。
具体的にどのようなことを指すのかというと、顧客の購入履歴や購買行動を分析し、最適なアプローチを行うことで顧客満足度を向上させることがCRMになります。
CRMをエクセルや紙で行うのは難しいため、基本的にはCRMツールを用いて実施します。
CRMツールの多くは顧客管理機能や分析・レポート機能、メール配信機能等を搭載しているため、より効率的にCRMを実施できます。
kintoneを活用したCRMの成功事例9選
ここではkintone(キントーン)を活用したCRMの成功事例についてご紹介します。
kintoneはプログラミングの知識がなくても業務に合わせたシステムを簡単に作成できるため、CRMツールとしておすすめです。
エクセルやスプレッドシート管理から移行!MAツールと連携することで独自のCRMシステムを構築
とある中古住宅のリノベーション事業では、顧客管理の方法が社員によってバラバラで、同じ顧客でも紙で管理する人もいれば、スプレッドシートで管理する人もいました。
これだと顧客データが紐づいていないので、顧客対応やマーケティング施策の分析に活かせません。
そこでkintoneを導入し、顧客データをkintone上で入力・紐付けすることで、入力や集計にかかる時間の削減と、データから見出した質の高いマーケティング施策を実現しました。
また、kintoneとMAツールを連携させることで見込み客にも最適なアプローチを実現。
問い合わせやショールームの見学予約、自社サイトの閲覧状況をスコアリングし、メール配信のリストに活用しています。
実際にWEB閲覧情報をもとにメールを配信した結果、通常よりも大きな反響を得られました。
エクセルで顧客管理を行う問題点やCRMツールを活用するメリットは以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼エクセルで顧客管理はできる?CRMツールを使うメリットを解説
Salesforceからkintoneへ移行し、自社に合ったシステムを構築
輸入・販売業を営むある企業さまでは、これまでSalesforceを使って顧客情報や活動履歴を管理していました。
しかし、ライセンス料が高いことや、豊富な機能を十分に使いこなせていないことに課題を感じており、移行先を探す中でたどりついたのがkintoneでした。
Salesforceからkintoneへの移行に際しては、これまで蓄積してきたデータを活かすため、Salesforceでレポートのエクスポートをして、kintoneに読み込ませました。
kintone側で関連レコードを紐づけるため、Salesforce ID(Salesforceでレコードを作成した際に自動生成されるID)も合わせて出力したことがポイントです。
kintoneにデータを取り込んだ後は、アプリの細かい部分を調整したり、集計やメールの一括送信などに必要な拡張機能を設定しました。
これにより、Salesforceに比べて運用コストを抑えつつ、従来よりも使いやすい環境を実現できました。
欲しい機能を自分たちでカスタマイズできるため、より自社に合った運用が可能です。
Salesforceからkintoneへの移行については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
▼Salesforceからkintoneへデータ移行!自由なカスタマイズで自社に合ったSFAを構築|輸入・販売業の企業さまの開発事例
イベント管理の効率化・参加者の満足度向上を実現
一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまは、日本の電池サプライチェーンの持続的発展のために、電池に関する調査研究や関連機関向けのイベントなどを実施されている法人さまです。
交流会やセミナー等のイベントを開催する際、以前はメールやチラシで案内して、エクセルで参加者情報を管理されていました。
また、イベント後のアンケート回収には、Googleフォームを活用されていたそうです。
しかし、組織の拡大とともにイベントを運営する事務局の負担が大きくなったため、少ないリソースでも質の高いイベントを運営できるよう、kintoneの導入を決められました。
具体的に構築したアプリは、会員管理や来場予定リスト、受付、イベント参加アンケートなどです。
「来場予定リストアプリ」には、QRコードを出力できる「プリントクリエイター」という連携ツールを活用し、来場者にあらかじめQRコード付きの受講票を送付することにしました。
これにより、イベント当日はQRコードを読み取るだけで受付ができるようになり、1分間に10名ほどのペースで対応できるようになりました。
また、kintoneの導入によって準備やアンケート回収も効率化が進み、1イベントあたり約10時間の工数削減ができたということです。
今まで事務処理に費やしていた時間を企画やフォローアップに充てられるようになったため、参加者の満足度向上にもつながっています。
kintoneを使ったイベント管理の事例については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼イベント管理をkintone化して工数を10時間削減!参加者の満足度も向上|一般社団法人 電池サプライチェーン協議会さまのアプリ開発事例
顧客管理と在庫管理を1つのシステムに集約
株式会社OptoCombさまは、東京都墨田区にある製造業の企業さまです。
これまで、顧客管理にはSalesforceを、在庫管理にはプロジェクト管理ツールをそれぞれ使っていました。
しかし、Salesforceのライセンス料が上がったことや、2つのツールを使うことで入力の二度手間が発生していること等が課題となっていました。
そこで、データの一元管理やコストカットを実現するために導入したのがkintoneです。
まずは、Salesforceでどのような情報を管理しているのかを整理したうえで、必要なkintoneアプリを構築して、データを移行していきます。
ところが、Salesforceとkintoneでは顧客情報と案件情報、担当者情報などの紐づき方が異なるため、データの形式を変換しなければならないことが判明しました。
そこで、kintoneデータを集計・加工できるプラグイン「krewData(クルーデータ」を活用することで、スムーズにデータ移行ができました。
株式会社OptoCombさまでは、顧客管理や在庫管理をkintoneに集約したことで、複数のシステムにログインしたり、いくつもの画面を行き来したりする手間をなくすことができたということです。
製造業におけるkintone活用事例については、こちらの記事でも詳しく解説しています
▼kintoneをSFAとして活用し、情報の一元管理を実現!|製造業 株式会社OptoCombさまの開発事例
顧客管理をkintone化して請求書発行が簡単に
株式会社東洋不動産さまは、広島県東広島市で不動産業を営む企業さまです。
30年以上の歴史がある企業さまのため、顧客数はかなりの数になりますが、顧客管理や請求書発行をエクセルで行われていました。
不動産業の請求書は複雑で、物件によって「修理費用はオーナー様負担、退去費用は入居者様負担」となっていたり、振込先も自社の場合とオーナー様の場合があったりと、条件が異なるのが特徴です。
そのため、一般的な請求書発行システムでは対応しづらく、エクセルでその都度入力するしかありませんでした。
しかし、エクセル管理の場合、請求書を作成するたびに顧客情報を調べなければならず、作成した請求書の情報も共有しにくいなどの課題がありました。
そこで株式会社東洋不動産さまは、顧客管理や契約管理、請求管理などをkintoneで構築することにしました。
kintoneアプリなら項目を自由に設定できるため、先ほどの「費用負担は誰なのか」「振込先はどこなのか」といった、不動産業特有の複雑な情報も管理できます。
また、各アプリを連携させることで面倒な入力作業を省き、正確な請求書を作成することも可能です。
これにより、株式会社東洋不動産さまは大幅な工数削減を実現できたということです。
kintoneを使った顧客管理で請求業務を効率化した事例については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼kintoneで請求書を作成するために必要な「顧客管理」とは?~不動産仲介業編~|株式会社東洋不動産さまのアプリ開発事例
新規顧客獲得と顧客満足度の向上に成功
コムデックは、セミナーやオウンドメディアを通して新規顧客を獲得したり、既存顧客に有益な情報提供を続けることで顧客満足度の向上を図ったりしていました。
セミナーに新規顧客が何人参加したか、どのような人がオウンドメディアを見てくれているかなどのデータはkintoneを用いて集計しており、グラフ等で可視化されている状態です。
しかし、見える化止まりになってしまっており、「どうやったらもっと新規顧客を増やせるか」「どうやったら既存顧客からのリピートをしてもらえるか」という課題の解決まで手をつけられていませんでした。
kintoneには、顧客の基本情報はもちろん、これまでの購入履歴や契約情報等も蓄積されています。
これらの蓄積したデータをもとに分析・仮説立て・検証のPDCAを回し、それぞれ会社のフェーズに合わせて自社の施策の目的の変更・内容のアップデートを行いました。
その結果、オウンドメディアは多くの方に見られていることがわかったので、目的を既存顧客との関係構築から新規顧客の集客に変更しました。
一方、セミナーは集客目的ではなく、既存顧客との関係作りの場に変更し、それにあわせて内容も変化させています。
CRMツールはデータを定量的に分析できるので、このようにPDCAを回してマーケティング活動を改善していくことが可能です。
結果として、「新規顧客の集客」「既存顧客との関係作り」の両方が実現できる仕組みを構築できました。
▼新規顧客獲得と既存顧客満足度向上を後押しするIT活用とは?
顧客分析による営業力アップと顧客満足度向上に成功
世界中から商品を仕入れ、販売している卸売業の企業さまも、kintoneをCRMに活用されています。
この企業さまでは、仕入担当者が売れ筋商品や買い手がつきそうな商品を仕入れ、営業担当者が仕入れられた商品を確認し、顧客にアプローチして販売してきました。
しかし、仕入担当者と営業担当者それぞれの考えにギャップがあったため、商品にマッチする顧客がおらず、想定外の在庫を抱えてしまうこともありました。
このギャップを埋めるために、kintoneでこれまでの販売データと顧客管理アプリを紐づけ、顧客の購入傾向や好みを分析。
「どれくらいの時期にどのようなものを購入しているか」「どのような商品を好んで買っているか」といった分析結果に誰もがアクセスできるようになりました。
その結果、仕入担当者は分析結果をもとによりお客様の好みにマッチした商品を仕入れることができるようになり、営業担当者もお客様の趣味嗜好に合わせた商品を提案できるようになったため、顧客満足度も売り上げも向上しました。
▼kintoneで購買データ分析!営業力アップに繋げた顧客管理アプリ|卸売業のアプリ開発事例
kintoneアプリの活用で顧客満足度が向上し、建築数もアップ
新築の注文住宅を中心に手がける建築業 株式会社中美建設さまは、複数のシステムを使って顧客情報を管理していました。
同じ情報をそれぞれのシステムに入力する必要があるため、抜け漏れなく運用するには手間がかかります。
それだけでなく、お客様から問い合わせがあった際に、必要な情報を探すのにも時間がかかっている状態でした。
そこでkintoneを導入し、顧客管理アプリと案件管理アプリを作成して情報を一元化。
お客様とのご縁を大切にされている株式会社中美建設さまでは、社内の全ての部門がお客様データを活用できる体制を構築しました。
案件管理アプリでは、次のアプローチを明確にするためにヒアリング項目を登録。
顧客ニーズが汲み取りやすくなったことで、年間の建築数も増加しました。
kintoneの活用により全部門でミスや漏れのないアフターフォローが可能になり、顧客満足度アップにつながっています。
▼kintoneを建築業で活用!年間建築棟数アップに繋げた顧客管理・案件管理アプリの作り方|建築業 株式会社中美建設さまのアプリ開発事例
建築進捗の共有で顧客満足度の向上に成功
週末にはお客様が家族と訪れて様子を見ることが多い建築現場。
とある総合住宅メーカーでは、お客様の大切な休日を使って現場に出向いてもらうのは申し訳ないと思う反面、家ができるまでのワクワクも感じてほしいと考えました。
そこで、kintoneを導入して顧客ごとに専用の建築状況アプリを作成し、お客様が閲覧できるように設定。
工事担当者が建築物件の写真や動画をkintoneにアップロードすることで、お客様はアプリからいつでも建築現場の様子を把握できるようになりました。
アプリを介すことで現場とお客様のコミュニケーションが活性化し、顧客満足度も向上しただけでなく、お客様が建築現場の写真や動画を他の人に見せることで口コミが広がり、紹介案件の増加にもつながっています。
CRMを効果的に活用するためのポイント
ここまでいくつかの事例をご紹介しましたが、ここからは成功事例をもとにCRMを効果的に活用するためのポイントを解説します。
導入する目的を明確にし、社内で共有する
CRMツールを導入する際は、その目的を明確にすることが重要です。
目的が曖昧だと、何のためにどこを改善すべきかが定まらず、時間とコストを無駄にしてしまう恐れがあります。
目的を明確にする際、経営層が考える課題と現場が感じている課題は異なる可能性が高いので、社内全体で共有し、認識のズレがないかチェックしましょう。
KPIを設定し、PDCAを回す
「顧客満足度」は目に見えない指標のため、実際に改善されたのかが測りにくい部分となります。
そのため、メール開封率や解約率など、定量的に判断できる数値をKPIに設定して、数字で分析していくことが大切です。
また、CRMは時間をかけて顧客との関係を構築するマーケティング手法のため、短期的な成果はでにくい施策です。
PDCAを回しながら徐々に成果を出すことを念頭に置いておきましょう。
他のツールと連携する
CRMツールと他ツールを連携させることで、業務効率化につながり、部門間での情報共有もスムーズになります。
例えば、CRMツールとMAツールを連携させることで、MAで得た見込み客時点の情報をCRMでも利用できるので、アップセルやクロスセルといったより最適なアプローチがしやすくなり、売上アップが見込めます。
kintoneを活用してCRMを強化し、売上アップにつなげよう
kintoneはあらゆる業界のCRMに対応でき、成功事例も多くあります。
「kintoneを導入してCRMを実施したい」「CRMツールを使って売上を伸ばしたい」とお考えの企業さまは、ぜひ導入・運用してみてください。
コムデックではkintoneの導入・運用支援を行っています。
多数の成功事例から最適なCRM施策を提案しますので、kintoneをCRMツールとして活用し、売上を伸ばしたいという企業さまはお気軽にご相談ください。