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【建設業】効果的な業務改善方法とは?残業時間削減のための解決策を事例付きで解説!

建設業の残業を削減する業務改善方法とは?

建設業界は、多重下請け構造によるプロジェクトの複雑化や人材不足などから、さまざまな業務課題を抱えています。
さらに働き方改革による残業規制も2024年から施行されるため、ITを活用した業務改善はもはや「生き残っていくために必要」なレベルと言えるでしょう。

しかし、業務改善と言っても具体的に何をしたらいいのか残業を削減するためにどんなことができるのかわからない、という企業さまも多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、建設業の業務効率化や競争力向上に関心がある経営者やプロジェクト担当の方に向けて、建設業において今、業務改善が重要である理由と即実践できる残業削減方法ITツール(kintone)の活用方法について解説していきます。

多くの企業さまの業務改善を支援してきたコムデックならではの知見を余すところなくお伝えしていきますので、是非最後までご覧ください!

この記事でわかること

  • 建設業務の改善がなぜ必要なのか
  • 建設業で即実践できる残業削減方法やITツール(kintone)の活用法

こんな人におすすめの記事です

  • 建設業の業務効率化や競争力向上に関心がある経営者の方
  • 建設業の効率的なプロジェクト運営や残業削減に興味がある方

建設業の業務改善が必要な理由は、人材不足の深刻化

慢性的な人材不足にはどこの企業も頭を悩ませていますが、その中でも特に建設業界はその傾向が顕著であり、業務の効率と品質に大きな影響を与えています。
それに加えて、経験豊富なシニア人材が業界を支えているという現状があるため、これらの人材が転職または引退すると企業全体の労働力が大幅に減少してしまう可能性があるのです。

建設業界は昨今全体で需要が拡大しており、供給とのバランスが悪化し人材不足に拍車がかかっている状況です。
シニア人材の引退と若手人材の不足が同時に進むと、業務が滞る可能性があります。
人材不足が続くとプロジェクトの遅延や品質の低下を招き、企業の信頼性に影響を与えかねません。
特に建設業は必要な知識・技能が多岐に渡り、それぞれの分野で異なる専門知識が求められるため、人材不足は労働時間の増加を引き起こし、働き手に対する過重な負担がかかる可能性もあります。

人材不足が解決する見込みはこの先も薄いため、「人手が足りない中でどうやって効率的に業務をこなし、品質を担保するか」が重要となってくるのです。

建設業の業務効率が悪化してしまう3つの理由

建設業の企業に業務改善が必要な理由は人材不足であると述べましたが、ではどんなところを改善していけばいいのでしょうか?
業務改善を進めるべきポイントを見つけるためには、今現在業務効率を悪化させている部分を洗い出す必要があります。

この記事では、建設業によくある業務課題を3つご紹介します。御社はいくつ当てはまるでしょうか?

下請け構造によるコミュニケーションの不足

建設業界は多重の下請け構造により、コミュニケーションが複雑化しています。

元請け、一次下請け、二次下請け、さらにその下に個人事業主等、施工に関する情報一つ伝達するにしても「伝言ゲーム」のような状況を生み出し、正確な情報を素早く共有しづらい構造になっています。
そのため、元請け業者と下請け業者の間で指示や要望が正しく伝わらず、結果として現場での作業が計画通り進まない場合があるのです。

工事進捗をリアルタイムで共有できる体制が整っていない

工事の進捗状況や予算の消化状況など、工事中に共有すべき情報はたくさんあります。
天候や作業進捗によっては、最初に立てたスケジュールを調整しなければならないことも多々あるでしょう。

しかし、現状の建設業の企業では、現場の進捗状況をリアルタイムで共有する体制が整っていない場合が多く、紙やエクセルによる数週間遅れの報告書が提出されているケースが少なくありません。

情報の共有が遅れると現場の問題点や改善点がすぐに共有されず、その分解決も遅くなります。
意思決定が遅くなるため結果的に作業の効率が低下し、プロジェクト全体の進行に影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。

専門的な知識やスキルが必要なため属人化しやすい

建設業では、特定の業務に関する専門的な知識やスキルが必要な場合が多く、それが逆に業務の属人化を引き起こす要因となっています。
新入社員や未経験者がすぐに業務を遂行するのは難しいのが現状のため、熟練した職人や技術者に業務が依存してしまい、「その人がいなければ業務が停滞する」というリスクを常に抱えている状態になりがちです。

属人化が進むと知識や経験が個人に閉じこもりがちになり、組織全体としての知識の蓄積や共有が進まず組織の競争力の低下を招く恐れがあります。
人材育成の視点で見ても、企業が成長していくためには知識の共有・継承が不可欠です。

建設業の残業を削減する方法

建設業は、プロジェクトの締切や作業の進行状況に応じて残業が多くなりがちな業界です。
しかし、長時間労働は作業員の健康を害し、生産性の低下を招く可能性があります。
猶予期間が設けられていた働き方改革の残業規制も、いよいよ2024年から施行されるため、残業の削減は急務と言えます。

ここでは、建設業の労働時間を効果的に削減する方法について解説します。

残業が多い根本的な原因を可視化する

残業を削減するためには、まずは根本的な原因を解明して可視化するのがおすすめです。
従業員がどんなことに時間をかけているのかを把握し、その上で「何故時間がかかっているのか」を確認しましょう。

業務に時間がかかってしまう理由は技術不足や知識不足と言った経験によるものはもちろんですが、必要なデータや情報を迅速に探し出せない場合進捗管理が適切に行われていない場合など、情報管理面の要因も少なくありません。
これらの原因を明らかにして可視化することで、具体的な改善策を立てる基盤ができます。

ITツールを活用し、正しく且つ迅速に情報共有出来る体制を整える

前述の多重下請け構造に加えて、建設業は多くのプロジェクトが同時進行するため、情報の正確な共有が求められます。
従来の紙ベース、エクセル、メールでの情報管理は、情報の散逸や更新、共有の遅れが問題でした。
古い管理手法では、必要な情報を見つけ出すのも困難であり、結果として業務効率の低下を招いていたのです。

その状況を打破するためには、ITツールの活用が必須となります。
ITツールを効果的に活用することで、情報共有をスムーズにして業務の効率を大きく向上させることが可能です。

ITツールを活用すれば、情報が一元管理され、必要なデータにいつでもどこでもアクセスできるようになります。

また、リアルタイムでの情報更新や共有が可能となるため、作業の進行がスムーズになります。
適切なツールを導入すれば、建設業の業務効率は確実に向上するでしょう。

建設業で働き方改革を実現した業務改善事例

コムデックでは様々なITツールの導入を支援していますが、その中でも建設業の業務効率を各段に向上させるクラウドツールが「kintone(キントーン)」です。
kintoneを利用すれば、工事に関する情報がリアルタイムで共有できるのはもちろんのこと、見積書や実行予算書の情報が集約されるためkintone上で原価管理や予実管理も実現できます。

ここでは、具体的な業務改善事例を通じて、建設業での働き方改革の実現方法を詳しくご紹介します。

日報を一括管理し手間を削減!請求書の照合データの自動作成も|建設業 協成工業株式会社さま

協成工業株式会社さまは、kintoneの活用により日報と請求書処理の大幅な効率化を実現しました。

日報のデジタル化と原価管理の自動化

協成工業株式会社さまでは、もともとエクセルで日報を作成していたため、現場から経理担当者への日報の提出は月に一度だけでした。

kintoneの導入により、日報は一日ごとに提出するようになったためリアルタイムな勤怠データを確認できるようになり、経理担当者は現場監督からの日報を待つ時間がなくなりました。
従業員が提出した日報はkintone内で現場監督に申請でき、現場監督が承認した日報から順番に経理が確認していく仕組みとなっています。

提出された日報は夜中の内に自動集計され、日々原価管理表が更新されていきます。
これまでは月ごとにしかわからなかった原価の情報が、日別で確認できるようになったのです。

それに加えて、日報で管理できるのは勤務時間や工数だけではなく、現場でのお弁当の手配など細かい情報も一元管理できるようになりました。

▼kintoneの勤怠管理で社員日報集計にかかる工数を大幅削減|建設業 協成工業株式会社さまのアプリ開発事例

▼kintoneで原価集計を自動化!脱エクセルで原価管理にかかる時間が3分の1に|建設業 協成工業株式会社さまのkintone活用事例

協力業者日報の自動集計と請求書の自動照合

多くの建設業の企業さまでは、自社の社員だけではなく協力業者の社員が現場作業を行っています。
リアルタイムな原価管理を行うためには、この協力業者の工数も管理して原価管理に反映させなくてはなりません。

また、協力業者からは月ごとに請求書が届きますが、請求書に書かれている金額・工数が正しいのかどうかをチェックするためにも、協力業者の従業員がどのような働き方をしたのかを記録し、集計する必要があります。
そこで、協成工業株式会社さまでは日報のデジタル化に加えて、そのデータをもとに協力業者からの請求書と照合するためのデータを自動で集計する仕組みを構築しました。

これにより、請求書の処理時間が平均15分削減され、請求書の数字が不一致の場合の対応も迅速に行えるようになりました。

▼kintoneで協力会社の日報を一括管理して二重チェックの手間を削減|建設業 協成工業株式会社さまのアプリ開発事例

▼日報の数字を元にkintone上で請求書との照合データを自動作成し大幅な時短に成功| 建設業 協成工業株式会社さまのアプリ開発事例

出勤簿をkintone化!カスタマイズで部署ごとのアプリも整理|建設業 株式会社ロッシュさま

株式会社ロッシュさまは、kintoneを活用して出勤簿のデジタル化と効率化を実現しました。
これまで紙やエクセルで管理されていた出勤簿は、リアルタイムでの状況確認が難しく集計も手動で行わなければならないという課題がありました。

kintoneの導入により、出勤簿がリアルタイムで更新され、必要な情報がすぐに確認できるようになったことが大きなメリットです。

また、kintoneのカスタマイズ機能を利用して、部署ごとにアプリを整理し、使い勝手を向上させ、社内の情報共有がスムーズになり、業務の効率が向上しました。

▼kintone伴走支援でアプリ作成・カスタマイズを実現!|建設業 株式会社ロッシュさまの伴走支援事例

ITツールを活用して建設業の業務改善を図ろう!

人材不足や働き方改革による残業規制が迫る建設業。
そんな建設業の業務効率化のカギを握るのはIT活用です。

今回ご紹介したkintoneのようなITツールを活用することで、日報管理、出勤簿の作成、請求書の照合など、従来手作業で行っていた業務を自動化することができます。

業務改善はシステムを導入して終わりではなく、自社の業務・状況に合わせた継続的な改善が必要となります。常に業務プロセスを見直し、新しい技術や方法を取り入れることで業務改善を進めていきましょう。

コムデックでは、お客様のお悩みをお聞きして、その場でkintoneアプリを構築する「対面開発」や、建設業の業務課題を一挙に解決する「建設業 業務改善パッケージ」も提供しております。
建設業の業務改善に関するご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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