kintone構築前の「業務フロー整理」を伴走支援!シンプルに整理して課題解消を目指す|ソフトウェア設計・開発業 アイシン・ソフトウェア株式会社さまのサポート事例

kintoneを自社に最適化したいものの、具体的になにができるのかわからず、着手できないという企業さまも多いでしょう。
また、kintoneで改善したい業務が煩雑化しすぎるあまり、どのような形で構築すべきか迷ってしまうケースもあるはずです。
そんな時、コムデックの伴走支援を活用していただくと、kintone構築前の業務フローの整理からお手伝いできます。
今回は、複雑な業務フローを整理し、従業員の人事手続きを一元管理するシステムを構築できたアイシン・ソフトウェア株式会社さまの事例を紹介します。
「kintoneで業務改善システムを作りたい」「煩雑化した業務フローを整理したい」という企業さまは、是非ご覧ください。
目次
kintoneでどこまで業務を改善できるかがわからない……
アイシン・ソフトウェア株式会社さまは、アイシングループ約200社のなかで唯一のソフトウェア専門会社さまです。
とくにマルチモーダル・エージェントやドライバーモニターシステムなどの先行技術開発に注力し、モビリティの電動化や自動運転技術の進化に貢献されています。
そんなアイシン・ソフトウェア株式会社さまでは、以下の4つの業務課題を抱えていました。
1つ目は、情報共有手段が複数あることです。
メールやMicrosoft Teams、Confluenceなどさまざまなツールを併用しており、人によって情報共有手段が異なるため、全体の進捗状況や最新情報の所在を把握するのが困難でした。
2つ目は、資料作成・管理の煩雑化です。
手入力が多い資料の作成業務は、二重・三重入力によるコピペミスなどの発生リスクがあります。
また、各部署がそれぞれ独自に作成しているエクセル資料があり、管理コストが膨れ上がっていました。
3つ目は、部署を横断した全体の業務進捗が見えないことです。
アイシン・ソフトウェア株式会社さまのように大きな企業さまの場合、一つの業務が複数部署をまたぐ業務プロセスになることも珍しくありません。
しかし、全体の流れを管理する仕組みがなく、部署間の情報伝達は各部署に任せっきりで、手続きがブラックボックス化していました。
4つ目は、人事手続きの煩雑化です。
人事手続きにおけるタスクのパスや管理は、アナログで行われていました。
会社規模が大きく入退社の数が多いなか、手続き方法が統一されておらず、部署によってメールや紙、エクセル、専用ソフトなどバラバラです。
また「この場合にはこう」という場合分けの条件が多く、業務フローのパターンも増えていました。
こうした課題を受けて、各部署が実施すべきタスクや情報を一元化し、状況がわかるようにしたいと考えていたアイシン・ソフトウェア株式会社さま。
kintone(キントーン)で最適化したいと考えたものの、kintoneでなにがどこまでできるのかがわからないため、プランを立てられない状態でした。
そこで、コムデックへ伴走支援をご依頼いただくことになったのです。
情報を一元管理し、各部署のタスクを可視化するためにkintoneでのシステム構築を検討
まずは、さまざまなツールの併用によって発生していた煩雑化を解消するために、一元管理できるシステムを中心に据え、体制を整える必要があります。
これを起点に、各部署が実施すべきタスクを管理し、期限や進捗状況を可視化できれば課題が解消されるはずです。
思い描くシステムで得たい効果は、次のとおりです。
- システムを起点に自然と情報がパスできる
- だれもが常に最新情報にアクセスできる
- 各部署のタスクが可視化され、抜け漏れがなくなる
- 全体の進捗状況を把握できる
これを実現するツールとして、アイシン・ソフトウェア株式会社さまが導入を決めたのがkintoneでした。
kintoneは柔軟性や拡張性が高く、自社に最適化しやすい特徴があります。
また、kintoneならCSV出力にも対応しており既存のシステムとの連携も図れる他、さまざまな外部システムと連携できるため、既存データを活用しやすいと言うメリットもあります。
人事手続きの業務フローをECRS+伴走支援で整理
ほかのツールとも比較したうえで、現段階ではkintoneがもっとも適していると判断したアイシン・ソフトウェア株式会社さま。
方向性さえ整理すれば、システム開発のプロフェッショナルであるアイシン・ソフトウェア株式会社さまは、自力でkintoneを開発できます。
しかし、当時のアイシン・ソフトウェア株式会社さまはkintoneでどんなことができるのか、どんな業務フローなら最も効率的かつスムーズにkintone化できるのか、という知見が無い状態でした。
そこでkintoneの知見を持ったコムデックが、kintoneを構築する前の「業務フローの整理」を伴走支援させていただくことになったのです。
業務フローの整理は、業務改善の原則であるECRS(イクルス)に沿って進めていきました。
ECRSとは、業務改善のための4つの視点を示したフレームワークで、以下の頭文字を取ったものです。
- Eliminate:不要なものを取り除くこと
- Combine:複数のものを組み合わせること
- Rearrange:順番や配置を変えること
- Simplify:複雑なものを簡単にすること
上から順に検討を進め、最終的にはフローをシンプルに整えることで、効率的かつ効果的に業務フローを改善できます。
ここからは、実際に行った業務フローの整理の流れを解説します。
アイシン・ソフトウェア株式会社さまが何故業務プロセスの整理に拘ったのか、そのねらいはこちらの記事で詳しくご紹介しています!
kintone伴走支援で業務プロセスの整理を実現|ソフトウェア設計・開発業 アイシン・ソフトウェア株式会社さまの伴走支援事例
1.各部署に業務フローをヒアリングして図式化する
今回は人材採用から人事情報の取得、さらに実際の手続きまでをkintoneで一元化するフローを構築します。
そのため、まずはアイシン・ソフトウェア株式会社さまご自身で各部署にヒアリングしてもらい、以下のように「情報の流れ」や「各部署が行っている業務」を整理していただきました。
そこからアイシン・ソフトウェア株式会社さまのアイデアで、業務フローや制作プロセスなどの現状をフローチャートで可視化する「VSM」を使って業務プロセスを図式化しました。
以下は、正社員の手続きフローをVSM化したものです。
各部署に細かい役割があり、情報のパスが多いことがわかります。
ECRSに沿って「とにかくシンプルに整理すること」にこだわった結果、すべてを網羅するフローよりも、正社員と派遣社員を分けたほうがわかりやすいと判断し、派遣社員の手続きフローもVSM化しました。
2.業務フローを検討するためのレベルを定義づける
次に、業務フローを検討するために、各業務のレベル分け(レイヤ分け)と定義づけを行いました。
レイヤ0から数字が大きくなるにつれて、視点が細かくなっていきます。
今回は、レイヤ0から2までを定義づけし、レイヤ1と2の改善を行いました。
レイヤ0では、入社・退社・異動のプロセスの関係性を示すために、入社してから退社するまでに発生するあらゆる手続きを集約しました。
レイヤ1では、入社・退社・異動それぞれのフローを示します。
以下は、正社員の入社手続きの例です。
これをもとに、レイヤ2の整理を進めます。
レイヤ2では、レイヤ1における各部署のプロセスを整理します。
たとえば以下は、正社員の入社手続きにおける採用担当部署の業務です。
こちらは、総務部の業務です。
このように、各部署が行っている業務をかなり細かく整理していただきました。
コムデックでは、このレイヤごとのフローを見ながら、業務のなかで実際に使われている資料の中身も拝見して情報の流れをひとつずつ確認していきました。
3.コムデックがkintoneに最適化した業務フローを検討
アイシン・ソフトウェア株式会社さまに整理していただいた情報をもとに、kintoneでの最適化に向けて、コムデックが業務フローの整理を行いました。
まずは入社ほど複雑ではない退社、その中でも特にシンプルな請負の退社フローから検討した結果、「受付管理」という新たなアプリを作ることで、それを起点に業務を進めていけるのではないかと考えました。
一旦図式化してみたはいいものの、ここで一つの大きな問題に直面しました。業務の流れに沿ってフローを作成すると変更点が見えにくくなり、どこが改善されているのかがいまいちよくわからないのです。「受付管理(=退場管理)」が加わることで、かえって複雑にも感じられます。
そこで「入場管理・退場管理・異動管理」を軸として、情報の流れにフォーカスする形でフローを書き換えました。
以下は、退場管理を中心にした場合の情報の流れを示した図です。
軸を決めて情報の流れを整理すれば、どのようなアプリを構築すべきかがわかりやすくなります。
あとは同様の流れで、VSMを使って各種業務フローの整理を繰り返していきました。
kintoneを構築する前にシンプルに整理することがポイント
アイシン・ソフトウェア株式会社さまは、正社員のほか派遣等外部スタッフも多く在籍しており、多数の拠点を抱えておられます。
そのため、スタッフの雇用形態や拠点によって必要な手続きが異なります。
パターンごとに業務フローを検討しなければなりませんが、ひとつずつ紐解くには膨大な時間が必要です。
そこで、正社員のフローから不要な部分を削り、シンプルに整える方法をとりました。
正社員よりも手続きが少ない派遣社員は、削ることで効率的にフローを構築できます。
また、細かいイレギュラーケースを考え出すと時間がかかるため、大きな流れを整理する「全体最適の視点」を重視しました。
これにより、煩雑化した業務フローでも効率的に整理できます。
業務フロー整理の流れを標準化しkintoneアプリ開発の内製化を目指す
アイシン・ソフトウェア株式会社さまでは、整理した業務フローをもとに、社内の入退社システムを構築できました。
一連の流れが社内におけるDX人材の育成強化にもつながったことで、kintoneアプリの作成者が増加しています。
今後は、今回実践したアプリ実装前の新しい業務プロセスの検討から提案までの流れを標準化し、業務フローの整理から自社で内製化していく予定です。
コムデックでは、kintoneの構築・運用の悩みを明確化し、業務課題の改善をサポートする「kintone伴走支援」を提供しています。
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