kintoneの入金管理アプリをカスタマイズして仕掛の自動集計を実現!|株式会社BUZZさまのアプリ開発事例

みなさんの会社では、分割払いの売上管理や入金管理をどのように行っているでしょうか。
分割払いはお客さまによって支払回数や期日が異なるため、同時に多くの債権を管理しなければなりません。
それだけではなく、支払遅延や途中解約、早期一括払いなどのイレギュラーも起きうるため、エクセルで管理するのはかなりの手間になります。
そこで今回は、kintoneを使って売上管理や入金管理を自動化した株式会社BUZZさまの事例を紹介します。
エクセルでの入金管理に限界を感じている……という方は、是非ご覧ください。
目次
売上管理や入金管理はkintone化できたけれど……仕掛の集計も自動化したい!
株式会社BUZZさまは、東京都新宿区に本社を構えるSNSコンサルティング業の企業さまです。
Instagramを使ったマーケティング支援や運用代行、コンサルティングなどを手掛けており、創業以来順調に事業を拡大され、2024年11月には業界大手の株式会社エフ・コードさまのグループ企業になりました。
株式会社BUZZさまの前身となる株式会社アクティブさまでは、売上管理や入金管理にkintone(キントーン)を導入しました。
当時の開発事例については、こちらの記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
▼営業管理をスプレッドシートからkintoneへ移行し集計・入金管理を効率化|株式会社アクティブさまの導入事例
売上管理や入金管理については、kintoneでの管理が軌道に乗っていた株式会社BUZZさま。
ただ、仕掛管理はkintoneではなくエクセルで行っており、複雑な集計作業に手間がかかっていることが課題でした。
仕掛とは、企業会計において製造・制作途中で未完成の商品のことを言います。
SNSマーケティングは継続的な支援が必要なため、株式会社BUZZさまの契約プランは6ヶ月単位で設定されていて、支払方法は一括と分割が選べるのが特徴です。
仕掛を集計する際は、基準日によって契約金の残高が異なることや、未入金・貸し倒れが発生している可能性も考慮しなければならず、エクセル上の残高をパッと見ただけでは、現時点までの入金が適正に行われているかどうかが判断できなかったのです。
そこで株式会社BUZZさまは、今あるkintoneの売上管理・入金管理の仕組みをブラッシュアップして、仕掛の金額も自動集計できる仕組みを構築することにしました。
krewDataを使えば複雑な集計作業を自動化できる
仕掛の情報を自動集計するためには、複数のアプリから情報を集約する必要があります。
しかし、kintoneの標準機能では、基本的に1つのアプリ内のデータしか集計できません。
そこで、複数アプリにまたがるデータの集計をしたいときに役立つのが、「krewData(クルーデータ)」というプラグインです。
複数アプリのデータ集計が必要になる例としては、製造業の原価管理が挙げられます。
製品を1つ作るのにいくらかかったのか、利益がどれくらい出たのかを計算するためには、「売上管理」「仕入管理」「日報管理」などから数字を拾ってくることが必要です。
標準機能では対応できないこの集計を可能にしてくれるのがkrewDataです。
krewDataを使えば、プログラミングの知識が無くてもパズル感覚で集計フローを設定できます。
業務に合わせて、集計を実行するタイミングも選べるのがメリットです。
具体的には、日次や月次のような定期集計に適した「スケジュール実行プラン」と、アプリ操作と連動する随時集計に適した「リアルタイム実行プラン」があります。
kintone内での集計はもちろんのこと、外部システムと連携するためのデータ加工にも活用できるプラグインです。
多くの企業で、予実管理や在庫管理、請求管理、外部システムとの連携などに重宝されています。
仕掛の算出方法を整理して集計フローを設定
ここからは、株式会社BUZZさまで実際に行ったアプリ構築の流れを紹介します。
まずはじめに、仕掛の算出方法について税理士にアドバイスをもらいながら計算式を検討し、その計算式をもとにkrewDataで集計フローを設定していきました。
契約の種類によって計算方法が異なるため、フローを分岐させることで対応しています。
また、途中解約になった場合などの計算式もフローの中に組み込むことで、イレギュラーにも対応できるようにしました。
集計フローができたら実際に集計を実行してみて、従来の方法で計算した結果と照合します。
最初からぴったり一致というわけにはいかないので、ズレている箇所を見つけて原因を突き止め、集計フローを調整して、再度集計を実行する……という作業を繰り返しました。
そうして完成した集計結果がこちらです。
通常、krewDataで集計を行うと、新しくデータが追加されるか、条件に一致した既存のデータが上書きされます。
しかし、今回のケースでは、上書きをしてしまうと集計数字が日々更新されてしまい、「その会社が締日時点でどれくらいの残高だったか」を残すことができません。
そこで、データを履歴として残しておくため、今回は締日を管理するための「前受け金シート基準日アプリ」というアプリを作成することで対応しています。
集計を実行すると、このアプリに集計の実行日時や基準日、集計結果が一覧で記録される仕組みです。
これで、面倒な仕掛の集計を自動化できる仕組みが完成し、締日時点での数値も記録できるようになりました。
集計結果はkrewDashboardでダッシュボード化
自動集計の仕組みが完成したところで、株式会社BUZZさまではさらにデータ分析がしやすくなるようにダッシュボード化することにしました。
ダッシュボードとは、さまざまなデータを表やグラフにして一画面にまとめて表示した物のことを言います。
kintoneでダッシュボードを作る方法はいくつかありますが、今回は「krewDashboard(クルーダッシュボード)」プラグインを使うことにしました。
krewDashboardは、先ほどのkrewDataと同じシステム会社が提供するプラグインです。
こちらもプログラミングの知識は不要で、ドラッグ&ドロップの直感的な操作だけでダッシュボードを作成できます。
10種類以上の多彩な表やグラフが表現でき、ソートやフィルター、ドリルダウンなどのさまざまな機能が使えます。
実際に株式会社BUZZさまで作成したダッシュボードがこちらです。
縦軸に集計区分、横軸に年月を配置して、売上を一覧化しました。
顧客の属性ごとや、媒体ごとに売上の推移を確認できる仕組みになっており、業績の良い分野等を把握することができます。
今後は分析の結果得られた情報を元に、会社として注力する分野を絞ることでより効率的な営業活動が可能になるでしょう。
10時間かかっていた集計作業がわずか5分で完了!
株式会社BUZZさまは今回のアプリ開発によって、以前は10時間かかっていた集計作業が、わずか5分で済むようになりました。
アプリによる自動集計なら、計算ミスも起きません。
会計資料の作成時間も短縮され、浮いた時間でデータを分析したり、今後の戦略を考えたりできるようになったということです。
kintoneの入金管理アプリをプラグインでパワーアップさせよう
株式会社BUZZさまは、kintoneの入金管理アプリをカスタマイズしたことで、仕掛の集計作業の自動化に成功されました。
これまでは、主に売上を見て会社の状況を判断されていましたが、今後は営業担当の行動や成果も詳しく分析し、より効率的な営業活動ができるような戦略を立てたいとのことでした。
さらなる効率化のため、AIの活用も視野に入れているとのことです。
コムデックでは、お客様のお悩みをお聞きして、その場でkintoneアプリを構築する対面開発を行っております。
「今ある仕組みを活かして、もう一歩踏み込んだ処理ができたらいいのに……」というときに、既存のアプリをカスタマイズすることも可能です。
kintoneを熟知するスタッフが、最適な方法をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。
「この事例を自社でも実現したい!」
という企業さまはお問い合わせください!
お問い合わせはこちら