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kintone社員名簿で労務管理を実現!条件分岐処理プラグインで非公開情報も登録|総合建設業  株式会社井藤工業さまのアプリ開発事例

kintone社員名簿アプリに条件分岐処理プラグイン

過去在籍していた従業員から現在在籍している従業員まで、従業員のあらゆる情報を管理する従業員名簿。
今は従業員名簿をエクセルや紙で管理しているけれど、もっと便利な方法に切り替えたいと考える企業様が増えています。

最近はSmartHRのような人事管理専門のクラウドサービスもあり、今まさにご契約を検討中という企業様も多いのではないでしょうか?

これらの人事管理ツールは非常に便利ですが、無料で利用できるわけではありません。
これまで紙やエクセル、言ってしまえば無料のツールで管理していただけに、そこにいきなり一人ひと月当たり数百円~千円の費用を支払うのはちょっとためらってしまいますよね。

「専門ソフトが必要なほどではないけれど、エクセルや紙は卒業したい…」そんな総務部の方にぜひ使っていただきたいのがkintoneです。

今回は、kintone対面開発でアプリ構築方法を覚え、社内で「社員名簿アプリ」を作成された事例をご紹介します!

kintoneで社員名簿はできるのか?個人情報管理に懸念

愛知県名古屋市にて、一般住宅の設計・施工から公共工事まで幅広く手掛けている株式会社井藤工業さま。
高い技術力で地域に貢献するだけではなく、小学校などで子ども向けの土木やお金に関するセミナーを開催するなど、さまざまな活動を展開されています。

そんな株式会社井藤工業さまでは最近、従業員名簿のシステム化を検討していました。
総務で活用を進めているkintone(キントーン)で社員名簿アプリを作成できれば、他のアプリとデータを連携させて使うこともできるため活用の幅が広がるのでは、と考えられたのです。

これまで使っていた社員名簿の項目をもとにアプリを作成し、データを登録すればkintoneの社員名簿アプリ自体はすぐできあがります。
しかし、社員名簿内のデータは個人情報。全ての従業員が閲覧してよいものばかりではありません

かといって一律に「総務だけが閲覧」できれば良いかと言うとそうではなく、社員名簿に含まれる情報は以下の3つに分類されます。

  • 全員が閲覧できる情報
  • 本人のみ閲覧できる情報
  • 本人にも見せない(総務・人事・経営者だけが閲覧できる)情報

また、閲覧権限を気にかければいいだけではなく、勝手に編集されては困る項目もあります。
社員名簿をkintone化するためには、個人情報を守りつつ総務にとって使いやすい権限設定を検討する必要がありました。

kintoneの標準機能で可能な権限設定

今回のように、アプリに登録するデータの閲覧者や編集者を限定したい場合はどうしたらよいでしょう。
kintoneの初期設定ではレコード全てを全員が閲覧・編集できる状態ですが、標準機能内でアプリ全体やレコード・フィールドごとに、細かい権限設定が可能です。

具体的には、以下の3つの分類で権限を設定することができます。

1.アプリそのものへのアクセス権
「社員名簿アプリ」にアクセスして使えるのは総務担当者だけ、といった設定ができる

2.レコードごとのアクセス権
総務は全社員のレコードを閲覧でき、一般社員は自分のレコードのみを閲覧できる、などの設定ができる

3.フィールドのアクセス権
総務担当者だけがアプリ内の「入社日」の項目を閲覧・編集できる、などの設定ができる

コムデック 井藤工業 kintone従業員名簿

エクセルで例えると、「アプリのアクセス権」「エクセルのファイルそのものへの権限」で、「レコードのアクセス権」「エクセル内の一行一行への権限」、そして「フィールドのアクセス権」「エクセルの特定の列への権限」になります。

なお、このアクセス権は「kintoneのユーザー単位」での設定となるため、複数人でアカウントを共有して利用している場合には注意が必要です。
「一人1ユーザー」で運用している場合には問題ありませんが、例えば「営業チーム」として複数人で一つのユーザーアカウントを利用している場合、「営業チームの○○さんにだけ見てほしい情報」といった権限設定はできません

株式会社井藤工業さまではこれらのアクセス権のうち「フィールドのアクセス権」を活用し、「見えるべき情報」「見えないほうがよい情報」をフィールド(項目)ごとに切り分けて設定していくことにしました。

kintoneアプリを内製、ドラッグ&ドロップですぐ作れる!

株式会社井藤工業さまでは以前よりバックオフィスへのkintone活用を推進しており、勤怠管理やお歳暮管理のkintone化などを実現しています。

kintoneで勤怠管理とその集計を実現した事例はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneで脱エクセル勤怠管理を実現!給与計算のための集計を自動化

毎年年末に実施するお歳暮管理のkintone化の事例はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼総務でkintone活用!「送付履歴」の見える化でお歳暮や年賀状管理をスムーズに

kintoneは、プログラミングの専門知識がなくてもドラッグ&ドロップだけで簡単に業務改善アプリを作成できるクラウドツールです。
コムデックの対面開発では、実際に打ち合わせをしながら目の前でアプリの構築を進めていくため、アプリ構築のノウハウも覚えることができます。
株式会社井藤工業さまでも、今回の「社員名簿アプリ」については社内での作成にチャレンジされました。

株式会社井藤工業さま自身で作成した社員名簿アプリがこちら!

コムデック 井藤工業 kintone従業員名簿

「雇用形態」「部署」「入社日」などの基本的な情報に加え、「本人確認書類」や「運転免許期日」、「割り当てている社有車」といった業務に必要な項目も盛り込まれています。
さらに、社員の家族情報や人事・給与情報なども「社員名簿アプリ」内にまとめ、これまで複数のエクセルや紙にまたがっていた情報を一元化できるアプリになりました。

コムデック 井藤工業 kintone従業員名簿

アクセス権には標準機能と条件分岐処理プラグインを活用

これまでバラバラのエクセルや紙で管理していた「社員名と一緒に管理したい情報」をすべて網羅し、一元管理できる「社員名簿アプリ」を作成された株式会社井藤工業さま。
次に、アプリ内のフィールドごとに権限範囲を決めていきます。

先ほどもお伝えした通り株式会社井藤工業さまの場合には「フィールドのアクセス権」を活用して、「本人資料」の分類に含まれる個人情報や「給与情報」管理者以外が閲覧・編集ができないよう設定しました。

コムデック 井藤工業 kintone従業員名簿

ここで困ったのが、テーブル機能と呼ばれるレコード内で行数を増やせる項目を使っている「家族情報」です。
kintoneの標準機能では、テーブル内の項目にはアクセス権を設定できません

コムデック 井藤工業 kintone従業員名簿

「家族情報」も個人情報にあたるため、他の従業員に見えるのは避けたいところです。

そこでテーブル内項目の閲覧権限には「条件分岐処理プラグイン」を使うことにしました。
条件分岐処理プラグインでは、レコードの内容が指定した条件に該当した場合に限り、非表示や自動入力といった処理を自動でおこなうように設定できます。

今回は、「ログインユーザーが総務以外の従業員だった時に家族情報に該当するフィールドを非表示にする」という設定を行うことで、標準機能では難しかったテーブル内の閲覧権限を実現できました。
※条件分岐処理プラグインの仕様上、レコードの詳細画面を開いた際に一瞬だけ非表示にすべき内容が表示されます

コムデック 井藤工業 kintone従業員名簿

条件分岐処理プラグインでは、ほかにも入力された内容に応じてエラーメッセージを表示させる、条件が揃うと自動でメールを送信する、などさまざまな処理が可能です。
詳しくはこちらの記事でご紹介していますので是非ご覧ください!

▼入力効率大幅アップ!kintone条件分岐処理プラグインの使い方徹底解説!

福利厚生のタイミングもリマインダーで自動通知

株式会社井藤工業さまでは、福利厚生の一環として従業員のお子さんの学校入学時にお祝いを渡しています。
これまではエクセルの社員名簿を目視で確認していましたが、一年に一度の業務なので漏れやミスが起こりやすい業務でもありました。

社員名簿をkintone化するにあたり、家族情報のテーブル内に小・中学校などへの入学タイミングを登録して、その日付の60日前に通知が飛ぶように設定しました。

年度末に向けて繁忙になる中、自動的に通知が来れば漏れやミスを未然に防ぐことが可能です。

コムデック 井藤工業 kintone従業員名簿

kintoneは、日付を基準としたリマインダー通知のほかにも、以下の2つの通知設定が可能です。

  • アプリの条件通知
    →アプリにレコードが追加された、編集された、コメント書き込みがあった、などの際に通知を送る
  • レコードの条件通知
    →アプリ内で作業者として自分が選択された、入力された数字が指定以上の大きさだった、ステータスが「緊急」になった、などの際に通知を送る

通知先も組織やグループ、ユーザーなどを指定できるため、通知機能を使いこなすことでデータ処理が滞りにくくなったり、漏れが起こりにくくなったりと、業務をスムーズに進めることができます。

kintoneで人事情報を一元管理しよう

今回は、紙やエクセルでおこなっていた人事・労務管理をkintone化し、標準機能とプラグインの活用で個人情報の閲覧や編集に制限をかけた「社員名簿アプリ」を社内で構築された事例をご紹介しました。

株式会社井藤工業さまでは従業員の情報がデータ化、一元化したことにより、総務での確認作業などに時間や手間がかからなくなりました。
また、「社員名簿アプリ」ができたことで、ほかのkintoneアプリからこのアプリのデータを参照する「社員マスタ」としても利用できるように。
従業員に関する情報の更新は「社員名簿アプリ」で一度おこなえばすべてのアプリに反映されされるため、更新漏れを防ぐことも可能です。
kintoneアプリなら、人事管理システムに高額な費用を払わなくても好きなように項目をカスタマイズして従業員の情報を登録することができます。

必要な項目を自由に設定できるkintoneによる社員情報管理。御社でも導入して、脱紙、脱エクセルを実現しませんか!

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この記事を書いた人

佐田 薫士

『kintoneスペシャリスト』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主にkintoneのカスタマイズを得意とし、サイボウズ認定資格である「kintone Associate」「kintone Customization Specialist」「kintone AppDesignSpecialist」「System Design Expert」を取得しています。 kintoneは他ツール(RPAや販売管理システム等)との連携も得意としていますので、皆様の業務の手助けになりそうな事例を見つけ、是非ご相談ください! youtube「kintone芸人」で検索!

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