kintone×AI活用にチャレンジしよう!具体的な活用事例を紹介

コムデックでは、四か月に一回、弊社のお客様向けに「DX担当者勉強会」を開催しています。
DX担当者勉強会では、人時生産性の向上や新規市場の開拓、新しい商品・サービスの開発、お客様のファン化、従業員満足度の向上、賃上げ等に取り組みたい企業様が、それらを通じて「良い会社作り」を目指すための考え方や手段をお伝えしています。
第29回となる今回は、「AIで業務がどう変わるのか?」、「kintoneとAIを組み合わせたツールで具体的にどんなことができるのか」といった疑問に答えながら、実際にAIを活用したkintoneの動きや、既にkintone×AIを活用いただいている事例をご紹介しました!
kintoneにある情報を活用したいとお考えの方、手軽にAIを活用してみたい方は是非ご覧ください。
担当者勉強会の内容はこちらの動画でもご紹介しておりますので、是非ご覧ください!
目次
乗り遅れるわけにはいかないテクノロジーの波とは
生成AI元年と言っても過言ではないほど、急激に生成AIが広がった2024年。
前回のDX担当者勉強会では、星の数ほど出てきたAIツールについて「どのツールを使うとよいか」「各AIツールでどんなことができるか」を整理してご紹介しました。
前回の勉強会でお話した内容の詳細は以下の記事をご覧ください!
▼明日からできるAI活用をご紹介!中小企業こそAIを取り入れよう
AIツールを使うと確実に業務効率が上がるため、まずは何か使ってみてください!とコムデックはおすすめしています。
人がゼロから作業するよりも、まずAIに実行させてからそれを調整する方が圧倒的に早いので、一度使ってみてその便利さを体感していただくことが重要だと考えているためです。
例えば前回ご紹介したAIツール「Perplexity(パープレキシティ)」はリサーチに強く、ただGoogle検索するよりも「自分が欲しい情報を集める速度」が格段にアップします。
テクノロジーの進化には波があり、数年ごとに重要な大きな波がやってきます。
今来ているAIの波は、重要で大きな波です。
以前来た大きな波であるインターネットやスマホも、当時は決して身近ではなく、利用に不安すらあったかもしれませんが、今では使って当たり前になっています。
同じように、AIも数年後には使って当たり前になっているでしょう。
その時に一歩先を行くためにも、今の内から利用してみるのがおすすめです。
kintone AIラボで蓄積データの検索性が向上
前回の勉強会でおすすめした生成AIはおそらく近いうちに一般的になり、他社との差別化を図れるAIツールではなくなります。
では、皆さんの会社でどういったAI活用ができると良いのか…それは、「オリジナルのAI活用」で事業の競争優位性を生むことです。
2025年4月15日、ついにkintoneのAI機能、「kintone AIラボ」の提供が開始されました。
kintoneにあるデータを使ったAI活用は、まさに自社固有、オリジナルのAI活用に繋がります。
kintone AIラボで具体的にどのようなことができるかというと、kintoneに蓄積されているデータの検索性向上です。
ここからは、kintoneAIラボをどのように活用できるかをご紹介します。
kintone AIラボ活用例①ノウハウ活用
「案件管理アプリ」などで該当するデータを探す場合は、検索窓に「キーワード(案件名や顧客名など)」や「日付」を入れて検索しますが、kintone AIラボを使うと、人と会話するように検索ができるようになります。
会話するように、というのは、例えば顧客に提案するにあたって参考にできる過去事例を探したい時、先輩に「同じような業種の顧客に提案した過去事例はないですか?」と聞くようなイメージです。
「製造業の企業に、SFA(営業支援システム)の提案をします。
参考になる過去の案件とその概要を教えてください。」と質問すると、過去事例から参考になりそうな案件概要や顧客ニーズ、提案のポイントなどをざっとまとめた回答を表示してくれます。
表示した案件以外のデータからも情報を補充して回答してくれる上、参考にしたデータも「参考情報」として明記されるため、該当データをすぐ確認でき便利です。
kintone AIラボ活用例②業務知識のキャッチアップ
kintone AIラボは業務知識のキャッチアップにも活用できます。
kintoneに「問い合わせ対応アプリ」「FAQアプリ」など、問い合わせやそれに対する回答を管理しているアプリがあれば、新規の問い合わせ内容をAIアシスタントに投げることで回答が得られます。
これを活用すれば、新しい担当者でも一定の品質での問い合わせ対応が可能になります。
他にも、kintoneを作る際にマニュアルを探したり、Web検索したりしなくても、必要な情報を得ることができますし、社内の各種マニュアル等がkintoneに入れてあれば、以下のような質問で知りたい情報をスピーディに検索できます。
「社内のWi-Fiへの接続方法を教えて」
「経費精算の手順を教えて」
つまり、kintoneAIラボを使うことで、検索の一般的なフローである「キーワードを入れて検索し、表示された検索結果からさらに自分が調べたい条件に合致するものを絞り込んでいく」ということをせずとも、会話的な質問によってAIが絞り込みまでやってくれるため検索性が向上するのです。
kintone AIラボを活用するためのkintone構築・活用とは
仕事に必要な情報は増える一方で、人が処理できる限界を超える日は遠くありません。
そこを乗り越えるためにも、ぜひAIをうまく活用していきましょう。
このセクションでは、kintone AIラボをうまく使いこなすために、やっておくべき準備をご紹介します。
AIが良い回答をできるようデータを増やす
AIが良い回答を返すためには、データが不可欠です。
そのため、AIが最適な回答ができるように、kintoneにできるだけデータを入れていきましょう。
現時点ではExcelやWord、紙のまま運用している業務もあるかもしれませんが、そういったものも今後のために、ざっくりでもいいのでkintoneへ移し替えておけると、後々活用できる可能性があります。
AI活用のために増やすべきデータとは
データを増やすと言っても何から手を付けたらいいの?という企業さまは、顧客に関するデータの質・量アップをおすすめします。
今はどの業種でも「個別最適化」が求められる時代です。
企業はニーズの変化、社会の変化を捉えて事業展開や設備投資などを考える必要がありますが、先々、各顧客へのアプローチをAIに検討させたい場合に、豊富な顧客データは欠かせません。
また、データは「成功事例と失敗事例」「結果の良し悪し」「結果のみならず過程の記録」までぜひ残してください。
AIはそういったデータを元にして、さまざまな切り口で回答を生成できるようになるからです。
kintone×AIで何ができる?具体例を紹介
ここからは、kintone AIラボ以外にも、今からすぐに取り組めるkintone×AI活用の独自活用事例をご紹介していきます。
是非自社に取り入れられるAI活用が無いか考えながらご覧ください。
kintone×AI活用事例①先行管理にAIを活用
コムデックでは、先行管理にAIを活用しはじめました。
コムデックの先行管理は、kintoneダッシュボードを活用し、利益目標に対する今の進捗・今後の見込み・マンパワーの状況などを管理し、業績の見通しを立てています。
コムデックの先行管理については、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneでリアルタイムな予実把握による先行管理を実現!エクセルより見やすい先行管理表の仕組みを紹介
kintoneの自動集計により表示される数値・情報を見て戦略を立てていくのですが、「どの数値をみてどう考えてどう作戦を立てるか」という毎月の作業がパターン化してきており、それならAIでもできるのでは?と考えました。
コムデックでは、独自にkintoneアプリとAIを連携させる構築をおこない、ボタンを押せばAIに「先行管理のデータから、今月のレポートを作成してください。
また、来月以降の作戦を教えてください。」という質問がされ、AIによる回答が表示される仕組みを開発しました。
AIを導入したことで、自分で全てのデータを見る、解釈する、文章化する…ということをゼロからやる必要がなくなり、AIがざっくりとまとめてくれたものに対して、データと突き合わせながら自分の解釈を盛り込み、調整を加えて目標達成の道筋を考えられるようになりました。
先行管理にAIを活用するPOINT
- 自分でイチからレポートを作らなくていい
- 空いた時間は問(プロンプト)を改良する、データを統合整理する
kintone×AI活用事例②売上分析をAIで実施
まだkintone上にそんなにデータがないんだけど…という場合は、売上分析をオススメします。
例えば、基幹システムにある販売データを月1回抽出してExcelで加工して会議資料を作っているといった企業さまにはぜひチャレンジしていただきたいです。
AIは自動集計だけではなく、ABC分析や売れ筋商品、どういった顧客にどの商品が売れているかということまで分析してくれます。
「顧客データ×販売データ」の分析をやろうとすると人力ではなかなかパワーが必要ですが、AIなら難しくありません。
さらに、自社の販売データや顧客データと、市場データを掛け合わせた分析・検討もAIなら簡単にできてしまうのです。
売り上げ分析にAIを活用するPOINT
- CRMデータと市場データも活用し施策立案できる
- 基本となる数値があればレポート作成(分析)とアドバイス可能
kintone×AI活用事例③報告資料作成にAI活用
AIが扱えるのは数字のデータだけではありません。
とある介護事業者さまでは、利用者さまの日々の様子(利用レポート)をkintoneへ登録しており、この情報を元に利用者ご家族へ定期的におこなう報告の内容を作成しています。
利用者さまは100名以上いらっしゃり、各利用者さまの全ての利用日のデータを半年分遡って報告内容を作成するためかなりの時間がかかっていましたが、この介護施設さまの付加価値の部分なので欠かすことはできません。
そこで、AIにこの報告内容のたたき台を作成させてみることにしました。
利用者さまの利用レポートの記録から要約を作成してくれるほか、根拠としていつのレポートを参考にしたかが併記されるため、内容確認もスムーズです。
この事業者さまでは、AIが作成したものを担当者が参考にしながら資料を作り、面談に対応するようになったことで、大きな時間短縮に繋がっています。
なお、この事業者さまでは、利用レポートのアプリに記録する時点で「食事」「よかったこと」など項目ごとの入力フォームにされていて、これがAI活用に大きく活きています。
AIが利用レポートから情報を整理してアウトプットできるため、利用しやすい回答を得ることができるのです。
報告資料作成にAI活用をするPOINT
- AIが回答作成時に判断しやすい記録項目を用意
- 文章データでもAI活用が可能!
kintone×AI活用事例④日報分析にAI活用
従業員が日々kintoneに記録している日報のデータもAIを使って分析することができます。
管理者の方は日報を読むだけで時間がかかってしまいますが、読むことが目的ではありません。
内容を把握し、メンバーやチームの働き方・成長・課題などを考えることに時間を使えれば、より日々の働き方を改善できます。
AIに日報から読み取れる課題や改善策を回答させれば、従業員個人の課題やチームの課題が見えてきます。
AIなら具体的な解決策も提案してくれるため、読むだけで終わってしまう日報を有効活用可能です。
日報分析にAIを活用するPOINT
- テキストからレポート作成(要約)とアドバイス
自社オリジナルのAI活用にチャレンジしよう!
AIを使ったツールやサービスは急激に増えており、AIは一気に身近なものになりつつあります。
近い将来必ずやってくる「AI当たり前時代」に対応していくために、今からできる準備を進めたり、今できるAI活用にチャレンジしてみたりすることが重要です。
まずは自分がゼロからおこなっていた作業をAIにさせてみることで、効率がアップします。
次に目指すべきは、オリジナルのAI活用です。
会社が持つさまざまなデータ(文章)をkintoneに載せ、AIが回答生成に使えるデータを拡充。
そして、「AIへ投げる質問のブラッシュアップ→データの拡充→質問の再ブラッシュアップ→AIの回答内容の改善…」というPDCAを回し、優位性やユニークさのある、オリジナルのAI活用を実現していきましょう!