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kintoneで予約管理!フォームブリッジでオンライン予約受付システムを構築|飲食業 株式会社勢乃國屋さまの事例

kintone×FormBridge オンライン予約受付システム

御社では、様々な「予約」をどのようなツールで管理されているでしょうか?
コロナ禍になり「来店予約必須」となった企業さまも多いですが、予約管理を紙やエクセルでとりあえずスタートしたというところも少なくないようです。

今回は、飲食店舗における予約管理をkintoneでデジタル化し、自社のHPからオンラインで予約受付できるようにした飲食業のkintoneアプリ開発事例をご紹介いたします!

紙・Accessによる予約管理の課題

明治時代の創業から長きにわたり、伊勢神宮内宮に繋がる宇治橋正面にある店舗で、伊勢ならではのお土産物や地場の食材を使ったお食事を提供されてきた株式会社勢乃國屋さま
保存料や着色料などの添加物を一切使っていないことが特徴のよもぎのお餅「神代餅」は店舗奥にある工場内で製造されており、製造に関する在庫管理システムkintone(キントーン)で構築して社内外から最新の状況が確認できる在庫管理を実現しました。

kintoneを活用した在庫管理で、業務効率がアップしただけでなく在庫発注の手間も削減した事例はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼在庫管理をkintone化!業務効率化の鍵は徹底的な「見える化」にあった|製造・小売・飲食業 株式会社勢乃國屋さまのアプリ開発事例

在庫管理の次の課題として挙がったのは、飲食店の店舗の予約管理でした。
旅行会社さんを通しての団体予約が多い株式会社勢乃國屋さまでは、予約管理に紙の予約台帳データ記録のためのAccessを併用して使っていました。

しかし、手入力や転記作業が多いためどうしても手間がかかったり、変更反映・周知するのに時間がかかったりと、使いにくさを感じる場面も多かったと言います。

他の分野でのkintone活用が進んだこともあり、導入から20年経つAccessでの管理そのものを見直したいということで、在庫管理に引き続き予約管理業務にもkintoneを展開させる取り組みが始まったのです。

目指せペーパーレス!kintone予約管理システムに求めることとは?

株式会社勢乃國屋さまの飲食店舗における予約管理の課題解決に向け、まずは現時点での業務フローを分解
その結果、株式会社勢乃國屋様では以下の5つのステップで予約管理業務を行っていることがわかりました。

株式会社勢乃國屋さまの予約管理業務5ステップ

  1. 旅行会社などからFAX(たまにメール)で手配書が届く
  2. 手書きで紙(ルーズリーフタイプ)の予約台帳へ内容を転記
  3. 当日より前に人数変更が発生すれば、手書きで台帳に追記
  4. 期日2日前にAccessへ手入力で登録
  5. 当日の予約リストは毎日印刷して関係者に配布

紙から紙の予約台帳へ転記、予約台帳から記録用のAccessへの転記、さらに変更があった場合には都度修正、予約リストを印刷・配布等、これらの作業にかかる時間は少なくなく、手作業によるミスも起こりやすい状況でした。

コムデック 勢乃國屋 予約管理

この業務フローを元に予約管理システムをkintoneで構築する上で、株式会社勢乃國屋さまがシステムに求める条件は以下の4つです。

  • 「手で書く」「転記」を辞めて、とにかく団体予約管理を効率化させたい
  • 紙の予約台帳とAccessによるデータベースの廃止
  • 代金の精算状況もデータで管理したい
  • 予約の見える化だけではなく、当日の概算売上の集計がしたい

せっかくシステム化するなら、ただ予約を管理するだけではもったいない!ということで、予約管理を効率化しながら売上の予測も立てられる予約管理システムの構築がスタートしました。

kintone予約管理アプリを構築!予約情報を一元化

まず最初に、紙の予約台帳をkintoneアプリ化し、そこにAccessで管理していた情報も含めてこれまで分断されていたデータを統合。
これにより、一つのアプリで「今入っている予約状況」「過去の予約データ」両方を管理できる状態になりました。

コムデック 勢乃國屋 予約管理

これで、予約管理アプリをチェックすれば「いつどんな内容の予約が入っているか」「以前どんな予約を受けたことがあるか(履歴)」などがすべてわかります。
kintoneならパソコンはもちろん、スマホからも使用できるため、出先や家にいながらでも「どんな予約が入ったか」を確認できるようになったのです。

フォームブリッジで受付システムを構築、予約受付をオンライン化

Accessでおこなっていた予約の履歴管理と、紙の台帳でおこなっていた今後の予約管理をひとつのkintoneアプリへまとめ、一緒に管理できる状態になりました。

しかし、これではまだ団体予約がFAXで届く度全て手入力でkintoneへ登録しなければなりません。
FAXによる予約受付を廃止するわけではありませんが、時代に合わせオンラインで予約を受け付けられるようにしたいという想いもありました。

そこで、少しでも業務効率を上げるために導入したのが、外部からの入力情報を直接kintoneに保存できる連携サービス「フォームブリッジ」です。

フォームブリッジとは、WEBフォームとkintoneを紐づけられる外部連携サービスです。
アンケートや問い合わせフォーム、そしてその回答を保存したいkintoneアプリを用意すれば、外部から回答がある度指定したkintoneアプリへデータが自動で登録、保存されていきます。
このフォームブリッジを使えば、オンラインで予約を受け付けながら、さらにkintoneへの入力と言う作業を効率化することができるのです。

また、フォームブリッジの大きな特徴のひとつは、フォームブリッジの入力フィールドの形式とkintoneのフィールドは必ずしも一致している必要がないということ。
例えば入力してもらうフォームブリッジではラジオボタンでも、連携されるkintoneでは文字列…といった紐づけも可能です。

さらに、回答内容に応じて次の設問を変更する条件分岐や、数ページにわたって入力してもらうステップフォームなど、内容に合わせて柔軟にWEBフォームを作成できる使い勝手の良さも魅力です。
株式会社勢乃國屋さまの飲食店舗の場合、人数によって予約できるメニューが決まっています。
そこでフォームブリッジの機能を活用し、入力してもらった条件(予約人数など)に応じて選択可能なメニューが変わるよう設定しました。

作成した予約フォームは自社のHP等に埋め込んだり、リンク形式で予約フォームに飛ばすことが可能です。
株式会社勢乃國屋さまでは、HP上にご予約フォームへのリンクを配置する形でオンライン予約をスタートさせました。

コムデック 勢乃國屋 予約管理

コムデック 勢乃國屋 予約管理

実際のご予約フォーム

このご予約フォームから受け付けた予約は、一旦kintone内の「予約受付用アプリ」に登録されます。
登録された内容を株式会社勢乃國屋さまが確認し、問題なければワンクリックで予約管理アプリへとデータを転記する構成になりました。

予約フォームではなく、旅行会社さんからFAXやメールで手配書や予約の情報が届いた場合は、kintoneの予約管理アプリへ手動で一度だけ入力を行います。
これまで毎日印刷していた当日の予約リストも、kintoneの予約管理アプリから自動抽出され、一覧で確認できるようになりました。

kintone予約受付システムが完成し予約管理の効率化を実現

飲食店舗の予約管理に関する業務をkintoneにまとめた結果、以下の通りさまざまな作業がスリムになり、業務全体の効率アップと予約受付のオンライン化による新たな顧客体験の提供を実現しました。

  • 予約をFAX、電話、メール以外からも受付られるようになり、お客様側の利便性もアップ
  • 予約フォームからの予約についてはkintoneに自動登録、ワンクリックで予約管理に転記可能
  • FAXやメールでの予約(手入力)の場合も一度登録すればOK
  • 変更は即時反映
  • 当日の予約リストは自動抽出可能
  • 予約状況もこれまでの集計も最新の情報が社内外から確認可能

実際の導入までには、飲食店舗の従業員さんたちにデータ入力や出力などの作業をトレーニングすることに少し時間を要しましたが、社長を中心に積極的にkintoneの活用を推進してくださり、紙の台帳からの脱却を図ることができました。
はじめは団体向けの予約管理からスタートしましたが、現在は個人向けの管理情報も追加し、予約管理業務はより効率化しています。

金額集計やキャンセル集計も自動化!紙ではできなかったデータ分析も

予約とその履歴管理ができるkintoneアプリを作成し、kintoneと紐づいたオンライン予約受付フォームもスタートした株式会社勢乃國屋さま。
新しい予約管理システムに求めることのひとつでもあった精算確認や売上概算算出についても、kintoneの自動集計機能で大幅に簡素化しました。

kintoneは持っているデータの集計やグラフ化が得意です。
表形式での閲覧はもちろんのこと、期間や項目などを数クリックで自由に設定して集計・グラフ化でき、リアルタイムな状況の把握を可能にします。
利用人数や飲食の売上の推移や比較はもちろんのこと、コロナによるキャンセル数なども簡単に確認できます。
予約管理のアプリに入金の状態も項目に加えることで、各団体予約の精算状況についてもチェックができるようになりました。

コムデック 勢乃國屋 予約管理

株式会社勢乃國屋さまの予約管理業務のkintone導入前と後を比較してみました!

ビフォー
紙の予約台帳+Access
アフター
kintone+フォームブリッジ
予約管理システム
予約方法 FAX/電話/メール FAX/電話/メールオンライン予約フォーム
管理方法 紙・Accessにそれぞれ転記 自動登録または一度だけ入力
登録の流れ 手書きでルーズリーフ1日1枚で記載
→来店2日前にはAccessに転記
→印刷して当日の予約リストを関係者に配布
ワンクリックで転記
または一度だけ手入力
→当日予約リストは自動抽出
集計 データをまとめて都度集計 予約データを元に自動集計
これまでできなかった集計も可能に

kintoneによる予約管理やオンライン予約受付は店舗にもお客様にもメリットあり!

kintoneを活用した予約管理とフォームブリッジの導入により、HPからの予約を簡単に転記でき、作業時間の短縮とミス削減が実現しました。

これまでの予約履歴も追いやすく、データも蓄積されていくため、飲食店舗の運営計画などにも活かすことができます。
株式会社勢乃國屋さまではオンラインの予約受付を可能にしたことで、お客様のメールアドレスが取得できており、今後はキャンペーンや企画など、お得な情報の発信も強化していかれるとのことです。

飲食店舗側にもお客様にもメリットがあるkintoneを活用した予約管理予約受付
御社でも検討してみてはいかがでしょうか?

今回ご紹介したフォームブリッジによるWEB受付システムの作り方はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneで受付システムを構築!問い合わせフォームや自動返信メールの作成手順

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この記事を書いた人

佐田 薫士

『kintoneスペシャリスト』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主にkintoneのカスタマイズを得意とし、サイボウズ認定資格である「kintone Associate」「kintone Customization Specialist」「kintone AppDesignSpecialist」「System Design Expert」を取得しています。 kintoneは他ツール(RPAや販売管理システム等)との連携も得意としていますので、皆様の業務の手助けになりそうな事例を見つけ、是非ご相談ください! youtube「kintone芸人」で検索!

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