問い合わせ対応にAIを活用するには?おすすめのツールも紹介

問い合わせ業務の負担が増すなか、対応に追われている担当者の方も多いのではないでしょうか?
特に対応の属人化やリソース不足による遅延が常態化していると、顧客満足度の低下につながるリスクもあります。
そんな時、AIを活用すれば問い合わせ対応を効率化可能です。
今回の記事では、問い合わせ対応にAIを活用すると解決できる課題やおすすめのツールを紹介します。
「問い合わせ対応を効率化したい」「AIの活用可能性を知りたい」という企業さまは是非ご覧ください。
この記事でわかること
- AIの導入で解決できる問い合わせ業務の課題
- AIを活用した問い合わせ対応におすすめのツール
こんな人におすすめの記事です
- 問い合わせ業務の負担を軽減したい方
- 問い合わせ対応にAIの導入を検討している方
目次
問い合わせ対応にAIが注目されている理由
近年、あらゆる業界で人手不足が深刻化しており、業務負荷の増大によってすべての問い合わせに人力で迅速に対応するのが難しくなってきています。
こうした状況に対する解決策として、AIの活用が広がりを見せています。
想像以上に速いスピードで進化を続ける生成AIは、従来の定型応答をするチャットボットでは対応が難しかった問い合わせに対しても、柔軟な対話や自然な文章生成による回答が可能です。顧客の「すぐに」「正確に」疑問を解決したいというニーズが高まるなか、迅速かつ一貫した対応を支える技術として、AIが現場で活用され始めているのです。
AIの導入で解決できる問い合わせ業務の課題
問い合わせ対応には構造的な課題があり、AIで自動化・標準化・高速化が可能です。
ここでは、AIが解決できる主な3つの課題について解説します。
問い合わせ件数の増加による対応負荷
チャネルの多様化や顧客接点の増加によって問い合わせ件数が増え、人力では問い合わせを処理しきれないことがあります。
その結果、対応遅れによる機会損失やクレームを招くこともあるでしょう。
特に夜間や休日の対応が難しい業態では、問い合わせが溜まりやすくなるという課題があります。
生成AIを搭載したチャットボットを使えば、24時間365日体制で一次対応を自動化でき、遅延や対応漏れのリスクを軽減できます。
属人化による応対品質のバラつき
問い合わせ対応の属人化が進むと、担当者ごとに応対品質やスピードに差が生じます。
業務知識が共有されていない場合、回答の遅延やミスが起こりやすく、顧客体験のバラつきが課題となります。
AIはナレッジやルールに基づいて一貫した回答を出力できるため、一定の品質を保つことが可能です。
回答までに時間がかかる非効率な業務フロー
問い合わせの回答までには、分類や転送、情報検索など複数の工程が発生します。
FAQやナレッジベースを活用していても、情報が分散していたり検索しにくかったりする場面は少なくありません。
AIを使えば、文脈を理解して問い合わせの分類や転送を自動化でき、横断検索によって必要な情報をすばやく抽出することが可能です。
回答までの時間を大幅に短縮できるため、顧客満足度の向上も図れます。
AIを活用した問い合わせ対応におすすめのツール
AIを活用した問い合わせ対応を実現するには、目的や体制に応じた適切なツールの選定が重要です。
ここでは、実際の運用現場で活躍する代表的な3つのツールを紹介します。
AIチャットボット
AIチャットボットは、顧客から寄せられるよくある質問に対して、自然な言葉でリアルタイムに回答できるツールです。
生成AIを活用することで、事前に想定していない質問にも柔軟に対応できるのが特徴で、従来のシナリオ型チャットボットに比べて表現の自由度が高く、対話の自然さも格段に向上しています。
また、FAQデータやナレッジベースと連携することで、回答精度を高めつつ有人対応が必要なケースのみをオペレーターに引き継ぐことが可能です。
顧客自身が疑問をその場で解決できる環境を整えることで、問い合わせ件数の削減や対応スピードの向上に貢献します。
AIチャットボットの特徴については以下の記事をご覧ください。
▼kintoneとAIチャットボットを連携させるメリットとは?おすすめの連携サービスも紹介
FAQ管理・ナレッジベースツール
AIを搭載したFAQ管理・ナレッジベースツールは、問い合わせ内容に対して最適な情報を自動で抽出・提示できるツールです。
従来のようにキーワード検索に頼るのではなく、ユーザーの入力意図をAIが理解し、文脈に応じた該当情報を提示することで、自己解決率の向上に貢献します。
最近は、ユーザーの質問傾向をもとにFAQコンテンツの改善ポイントを提示したり、検索ログから不足している情報をAIが分析したりといった機能を備えたツールもあります。
こうした機能は、問い合わせ対応の精度とスピードを両立させるだけでなく、ナレッジ運用そのものを継続的に改善する仕組みとしても効果的です。
kintone
kintone(キントーン)は、サイボウズが提供する業務改善プラットフォームで、問い合わせ管理に必要なアプリをノーコードで簡単に構築できるツールです。
問い合わせデータや対応履歴を蓄積できるだけでなく、ChatGPTなどの生成AIと連携させることで、AIによる回答文の生成や優先度の自動判定といった活用も可能になります。
さらに、社内問い合わせから顧客サポートまで、多様なユースケースに対応できる拡張性があるため、問い合わせ業務の一元管理を目指す企業にも適しています。
kintoneについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▼kintone(キントーン)とは?できること・できないことまとめ アプリの活用事例もご紹介!
kintoneでAIを活用した問い合わせ対応を実現できるプラグイン・連携サービス
kintoneとAIを組み合わせることで、問い合わせ対応の自動化や標準化をより安全かつ柔軟に実現できます。
ここでは、実際に問い合わせ対応の効率化に活用できる代表的なプラグイン・連携サービスを紹介します。
きんちゃぼ|問い合わせ対応をAIチャットボットで自動化
NDIソリューションズ株式会社が提供するきんちゃぼは、社内ポータルに設置したチャットボットを通じて、kintoneに登録されたQ&A情報をもとに自動で回答できるツールです。
ユーザーが問い合わせると、登録内容から最適な回答を提示し、そのやり取りは自動でkintoneに記録されます。
これにより、対応履歴の蓄積と社内での情報共有がスムーズになり、定型的な問い合わせが多い企業は業務効率を大きく改善できるでしょう。
Safe AI Gateway|社内問い合わせへの生成AI回答を安全に実現
株式会社ソフトクリエイトが提供するSafe AI Gatewayは、kintoneの情報をもとにChatGPTが自然な回答文を生成するサービスです。
セキュアなゲートウェイを経由してAIを活用することで、情報漏洩や誤回答といったリスクを最小限に抑えられます。
社内問い合わせに対して、過去の履歴やナレッジを参照し即時に回答を生成するため、担当者の負担を減らしつつ応対品質を一定に保つことが可能です。
回答内容はkintoneに自動記録され、対応の可視化や改善にも役立ちます。
AIを活用して問い合わせ対応を効率化した事例
kintoneはAIと連携したうえで必要に応じてカスタマイズすることで、より自社に合った形で問い合わせ対応を効率化できます。
ここでは、実際にAIを活用して問い合わせ対応を効率化した事例を3つ紹介します。
kintone × AIで問い合わせの優先度を自動判定!対応の迅速化を実現
コムデックでは、kintoneとChatGPTを連携させることで、問い合わせ対応の優先度を自動判定する仕組みを構築しました。
問い合わせがkintoneに登録されると、その内容をChatGPTが理解したうえで、あらかじめ共有しているルールに則って優先度を自動で判定します。
最終的な判断は人間が下しますが、AIによる判定結果を参考にしながら、対応の優先順位をすばやく判断できるようになりました。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
▼kintoneとChatGPTの連携で問合せの優先度を自動判定して対応の効率化を実現!
kintone × AIで顧客対応履歴を活用して商談提案の質とスピードを向上
コムデックでは、顧客からの問い合わせや商談履歴をkintoneに蓄積し、AIが顧客の特性や興味関心を分析したうえで、次回提案すべきサービスや注意点を自動で提示する仕組みも構築しました。
まずは、kintoneに蓄積された活動履歴を生成AIに読み込ませます。
次に、以下のプロンプトを使って顧客特性の分析と商談支援のアイデアを出力させます。
#役割
あなたは卸売・小売業向けの顧客分析の専門アシスタントです。
#指示
次回の提案推奨:
商談時の注意事項:
|
こちらのプロンプトを使って出力された内容がこちらです。
このアウトプットを参考にすると、営業担当者は顧客の購買傾向や抱えている課題をある程度把握できます。
分析過程を迅速化できるので、担当者は顧客に応じた対応を考えることに時間を割けるうえ、実際の対応までの時間を短縮することが可能です。
社内の問い合わせ対応をAI × kintoneで自動化
新入社員が入社すると、「休暇の申請方法」や「服装規定」など、毎年同じような質問が繰り返され、担当者の負担になりがちです。
また、質問する側も聞きづらさを感じるケースがあり、情報共有の非効率さが課題になります。
そこで、kintoneとAIを活用してFAQを整備し、自動対応の仕組みを構築するのが効果的です。
まず、過去の質問と回答をkintoneに蓄積し、以下のようなプロンプトでAIと連携します。
参照しているデータは社内のFAQの内容と回答です。 データを踏まえて以下に回答してください。 わからなかったらわからないと言ってください。 ##質問 %質問内容% |
社員は自分のタイミングで必要な情報にアクセスできるようになり、わざわざ担当者に聞かずとも疑問を解消できるようになります。
注意事項や補足も含めた丁寧な説明が得られるため、新入社員の問い合わせのハードルが下がる点もメリットです。
AIを活用して問い合わせ対応の課題を根本から解決しよう
問い合わせ件数の増加や属人化、対応フローの非効率といった課題は、AIの導入によって構造的に解消できます。
特に、kintoneとAIを連携すれば、問い合わせ内容の自動分類や優先度判定、FAQ回答の自動生成までを一気通貫で実現可能です。
コムデックでは、kintoneとAIを掛け合わせてお客さまの課題を解消する「AI伴走支援」を提供しています。
「問い合わせ業務にAIを取り入れたい」「問い合わせ対応をもっと効率化したい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。