1on1ミーティングの内容をAIが支援!社員エンゲージメント向上を促す人材育成AI活用方法を紹介

人材育成や離職リスクを下げるための施策として、上長と部下が一対一で対話をする1on1ミーティングを実施されている企業さまも多いのではないでしょうか?
しかし、せっかく1on1ミーティングを実施していても、業務の進捗確認や雑談で終わってしまい、従業員の成長支援やエンゲージメント向上につながらないケースは少なくありません。
とくに、マネージャーの経験や勘に頼った運用だと、内容や精度にバラつきが出やすく、部下にとっては「期待外れの時間」になりがちです。
そんな時1on1ミーティングにAIを活用すれば、「社員ごとの課題に即した議題の自動提案」と「具体的な行動プランの提示」が可能になります。
今回は、コムデックが社内で実際に試したAIによる1on1ミーティング支援の仕組みと、その手順をプロンプト付きで紹介します。
「部下の成長やエンゲージメント向上につなげたい」「1on1ミーティングの内容が浅い」という企業さまは、是非ご覧ください。
この記事でわかること
- 1on1ミーティングがエンゲージメントの向上につながらない理由
- AIを活用して1on1の内容を充実させる具体的な方法
こんな人におすすめの記事です
- 1on1を実施しても成果につながらず悩んでいるマネージャー
- 部下の成長支援やエンゲージメント向上を仕組み化したい方
目次
1on1ミーティングのよくある内容
1on1ミーティングでは、上司と部下の間で以下のような内容がよく扱われます。
- 最近の業務進捗やタスクの進み具合
- 目標達成度や評価に関する話
- 困っている業務や改善してほしい環境面の相談
- キャリアや今後やりたい仕事についての意見交換
- 職場の人間関係やチーム内での悩み
- 休日の過ごし方や体調などプライベートに関する話
いずれも部下との信頼関係づくりや状況把握に役立つ重要な内容ですが、「話して終わり」になってしまうと、成長支援やエンゲージメントの向上にはつながらないでしょう。
もし、上記のような内容を扱っているにもかかわらず成果が感じられないのであれば、やり方や仕組みに課題があるかもしれません。
1on1ミーティングがエンゲージメント向上につながらない理由
1on1ミーティングが従業員のエンゲージメント向上につながっていない場合、以下のような理由が考えられます。
成長の実感が得られないから
業務の進捗やタスクの確認に終始すると、部下にとっては「数値や業務の評価をされているだけ」という印象になりやすいです。
振り返りから学びや次の行動につながらなければ、成長の実感を持てず、1on1を有意義な場と感じられなくなります。
改善を期待できないから
悩みや不満を聞くだけで終わると、部下は「話しても何も変わらない」と感じてしまいます。
具体的な改善や行動に結びつかない1on1は、エンゲージメント向上どころか不信感につながってしまいます。
公平性や一貫性を感じられないから
マネージャーごとに扱うテーマや深さが異なると、部下の間で不公平感が生まれます。
「自分だけ軽く扱われているのではないか」「評価に差がつくのではないか」といった疑念が生じると、1on1への信頼が揺らぎ、エンゲージメント低下につながってしまうでしょう。
行動に結びつけにくいから
1on1で話し合った課題やアイデアが具体的なアクションプランに落とし込まれなければ、部下は次に何をすべきかわからず行動に移せません。
行動につながらない状態が続けば従業員が成長を実感できず、「1on1で得られるものがない」と感じるでしょう。
これでは、エンゲージメントの向上にも結びつきません。
1on1ミーティングの内容を充実させてエンゲージメント向上につなげるにはAIが効果的
今挙げたような1on1ミーティングの課題を解決するには、AI活用が効果的です。
AIを取り入れることで、日報やアンケートなどのデータを読み込ませて部下ごとの課題や傾向を整理し、1on1で扱うべき議題を自動で提案できるため、これまでなかなか成果につながらなかった1on1を「課題の特定と改善につながる場」へと変えることができます。
また、AIなら過去の発言や行動記録を参照しながら「深掘り質問」や「具体的な行動プラン」まで提示できるため、会話が次のアクションにつながりやすくなります。
分析プロセスの一部をAIに任せることで、マネージャーの議題準備や振り返りにかかる負担を軽減でき、部下との対話に集中できるでしょう。
また、従業員にとっては自分の課題や期待される行動が具体的に示されるため、成長のステップを明確に描けるようになります。
1on1が改善アクションやキャリア支援につながる時間になれば、従業員は「この1on1は自分の成長に役立っている」と感じ、結果的にエンゲージメントの向上へとつながります。
AI × kintoneならより質の高い1on1ミーティング内容を構築できる
AIを活用しようとしても、分析の元となるデータが様々なツールにまたがってバラバラに管理されていると、精度の高い分析や議題提案が難しくなります。
そこで効果を発揮するのが、業務データを一元管理できるkintone(キントーン)です。
kintoneとはサイボウズが提供する業務改善プラットフォームで、ノーコードでアプリを作成し、日報やアンケート、勤怠データなどさまざまな情報を一元管理できるツールです。
属人化しやすい情報を集約して整理できるため、AIが活用できるデータ基盤を整えるのに適しています。
kintoneに日報や満足度調査などを蓄積しておけば、部下ごとの状況や傾向を網羅的に把握できます。
さらにChatGPTやGeminiといった生成AIと連携することで、蓄積データを自動で分析し、1on1に適した議題や質問例を提示できる仕組みを構築できます。
データはリアルタイムに更新され、分析結果もkintone上で共有できるため、マネージャーの経験やスキルに依存せず誰でも質の高い1on1を実施可能です。
結果として、組織全体で1on1の水準を底上げし、エンゲージメント向上につながります。
kintoneについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▼kintone(キントーン)とは?できること・できないことまとめ アプリの活用事例もご紹介!
kintone × AIを活用して1on1ミーティングの内容を改善する方法
ここからは、コムデックが実際にkintoneとAIを使って構築した1on1支援の仕組みを解説します。
まずは、従業員の日頃の様子をキャッチアップするために、以下のような日報管理アプリを構築し、データを蓄積します。
AIにはこれらのデータを参照させ、AI設定アプリに以下のプロンプトを設定します。
あなたは経験豊富な人事コンサルタント兼エグゼクティブコーチとして、マネージャーの1on1ミーティングを支援するAIアシスタントです。
あなたの役割
参照データ
2. 【推奨議題(優先順位付き)】
3. 【コーチング方針】
4. 【フォローアップ提案】
出力ルール
禁止事項
回答形式 |
このプロンプトは、日報やアンケートから抽出したデータをもとに、課題の特定から改善アクションまでを一気通貫で導き出す構造になっています。
マネージャーの経験や勘に依存せず、誰でも一定の水準で質の高い1on1を行えるのが特徴です。
プロンプトを設定すると分析結果を出力するアプリにボタンが表示されるため、そのボタンを押せばAIによる分析が始まり、分析結果が自動保存されます。
以下はAIによってアウトプットされた1on1支援の例です。
AIによるアウトプットは、部下の現状を短時間で把握できるサマリーや、優先順位付きの議題と質問例、具体的なフォローアップ提案までが一式揃っています。
これにより、従来は属人的になりがちだった1on1の準備と実施が誰でも効率的かつ質の高いものに変わります。
このように、従来は時間がかかるうえ、人によって精度がバラつきがちだった1on1の準備をkintone × AIで効率化し、質と継続性を同時に高められる仕組みを構築できました。
結果として、マネージャーは本来の対話に集中でき、従業員も成長支援を実感しやすくなるため、エンゲージメントの向上につながっています。
1on1ミーティングの質を高めて従業員の成長やエンゲージメント向上につなげよう
1on1ミーティングをエンゲージメント向上につなげるには、単なる雑談や進捗確認で終わらず、具体的な課題解決や成長支援へと発展させることが重要です。
これを実現するためには、人間だとバラつきが生まれやすい分析工程を一部AIに任せ、精度を高めつつマネージャーの負担を軽減するのが効果的です。
AIなら、部下ごとの状況に基づいた議題提案や改善アクションの提示が自動化され、1on1を「成長を実感できる時間」へと変えられます。
日頃から従業員の日報やアンケートデータをkintoneに蓄積し、あらかじめプロンプトを組んでおけば、いつでもAIを活用した1on1が可能になります。
コムデックでは、kintoneとAIを掛け合わせて業務課題を解消する事例を多数ご用意しております。
「マネジメント工数を減らしたい」「従業員のエンゲージメントを効率的に高めたい」という企業さまは、ぜひ資料をご覧ください。