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kintoneで不動産管理!駐車場の契約情報を一元化|建設業 株式会社アイケーディさまのアプリ開発事例

契約情報・空き状況が一目でわかる!kintone不動産管理

賃貸業で不動産を管理するためには、「どこにいくつの物件があるか」「誰がいくらで契約をしているか」「今どれだけ空きがあるか」といった情報を正しく把握する必要があります。
しかしこれらの情報を紙やエクセルで管理していると、契約情報が古いまま更新されていなかったり資料が分散していたりして、正しい状況をスムーズに確認できません。

今回はそんな不動産管理をkintone化し、物件管理や契約管理を一元化することで空き状況も見える化したアプリ開発事例をご紹介します!

▼事例の詳細な動画はこちら!

紙での不動産管理・契約管理には抜け漏れリスクが……物件数が増えると大変!

三重県で1949年に創業した株式会社アイケーディさまは、地域の人々やその暮らしに寄り添い、幅広い建築・土木工事に対応されています。
数年前からITを積極的に活用しており、直近ではバックオフィス業務の効率化を目指してマネーフォワードクラウド経費と給与を導入されました。
それまでは現金でおこなっていた経費の支払いをデジタル化し、承認のワークフローや集計をオンラインで完結、振込データの作成まで数クリックで完了できる仕組みです。

建設業でよく起こる立替の経費精算業務をスムーズにしたプロセスはこちらをご覧ください!
▼会社から現金を無くしたい!マネーフォワードクラウド経費と給与連携で経費精算を効率化|建設業 株式会社アイケーディさまの導入事例

そんな株式会社アイケーディさまは、不動産管理の一環として駐車場賃貸事業も展開されています。
現在管理している駐車場は20か所ほどで、それぞれにオーナー様がいます。
そして各駐車場には10~30台ほどの駐車スペースがあり、一台分ずつ契約を結んでいる状態です。

これまで、駐車場の場所や金額、契約者様の情報管理はポケットファイルでおこなっていました。
同じ駐車場内でも、軽自動車専用等区画の広さなどによって月ごとの金額は変わります。
そこで、印刷した駐車場配置図に契約者名を書き込んだり月極料金を記入したりして、インデックスを付けたファイルで紙資料を管理していたのです。

オーナー様や契約者様、駐車場を借りたい方から問い合わせがあった際には、以下のような手順で対応する必要があります。

  1. ファイルを手元に持ってくる
  2. ファイル内で該当の駐車場・物件を探す
  3. 問い合わせ内容と情報を照らし合わせる

紙の情報を確認する必要があるため、対応には時間を要します。
目当ての情報に行きつくまでにしばらくかかる他、ファイリングされている紙の情報が最新になっているかわからないという問題もありました。
また、「空いたら知らせてほしい」という問い合わせがあった駐車場のポケットには付箋をつけて記録していましたが、それだけでは紛失したり連絡が漏れたりする恐れもあります。

管理する駐車場の数が多くなるにつれ、担当者の方がかなり気を遣って作業する必要が出てきており、ポケットファイルでの管理に限界を感じていたのです。

コムデック アイケーディ kintone 駐車場管理

紙・ファイリングでの不動産管理にありがちな課題を解決したい

株式会社アイケーディさまにおける不動産管理の課題は以下の通りです。

  • 駐車場の場所や各区画の月極料金、契約者情報は紙にメモで管理しており、情報の確認に手間と時間が掛かる
  • 空き状況をすぐに把握することができない
  • 紙の情報が最新情報になっていない可能性がある
  • 契約希望者からの連絡を付箋で記録しており、紛失や抜け漏れの恐れがある
  • 契約者様からの入金データとの照らし合わせが大変

 

これらの課題を解決するためには、不動産管理の脱アナログ・脱ファイリング・脱人依存が必要であると考えた株式会社アイケーディさま。
管理作業を効率化し、誰でも最新情報が把握できて抜け漏れが起こらない状態を実現するために活用を検討したのは、他業務で既に利用していたkintone(キントーン)でした。

不動産管理にkintone活用!物件・オーナー・契約者をルックアップと関連レコードでつなぐ

不動産賃貸業におけるkintone活用は、「管理すべき物件」と「オーナー」そして「契約者」をそれぞれマスタ情報とし、それらを関連付けることが重要です。
何故なら、不動産業では「オーナー」「契約者」双方が顧客であり、双方が物件を仲介して契約を結ぶという構図を取るため、物件だけを中心にしてしまうとオーナーが複数の物件を持っている場合に把握が困難になったり、空き状況をすぐに把握できなくなったりするからです。
そこで、「オーナー」「契約者」そして「物件」の情報を管理するアプリをそれぞれ作成し、それらを紐づける必要があります。

管理する情報が多い不動産業こそ、kintone活用がおすすめ。詳細は以下の記事でご紹介しています!
▼不動産業でよくある課題をkintoneで解決!不動産業業務改善パッケージ

株式会社アイケーディさまでも、「駐車場管理アプリ」「契約者管理アプリ」をそれぞれ作成しました。
駐車場のオーナー情報については、これまで別の業務に使用していた「得意先・仕入先住所録アプリ」、いわゆる顧客管理アプリを兼用で利用することでアプリの乱立を防ぎます。

「駐車場管理アプリ」には、駐車場の住所やオーナー情報はもちろん、地図と駐車位置の配置図を添付できるようにしているため、わざわざファイルを探してくる必要はありません。

コムデック アイケーディ kintone 駐車場管理

オーナー情報はkintoneの「ルックアップ」機能で紐づけを行い、オーナーの住所や連絡先も駐車場管理アプリ内に表示されるようになっています。
ルックアップ機能とは、ほかのアプリに登録されている情報を参照してコピーできる機能です。
この機能を使えば、同じデータを入力したい場合に何度も登録する必要がなくなるほか、入力間違いもゼロにすることが可能です。

加えて、契約者情報とも紐づけを行っているため、現在のその駐車場内の各区画の契約状況も一覧で確認できます。
オーナーの連絡先や駐車場内の契約情報は「関連レコード」で表示しているため、得意先・仕入先住所録アプリや契約者管理アプリで情報が更新されれば、自動的に駐車場管理アプリにも反映されます。

関連レコード一覧表示機能は、参照先アプリから指定した条件に沿ってそのアプリの内容を一覧表示できる機能です。
今回は、「その駐車場に紐づけて登録されている各駐車場区画」の契約情報だけを表示するようにしています。

契約者管理アプリでは、ルックアップにより駐車場管理と紐づけ、その駐車場のどの区画に該当するのか、月額利用料がいくらなのか、今現在契約者がいる状況なのか、いるなら誰なのかといった情報を管理できるようにしています。
加えて、「空きが出たら連絡が欲しい」といった予約者がいるかどうかも管理できるようになっており、対応の抜け漏れを防ぐことが可能です。

コムデック アイケーディ kintone 駐車場管理

元は駐車場ごとに1枚の紙の中で管理していた情報を複数のアプリに分割し、ルックアップや関連レコードといった機能を使うことで、以下のような駐車場管理・契約管理の仕組みが完成しました。

  • 駐車場所在地の「地図」、駐車スペースの「配置図」をPDFで添付することでワンクリックで表示できる
  • 所有者は「得意先・仕入先住所録アプリ」からルックアップで取得できるため、名前の入力間違いがない
  • 所有者の連絡先は「得意先・仕入先住所録アプリ」、各区画の契約情報は「契約者管理アプリ」から関連レコードで表示される

kintoneのスペース機能で情報集約!空き状況が一目でわかる!

こうして、契約者情報やオーナー情報を集約し、各駐車場の詳細や状況などを一画面で把握できる「駐車場管理アプリ」を構築できた株式会社アイケーディさま。
複数アプリに分かれていることで以前より管理が大変になるのではないかという心配の声もありましたが、「スペース機能」を活用して情報を集約することで最新情報を把握しやすくする環境を実現しました。

kintoneのスペース機能とは、「指定したメンバーのグループで情報共有ができる場」のこと。
スペースには、良く使う一覧をまとめて表示できる他、各アプリに素早くアクセスできるような導線を確保できます。

株式会社アイケーディさまでは、「駐車場管理スペース」のトップに「駐車場の空き状況」「各駐車場の空きができたら連絡する先」などがわかる情報を一覧表示しました。
「空き駐車場はあるか」「この駐車場が空いたら連絡してほしい」といった問い合わせがあった時や契約状況に動きがあったときは、この画面を見れば、誰でもすぐに確認と対応が可能です。
「どのアプリを確認すればいいかわからない」という状況を防ぎ、わざわざアプリを開いてチェックする必要がないためスムーズに返答できます。

コムデック アイケーディ kintone 駐車場管理

不動産管理をkintone化するメリットとは?

不動産管理にkintoneを活用しはじめた株式会社アイケーディさまでは、以前のアナログな方法に比べて以下のようなメリットがありました。

  • 脱人依存、脱アナログ管理が実現
  • 問い合わせに誰でも即時対応ができるようになった
  • 待機者の案内漏れがなくなった
  • 最新の情報が随時更新され、誰でも確認可能になった

管理方法が明確になり、駐車場に関する業務の時間や手間(コスト)が大きく削減されました。
担当者不在時に問い合わせが入った際にも、問い合わせを受けた人がすぐに対応できる体制になり、お客様の満足度もアップしたのです。

ポイントをおさえることで不動産管理もkintone化できる!

株式会社アイケーディさまで実現した不動産管理のkintone化。
必要情報を一元管理でき、それによって抜け漏れが防げることで社内はもちろんお客様にも大きなメリットが生まれています。
課題のうちの一つであった契約者様からの入金管理については、月々で管理してく必要があることから、kintoneの標準機能では管理が難しいと考え一旦は断念しました。

しかし、別業務で導入したkrewSheetのXrossモードを活用することで実現できるのではないかと考えています。

不動産管理でkintoneを活用する大きなポイントは、ひとつのアプリに詰め込まないこと
ひとつのアプリで管理する情報は限定し、それぞれを紐づける方法が不動産管理の場合にはおすすめです。

不動産管理や賃貸管理を効率化したい方は、kintoneを活用してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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