kintoneのアプリ間連携を実現!案件のスケジュール管理から見積管理までの一元化に成功|株式会社宮崎エレベータサービスさまのアプリ開発事例
kintoneを導入している企業さまのなかには、「一部の業務管理にはkintoneを活用しているものの、すべての情報の一元化はできておらず、外部サービスやエクセルなどのツールを使って管理している」というケースがあります。
kintoneであらゆる業務を一元管理しようと試みてはいるものの、これまで業務で利用してきた様々なツールをkintoneに移行しようとすると複数のアプリを連携させる必要があり、なかなか思うように進まないという方も多いのではないでしょうか。
そんな時は、まず自社の業務を整理することが大切です。
その上でアプリの構成を設計することで、スムーズなアプリ間連携を実現できます。
今回は、アプリ間連携を成功させて、スケジュール管理から見積管理までの一連の業務プロセスをkintoneで一元管理できるようになった株式会社宮崎エレベータサービスさまの事例を紹介します。
「業務の中心をkintoneにしたい」「どのようにアプリ構成を考えればよいのかわからない」という方はぜひご覧ください。
目次
kintoneのアプリ間連携がうまくいかない……案件のスケジュール管理から見積管理まで効率的に管理したい!
株式会社宮崎エレベータサービスさまは、エレベータやエスカレーター、リフトなどの保守・点検サービスを提供する企業さまです。
日本エレベータメンテナンス協会(JEMA)に加盟し、同業者と部品の在庫共有や技術情報の交流を行うことで質の高いサービスの提供に努めています。
株式会社宮崎エレベータサービスさまでは、kintone(キントーン)を使ってエレベータやエスカレーターなどの点検スケジュールと実績の管理を行っていました。
より業務管理を効率化するため、点検予定を起点として点検で不具合があった設備の修繕見積から入金までのプロセスをkintoneで一元管理できるようにしたいと考えた株式会社宮崎エレベータサービスさまは、自社でkinotneカスタマイズに挑戦。
しかし、アプリ間の連携や構築がうまくいかず開発が停滞してしまい、解決策はないかと情報を探すうちに見つけたのがYoutubeチャンネルkintone芸人でした。
そのなかで、テーブルの階層を無限に作る方法を紹介した「【秘術!】テーブルを無限に作れるカスタマイズ」という動画をご覧になり、自社の課題解決につながるのではないかとお問い合わせいただきました。
kintoneのアプリ間連携には業務フローの整理とアプリ構成の設計が重要
今回は、点検予定から見積までを一元管理できる仕組みをkintoneで構築するため、複数のアプリを連携させる必要があります。
そのためには、事前にアプリの設計を考えておくことが重要です。
ここでは、アプリ間連携を実現するために必要な構成設計の流れを解説します。
1.現状の業務フローのヒアリング
まずは、現状の業務を整理するために、どこからどこまでの業務をkintoneで管理したいかを含めて要望をヒアリングし、全体像を把握します。
株式会社宮崎エレベータサービスさまは、以下の業務管理を一元化し、抜け漏れのない管理体制をつくりたいとお考えでした。
- 点検予定
- 不具合箇所の修繕見積
- 商談
- 修繕
- 請求
- 入金
このプロセスのうち、点検予定から見積までの管理を一元化していきます。
2.現状のkintoneアプリの把握
ヒアリング後は、株式会社宮崎エレベータサービスさまが作成してくださった現在の業務フローと関係するシステムの構成図を拝見し、現状のkintoneアプリを把握しました。
構成図を見ると、kintoneだけではなく外部サービスも活用されていることがわかります。
通常なら、既存のツールや外部サービスからkintoneへ移行する際は、一部の運用だけを移行し、うまくいったら別のプロセスも移行するという形で、スモールスタートで進めていくのがおすすめです。
しかし、今回はスモールスタートで進めようとすると、一元化したい業務が分断されてしまい、転記などの手間が発生してしまいます。
そのため、一度に移行するのが適切と判断しました。
3.アプリの構成変更
既存のツールや外部サービスの構成をそのまま移行することはできないため、アプリ構成を変更する必要があります。
そこで、ヒアリングで整理した業務とアプリを連動させ、どのデータをどのように連携していくと効率的かを考え、アプリ構成を設計していきました。
当初検討していた構成では、業務ごとに管理しやすいデータの粒度が異なるため、どれを基準にするかが課題となりました。
細かい粒度を基準にしたほうが管理はしやすい反面、入力更新に手間がかかるなど、それぞれメリット・デメリットがあるためです。
もっとも効率的なアプリ構成を設計するためには、テスト・検証を行い、修正を行う必要があります。
4.テスト・検証
変更したアプリ構成でテスト・検証を行い、一通りの業務が回せそうな大枠ができました。
一見複雑そうに思えますが、kintoneのアプリは「点検アプリ」「案件管理アプリ」「見積アプリ」の3つに絞ることができ、当初よりもシンプルな形になっています。
これにより、従来は外部サービスで行っていた見積の承認フローもkintone上で行えるようになり、要望通りの一元管理システムが完成しました。
kintoneのアプリ間連携を実現し運用しやすくするポイント
kintoneでアプリ間のデータ連携を実現するためには、あらかじめ検討しておくべきポイントが2つあります。
それは、「アプリ間連携をどんなプラグインで実現するか」と「データをどの単位で保持するか」の2点です。
実運用を考えたプラグインの選定
1つ目のポイントは、実際の運用で困らないよう、kintoneのアプリ間連携にkrewData(クルーデータ)を使わなかったことです。
kintoneの標準機能では、アプリ間で自動的にデータを受け渡したり、連携したりといった動きは実現できません。
そのため、アプリ間連携を実現するためにはプラグインを使う必要が出てきます。
そこでよく使われるのがkrewDataです。
krewDataはアプリ間のデータを自動集計する有償プラグインで、kintoneの各アプリのデータを自由に加工・連携することができます。
しかし、今回は株式会社宮崎エレベータサービスさまが運用中にアプリ構成を修正しやすいように、krewDataではないプラグインを採用しました。
なお、kintoneアプリは、1つにつき最大20個までプラグインを追加できるのですが、今回株式会社宮崎エレベータサービスさまで構築したアプリ間連携では、コムデック史上で初めてプラグイン上限がネックになるほど、多数のプラグインを駆使しています。
データの粒度の整理
業務によって管理しやすいデータの粒度が異なるため、今回は以下のように各アプリのデータの粒度を整理しました。
アプリ | 点検アプリ | 案件管理アプリ |
---|---|---|
データの粒度 | 1レコードで1回の点検内容を管理 例:A社のエレベータ1など |
1レコードで1つの工事単位を管理 例:各エレベータの点検項目 |
ポイント | 明細に点検結果が反映されるようにしている | 点検でNGが出た項目が抽出されるようになっている |
案件管理アプリで完了となった案件は、最終的に見積アプリの明細に反映される仕組みです。
粒度が異なってもアプリ間で適切にデータが連携されるため、見積アプリに改めてデータを打ち直す必要はありません。
kintoneのアプリ間連携でスケジュールから見積の一元管理を実現したメリット
kintoneのアプリ間連携に成功したことで、点検予定と実績の管理だけではなく、間に発生する業務も含めて一気通貫で管理できるようになりました。
kintoneのアプリ構成をシンプルに整理できたため、イレギュラーが発生しても、株式会社宮崎エレベータサービスさま自身で対応しやすくなっています。
kintoneを活用して見積書・請求書の発行までの自動化を目指す
株式会社宮崎エレベータサービスさまは、kintoneのアプリ間連携を実装したことで、点検予定から見積までの業務と管理を一元化できました。
これにより、来使用していた外部サービスや既存ツールを使用しなくても、スムーズに業務を進めることができます。
今後は、マネーフォワードクラウド請求との連携を実現し、見積書・請求書の発行もできるようにする予定です。
実装すれば、見積以降の入金までのプロセスも一元管理できるようになるでしょう。
コムデックでは、お客さまのニーズに合わせてその場でアプリを構築する「kintone対面開発」を提供しています。
「アプリ間連携がうまくいかない」「業務をまとめて管理したい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。
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