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kintoneとマネーフォワードの連携で請求書作成を自動化してインボイスにも対応!|介護業 アイリス南郊株式会社さまのアプリ開発事例

kintone×MoneyFoward請求書 介護業の請求データ作成→発行まで自動連携

介護業は国保連への請求書作成という業界独自の業務が発生するため、請求データを専門のソフトで管理していることがほとんどです。
しかしその一方で、保険外の費用や施設の家賃、利用者様が日々使われるもの等は毎月集計して利用者様のご家族へと請求する必要があります。

それぞれ別に請求をおこなわなくてはならないため手間がかかるだけではなく、2023年10月からはインボイス制度も始まったため、請求書作成の負担がさらに増えたと感じている担当者の方も多いことでしょう。

このような課題は、kintoneにデータを登録・集計し、連携サービスを活用することで解決できます。

今回の記事では、kintoneとマネーフォワードクラウド請求書を連携して、請求書作成の効率化とインボイス対応を実現した介護業 アイリス南郊株式会社さまの事例を紹介します。

請求書のインボイス対応をどうするか?転記の手間もなくしたい

アイリス南郊株式会社さまは、介護関連のサービスを提供する三重県の企業です。
老人ホームやデイサービスなど、さまざまな形で介護福祉事業を行っています。
以前から「kintone(キントーン)」やLINE WORKS等のクラウドサービスを導入されており、積極的にITを活用して利用者様やそのご家族に安心をお届けしているのが特徴です。

これまでのアイリス南郊株式会社さまのIT活用については、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintone×じぶんページ=一元管理で信頼構築がスムーズに!|介護事業アイリス南郊株式会社さまのアプリ開発事例【その5】

アイリス南郊株式会社の当時の請求業務は、現場の責任者が請求に必要な情報を集計後に紙またはエクセルで経理に報告して、エクセルのフォーマットに転記して請求書を作成するという流れで行っていました。

例えば食事代の請求では、紙のチェック表などにより日次食事回数等を記録や報告をしており、それを元に請求のデータを作成する必要があります。
それだけではなく、毎月請求が必要な家賃、使った分だけ請求が必要な電気代や洗濯代等も都度集計する必要があり、請求書の作成に時間がかかっていることが課題でした。

また、2023年10月から施行されるインボイスに対応した請求書を発行する必要もあることから、この機会に請求データの集計を自動化し、請求書発行の仕組みを整えたいというご要望もありました。

都度使った分だけ請求が必要なものの利用数等は既にkintoneアプリで管理していたため、これらのデータを集計することでまず請求データの作成を自動化したいと考えたアイリス南郊株式会社さま。

作成できれば、その後はkintoneとマネーフォワードクラウド請求書を連携することで、インボイスに対応した形で請求書を発行することが可能です。

請求データの自動集計とインボイス対応、両方の効率化を目指して、アイリス南郊株式会社さまの請求業務効率化プロジェクトがスタートしました。

効率化のためマインドマップで請求書の内容を整理

kintoneとマネーフォワードクラウド請求書を連携して請求書作成業務の効率化を目指したアイリス南郊株式会社さま。
まずは請求業務を効率化できるポイントを探すため、現状の請求書の構成要素、つまりは「どこにあるどんな情報を元に請求を行っているか」をマインドマップで洗い出しました。

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マインドマップで整理した結果、アイリス南郊株式会社さまの請求の内訳は大きく以下の4つに分類できることがわかりました。

① 定期請求
② 使った分だけ請求
③ 調整(手入力)請求
④ 介護保険や医療保険の自己負担分の請求

① 定期請求
定期請求は、月々決まった額を請求する項目です。
具体的には、家賃などの固定費が当てはまります。

② 使った分だけ請求
利用量や回数によって請求金額が変動する項目です。
具体的には、以下のような項目が当てはまります。

  • オムツ:既存アプリで管理
  • 食事数:既存アプリがあるが、データ連携のために加工が必要)
  • 固定費(電気代、洗濯代):既存アプリなし

既存アプリで管理しているデータと、既存アプリで管理しておらず書面などで確認しているデータが含まれています。
さらに、アプリはあるもののマネーフォワードクラウド請求書との連携のためには加工が必要なデータもあり、これらを全て扱えるように調整を行うこととなりました。

③ 調整(手入力)請求
①、②のいずれにも当てはまらない請求は、調整請求として手入力で処理していました。
調整請求には、月途中入居による日割り計算分などが含まれます。
その他のイレギュラーな請求も基本的には手入力の請求で処理をしています。

④ 介護保険や医療保険の自己負担分
国保連への請求を管理しているシステムに登録されているデータの内、自己負担分に当たる部分は利用者様に請求する必要があります。

これらの4種類の請求をそれぞれ異なる方法で管理しているため、まずは扱いやすいように統合調整を行う必要があります。

kintoneとマネーフォワードを連携して請求書作成を効率化

請求データに必要な情報が何なのか、どこにその情報があるのかを整理出来たので、続いてkintone内で請求データを集計し、マネーフォワードクラウド請求書へと連携して請求書を発行できるようにしました。
請求書作成を効率化するための仕組みづくりには、以下のプラグインやツールを利用しています。

まず、先ほどの請求書を構成する要素のうち④の「介護保険や医療保険の自己負担分」の請求情報をkintoneで扱えるようにしました。

国保連への請求書作成に用いている「ケアキャロッツ」「えがおシリーズ」から、請求情報のCSVを抽出してMicrosoft OneDriveに保存します。
その後krewDataのクラウドストレージ連携を用いて、請求情報をMicrosoft OneDriveからkintoneへ読み込みます。

ここで問題なのが、新しい顧客などkintoneのマスタに登録されていない場合は、読み込んだ情報の自動紐付けができないことです。

この部分に関しては、利用者情報と請求情報が紐付けできなかったデータの一覧を自動作成し、手動で紐付けを行えるようにしました。
データの紐付けが完了したらマネーフォワードクラウド請求書と取引先情報を連携し、krewDataで請求データを自動集計します。

kintoneに登録されている「①定期請求」「②使った分だけ請求」「③手入力での調整請求」に加え、Microsoft OneDriveから読み込んだデータを合算できるように構築したkrewDataの集計フローがこちら!

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kintone内の情報を自動的に集計してくるため転記の必要がなくなり、経理の手間を大きく削減できました。

請求データを作成できたら、「kintone×マネーフォワードクラウド請求書連携システム」でデータを連携します。

kintone×マネーフォワードクラウド請求書連携は、kintoneで管理している見積や請求データをマネーフォワードクラウド請求書に自動連携するシステムです。

連携したデータを元に請求書を自動発行できるため、経理業務を効率化できます。
マネーフォワードクラウド請求書にデータを連携すれば自動的に請求書が発行されるので、後はメールで請求書を送ったり、PDF化して印刷し、従来通り請求書を郵送したりできます。

これにより、現場と経理の二重入力を省いてkintoneで請求情報をすべて管理できる仕組みが完成しました。

1日〜2日かかっていた作業をワンクリックで実現!効率化だけでなく、ヒューマンエラーのリスクも軽減

請求書作成を効率化する仕組みを作ったことにより、以前は現場責任者と経理それぞれで発生していた確認作業を大幅に効率化できました。

現場が入力した情報を自動集計して請求書が作成されるので、経理による確認が不要になり、これまで1日~2日かかっていた請求書発行作業がワンクリックで済むようになりました。

効率化により空いた時間を別の業務に充てられるようになり、生産性向上を実現しただけでなく、自動作成により人が業務に携わる機会を減らしたため、ヒューマンエラーを最小限に抑えることができました。

また、今回の請求書発行に用いたマネーフォワードクラウド請求書がインボイス制度に対応しているため、インボイス制度に関する課題は自動的に解消されています。

もともとkintoneで管理していなかった定期請求分については、最初だけはマスタとなるデータを手動で入力する必要があったため、そこは少し手間がかかりましたが、一度入力してしまえばあとは自動的に請求にあげてくれます。

kintoneとマネーフォワードを連携して、請求書作成業務を効率化しよう!

アイリス南郊株式会社さまは、伴走支援により請求書作成業務の効率化とインボイス対応を一挙に実現しました。

kintoneとマネーフォワードクラウド請求書を連携し、現場での入力から経理による請求書作成までをミスなくシームレスに行える仕様となっています。
現状は運用をスタートしたばかりなので、漏れなく請求できているかのチェックに少し時間がかかっていますが、今後は運用を進めながら更なる最適化を進めていく予定です。

コムデックでは、お客様の業態や状況に合わせて伴走しながら課題を解決する伴走支援を提供しています。
今回の事例のように当初のお問い合わせ内容だけでなく、それに不随する課題も見つけ出し、最適な解決方法をご提案いたしますので、kintoneを活用した業務効率化を実現したい企業さまはお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

佐田 薫士

『kintoneスペシャリスト』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主にkintoneのカスタマイズを得意とし、サイボウズ認定資格である「kintone Associate」「kintone Customization Specialist」「kintone AppDesignSpecialist」「System Design Expert」を取得しています。 kintoneは他ツール(RPAや販売管理システム等)との連携も得意としていますので、皆様の業務の手助けになりそうな事例を見つけ、是非ご相談ください! youtube「kintone芸人」で検索!

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