従業員エンゲージメント調査にAIを活用することでマネジメントを効率化!メリットや具体的な方法を解説

近年、従業員のモチベーション低下や離職者の増加に悩む企業が増えており、「従業員エンゲージメント調査」が注目を集めています。
一方で「自社には専用システムやコンサルを導入する予算が無い」と、諦めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのが、AI活用です。
AIを使えば、最小限のコストで高度な分析が可能になります。
本記事では、AIを使った従業員エンゲージメント調査の方法を詳しく解説します。
従業員エンゲージメントを高めたいと考えている企業さまは是非ご覧ください!
この記事でわかること
- 従業員エンゲージメント調査にAIを活用する方法
- 従業員エンゲージメント調査でAIを活用する際におすすめのツール
こんな人におすすめの記事です
- 組織の課題を洗い出し、従業員のモチベーションを維持・向上させたい方
- 最小限の手間とコストで、従業員エンゲージメント調査を実施したい方
目次
従業員エンゲージメント調査とは
従業員エンゲージメント調査とは、従業員の仕事に対する熱意や組織に対する愛着を把握するための調査です。
「従業員エンゲージメントサーベイ」と呼ばれることもあります。
近年は人材不足が深刻化しているため、人材を重要な資本と捉える「人的資本経営」という考え方が広まっています。
調査を通じて、従業員の意欲や組織との関係性を数値化することで、現状の把握や改善策の立案が可能になるのです。
調査の目的
従業員エンゲージメント調査の目的は大きく2つあります。
1つめは、従業員が感じるやりがいや、組織への貢献意欲を可視化し、組織の課題を明らかにすることです。
2つめの目的は、人事施策や経営施策がどの程度効果を発揮しているかを検証することです。
例えば、制度改定や研修導入後の変化を数値で把握できれば、改善の方向性が明確になります。
単なるアンケートにとどまらず、組織改善や人材定着のための重要なデータとなる点が大きな特徴です。
調査の種類
従業員エンゲージメント調査には、主に「パルスサーベイ」と「センサス」の2種類があります。
パルスサーベイは、月1回や四半期ごとなど、比較的高い頻度で実施するのが特徴です。
質問数は5〜15問程度と少なく、短時間で回答できるため、従業員への負担は小さめです。
主にトレンドや変化を捉えるのに優れています。
一方、センサスは年1〜2回の定期的な大規模調査で、50〜100問程度の網羅的な設問を用意します。
従業員の負担はやや大きくなりますが、組織全体の現状把握や課題を深掘りするのに適しています。
従業員満足度との違い
従業員エンゲージメントと従業員満足度は混同されがちですが、測定対象が異なります。
従業員満足度は給与、福利厚生、職場環境などに対する「満足・不満足」を測るものです。
これに対し、従業員エンゲージメントは会社への愛着や仕事へのやりがい、積極的な貢献意欲を測定します。
簡単に言うと、満足度は「この会社で働くことに不満はない」という気持ちを測るもの、エンゲージメントは「この会社のために頑張りたい」という気持ちを測るもの、と言えるでしょう。
従業員エンゲージメント調査を実施するメリット
従業員エンゲージメント調査を実施すると、次のようなメリットがあります。
生産性が向上する
1つめのメリットは、生産性が向上することです。
エンゲージメントが高まった従業員は、自分の仕事に意欲的に取り組むだけでなく、周囲の人と協力しながらより多くの成果を挙げられるようになります。
また、日常業務の中から改善のヒントや新しいアイデアが生まれることも増えるため、組織力も高まります。
トラブルやハラスメントを防げる
2つめのメリットは、職場に潜むトラブルを早期発見できることです。
例えば、職場の人間関係の悪化やストレスの高まりを数値として可視化すれば、問題が表面化する前に察知して対処できます。
このような取り組みは、従業員の心理的安全性を守り、安心して意見を出し合える環境を整えることにつながります。
離職率を改善できる
3つめのメリットは、離職率を改善できることです。
部署や職種ごとのエンゲージメントスコアを分析すれば、離職率の高い部門やその原因を特定しやすくなります。
新入社員や若手社員についても、定着率を左右する要因を分析することで、研修制度やキャリア支援の改善ポイントが見えてきます。
従業員エンゲージメント調査の実施ステップ
従業員エンゲージメント調査は、次のようなステップで進めます。
- 目的の明確化とKPI設計
- 質問設計
- 社内周知とアンケートの実施
- 結果分析と改善策の策定
- 施策の実施と再調査
はじめに、調査の目的を明確にしたうえで目標を設定しましょう。
KPIは数値を用いて具体的に決めることがポイントです。
次に、質問を作成します。
「Gallup Q12」のように、よく使われる設問例を参考にしつつ、自社の状況に合わせて定量・定性の質問を組み合わせることで、調査の精度を高めましょう。
質問が用意できたら、従業員に調査の意図を説明し、匿名性や利便性を確保したうえでアンケートを実施します。
続いて、回答を集めて部署別や年代別など多角的な分析を行い、課題を抽出して改善策を策定します。
施策を実施して終わりではなく、一定の期間を置いて再調査を行い、前回の結果と比較することで、継続的な組織改善が可能になります。
従業員エンゲージメント調査の実施なら kintone × AI がおすすめ
従業員エンゲージメント調査を効果的に実施するためには、専用のシステムを導入したり、専門知識を持つ人材に任せたりできるのが理想です。
しかし、特に中小企業においては、予算もノウハウも無いケースがほとんどです。
そこでおすすめなのが、「kintone(キントーン)」とAIを組み合わせて活用する方法です。
kintoneはノーコードでアプリを構築できるため、専門知識がなくても調査用の仕組みを簡単に作れます。
さらに、独自の項目や集計ルールを設定できるため、従業員情報や人事評価、給与情報といったデータも一元管理可能です。
AIと連携すれば、調査結果を自動で分析し、退職リスクやエンゲージメント低下の兆候を早期に発見できます。
加えて、kintoneは外部システムとの連携やレポート機能も充実しているため、限られたリソースでも本格的な調査と改善活動を実現できるでしょう。
kintoneとAIを使った従業員エンゲージメント調査については、こちらの動画でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
kintoneとAIを連携して従業員エンゲージメント調査を実施する手順
ここからは、実際にkintoneとAIを連携して調査を実施する手順を解説します。
はじめに、調査に必要なkintoneアプリとして、「社内エンゲージメントデータアプリ」と「結果保存用アプリ」を構築します。
「社内エンゲージメントデータアプリ」では、従業員の氏名、部署、アンケートの回答などの項目を設定し、実際の回答結果を保存します。
アンケート自体を従業員本人にkintoneへと登録してもらうこともできますし、外部連携ツールを使ってフォームから入力してもらうことも可能です。
次にkintoneとAIツールを連携して、AI設定アプリにプロンプト(指示文)を設定します。
プロンプトでは、質問項目、分析してほしいこと、出力形式などを具体的に盛り込むことがポイントです。
以下は、従業員エンゲージメント調査の結果を分析するプロンプトの一例です。
次のアンケートデータをもとに、各部門別のエンゲージメントの状態を分析し、改善策を提案してください。 アンケートの質問項目は以下の通りです:
各部門ごとに、以下の分析を行ってください:
表示が ** **にならないように、文字を強調する場合は「」を使ってください。 |
分析結果は自動的にkintoneアプリに保存され、組織全体の総合評価に加えて、部門ごとの具体的な傾向と対策案等が出力されます。
AIを使った従業員エンゲージメント調査で、組織力を強化しよう!
従業員エンゲージメント調査は、生産性向上や離職防止に直結する重要な取り組みです。
調査にあたっては、コストや専門人材の不足がネックになることもありますが、AIを活用すれば、最小限のコストと労力で実施することが可能になります。
AIを使った調査運用を実現して、組織力を強化しましょう。
コムデックでは、さまざまな業務でのkintone × AI活用をまとめた事例集をご用意しております。
以下のページから無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。