建設業の人員配置を効率化!AIで最適化して工数を削減する方法

建設業では、各工事に必要な職人を割り振る際に資格や稼働状況の確認に時間がかるため、人員配置の検討が現場管理者の負担になっているケースがあります。
配置作業が属人化していると、担当者交代や急な欠員時に引き継ぎが滞り、現場全体の調整が難しくなるのが実情です。
また、いつどんな人員が空いているのかによっては新しい案件を受注できないこともあるため、余計に人員配置情報の把握は重要となります。
そんなとき、AIを活用すれば「最適な人員の自動割り振り」と「配置工数の削減」が可能になります。
今回は、AIを使って人員配置を効率化する仕組みと、その設定手順をプロンプトつきで紹介します。
「人員配置に時間を取られている」「属人化を解消したい」という建設業さまは、是非ご覧ください。
この記事でわかること
- 建設業における人員配置の課題
- AIとkintoneを活用して人員配置を効率化する具体的な方法
こんな人におすすめの記事です
- 建設業の人員配置に悩んでいる方
- 属人化を解消し、配置工数を削減したい方
目次
建設業の人員配置で起こりがちな課題
建設業の人材配置が属人的になりやすいのは、資格やスキルの確認に時間がかかるだけでなく、今ある案件の工期等も鑑みて最適な組み合わせを検討するためには社内の案件全体を把握している必要があるためです。
ここでは、人員配置の課題を深堀りしていきます。
資格やスキルの確認に時間がかかる
近年の建設現場では工期短縮や品質基準の高度化が進み、その分必要となる資格やスキルの確認作業も増えています。
確認のための書類作成やデータ管理は手作業によるケースが多く、入力ミスや確認漏れが発生しやすいのが現状です。
こうしたミスは、余計な工数や追加コストを生むだけでなく、品質や安全性に影響するリスクを孕んでいるため、資格情報やスキルを効率よく把握できる仕組みが求められています。
人員配置業務が属人化しやすい
工事ごとに必要とされる資格やスキルは異なり、一律の基準で配置を決めるのが難しいため、担当者の経験や勘に頼る傾向が強まります。
職人の資格や稼働状況が一元管理されていない場合は、確認に時間がかかるだけではなく、急な欠員や交代が発生した際にスムーズな引き継ぎができず、現場が停滞し全体の進行に影響が及びます。
さらに、ベテランにノウハウが集中することで新人への知識共有が進まず、配置の透明性が欠ける状態が続きます。
属人化の問題は、効率性と公平性を阻害する大きな要因のひとつです。
人手不足で最適な組み合わせを考えるのが難しい
建設業界では労働環境の厳しさや高齢化に伴う人員不足が深刻化しています。
若年層の建設業離れと熟練者の引退が重なることで、後継者不足が最も進行している業界と言えるでしょう。
新技術への適応や教育体制が十分に整わず、配置の柔軟性が損なわれるケースも増えており、限られた人材で最適な組み合わせを考える作業は余計に難易度が高くなっているのです。
建設業の人員配置はAI活用で効率化できる
人員配置の課題を解消する方法として注目されているのがAIの活用です。
AIなら職人の資格やスキルの情報、既に配置されている工事の工期等を自動で照合し、条件を満たす候補者を抽出できます。
また、稼働中の職人を除外してダブルブッキングを防ぎ、現場に支障が出ないよう配慮した配置が可能です。
さらに、最適な人員の組み合わせをシミュレーションすることで、客観的な判断が可能となり、属人化を排除できます。
これにより、配置検討にかかる工数は大幅に削減され、施工管理者は本来注力すべき安全や工程管理に時間を割けるようになります。
AIは単なる効率化にとどまらず、業務の質を向上させる基盤としても機能するでしょう。
職人の資格情報と工事情報を基に、AI × kintoneで人員配置を最適化
AIによる人員配置を実現するには、基盤となるデータの整備が欠かせません。
その基盤としておすすめなのが、職人の資格情報や工事情報を一元管理できる業務改善プラットフォームのkintone(キントーン)です。
kintoneに「職人マスタ」や「施工管理情報」を登録しておけば、AIと連携して人材配置に活用できます。
各職人の資格や経験、稼働状況がリアルタイムに反映されるため、最新の状況に基づいた配置が可能です。
AIはこれらのデータを参照し、条件を満たす候補者を自動で提示するため、担当者の属人的判断に依存しなくてもよくなります。
さらに、配置結果はkintoneに自動反映され、関係者と簡単に共有できます。
kintoneを基盤としたデータ活用が進むことで、人員配置の精度とスピードが同時に高まり、現場全体の生産効率の向上につながるのです。
kintoneについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
▼kintone(キントーン)とは?できること・できないことまとめ アプリの活用事例もご紹介!
kintone × AIを活用して建設業の人員配置を効率化・工数削減する手順
ここからは、AIとkintoneを活用して人員配置を効率化する手順を紹介します。
まず、kintone上に「職人マスタ」として、職人の氏名と所有資格を登録しておきます。
また、案件ごとに必要資格が異なるため、以下のように施工管理アプリのなかで案件ごとの必要資格一覧を登録しておきます。
これらのデータを元に人員配置を検討するようAI設定アプリに登録し、以下のようなプロンプトで指示を出します。
あなたは、施工案件に対して職人を割り振る担当をしています。 案件ごとで必要な資格があり、それぞれの職人が保有する資格から、適切な割り振りをしなければいけません。 #依頼 施工管理にて担当が未割振りの案件に対して、職人マスタから適切な人員を割り振る。 ただし、現在別の案件に入っている職人は割り振りができないため、施工管理上の割り振り済み職人と施工開始~施工終了は対象から外して割り振ってください。 #条件
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このプロンプトは、案件の必要資格と職人の稼働状況を突き合わせて最適な組み合わせを自動で抽出する構造になっており、属人的な判断を排除し、データに基づいた配置を可能にします。
実際にAIが出力した人員配置の検討結果は以下のとおりです。
あとは、実際のデータと照らし合わせながら、問題ないかどうかを目視でチェックするだけです。
抽出した職人が何の資格を保有しているのかも明記されているので、データの正誤を確認しやすいでしょう。
このように、従来属人的で時間がかかっていた人員配置を自動化し、工数削減と効率化を実現できます。
AI × kintoneで建設業の人員配置を効率化しよう
人員配置にかかる負担は、AIによって軽減できます。
とくにAIとkintoneを組み合わせれば、資格や稼働状況の確認から候補者抽出、配置結果の共有までを一元化でき、属人化や引き継ぎの滞りといった課題を解消できます。
コムデックでは、kintoneとAIを掛け合わせて業務課題を解消する事例を多数ご用意しております。
「人員配置業務にAIを取り入れたい」「人員配置の工数を少しでも減らしたい」という企業さまは、ぜひ資料をご覧ください。