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kintone × ChatGPTで支援計画書を自動作成|介護福祉事業 株式会社ワンセルフさまの開発事例

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▼本事例の要約

業種 介護福祉業
従業員数 69名
地域 群馬県
目的 介護施設での事務作業を効率化したい
課題 利用者さまの面談資料や支援計画書の作成に手間がかかっている
効果 ・面談資料や支援計画書の作成にかかる時間を短縮できた
・パソコンが苦手なスタッフでも簡単に操作できる仕組みができた
・AIに対する抵抗感がなくなり、社内のIT化が加速した

介護福祉施設では、利用者さまやご家族との面談も大事な仕事の1つです。
しかし、相手の話を傾聴しながら的確にメモを取ることは簡単ではありません。

さらに、面談後は記録をまとめたり、支援計画書に落とし込んだりしなければならないため、苦労されている方も多いのではないでしょうか。

そんなときにおすすめなのが、AI活用です。
AIを使えば、面談を録音するだけで文字起こしや要約、支援計画書の原案作成までを自動化できます。

本記事では、kintoneとChatGPTを連携することで支援計画書の作成を自動化した、株式会社ワンセルフさまの事例を紹介します。
スタッフの事務作業の負担を減らしたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。

kintone × ChatGPTを使った自動化プロジェクトもいよいよ大詰め!面談データの投入方法を決めよう

株式会社ワンセルフさまは、群馬県の高崎市と富岡市で10の介護福祉施設を運営する企業さまです。
子ども向けの放課後等デイサービスから大人向けの生活介護施設まで、幅広い介護施設を運営し、地域の支援が必要な方やそのご家族を支えていらっしゃいます。

介護施設では、面談記録や介護記録を元に「支援計画書」を作成します。
以前は、紙やエクセルで情報を管理していたため、資料作成に時間がかかることが課題となっていました。

そこで株式会社ワンセルフさまは、kintone(キントーン)を導入して情報を一元管理し、kintone for 生成AIで「面談資料」や「支援計画書」を自動作成する取り組みを進めて来られました。

株式会社ワンセルフさまで行われている資料作成の全体像がこちらです。
オレンジ色が開発済みのkintoneアプリ、水色がAIを使う作業を表しています。

資料作成の全体像

ここまでのアプリ開発については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

▼kintoneとChatGPTを連携して介護記録に基づく資料作成を効率化|介護福祉事業 株式会社ワンセルフさまの開発事例

▼kintone × ChatGPTで面談記録や支援計画の作成を効率化|介護福祉事業 株式会社ワンセルフさまの開発事例

前回記事では、利用者さまご家族との面談データをどのような方法でkintoneに投入するか模索中というところまでご紹介しました。

今回は、面談データの投入に最適な方法を決定し、段階的に進めてきた「資料作成の自動化プロジェクト」を完結させます。
ただ、資料作成の自動化と言っても、全てをAI任せにするのではなく人間らしい共感や思いやりを介在させる余地も残したい、という姿勢は今までと変わりません。
以上を踏まえて、事務作業を自動化して現場スタッフの負担を減らすことを目指し、kintone for 生成AIを活用して最適なアプリを開発していきます。

kintoneとChatGPTを連携できる「kintone for 生成AI」

kintone for 生成AIは、kintoneとChatGPTを連携するためにコムデックが開発したサービスです。
kintone for 生成AIを使うと、kintoneアプリに登録したデータをAIで検索・分析・入力できるようになります。

1つのアプリ内だけでなく、複数アプリのデータを横断的に参照できるようになるのが特長です。
例えば、売上データと顧客情報を紐づけて傾向を分析したり、過去の販売履歴をもとに今後の売上予測を立てたりと、高度な作業が可能になります。

また、議事録の作成やOCRによる帳票入力など、さまざまな作業の自動化もできます。
さらに、トラブル対応に関するデータを蓄積しておけば、新たなトラブルの発生時に、解決策を提案してくれる解決支援ツールとして使用することも可能です。

「kintone for 生成AI」サービスページはこちら

従来の仕組みに「面談記録要約アプリ」を追加してレベルアップ

ここからは、実際のアプリ開発の流れを解説します。

はじめに、資料作成の元になるデータ(利用者さまの基本情報や活動記録など)をkintoneに蓄積しておきます。
株式会社ワンセルフさまの場合、これらのアプリはすでに運用中だったためそちらを利用することにしました。

次に、ご家族との面談時の音声データを文字起こしツールでテキスト化します。
文字起こしツールとしては、NottaやPLOUD NOTE、zoom等、様々な場面に応じて最適なものを試しました。

続いて、kintoneで「面談記録要約アプリ」を作成し「kintone for 生成AI」を設定します。
ここに、先ほどテキスト化した面談の文字起こしデータを貼り付けてAIで要約すれば準備インプットデータがそろいます。

これらの「活動記録アプリ」や「面談記録要約アプリ」を横断的にkintone for 生成AIで分析することで、支援計画書の原案が自動出力される仕組みです。

アプリ開発のポイントは「生データの投入」と「選択式のプロンプト」

今回のアプリ開発では、大きく2つのポイントがありました。

1つめは、面談記録をAIで分析する際、要約文ではなく文字起こししただけのいわゆる「生データ」を投入することです。
要約文を投入すると、細かい部分がそぎ落とされた最小限の情報をもとに分析することになるため、知りたい情報が省かれてしまうかもしれません。

その点、文字起こしのデータをそのまま投入すれば、プロンプト(AIへの指示文)を柔軟に調整することで、こちらが知りたい情報を逃さずキャッチできるようになります。

プロンプト

2つめのポイントは、プロンプトを選択式にすることです。
株式会社ワンセルフさまでは、以前から「ChatGPT連携用設定アプリ」を固定のプロンプトで運用されていました。

今回は、出力の精度をより向上させるために、別途「プロンプトマスタアプリ」を作成し、会議や面談の種類ごとに最適化したプロンプトを登録しました。

プロンプトを選択式に

これにより、「ChatGPT連携用アプリ」側では、会議・面談種別を選択するだけで最適なプロンプトを使用できるようになっています。
テンプレートは分析時に微調整できますし、「プロンプトマスタアプリ」ではテンプレート自体の編集も可能です。

kintoneとChatGPTを連携させるメリットとは

株式会社ワンセルフさまは現在、支援計画書を自動作成する仕組みを試験運用されている段階ですが、すでにさまざまなメリットを実感されています。

まず、kintone for 生成AIによってkintoneとChatGPTを直接連携できたことで、資料作成の時間が大幅に短縮できました。
パソコンが苦手なスタッフでも簡単に操作できるため、社内のIT化も進んでいます。

「AI活用」と聞くと「情報は信頼できるのか」「機械的になりすぎないか」といった点で抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、実際に使ってみてそうした懸念も払拭されました。
むしろ、AIによる客観的な情報や視点を盛り込んだ支援計画書を作成できるようになり、品質が向上しています。

強いてデメリットを挙げるとすれば、出力結果が想定通りの内容になっているかどうか、人の目で最終確認と調整が必要になります。
ただ、株式会社ワンセルフさまはもともと全てをAI任せにするつもりは無いため、ほとんど支障はありません。

また、支援計画書の作成は全ての利用者さまに必要な作業のため、APIコストがかかります。
これについても、トータルで見ればAI活用で得られるメリットの方が大きいと考えられます。

kintone × AIで介護現場の事務作業を効率化しよう!

株式会社ワンセルフさまは、段階的な開発を経て、面談資料や支援計画書の自動作成を実現されました。
開発を通して、AIに頼むことと、人がやるべきことのバランスをとることが大切だと感じていらっしゃいます。

支援計画書作成の他にも、ChatGPTを活用中・検討中の業務があるため、今後も開発を進めていきたいとのことでした。
kintoneとChatGPTの活用については、自社だけでなく介護福祉業界に広める活動にも取り組まれているので、今後が楽しみです。

コムデックでは、kintoneとChatGPTを連携して自社で蓄積した情報を検索・分析・入力できる「kintone for 生成AI」を提供しております。
kintoneの知識はもちろんのこと、業務知識や実務経験も兼ね備えたスタッフが最適な活用法をご提案いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

「kintone for 生成AI」サービスページはこちら

また、AIを使って他にどんなことができるのか知りたい方には、kintone × AIの事例集もご用意しております。
以下のページから無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

kintone × AI事例集 ダウンロードページはこちら

この記事を書いた人

西道 涼

『クラウドサービスの先導者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主に中小企業のクラウドサービスの提案から導入支援まで、一貫してサポートさせていただいております。 たくさんのクラウドサービスが普及する中、どのクラウドサービスが自社に合っているのか…お悩みではありませんか? 是非一度御社の理想をお聞かせください。ぴったりのクラウドサービスをご提案させていただきます!

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