kintoneとLINE WORKSを連携してスマホからの日報登録を実現|介護福祉事業 株式会社ワンセルフさまの開発事例

みなさんの職場では、日報をどのように管理されているでしょうか。
紙やチャット、メール、専用システムなどさまざまな方法がありますが、どの方法でも報告内容がきちんと確認されなかったり、次の行動に活かされなかったりする例はよく見られます。
せっかく時間をかけて日報を作成しているのに、そのデータが活用されないのはもったいないですよね。
そこで本記事では、kintoneとLINE WORKSを連携してスマホからの日報登録を可能にし、データ活用できる仕組みを実現した株式会社ワンセルフさまの事例を紹介します!
「日報の登録を簡単にしたい」「もっとkintoneを活用したい」と考えている企業さまは是非ご覧ください。
目次
日報の管理をkintoneに集約しつつ、情報共有もスムーズにしたい
株式会社ワンセルフさまは、群馬県の高崎市と富岡市で10の介護福祉施設を運営する企業さまです。
障害を持つ方とそのご家族を支えるため、子どもの放課後等デイサービスから大人の生活介護施設まで、幅広い福祉施設を運営されています。
株式会社ワンセルフさまでは、現場スタッフがなるべく利用者さまのケアに専念できるよう、kintone(キントーン)を使った活動記録の管理や、AIを使った資料作成などを積極的に進めて来られました。
過去のkintone開発事例については、こちらの記事でも紹介しています。
▼kintoneとChatGPTを連携して介護記録に基づく資料作成を効率化|介護福祉事業 株式会社ワンセルフさまの開発事例
当時の株式会社ワンセルフさまでは、日報管理の専用システムを導入されていました。
しかしkintone活用が進む中で、今度は日報管理もkintoneに集約したいと考えるようになりました。
元々利用していた日報管理システムは、日報をブログやつぶやき、画像などさまざまなスタイルで投稿できるシステムです。
投稿されたデータは自動で集計され、経営資産として活用できます。
しかし、株式会社ワンセルフさまが社内のさまざまなデータの集計・分析にメインで使っているのはkintoneなため、日報データを活用する際にはkintoneと専用システムの両方を開いて行き来しなければならないことが手間になっていました。
そこで株式会社ワンセルフさまは、日報もkintone化し、データをkintoneに蓄積したいと考えました。
具体的に実現したいことは、大きく2つです。
1つは、従来の専用システムと同様に、日報が登録されたことを関係者に通知して、情報共有をスムーズにできる状態にすることです。
通知については、連絡ツールとして利用しているLINE WORKSに集約したいと考えました。
もう1つは、スマホから手軽に日報登録ができるようにすることです。
以上を踏まえて、コムデックが提供する「kintone for LINE WORKS」のチャット登録機能を使って、スマホを使った日報登録を実現することにしました。
「kintone for LINE WORKS」ならチャットでkintoneに登録できる
kintone for LINE WORKSは、kintoneとLINE WORKSを連携するためのサービスです。
kintoneのデータやタスクをLINE WORKSに通知できる「通知機能」と、LINE WORKSのチャットからkintoneに登録できる「チャット登録機能」があります。
チャット登録機能には、大きく3つの特徴があります。
1つめは、kintoneアカウントがなくても、社内のLINE WORKSアカウントさえあればkintoneに登録できることです。
複数人で1つのkintoneアカウントを共有している場合や、kintoneアカウントを付与されていないアルバイトや業務委託スタッフがいる現場で役に立ちます。
2つめの特徴は、スマホやタブレットからkintoneを登録できることです。
パソコンが無い店舗や工場、外出先からもkintoneに登録でき、パソコンが苦手な人でも使いやすいのがメリットです。
3つめの特徴は、登録項目をシナリオで設定できることです。
これは、kintoneに登録すべき項目をあらかじめチャットボットで設定しておくことで、質問に答えていくとkintoneレコードが完成するという仕組みです。
例えば、設備点検の報告書をチャット登録する場合なら、「点検日は?→(回答する)→点検場所は?→(回答する)→数値の計測結果は?→(回答する)…」のようなシナリオを組んでおくことができます。
kintone for LINE WORKSのチャット登録機能については、こちらの動画でさらに詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
また、こちらの記事では実際にチャット登録機能を使って、運転者のアルコールチェックアプリを開発した事例も紹介しています。
▼kintoneとLINE WORKSの連携で運転者のアルコールチェックを効率化|株式会社アイケーディさまのアプリ開発事例
チャットで日報を登録するためのシナリオを設定
ここからは、実際に株式会社ワンセルフさまで実装したkintoneアプリ構築の流れについて解説します。
はじめに、kintoneの日報アプリを用意します。
次に、日報のデータを蓄積して活用していくためには、従来の専用システムに蓄積されている過去の日報データを用意した日報アプリに移行する必要があります。
しかし今回は、データを移行する前に、これから実装するチャット登録ならではの利便性を活かすため、アプリ構成を変更することにしました。
具体的な変更点は、もとの日報アプリでは報告内容をチェックボックスで複数選択できたものを、ラジオボタンに変更するというものです。
これに伴い、過去の日報データで複数チェックされていたものについても、報告内容の優先度を決めて、1つだけ残すように変換しました。
過去の日報データが移行できたら、いよいよkintone for LINE WORKSを使ってチャット登録ができるよう設定していきます。
設定方法は、「対話フロー設定アプリ」を開いて以下の内容を設定するだけです。
- 対象アプリ
- 呼び出しキーワード
- 登録項目
- LINE WORKSに送信する質問文
これで、LINE WORKSのチャットからkintoneに登録できる仕組みが完成しました。
LINE WORKSでkintone登録のトークルームを開くと、何を登録したいのかの選択肢が表示され、以降は送られてくるトーク内容に沿ってチャットを送れば自動的にkintoneに登録されていきます。
日報登録の通知はWebhookを使って実現
次は、日報登録時の通知の仕組みを構築していきます。
当初は、kintoneの標準機能を使って通知が飛ぶよう設定しようとしたのですがうまくいきませんでした。
標準機能では、kintone画面上で操作した際、JavaScriptによって通知機能が動作する仕組みになっているためです。
今回のように、LINE WORKS経由でレコード登録する場合は動作しなかったため、オプション機能のWebhook通知を使って実装することにしました。
Webhookとは、システムの更新情報を他のシステムに通知する仕組みのことを言います。
例えば「タスクが登録されたらカレンダーアプリに反映する」「稟議が通ったらチャットに通知する」といった場面で使われます。
kintone for LINE WORKSのWebhook通知オプション機能は、kintone画面を経由していないレコード追加・編集削除にも対応しています。
そのため、今回のようなLINE WORKSからの登録のほか、WEBの申し込みフォームやアンケートなどをkintoneに反映するツール「FormBridge(フォームブリッジ)」からの登録にも対応できます。
このようにオプション機能も活用することで、日報登録を通知できる仕組みを実現できました。

実際にLINE WORKSに届く通知
LINE WORKSのチャットから日報を登録するメリットとは
株式会社ワンセルフさまは、kintoneとLINE WORKSを連携することで、スマホからいつでも・どこでも日報を登録できるようになりました。
日報データがkintoneに蓄積されるため、その他のデータとあわせた集計や分析が容易になり、AIをはじめとするデータ活用の幅が広がったこともメリットです。
チェックボックスが使えない等、チャットから登録できるフィールドが限られているため、従来の日報専用システムのままとはいきませんが、日報管理に必要なことはkintoneで十分に対応できています。
kintoneとLINE WORKSの連携で、日報のデータ活用を促進しよう
日報登録にkintone for LINE WORKSを活用することで、スマホのチャットからkintoneへと手軽にデータを登録できるようになります。
今回の事例では、日報専用システムからkintoneへの置き換えなので、日報そのものが劇的に改善されたわけではありません。
現場のスタッフから見ると「チャットで手軽に登録できるようになった」だけかもしれませんが、会社全体で考えると日報がきちんと登録されることでデータがkintoneに蓄積されていくため、今後はそのデータを活用することができます。
データの活用という意味で、日報をkintoneに集約できたことに大きな意義があるのです。
株式会社ワンセルフさまでは、コムデックによるkintone for LINE WORKSの設定の説明会も実施し、スタッフがスムーズに使えるように工夫されています。
説明会を経て、これからさらに活用の幅を広げていきたいとのことでした。
コムデックでは、kintoneとLINE WORKSを連携するサービス「kintone for LINE WORKS」を提供しております。
社内にITに詳しい人がいないという企業さまも、親切・丁寧にご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。