日報の作成・管理は生成AI × kintoneで効率化できる!プラグイン・連携サービスと事例も紹介

毎日発生する日報の作成は、手作業だと時間がかかるうえ、人によって内容や質にバラつきが生まれやすい業務です。
そのため「AIを使って日報の作成を効率化・均質化できないか」とお考えの企業さまも多いでしょう。
日報の作成や管理は、生成AIとkintoneを組み合わせることで効率化できます。
今回は、日報作成において生成AIができることと注意点、kintoneと組み合わせて日報作成を効率化する方法を紹介します。
「AIを使って日報業務を効率化したい」「関連事例を知りたい」という企業さまは、是非ご覧ください。
この記事でわかること
- 生成AIが日報作成においてできることと注意点
- 生成AI × kintoneで日報作成を効率化する方法
こんな人におすすめの記事です
- AIを使って日報を自動作成したい方
- AIを使って日報の作成から管理までを効率化したい方
目次
日報は自動作成できる!生成AIができる4つのこと
AIのなかでもChatGPTやGeminiなどの生成AIを活用すれば、日報作成の手間と作業時間を削減することが可能です。
生成AIは、学習データをもとに新しいコンテンツを生成できる人工知能で、日報作成という観点で見ると主に次の4つのことができます。
文章の自動生成
生成AIは、入力された情報をもとに自然な文章を生成できます。
前回の日報と、今日の日報の元となるメモを生成AIに読み込ませ、「前回の日報フォーマットに沿って、メモをもとに本日の営業日報を作成してください」と指示するだけで、文脈に沿った自然な文章に仕上げてくれます。
箇条書きのメモからでも生成AIが内容を要約・編集して文章を組み立てるため、人間の作業は最終チェックと微修正のみに抑えられます。
エクセル日報への変換
生成AIは、作成した文章を指定のフォーマットやファイル形式で出力できるので、エクセル日報への変換や転記が容易になります。
とくに、Microsoftが提供するCopilot(コパイロット)に依頼すれば、日報作成における「日付の入力」「特定セルのクリア」などの定型業務を自動化するVBAマクロを作成でき、エクセル日報への入力効率が向上します。
また、Microsoft FormsやGoogleフォームで日報の入力フォームを作り、フォームに入力された情報を生成AIに抽出させてエクセルに自動転記するという仕組みも構築できます。
エクセル日報の作成が効率化されるのはもちろん、手作業による転記ミスや二重入力といったヒューマンエラーの防止にもつながるでしょう。
営業・作業実績の集計や分析
生成AIは、簡単な指示だけでデータの集計からグラフ作成、分析コメントの出力まで行えるため、日報を元にした集計や分析を効率化されます。
これまでエクセルの関数やピボットテーブルを駆使して手作業で行っていた集計・分析作業が、対話形式の簡単な指示だけで実行できるようになるでしょう。
音声・チャットを使った入力の効率化
生成AIの音声・チャット入力を活用すれば、場所や時間を気にせず日報作成が可能になります。
たとえば、外回り営業の担当者が移動中にスマートフォンに向かって話すだけで、その内容をAIが文章に整え、日報として出力することが可能です。
会社に戻ってPCを開かなくても日報を作成できるため、直行直帰のような柔軟な働き方が容易になり、従業員の満足度向上にもつながるでしょう。
生成AIで日報を自動作成するときの注意点
生成AIを使った日報の自動作成は便利そうですが、利用にあたってはいくつかの注意点があります。
完全な自動化は難しい
生成AIは日報の作成をある程度自動化してくれるものの、出力内容が100%正しいとは限りません。
ときには、入力情報にはない情報を生成したり(ハルシネーション)、意図しない内容を出力したりするケースもあります。
そのため、生成AIに任せきりにすると、コンプライアンス違反や異なる事実の報告など、思わぬトラブルにつながるリスクがあるのです。
AIはあくまで強力なアシスタントであり、最終的な確認・判断は人間が行うという運用フローを構築することが重要です。
プロンプトによって出力精度が左右される
生成AIは入力されたプロンプトに従って文章を生成するため、曖昧な指示だと出力内容の精度が低下します。
また、人によってプロンプトの書き方が異なると、日報における情報の粒度やトーンにバラつきが生じやすくなります。
出力品質を安定させるためには、誰が使っても一定の精度を出せるプロンプトテンプレートやマニュアルを整備し、継続的に改善・運用する仕組み作りが必要です。
保管・共有の仕組みが別途必要になる
生成AIは日報の「作成」は得意ですが、作成された日報を保管・共有したり、上司が承認したりする仕組みは持っていません。
つまり、日報の作成から管理、活用までを一元化したい場合、生成AI単体では不十分です。
この課題は、kintone(キントーン)と生成AIを連携させることで解決できます。
AIを使って日報の作成から管理までを効率化するならkintoneがおすすめ!活用できるプラグイン・連携サービス
kintoneとは、プログラミングの知識がなくても、自社の業務に合わせたアプリをマウス操作で簡単に作成できるツールです。
作成したアプリを組み合わせることで、業務全体の流れを一元管理することもできます。
外部ツールとの連携性も高く、ChatGPTをはじめとする様々な生成AIとも柔軟に組み合わせることが可能です。
kintoneについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
▼kintone(キントーン)とは?できること・できないことまとめ アプリの活用事例もご紹介!
kintoneには、機能を拡張するための様々なプラグインや連携サービスがあり、その中にAIと連携できるものもあります。
生成AIと連携できるサービスを使えば、API連携などの専門知識がなくても、手軽にAIを活用した日報の作成・管理を始められます。
ここでは代表的な2つのサービスを紹介します。
Smart at AI for kintone Powered by GPT|メモを日報に自動変換
Smart at AI for kintoneは、kintone上に記録されたメモや発言記録、報告文などをもとに、ChatGPTが読みやすく整った文章に再構成してくれるサービスです。
たとえば、スマートフォンから音声でメモ入力した営業報告を、生成AIが日報として自然な文章に自動編集してくれます。
日報の作成時間が短縮されるだけではなく、遠方の営業先からの移動中に日報を作成するといったことも可能です。
Safe AI Gateway|日報のレビューを効率化
Safe AI Gatewayは、kintoneと連携することでkintoneアプリに登録された日報や報告書の内容を生成AIに送信し、要約や要点抽出、レビューコメントの作成などを実行できるサービスです。たとえば、部下から提出された営業日報をkintoneに登録すると、Safe AI Gateway経由でChatGPTに要約やレビューを依頼できます。
さらに「この日報の要点を3行でまとめて」「次に取るべきアクションを提案して」といった指示を行うことで、AIがフィードバックのたたき台を自動生成し再びkintoneに記録します。
上司の確認工数が削減されるほか、フィードバックのスピードと質の向上が期待でき、チーム全体のマネジメント効率向上に役立ちます。
日報にも応用可!ChatGPT × kintoneでスマホからの面談記録の作成を自動化した事例
複数の介護福祉施設を運営する株式会社ワンセルフさまは、kintoneアプリで日々の活動記録や面談記録などを管理していましたが、報告資料を作成する際に、アプリ内の膨大な情報を参照して要点をまとめなければならず、作業に時間がかかるという課題を抱えていました。
そこでChatGPTの活用を試みたものの、kintoneのデータを手作業で加工してChatGPTに渡す手間が発生し、思うように活用が進みませんでした。
この課題を解決するため、kintone内でChatGPTを呼び出す連携用アプリと、要約結果を出力・保存する出力用アプリを新たに作成しました。
利用者は、出力用アプリの実行ボタンをクリックするだけで、kintoneに蓄積された記録がChatGPTに自動連携され、要約後の文章がアプリ内に保存される仕組みです。
この仕組みにより、これまで手作業で行っていた「kintoneからデータを書き出して加工し、ChatGPTに読み込ませる」という一連の作業が不要になり、資料作成時間がわずか3分にまで短縮されました。
今回は活動記録にもとづく資料作成に活用しましたが、この仕組みは日報の作成にも応用することが可能です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
▼kintoneとChatGPTを連携して介護記録に基づく資料作成を効率化|介護福祉事業 株式会社ワンセルフさまの開発事例
生成AI × kintoneで日報の作成から管理までを効率化しよう
生成AIを活用すれば日報を自動作成できますが、それだけでは共有や管理といった関連業務までを効率化することはできません。
これに対し、kintoneと生成AIを連携させれば、日報の作成から管理、データ活用までを一気通貫で効率化する仕組みを構築できます。
コムデックでは、kintoneとAIを掛け合わせてお客さまの課題を解消する「AI伴走支援」を提供しています。
「AIを使って日報の作成を自動化したい」「AIを使って日報の確認やフィードバックを効率化したい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。