kintone×AIの活用事例3選!業務の自動化を実現した方法と効果を解説

日常の業務のなかで「この作業を自動化できれば違うことに時間を割けるのに」という場面が多々あるかと思います。
たとえば、議事録の作成や請求情報の入力、問い合わせ内容の精査などが自動化できると、ほかの業務に時間を割けるようになり、生産性が向上するはずです。
これらの自動化は、kintoneとAIを掛け合わせることで実現できます。
そこで今回は、kintoneとAIを掛け合わせることで業務を自動化した3つの事例を解説します。
「作業を自動化してほかの業務に集中したい」「kintoneとAIの活用事例を知りたい」という企業さまは、是非ご覧ください。
目次
kintone×AI活用事例
1.ChatGPTを使ってkintoneで議事録を自動作成する
定例会議の議事録の作成は、頻度が多いため手間や時間も膨大になります。
会議の動画や音声データから議事録を自動作成できれば、手間と時間を軽減できるはずです。
そこで、生成AIであるChatGPTで議事録を作成し、kintone(キントーン)でその内容を保存する文字起こしアプリを構築して、自動化を図りました。
会議動画の音声からChatGPTに文字起こしをさせ、その内容をもとに議事録を作成するという流れです。
詳しくは動画でも解説しているので、あわせてご覧ください。
kintone×AIで議事録を自動作成する方法
kintone×AIで議事録を自動作成する方法は、次のとおりです。
1.プロンプトを入力する
まずは、会議内容を文字起こしするために、文字起こしアプリにプロンプトを入力します。
プロンプトとは、AIに出力させるための指示文章のことです。
プロンプトを通じて「どのような会議内容か」を伝えておくと、ChatGPTが正しく会議内容を認識できます。
また「句読点を追加してください」「不要なスペースは削除してください」といった細かいルールを指示すれば、出力精度の向上が可能です。
2.ファイルを選択する
続いて、文字起こしアプリから会議の動画ファイルをアップロードします。
今回は動画から議事録を作成しましたが、音声データがあればよいため、録音からでも同じことができます。
アップロード後に「文字起こしを開始」ボタンをクリックすると、処理がはじまります。
処理が完了するまでは、少々時間がかかる点に留意が必要です。
3.議事録を作成する
文字起こしが出力されたら、その内容をもとに議事録を作成します。
ChatGPTが生成した文字起こしは会議内容の羅列に過ぎないので、議事録にするためにはフォーマットに沿って会議内容をまとめる必要があります。
文字起こしアプリの依頼内容(プロンプト)に議事録のフォーマットを入力すれば、フォーマットどおりに出力する仕組みとなっています。
4.議事録を確認・修正する
AIの出力には嘘の情報が盛り込まれることもあるため、出力された議事録のチェックと修正を行います。
より良いモデルを利用すると出力精度は高まるものの、AIの出力を100%信用できる状態ではありません。
そのため、必ず人間のチェックが必要です。
議事録の自動作成によるメリット
議事録作成を自動化すれば、人間の作業工数が削減され、業務負担が軽減されます。
空いた時間をほかの業務に充てれば、生産性の向上も期待できるでしょう。
なお、文字起こしアプリのソースコードは、YouTubeチャンネル「kintone芸人」のメンバーシップで公開中です。
kintone×AI活用事例
2.請求書の画像から明細情報を自動で取り込む
原価管理や請求管理(受け取った請求書の管理)をkintoneで行っている場合、当たり前ですが請求情報をkintoneに入力する必要があります。
電子や紙で受け取った請求書を見ながらkintoneに入力していくのは手間と時間がかかるばかりか、転記ミスの可能性も捨てきれません。
そんな時、明細書から自動でkintoneに請求情報を取り込む仕組みがあるとこの作業を大幅に削減できます。
そこで、ChatGPTを使って請求書や納品書の画像を読み込み、請求情報をkintoneに連携する「請求書読み込み」アプリを構築しました。
詳しくは、以下の動画をご覧ください。
kintone×AIで請求書の画像から明細情報を自動で取り込む方法
請求書読み込みアプリは、次の方法で画像から明細情報を取り込みます。
1.請求書の画像データをアップロードする
まずは、請求書をpngやjpegなどの画像形式でkintoneにアップロードします。
※コードを調整すればPDFでも可能です。
2.アプリに明細情報が取り込まれる
請求書をアップロードすれば、自動的にAIがOCR読み取りを実施し、アプリ上に日付や会社名、単価、合計金額などの明細情報が自動入力されます。
請求書読み込みアプリでは、kintoneに保存しやすい形式で情報を戻すように指定しており、明細情報を請求書アプリに反映することも簡単です。
読み込みやすい単純な請求書だけではなく、さまざまな項目や異なる単位などが記載された複雑な請求書でも同様に出力が可能です。
ただし、手書きの請求書で実験したところ、金額は正しく出力されたものの、会社名が反映されませんでした。
また、読み取り精度やAIの判断によって、同じ請求書でも毎回出力内容が異なる場合があります。
このように、100%正しく情報が反映されないこともあるため、人間によるチェックが必要です。
請求明細情報の自動取り込みによるメリット
請求書からkintoneへ明細情報を転記している企業さまは、請求書読み込みアプリを使うことで、転記作業が削減されます。
人間の作業がチェックと軽微な修正のみになるため、原価管理や資金繰りの管理をより効率的に行うことができるでしょう。
kintone×AI活用事例
3.テクノロジーを駆使して案件管理を効率化する
新規顧客を開拓するために、Webマーケティングに取り組んでいる企業さまは多いでしょう。
そのなかで、たくさん獲得したリードやお問い合わせを人海戦術で処理しているケースがあります。
人海戦術だと、対応件数の増加でリソースが足りなくなり、対応速度や品質が低下するリスクがあります。
かつてコムデックでも同様の課題が生じたため、kintoneとAI、MA(マーケティング・オートメーション)、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を駆使して案件管理をする術を編み出しました。
詳しくは以下の動画でも解説しているので、あわせてご覧ください。
kintone×AIで案件管理を効率化する方法
AIを含む様々なツールを駆使して案件管理を効率化する方法は、次の通りです。
1.お問い合わせフォームの入力内容を自動でMA・kintoneに取り込む
一般的に、お問い合わせフォームからお問い合わせが来た場合、お問い合わせ内容をkintoneに転記してから案件管理がスタートします。
まずこのお問い合わせフォームから自動でMAツールに取り込み、さらにそれをkintoneに連携させれば、転記作業の削減が可能です。
MAとは、見込み客を効率よく育てるために、メール配信やWeb行動の分析を自動で行うツールのことです。
コムデックでは、HubSpot(ハブスポット)というMAを利用しています。
HubSpotは、問い合わせ内容を自動で取り込むほか、問い合わせに至るまでの経路を分析可能です。
たとえば、あるユーザーがAI活用事例の記事から流入したあと、問い合わせフォームを表示したといった行動履歴がわかります。
これにより、顧客の顕在ニーズを完璧に把握したうえで対応が可能です。
HubSpotの活用事例は、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
▼HubSpot(ハブスポット)でできることとは?実施すべき初期設定を導入事例から紹介
▼HubSpot×kintone連携でデータを同期して営業管理を効率化!設定方法とメリットを紹介
2.問合せ判定アプリで問い合わせ内容が自動でランク付けされる
HubSpotからkintoneに自動連携された問い合わせ内容は、案件管理アプリに反映されます。
このとき、案件管理アプリに反映された問い合わせ内容をもとに優先度を判断し、対応方針を明確化する必要がありますが、優先度の判断を人が行おうとすると、問合せから対応までタイムラグができてしまいます。
そこで、コムデックでは、ChatGPTと連携して構築した問合せランク判定アプリを使い、AIが案件の優先度を自動で振り分けることで、担当者の負担を軽減しました。
問合せランク判定アプリは、事前に入力したランクの判定基準に基づいて、問い合わせ内容を元に優先度ランクを判定するアプリです。
ただ判定結果を出すだけではなく、ボタンを押すことでランクの判定理由を明文化して記載してくれる機能も搭載しています。
もしAIの判定が間違っていた場合は、正しい優先度とその理由をフィードバックすることで判定精度を高めることが可能です。
通常、ボタンをクリックするのは人間ですが、RPAを使うことでこれも自動化しました。
RPAとは、人がパソコンで行う定型業務を、ソフトウェアのロボットに代行させる仕組みです。
「ボタンをクリックする」という単純作業をRPAに任せて、判定理由の出力も自動化しています。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
▼kintoneとChatGPTの連携で問合せの優先度を自動判定して対応の効率化を実現!
AIを活用した案件管理のメリット
AIを活用した案件管理によって、問い合わせ対応に着手するまでのスピードが向上しました。
また、接客に集中できるため、限られたリソースのなかでも対応品質の向上を図れます。
問い合わせ対応とPDCAサイクルのスピードが上がることで、新規顧客獲得につながる施策の検討や改善に時間を割くことが可能です。
kintoneとAIを掛け合わせてさらなる生産性の向上を目指そう
kintoneとAIを掛け合わせることで、さまざまな業務を自動化できます。
人間の手作業が削減され、浮いたリソースをほかの業務に充てられるため、生産性の向上につながります。
コムデックでは、kintoneとAIを掛け合わせてお客さまの課題を解消する「AI伴走支援」を提供しています。
「kintoneとAIを掛け合わせてもっと業務を効率化したい」「AIの活用方法を知りたい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。
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