kintoneの検索AIとは?メリット・使い方やAIで検索性を向上させる他ツールも紹介

最近はWEBサービスやスマホアプリなど、身近なところでAIを見かけるようになってきました。
実は、kintoneにも「検索AI」という便利な機能が追加できるのをご存知でしょうか。
「検索AI」を使うと、kintoneに蓄積されたデータを素早く・横断的に検索できるため、大幅な業務効率化が期待できます。
本記事では、「検索AI」の概要や活用例、設定方法について詳しく解説します。
こちらの動画では、実際の操作方法も紹介していますのであわせてご覧ください。
この記事でわかること
- kintoneの「検索AI」とは何か
- kintoneの「検索AI」の活用例や設定方法
- 「検索AI」以外にAIで検索できる連携サービス
こんな人におすすめの記事です
- kintoneの検索性を向上して、データを有効活用したい方
- kintoneの「検索AI」とは何か知りたい方
- 「検索AI」以外にAIで検索できる連携サービスを知りたい方
目次
kintoneの「検索AI」とは
kintone(キントーン)の「検索AI」は、kintone AIラボで提供されているAI機能の1つです。
2024年11月に「kintone AIアシスタント(仮称)」という名前でリリースされ、2025年4月から「検索AI」という名前に変わって正式に提供され始めました。
「検索AI」を使うと、kintone内のチャット画面で質問するだけで、AIが複数のkintoneアプリのデータを横断的に検索したうえで、適切な回答を生成してくれます。
検索結果にはアクセス権も考慮されるため、権限のないユーザーに情報が公開されることはありません。
質問文、検索結果、回答文ともにAIの学習には利用されないため、セキュリティ的にも安心して使える機能となっています。
「検索AI」で使われる「RAG」とは
AIを導入する際に知っておきたいのが「RAG」という技術についてです。
RAGとは「Retrieval Augmented Generation」の頭文字をとった言葉で、日本語では検索拡張生成と言います。
具体的には「ユーザーがチャットで質問する→AIが外部情報を検索する→検索結果をLLM(大規模言語モデル)で自然な言葉に生成する→回答を出力する」という仕組みのことを指します。
RAGのメリットは、ハルシネーション(もっともらしい誤った回答)が起きにくくなることや最新情報が得られること、専門性の高い外部情報を検索できることです。
kintoneの「検索AI」でもRAGが使われていて、外部情報としてkintoneに蓄積されたデータを検索することで、より専門的で正確な回答を出力できるようになっています。
「検索AI」の利用条件
kintoneの「検索AI」は、kintone AIラボで無償で提供されています。
kintoneの契約プランのうち、スタンダードコース(アカデミック・ガバメントライセンス、チーム応援ライセンスを含む)、ワイドコースを契約中のユーザーが利用できます。
試用中のユーザーや、ライトコースのユーザーは利用できません。
「検索AI」を活用するメリット
kintoneの「検索AI」を活用するメリットは、大きく3つあります。
1つめは、検索スピードが向上することです。
従来であれば、kintoneで何かを調べるときは「どのアプリにあるか」「どんなキーワードで調べたら出てくるか」などを考えて検索し、抽出された候補の中から、自分が求めるデータを探して確認する、といった作業が必要でした。
しかし「検索AI」なら、「去年の5月の売上と利益率を教えて」のように自然な会話文で質問するだけで、AIが自ら検索して必要なデータだけを回答してくれます。
2つめのメリットは、表記ゆれやあいまい検索もできるという点です。
例えば「車」と検索すれば、「自動車」や「乗用車」のように関連するデータも含めて検索してくれます。
3つめは、検索範囲を指定すれば添付ファイルの中身まで検索してくれるという点です。
具体的には、1つの添付ファイルフィールドあたり約10,000文字程度の内容を検索できます。
複数の添付ファイルがある場合は、ファイルの並び順でカウントされます。
これにより、わざわざ対象レコードで添付ファイルを1つずつ開いて目視で確認するという手間が省けるのがメリットです。
「検索AI」の活用例
「検索AI」を使うと、さまざまな場面で業務を効率化できます。
例えば、営業が商談の準備をするときに「A社との商談で使える資料を出して」と指示すれば、AIが自ら必要な情報を考えて、これまでのA社との商談履歴や、A社と同じ業種での成功事例などをピックアップしてくれます。
また、「出張に必要な手続きを教えて」と指示すれば、出張申請のフォーマットや、宿泊費・交通費に関する社内規程などをまとめて回答してくれます。
従来であれば、そもそも「宿泊費の上限はいくらだろう」という発想がない人は、規程を調べることにも至らず、高い宿を取ってしまうケースもありました。
しかし「検索AI」を使えば、何も知らない新入社員でも規程に沿って手続きを進められます。
さらに、「検索AI」ならkintoneデータを集計して回答を作ってくれるため、例えば「直近3年間で産休・育休を取った人は何人?」と質問すれば「2024年が〇人、2023年が〇人……」というように、勤怠データをもとに集計して回答してくれます。
これにより、わざわざ人の手で計算しなくても、瞬時に集計結果が得られるのです。
「検索AI」の設定方法と使い方
ここからは、「検索AI」の設定方法と使い方を解説します。
設定方法
「検索AI」の設定に、難しいプログラミングの知識は必要ありません。
以下の手順で、操作画面の指示に従って項目を選択するだけで簡単に設定できます。
1.ポータル画面上部の歯車マークをクリック
2.「kintone AI管理」をクリック
3.「kintone AIを有効にする」と「利用する」にチェックして保存
4.「検索AI」の「設定」をクリック
5.「検索AI」管理画面で「作成する」をクリック
例:「社内システムFAQ」「社内システムでよくある質問に答えるAI」を設定する場合
1.「基本設定」で回答生成に使用するデータソース(アプリとフィールド)を指定
2.「設置場所」タブで「検索AI」を設置する画面を選択
3.「アクセス権」タブで「検索AI」の利用を許可するユーザーを指定
これで、kintone内のデータを会話形式で検索できるようになります。
使い方
実際に「検索AI」を使う際は、まずkintone画面上部の「AI」アイコンをクリックします。
利用したい「検索AI」をクリックして、立ちあがった検索画面で質問を入力すれば、AIが回答してくれます。
よく使う検索条件については、プロンプト(AIへの指示文)を定型文としてボタン表示することも可能です。
「検索AI」以外にAIで検索ができる連携サービス
kintoneでは、「検索AI」以外にもAIで検索できる連携サービスがあります。
ここでは、おすすめのサービスを3つ紹介します。
※料金はすべて税込表示です。
Smart at AI for kintone Powered by GPT
Smart at AI for kintone Powered by GPTは、M-SOLUTIONS株式会社が提供するサービスです。
その名の通りChatGPTを使うことで、検索だけでなく文章の生成やデータ分析など、さまざまなことができるAIツールです。
APIを利用するため、入力した情報が学習されることがなく、安心して使えます。
事前にプロンプトの設定もできるため、効率化が期待できます。
初期費用 | プランにより55,000円~ |
料金 | プランにより年額92,400円~ |
無料お試し | あり |
h3:Safe AI Gateway
Safe AI Gatewayは、株式会社ソフトクリエイトが提供するサービスです。
安全性にこだわって開発された生成AIで、kintoneアプリのデータを自動学習して、チャット形式で回答を生成してくれます。
わざわざ該当レコードを開かなくても、10秒足らずで欲しいデータを検索できます。
初期費用 | 55,000円 |
料金 | プランにより月額54,780円~ |
無料お試し | あり(1ヶ月間) |
きんちゃぼ
きんちゃぼは、NDIソリューションズ株式会社が提供するサービスです。
チャットボットに特化したツールで、チャット形式で質問するだけで、kintoneデータを検索して表やグラフにして回答してくれます。
総務やITなど、社内の問い合わせ対応に追われて困っている方にもおすすめのツールです。
初期費用 | 110,000円 |
料金 | 月額55,000円 |
無料お試し | あり(1ヶ月間) |
kintoneとAIを連携して、検索効率をアップさせよう!
kintoneとAIツールを連携すれば、検索効率をアップしてデータをさらに有効活用できるようになります。
「検索AI」は無料で利用できるので、まだAIを触っていないという方は、ぜひ実際に試してみてください。
ただ、AIツールを本格的に活用しようとすると、ツール選びや設定、セキュリティ対策には一定の専門知識が必要になってきます。
そんなときにおすすめなのが、コムデックが提供する「AI伴走支援サービス」です。
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