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クラウドPBXとは?仕組み・メリット・デメリットをわかりやすく解説

クラウドPBXのメリット・デメリット

「クラウドPBXという言葉は耳にするが、結局なにがどう便利なのかピンとこない」「導入のメリット・デメリットや失敗例まで含めて整理したい」と感じていませんか?
オフィスの主装置(従来型PBX)が老朽化してきた中小企業にとって、クラウドPBXは有力な次の選択肢です。

ただし、メリットだけを見て切り替えると、思わぬ落とし穴があります。
本記事では、クラウドPBXの仕組みと類似技術との違い、メリット・デメリット、料金相場、代表的なサービス、導入の流れまでを、初心者にもわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • クラウドPBXの仕組みと、従来型PBX・IP-PBX・ビジネスフォンとの違い
  • クラウドPBXの6つのメリットと5つのデメリット
  • 失敗を避けるためのクラウドPBX導入の流れと事前確認事項

こんな人におすすめの記事です

  • 主装置(従来型PBX)の老朽化や保守切れで電話システムの入れ替えを検討中の担当者
  • スマホ内線化やリモートワーク対応で社員の働き方を変えたい中小企業の経営者
  • クラウドPBXのメリット・デメリットを比較検討中の総務・情シス担当者

クラウドPBXとは?仕組みと3つの類似技術との違い

クラウドPBXは「電話交換機(PBX)をクラウド上に置く仕組み」と一言で説明できます。
ここでは、まず基本的な仕組みを整理し、混同されやすい3つの類似技術(従来型PBX/IP-PBX/ビジネスフォン)との違いを比較します。

クラウドPBXの基本的な仕組み

クラウドPBXとは、従来オフィスに設置していた電話交換機(PBX)をクラウド上に配置し、インターネット経由で電話機能を利用する仕組みです。
クラウドPBXは「インターネット環境さえあれば、場所を問わずビジネスフォンとして利用できる」点が特徴です。

利用者は、スマホ専用アプリ、PCソフトフォン、SIP対応のIP電話機などからクラウド上のPBXに接続し、内線通話や外線発着信を行います。
会社の固定電話番号(03/06など)もそのまま使えるため、従来のビジネスフォンと同じ感覚で利用できます。

従来型PBX・IP-PBX・ビジネスフォンとの違い

クラウドPBXは、従来型PBX・IP-PBX・ビジネスフォンと混同されがちですが、設置場所や運用方式が大きく異なります。
これらを比較すると以下のようになります。

種類 設置場所 特徴 価格帯
従来型PBX オフィス内(物理装置) 物理的な主装置を設置 高額(数百万円から)
IP-PBX オフィス内(IP化) IP電話技術を使う社内設置型 中価格帯
ビジネスフォン オフィス内(一体型) 小規模オフィス向けの主装置一体型 中小企業向け
クラウドPBX クラウド上 物理装置不要でクラウド配置 初期費用ゼロから低額

クラウドPBXは「物理装置不要」「初期工事不要」「拡張性が高い」「BCP対策に強い」点で他と差別化されています。

クラウド電話・ソフトフォンとの関係性

「クラウドPBX」「クラウド電話」「ソフトフォン」「IP電話」は似た言葉として混同されがちですが、それぞれ意味が異なります。

  • クラウドPBX:電話交換機の機能をクラウド化したサービス
  • クラウド電話:クラウドPBXを含む、クラウド経由の電話サービス全般の総称
  • ソフトフォン:PCやスマホで電話機の代わりをするソフトウェア
  • IP電話:インターネット技術を使った電話サービス全般

正しく理解し、自社に合ったものを選ぶようにしましょう。

クラウドPBXの6つのメリット

クラウドPBXに切り替える主なメリットは6つあります。
コスト面、運用面、BCP対策まで多面的にメリットが得られるのが特徴です。

物理装置不要によるオフィスの省スペース化

オフィス内に主装置を設置する必要がないため、物理的なスペースが解放されます。
主装置は通常、数十センチ角の機器でラックや専用棚を必要としますが、クラウドPBXに切り替えればこのスペースが完全に不要になります。

省スペース化は単なる物理的な効果だけではありません。
賃料が高い都市部のオフィスほど、設備削減によるコスト効果が大きくなります。
レイアウト変更や移転時の負担も軽減できます。

スマホ・PCのビジネスフォン化によるテレワーク対応

スマホ専用アプリやPCソフトフォンを使えば、会社の固定電話番号(03/06など)で発着信できます。
在宅勤務でも会社の代表番号で電話対応ができ、テレワークが格段にやりやすくなります。

外出先や出張先からも会社の番号で発信できるため、顧客とのやりとりが分断されません。
海外滞在中でも国内番号で受発信できるサービスもあり、グローバルに事業展開する企業にも有効です。

多拠点・在宅勤務者を内線で結び通話料をゼロに

本社と支店、在宅勤務者、業務委託パートナーまで、すべてを内線化できます。
拠点間や在宅とオフィス間の通話料がゼロになり、コスト削減効果は年単位で大きくなります。

例えばコムデック自身も、INNOVERAを使って三重本社と日本各地の在宅勤務者、業務委託パートナーの全員を内線で結んでいます。
複雑な拠点構成でも、クラウドPBXなら無理なく運用できます。

WEB管理画面での内線追加・変更の即時対応

新入社員の内線追加や、退職者のアカウント削除、組織変更に伴う設定変更を、WEB管理画面から数分で完結できます。
従来型PBXでは設定変更に技術者の出張が必要で数日かかることもありました。

人事異動の多い時期や、繁忙期の臨時増員が頻繁にある業態では、この柔軟性が業務効率に直結します。
社内のIT担当者がいない中小企業でも、簡単に管理できるよう設計されている点も魅力です。

通話録音・CRM連携など高度機能の標準搭載

従来型PBXでは別途オプション契約が必要だった全通話録音機能が、クラウドPBXでは標準搭載されているケースが多くあります。
例えばINNOVERAでは録音データを最大6ヶ月クラウドに保存でき、テキスト化(文字起こし)にも対応しています。

CRM(顧客管理システム)連携やIVR(自動音声応答)、LINE WORKS等チャットツールへの着信通知も標準機能として組み込まれています。
カスハラ対策や顧客対応品質の向上に直結する機能群です。

BCP対策としての災害時電話継続性

通信設備がクラウドに分散しているため、特定拠点の被災によって電話が止まることはありません。
地震や水害でオフィスが使用不能になっても、自宅やモバイル環境から会社の電話業務を継続できます。

BCP(事業継続計画)対策として有効なだけでなく、感染症の流行などで一斉に在宅勤務に切り替える状況でも、電話業務をスムーズに移行できます。
災害時の事業停止を最小化したい企業にとって重要なメリットです。

クラウドPBXの5つのデメリットと注意点

メリットが多いクラウドPBXにも、デメリットや注意点があります。
事前に把握しておけば対策が打てるため、契約前に必ず確認しておきましょう。

インターネット回線品質に依存する音質

クラウドPBXはインターネット経由で通話するため、回線の品質によって音質が左右されます。
回線帯域が不足していると、音切れや遅延、雑音などの問題が発生します。

光回線や法人向けの専用帯域確保が望ましく、Wi-Fi利用時は無線品質にも注意が必要です。
導入前にトライアルで音質を実環境で確認しておくと、契約後のトラブルを防げます。

停電・ネット障害時の通話不可リスク

電源やインターネット回線が断絶した場合、クラウドPBXは利用できなくなります。
従来型PBXでも停電時は使えませんが、クラウドPBXはネット障害も同様に影響します。

UPS(無停電電源装置)の導入や、スマホ回線への自動切替機能の活用がBCP対策となります。
災害時に電話を止めたくない業態は、複数経路の確保を契約時に確認しておきましょう。

一部の緊急通報(110/119)への非対応

クラウドPBXの一部サービスでは、110番(警察)や119番(消防)への発信ができない場合があります。
緊急通報は加入電話との物理回線が前提となっており、IP電話技術の制約による問題です。

緊急通報非対応の場合は、携帯電話との併用などで代替手段を準備する必要があります。

既存PBX資産の残存価値の無駄化リスク

導入してまだ年数が浅い主装置をお使いの企業にとっては、クラウドPBXへの切り替えは既存設備への投資を回収しきれないまま手放すことにつながります。
減価償却期間が残っている場合、会計上の損失が発生する可能性もあります。

リース契約中の機器は中途解約に違約金がかかるケースもあるため、契約状況を確認した上で切替時期を判断することが重要です。
減価償却が終わるタイミングや、リース満了時に切り替えるのが理想的です。

ランニングコスト(月額利用料)の継続発生

初期費用は下がりますが、月額利用料が継続的に発生する点はデメリットとも言えます。
長期間利用すれば、トータルコストで従来型PBXと変わらないケースもあります。

従業員数の増減によって月額費用が変動する点も注意が必要です。
アカウント数ベースの料金体系が一般的なため、人員拡大時のコスト試算を事前に行っておきましょう。

クラウドPBXの料金相場

クラウドPBXの料金は、初期費用と月額費用の2軸で構成されます。
サービスや規模によって幅がありますが、目安となる相場を押さえておきましょう。

初期費用の相場は0から10万円台が中心です。
主装置購入が不要な分、設定費用やネットワーク調査費、必要に応じたIP電話機購入費が主な内訳になります。
簡素な構成なら数万円で導入できる場合もあります。

月額費用は1アカウントあたり1,000から3,000円が相場です。
基本料金に加え、通話料金や追加機能(CRM連携、IVRなど)のオプション費用が発生する場合もあります。

代表的なクラウドPBXサービス

国内で利用されている代表的なクラウドPBXサービスを5つ紹介します。

各サービスは料金体系、機能、サポート体制、対象規模が大きく異なります。
複数社からの見積取得とトライアル利用によって、「自社に合うサービスはどれか」を判断しましょう。

クラウドPBX導入の流れ|契約から運用開始までの4ステップ

クラウドPBXの導入は、4つのステップで進めるとスムーズです。
各ステップで押さえるべきポイントも紹介しますので、導入計画の参考にしてください。

1.現状の電話環境とニーズの棚卸し

最初のステップは、既存の電話環境を棚卸しすることです。
現在使っているPBXの契約状況、電話番号、内線数、機器の台数を一覧化します。

加えて、テレワークや多拠点展開といった将来のニーズも整理しましょう。
「3年後に支店を増やす予定がある」「在宅勤務者が増える見込み」といった情報があれば、必要な拡張性を持つサービスを選びやすくなります。

2.サービスの絞り込み選定とベンダーへの相談見積もり比較

棚卸し結果をもとに、自社の要件に合うサービスを絞り込みます。
料金体系・対応端末・標準機能の充実度・サポート体制などを軸に候補を整理し、優先順位の高いベンダーに具体的な要件を伝えて相談する流れです。

ベンダー選びの際は、以下のポイントを確認しておくと失敗を避けられます。

  • 契約前にネットワーク調査を実施してくれるか(回線品質が音質を左右するため必須)
  • 電話機の設置から開通工事まで訪問対応で一貫支援してくれるか
  • 導入後のサポート期間と内容(操作方法・設定変更の無料支援があるか)
  • 既存の電話番号をそのまま引き継げる仕組みがあるか
  • kintoneやCRMなど業務改善ツールとの連携実績があるか

導入の際に疑問点があれば、ベンダーに相談してみましょう。
相談時の対応も選定の際に重要な要素となります。

棚卸し結果をもとに、複数のサービスから見積もりを取得します。
3社以上から相見積もりを取り、料金体系や機能の違いを比較するのが望ましい流れです。

可能であればトライアル利用を申し込み、音質や操作性を実環境で確認しましょう。
スマホアプリやPCソフトフォンの使い勝手は、社員の生産性に直結します。

机上の比較だけでなく、実機検証を必ず行ってください。

3.電話番号の移行手続きとネットワーク工事

既存の固定電話番号を引き継ぐ場合は、番号ポータビリティの申請が必要です。
手続きには通常2から4週間かかるため、運用開始時期から逆算して早めに着手しましょう。

ネットワーク調査も並行して実施します。
回線帯域が不足している場合は、増強工事を行う必要があります。

VLAN設定や品質保証(QoS)の調整など、専門的な対応が必要な場合は、ベンダーに依頼するのが安全です。

4.社内展開と運用ルールの設計

技術的な準備が整ったら、社内展開フェーズに入ります。
最初は先行部門で試験運用を行い、操作上の課題やトラブルを洗い出してから全社展開する流れが安全です。

並行して、運用ルールの設計も進めましょう。
内線番号体系、留守電のメッセージ運用、通話録音ポリシー、緊急時の代替連絡手段などをドキュメント化しておけば、運用開始後の混乱を防げます。

クラウドPBX(INNOVERA)導入事例

実際にクラウドPBXを導入した企業の事例として、ラケット専門店のエバーラケット株式会社様の例を紹介します。
エバーラケット様では、INNOVERA導入により、店舗への電話応対数を大幅に削減することに成功しました。

クラウドPBXの全通話録音機能と転送機能を組み合わせることで、複数の窓口で着信を分担できるようになり、特定の従業員に電話対応が集中する問題が解消されました。

また、従業員の不安軽減効果もありました。
「電話対応で本来業務が中断される」「録音がないとクレーム対応の証拠が残らない」といった現場の不安を、クラウドPBXの機能で解消できた点が評価されています。

オンラインショップの売上拡大も実現しています。
電話対応の効率化により、商品提案や顧客フォローへリソースを再配分できた結果です。

クラウドPBXは単なる電話システム刷新ではなく、業務全体の改善につながる選択肢といえます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

▼クラウドPBXの導入で電話応対数の削減・従業員の不安軽減を実現!|ラケット専門店 エバーラケット株式会社さまの事例

クラウドPBXは仕組みとメリット・デメリットを押さえれば失敗を避けられる

クラウドPBXは、電話交換機をクラウド化した新しい電話システムです。
物理装置不要、テレワーク対応など6つのメリットがある一方、音質や緊急通報など5つのデメリットも存在します。

仕組みと両面を正しく理解すれば、自社に合うかどうかを的確に判断できます。
「主装置が老朽化してきた」「テレワークに対応した電話環境が必要」とお考えの中小企業様は、コムデックのINNOVERA導入支援をご検討ください。

INNOVERA正規パートナーとして、自社運用の知見を活かして導入から運用まで伴走支援いたします。

INNOVERAについて詳しく見る

この記事を書いた人

濱口 裕汰

ITインフラ整備の達人

ネットワークからPCまで、ITサービスを使う上で最も大切なインフラ部分を担当し、お客様の事業運営を強力にバックアップします。特にMicrosoft 365の環境構築には自信を持っており、100社以上のお客様への提供実績があります。日々の運用サポートも充実しており、Microsoft 365を導入したいけど何から実施すればいいか、または既に導入しているが活用しきれているか不安な方、ぜひご相談ください。

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