経営品質向上への道のり第三話「自社と競合他社の違いはナンだ！」

ストーリとしての競争戦略

生田社長、樋口会長が愛読している書籍のひとつに、「ストーリーとしての競争戦略」があります。
「ストーリーとしての競争戦略」は、一橋ビジネススクールの国際企業戦略専攻教授、楠木建氏の代表作であり、「経営者ゼミナール」で岡本先生が度々取り上げている有名な本です。
コムデックの経営陣である二人は常に他社との競争を意識しており、それぞれの頭の中には得意分野の競争戦略やストーリーが存在します。

これらはコムデックで3か月に一度開催している四半期発表会で何度も共有されていますが、全ての社員が完全に理解するまでにはまだまだ時間が必要で、理解しにくい部分も存在します。
今回の会議は、自分たちで自社と競合他社との違いについて考察を進め、自社のビジネスモデルをより深く理解する機会としました。

出典　『ストーリーとしての競争戦略』(楠木建著)

コピー機販売から撤退した、ITサポート事業の競合とは?【担当：樋口会長】

コムデックは、第二創業期(2015年)より以前、樋口社長の就任と同時期に「モノ売り」の代表格とも言えるコピー機販売から撤退しました。
収益性の高いコピー機販売からの撤退は、一見不合理な選択に見えます。
しかしながら、高収益なコピー機をライバル他社から守るために値引きや無償サービス訪問を行うことが度々必要になったり、メーカーの指定ポイントやノルマ台数をクリアすることが目的化することが結果的に低い生産性の要因であると考え、「モノ売り」主体のビジネスになることを避ける意図で撤退を決めたそうです。

現在、コムデックのITサポート事業のビジネスの主体は「IT環境保守サービス」で、これは「お客様のIT環境の維持･アップデート」を目的としたサービスです。
パソコンや各種ハードウェアの販売はサービスに付随するものと捉え、「コト売り」を常に意識しています。
競合他社が核とするコピー機事業からの撤退によって、逆に他社が苦手とするネットワーク構築やシステム開発の案件で協業することが可能となりました。
これにより、対立よりもむしろ融和が進み、地域における特段の脅威となるライバル企業が存在しない状況を作り出しています。

システム開発事業の競合は全国に多数【担当：佐田さん】

コムデックの祖業は、実はシステム開発事業です。
パソコンやサーバーの販売、ネットワーク構築といったITサポート事業は、販売管理システムをお客様の環境で稼働させるために取り組んだのが始まりだそうです。

そして今の二人の姿からは信じられないかもしれませんが、樋口会長(平成初期)、生田社長(平成中期)も元々はプログラマーとして”大活躍”していたそうです。
大事な祖業であるシステム開発事業の主力である佐田さんは、忙しい日々を送りながら、宿題に頭を悩ませ、やや記入量が少ない分析シートから「システム開発事業における競合他社はこれだ！」という三つの答えを導きだしました。