AIで在庫管理を効率化!導入するメリットや具体的な方法を解説

在庫管理は、在庫が少なすぎると欠品で販売機会を逃してしまいますが、多すぎても売れ残ってしまい、予測が難しい業務です。
また、データ上の在庫と実際の在庫が食い違っていることも珍しくなく、そのたびにどこでズレが生じたのか等を手作業で集計・確認するには時間がかかるため、この作業を効率化したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、AI活用です。
本記事では、在庫管理にAIを活用するメリットや具体的な使い方について解説します。
この記事でわかること
- 在庫管理にAIを活用するメリット
- AIを活用して在庫管理をする方法
こんな人におすすめの記事です
- 在庫管理の集計や分析を効率化したい方
- 適切な在庫数を把握し、予測の精度も向上させたい方
目次
在庫管理でAIが使える場面
一言で在庫管理と言っても、実際には入出庫や検品、棚卸、問い合わせ対応など、多岐にわたる業務が存在します。
こうした作業の1つひとつで、AIを導入することが可能です。
例えば、過去の販売実績をもとに需要を予測し、適切な発注量を自動で算出すれば、欠品や余剰在庫のリスクを減らせます。
また、棚卸や在庫数のレポート作成、異常値の検知とアラート通知などにAIを活用すれば、作業時間を大幅に短縮できます。
さらに、問い合わせ対応にチャットボットを導入したり、配送スケジュールをAIで最適化したりすることで、顧客満足度を向上させることも可能です。
在庫管理にAIを活用するメリット
在庫管理にAIを活用すると、過剰在庫や欠品、人為的ミス、業務の属人化などを防ぐ効果が期待できます。
過剰在庫や欠品を防げる
AIを導入する1つめのメリットは、過剰在庫や欠品を未然に防げることです。
AIは過去の販売実績や顧客情報、季節性やトレンドなど膨大なデータを分析し、将来の需要を高精度に予測します。
そのため、適正な在庫数を瞬時に算出でき、必要以上に在庫を抱えるリスクや、欠品によって販売機会を損失するリスクを大幅に削減できることがメリットです。
人間の経験や勘だけに頼らず、データに基づく在庫調整が可能になるため、安定した供給体制を維持でき、企業の利益や顧客満足度の向上につながります。
手作業によるミスを防げる
人が手作業で在庫管理を行う場合、数え間違いや記入漏れ、誤発注といったミスは避けられません。
特に、数量を一桁間違えたり、ケースとバラの単位を勘違いしたりといったケアレスミスはよく起きるため、みなさんも身近なところで目にしたことがあるのではないでしょうか。
AIを導入すれば、こうした手作業由来のミスを削減できることがメリットです。
データ入力や計算を自動化することでヒューマンエラーが入り込む余地がなくなるため、無駄な在庫コストの発生や業務の混乱を防ぎ、安定したオペレーションを維持できます。
業務の属人化を防げる
従来の在庫管理は経験や勘に頼りがちで、担当者の知識やスキルに依存してしまう「属人化」が課題でした。
業務が属人化すると、特定の人に負担が集中したり、担当者が不在だと対応できなかったりするリスクが生じます。
そんなときにAIを活用すれば、経験の浅いスタッフや新人でも高精度な在庫管理が可能になります。
AIなら商品数や取扱量が増えても柔軟に対応でき、標準化された手順で誰でも在庫管理ができるため、安定して運用できることがメリットです。
在庫管理にAI活用が向いている企業の特徴
在庫管理にAI活用が向いている企業の特徴として、次のような点が挙げられます。
- 人手が不足している
- 商品数や取扱量が多い
- 複数の拠点があり、在庫管理が複雑
- アパレルや季節性商品など、需要の変動が激しい商品を扱っている
- 過剰在庫・欠品などのトラブルが多い
AIが特に本領を発揮するのは、従来のような人手や経験則だけでは対応が追いつかない環境です。
そのため、少人数で大量の商品を扱う企業や、複数拠点の在庫を一括で管理する企業、季節や流行によって需要が変動しやすい業界などはAI活用が向いています。
効果的にAIを活用するならkintoneでの在庫管理がおすすめ
在庫管理にAIを導入するなら、基盤となる仕組みには「kintone(キントーン)」の活用がおすすめです。
kintoneはノーコードで簡単にアプリを作成できるのが特徴で、プログラミングの知識がない方でも在庫管理システムを構築できます。
商品情報や集計ルールも柔軟にカスタマイズできるため、業界や取扱商品に応じた最適な管理を実現可能です。
また、kintoneはクラウド型ツールなので、店舗や工場、外出先からでもリアルタイムで確認・操作できることもメリットと言えます。
スマホやタブレットにも対応しており、パソコンが得意でない方も直感的に操作できる他、AIツールや外部サービスとの連携もしやすいため、需要予測や発注自動化など、高度な在庫管理へと発展させられるのがメリットです。
kintoneを使った在庫管理については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼【事例3選】kintoneで在庫管理を実現!在庫管理プラグインの設定方法も解説
kintoneとAIを連携して在庫状況を分析する手順
ここからは、実際にkintoneとAIを連携して在庫状況を分析する手順を解説します。
今回は、入出庫データや棚卸データをもとに、在庫状況の推移や異常発生の傾向を分析する仕組みを構築しました。
はじめに、在庫管理に必要なkintoneアプリを作成します。
具体的には「入庫アプリ」「出庫アプリ」「棚卸アプリ」を用意して、それぞれで入出庫等の日付、商品名、数量などを管理します。
これらのインプットアプリに加えて、在庫分析の結果をAIが出力保存するための「在庫管理分析アプリ」も用意しました。
次に、kintoneとAIを連携して、プロンプト(指示文)を作成します。
プロンプトには、集計の計算式や分析してほしいこと、出力形式などを設定します。
以下は、プロンプトの一例です。
以下の入庫・出庫・棚卸データをもとに、各商品の在庫状況の推移と、異常が見られる商品の傾向を分析してください。 特に、出庫数が入庫数を上回っている商品や、棚卸結果に大きな誤差がある商品に注目してコメントしてください。 |
非常にシンプルなプロンプトですが、以下のような分析結果が返ってきます。
商品ごとに、実績とコメントが分かりやすくまとめられています。
また、分析結果の後半では、異常が見られる商品の抽出や改善策の提案もされています。
AIを使って在庫管理を効率化しよう!
在庫管理にAIを活用すると、需要予測による過剰在庫や欠品の防止、人為的なミスの削減、属人化の解消など、さまざまな効果が期待できます。
さらに、kintoneを基盤とした仕組みを構築すれば、発注や配送に関する業務もワンストップで管理することが可能です。
まずは始めやすい在庫管理からAIを取り入れて、業務の効率化を加速させましょう。
コムデックでは、さまざまな業種でのkintone × AI活用をまとめた事例集をご用意しております。
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