> 対談一覧 > 第165回「世界に火星人を広める日本の中小企業」
ニッチ技術で世界制覇、中小企業の逆転劇
安田世界で流行っている日本商品はアニメやゲームのイメージが強いんですが。
実は世界マーケットでめちゃくちゃ儲かっている中小企業がありまして。
おお!素晴らしい。どんな商品ですか?
生田
安田饅頭とかを自動的に作る包餡機(ほうあんき)というもので。これを世界中に売っているそうです。
まんじゅうですか?
生田
安田そう。饅頭に餡を詰めて丸めたり、最近だったらアイスクリームが入ってるまんじゅうとかあるじゃないですか。
なるほど。つまり何らかの食材を包んで丸くする機械ですね。
生田
安田そんな感じです。これが世界中で大ヒットしてるみたいで。
これ火星人っていうネーミングなんですね。
生田
安田すごいネーミングですよね。
いやあ、いいですよ。
おそらく饅頭だけじゃなくピロシキとか、コロッケとか、その国の食材に合ったものを包むんでしょうね。
生田
安田そうですね。
食材を包むと言っても、包む中身も違うし、外側も違うし、包む厚さも違うし、丸める強度とかも違って、ものすごく難しいと思います。
きっとそこがノウハウなんでしょうね。
生田
安田何千件という特許を持っているみたいです。
売上はこの5年で倍ぐらいになっていて。なんと世界130カ国で大ヒットしているみたいです。
130カ国のいろんな「包む系の食材」に対応してるってことですよね。
生田
安田はい。その微調整を会社ごと、商品ごとにやってるんだと思います。
中小企業と言っても社員700人もいる会社なので。
「国内、海外合わせて3200件の特許を持っている」と書かれていますね。
生田
安田すごいですよね。
売上は2022年に265億だったのが2025年には392億。営業利益は10億から5年で52億に5倍増です。
すごい。でもこういう商品って日本人の得意分野でもあるので。売れそうではありますよね。
生田
安田確かに。こういう微調整はすごく得意分野です。
海外はまだ人口が増えているので、どんどん売れるんじゃないですか。
生田
安田はい。人口増で食品がどんどん売れていくけど、手作業で人間が包むと追いつかないってことで、自動化が売れるみたいです。
売れるでしょうね。
生田
安田一方で国内は人間が減っていて。
逆に人間が包めなくなってきて、ここでもまた自動化のために売れるっていう。
どっちも売れちゃうっていう(笑)
生田
安田今は海外が6割ぐらいと書かれていました。
おそらく海外はこれからもっと伸びると思うんですけど。
そうですね。僕が2018年に中国に行った頃だと200店舗くらいやっている会社でもセントラルキッチン機能もなければ、現場でガラパゴス化したオペレーションがはびこっていて。
生田
安田そうなんですね。
当時からむちゃくちゃ需要があったんだろうと思います。
ヤムチャとか、めちゃめちゃ早く包みまくって来たんだろうと。
インドや東南アジアは人口がまだまだ増えてますし。
生田
安田ですよね。
インドってサモサっていうローカルの食べ物があるんですけど、これもじゃがいもとか豆とかを包んであげる食べ物なんです。
意外と包み系の食材ってたくさんあるんですよ。
生田
安田ありそうですよね。
はい。で、大体美味いんです、包む食べ物って。
ですから火星人は世界中を制覇するだろうなっていうのが僕の予想ですね。
生田
安田包んで焼くとか、揚げるとか、茹でると。考えてみればたくさんありますもんね。
でもこの機械、実は初号機を開発するまで10年ぐらいかかったんですって。
それはすごい。執念ですね。
生田
安田元々は手作業で饅頭を作ってたらしいんですよ。
で、人間がやるのは大変だからって機械を作ってたら、本業が疎かになって廃れちゃった。
でも結果的にそこで頑張った機械が今売れ続けていて、世界中でヒットしてるから。
生田
安田結果オーライですね。でもこういう機械って真似しにくいんでしょうか。
火星人自体がずっと進化し続けてるんだと思います。
より使いやすく、より上手に包める、みたいな進化。
生田
安田そういうのって日本人の得意分野ですよね。
はい。各商品に合わせたカスタマイズ性、それから自動化、遠隔操作、ネットワークを利用した一元管理とか。
コマツの切削機なんかも世界中で売れていますし。
生田
安田今後はどうなっていくと思いますか?
次はデータが重要になると思います。
こういう時はこういう包み方した方がいいよとか、こうした方が美味しいんじゃないかみたいな。
食べ物のクオリティを上げるアドバイスみたいなことをやり始めると、さらに参入障壁が高くなります。
生田
安田なるほど。
火星人を使えば、より美味しくなって、コストも手間もかからなくなって、より儲かるようになっていくと。
そうなったら最強ですよ。
生田