> 対談一覧 > 第160回「社長の仕事は仕事をしないこと?」
AI時代、社長の本当の仕事とは何か
安田「社会には答えなんかない」ってよく言われるじゃないですか。
ないですね。あれば苦労しないですけど。
生田
安田その割に「何をやったら儲かるの?」「どうやったら売れるの?」って答え探しをしている経営者が多い気がするんです。
その通りですね。自分でチャレンジしないと答えなんて見つからないのに。
生田
安田「何からチャレンジすればいいのか分からない」って感じでしょうか。
「儲かるとはどんな状態か?」ってところから考えないとダメですね。
生田
安田そこからですか。
「儲かる仕事って何?」って聞いたらAIが答えてくれると思うんです。
生田
安田確かに。もはやそこには価値がないと。
その辺のエセコンサルタントよりAIの方がいい答えを出す。
生田
安田でもAIはみんな使っていますし。差別化できないですよね。
答えを知っていてもやれるかどうかは別なので。
AIの答えを愚直に実行し、組織を作り、顧客に価値を提供する行動力やマネジメント力はひとつの勝ち筋だと思います。
生田
安田なるほど。確かに多くの人は実行できないでしょうから。
ただ限界はあります。
これから経営者に求められるのは「顧客が何を求めているか」「社会は何を必要としているか」という部分の意味付けでしょうね。
生田
安田日本人が一番苦手な分野かも。
それをできるリーダーって共通点があるんですよ。
生田
安田ほう。どんな共通点ですか?
仕事をしないことですね。
生田
安田仕事をしない?
自らが現場に入ってレギュラー的な日常仕事を繰り返していると、どうしても視野は狭まっていきますし、高いところから遠くを見渡す脳のトレーニングはできない。
生田
安田まずは現場から離れることだと。
僕はそう思います。
生田
安田けど、時間ができても考えられない人は考えないと思いますよ。考える習慣がそもそもないというか。
そういう人ほどAIを活用すればいいんですよ。思考の壁打ちにもとことん付き合ってくれますから。
生田
安田私の周りにもいますね。AIと壁打ちしてる人。
ただし「問いのセンス」が重要になってきます。
日常的、レギュラー的、自らの業界の枠組みの中で壁打ちしても視野は広がらない。
生田
安田AIはそういう質問にダメ出ししてくれないんですか?
「今の質問はちょっと視野が狭いですよ」みたいな。
AIはある意味とても忠実なので。どんなにつまらない質問でも「ちゃんと」答えてくれるんです。
生田
安田なるほど。逆に「いい質問ですね」なんて言ってくれたりして(笑)
そうなんですよ。
だから海外で行ったことない・見たことないものを見てみるとか、そういう非日常の時間を自らのルーティーンに取り組むことがリーダーには非常に重要。
生田
安田仕事に追われている人はダメなんですね。
日常のルーティーンはどんどんAIに任せて、自らは付加価値を高める時間にスライドしないと。
生田
安田付加価値を高めるにはどんな体験が必要ですか?
価値を高めるかどうかが分からない体験ですね。
生田
安田どういうことですか?
日本人経営者はみんな真面目すぎるので。
付加価値を高めるとなると「付加価値が高くなるような」体験を求めるわけですよ。
生田
安田それではダメなんですか?
ダメでしょうね。「何が価値に変わるか分からない」というのが今の時代の特徴なので。
生田
安田じゃあ「まったく役に立たない」「価値につながらない」という体験が必要だと。
「まったく役に立たないかもしれない」「価値につながらないかもしれない」という体験です。
そういうものの中から付加価値の種が見つかったりするので。
生田
安田見つかるかどうかはやってみないと分からないと。
そういうことですね。だから「仕事をしている」という実感が持てることばかりやっていてはダメ。
生田
安田「毎日真面目に仕事をしてる」という経営者が一番ダメだと。
私の周りも仕事をしまくっている社長が多いですけど。
それは本来の仕事をしていないということになるわけですよ。
生田
安田じゃあ真面目に働く社長ほど「実は仕事をしてない」ということですか。ややこしい。
その境界線を自分で決めるしかないってことです。
周りからは遊んでいるように見えても自分の中で「これは仕事なんだ」と決めないと。
今の延長に未来はないので。
生田