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Conversation対談

2025.12.08

第148回「一発屋は一発では終わっていなかった!」

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

一発屋から学ぶマーケット戦略

  • 安田

    昔流行った鼠先輩という方がいまして。知ってますか?

  • 知ってますよ。六本木の歌の人でしょ?

    生田
  • 安田

    そうそう。最高月収はなんと1200万円もあったみたいです。
    当時は寝る暇もないほど働き続けていたんですって。

  • すごいですね。瞬間的な稼ぎでしょうけど。

    生田
  • 安田

    はい。ピークは2〜3ヶ月だったそうで。あっという間に収入がどんどん減っていって。

  • いつ頃でしたっけ?

    生田
  • 安田

    ヒットしたのが2008年です。

  • もう17年前なんですね。

    生田
  • 安田

    今どうなっていると思います?

  • 全然違う仕事をしてるんじゃないですか。

    生田
  • 安田

    じつは今でも「六本木」という歌のネタだけで食べているそうです。

  • すごい。さすがですね。

    生田
  • 安田

    しかも働くのは週末と祝日だけ。
    平日は酒飲んで寝てるっていう。なかなか悠々自適な生活を送っていまして。

  • それで食べていけるわけですよね。ピーク時に生涯年収を稼ぎ切ったわけではなく。

    生田
  • 安田

    さすがにそれは無理でしょう。2〜3ヶ月しかピークがないので。
    今52歳だそうですがなんと20年間同じネタで食べているそうです。

  • どんな仕事をしてるんですか?

    生田
  • 安田

    年間150〜200回ぐらい忘年会や宴会に呼ばれて。
    そこで「六本木」を歌い、ちょっとトークする感じ。それで1回30万円もらうんですって。

  • ということは年間200本で年収6000万ってことですか。すごいですね。

    生田
  • 安田

    そうなんですよ。細々と生活しているわけじゃなく、家族と一緒に結構豊かな暮らしをしていて。
    しかも1回あたり1時間ぐらいしか仕事しないみたいです。

  • 時給30万ですか。素晴らしい。

    生田
  • 安田

    素晴らしいですよね。いろんな人に「新しいキャラを作れ」って言われたみたいですけど。
    本人曰く「1発当たったもので食べていく方が楽」だと。

  • ダンディ坂野さんもゲッツで稼ぎ続けてるし。

    生田
  • 安田

    ゲッツの人も一発芸だけで家まで建てたそうです。

  • 言われてみれば演歌の大御所だって、そんなにたくさんヒット曲があるわけじゃないし。
    認知されてるのって数曲ですから。

    生田
  • 安田

    鼠先輩はすごくファンを大事にしているそうです。

  • 芸に磨きをかけて、ファンを大切にして、真面目にやり続けてるんでしょうね。

    生田
  • 安田

    一発芸人ってその後貧乏になってそうなイメージじゃないですか。
    意外とこうやって豊かに暮らしていけてるんだなっていう。

  • それなりの努力をしてるんだと思いますよ。ただ続けているわけではなく。
    何百年と続く和菓子屋さんも看板メニューをマイナーチェンジし続けてますから。

    生田
  • 安田

    確かに。何もしないで終わっていく人がほとんどなんでしょうね。

  • 我々の仕事も同じですよ。ただ同じことを続けているだけだったら3年も続かない。

    生田
  • 安田

    鼠先輩は「一発当たったら辞めよう」って最初から決めていたそうです。
    そんなに何発も当たらないだろうと。

  • すごい、賢明ですね。

    生田
  • 安田

    はい。それほど俺は馬鹿じゃないと。
    一発当てて、その一発芸だけで20年間も家族を養い続けているそうです。

  • 年収6000万もあれば余裕でしょう。でもよく続いてますね。

    生田
  • 安田

    1回呼んでくれた人が面白いってことでまた呼んでくれたり、知り合いを紹介してくれたりするそうです。
    きっと商売上手なんでしょうね。お客さんを大事にして。

  • どんな仕事でも同じですよ。
    YouTuberでも一瞬ヒットして消えていく人が多いじゃないですか。

    生田
  • 安田

    あれも上手くやればずっと食べていけるネタにはなるんでしょうね。

  • 仕事との向き合い方の問題っていうか。センスですよ。
    世の中で一発屋ってネガティブなイメージとして捉えられがちですけど、そもそも一発当てるってすごいですから。

    生田
  • 安田

    そうですよね。じつは私もコウメ太夫が好きなんですよ。知ってますか?

  • 「ちっきしょう!」の人ですよね(笑)

    生田
  • 安田

    そうそう(笑)忘年会にコウメ太夫が来てたら確かにめっちゃ嬉しい。

  • それはめっちゃ嬉しいですね。

    生田
  • 安田

    そう考えたら年収5〜6000万稼げるマーケットはあるんでしょうね。

  • 圧倒的に日本中に認知されたわけですからね。コウメ太夫さんは。

    生田
  • 安田

    つまり一発当てた人は5000万ぐらい稼いでいけるポテンシャルがあると。

  • 僕らの世代が生きてる間は稼げると思います。
    ただ事務所に所属して言われた通りの番組に出ているだけでは無理でしょうね。

    生田
  • 安田

    稼ぎ続けるためには何が必要ですか?

  • ファンと直接繋がることとファンから直接集金すること。
    テレビってスポンサーからお金をもらうわけで、これはブームが過ぎるともう稼げない。

    生田
  • 安田

    確かに。

  • ファンとの関係値が深まることで替えが利かない存在になっていくわけです。
    テレビだとどんどん消耗されるだけ。
    リアルな現場だと消耗されるどころかどんどん紹介されていく。

    生田
  • 安田

    テレビに出ない演歌歌手も夕食イベントとかでずっと食べてますもんね。

  • お笑い芸人にとってのライブが宴会なんでしょうね。日本中に舞台があるわけですよ。

    生田
  • 安田

    鼠先輩曰く「一発だけで余裕で食えるんだ」と。いろんな飯の食い方があるってことですね。

  • 会社員の10年分ぐらい1年で稼いじゃうわけですから。
    ファンと直接繋がれば家族で食べていくぐらいのマーケットはあるってことです。

    生田

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