> 対談一覧 > 第146回「日本のコマ遊びが世界マーケットに!」
世界を席巻する“ニッチ戦略”成功のカギとは
安田最近ベイブレードなるものが流行ってるんですけど。
ベイブレードって、けっこう昔からありませんでした?コロコロコミックの漫画ですよね。
生田
安田よく知っていますね(笑)確かに30年近く前からあります。
弟世代のどストライクゾーンだったので。弟がやっているのを横目で見てました。
生田
安田そのベイブレードが今世界的に大ヒットしていまして。
そうなんですか?
生田
安田はい。ベイブレードって要するにコマ回しなんですよ。ベーゴマから来てるらしくて。
ベーゴマってめちゃくちゃ回すのが難しいんですよ。
生田
安田はい。難しいですよね。
ベイブレードは確かスイッチ1つで回せるんですよね。
生田
安田そんな感じです。ベイブレードを装置にはめてコードを引っ張るだけ。簡単ですよ。
コマを回すのに技術がいらないってことですよね。
生田
安田誰でも回せます。そして色々カスタマイズも出来るんです。コマ自体もすごく種類があって。
そうですよね。
元々がコミックなので漫画に出てくるコマとか。精霊が宿っていたり。
生田
安田さすが詳しい。5歳の子供がいるんですけど彼もベイブレードを知っていて。すごく欲しがってます。
30年間ずっと人気があるってことですもんね。
生田
安田そうなんです。しかも今や世界的な人気で。
世界大会まで開かれているそうです。なんと世界21カ国と地域から1万5000人が来たらしくて。
すごい。オンラインのゲーム主流の時代なのに。
生田
安田そこが不思議なところで。だって言ってしまえばコマ回しじゃないですか。
それを大人まで楽しんでいて。世界中からわざわざ集まって対決しているわけですよ。
コマがなんと5億個以上売れているそうです。
コマ回しが世界のブームになっているということですからね。
生田
安田10代ではスマホを使っている人よりベイブレードをやってる人の方が多いそうです。
なんと10歳~17歳の98.2%がベイブレードやっているという。
スマホよりベイブレードの方が楽しいってことですね。
生田
安田そうなんですよ。これはアナログ回帰みたいなところでしょうか。
人と直接会って遊ぶ喜びというか。
一定のアナログ感というのは、デジタルが進化すればするほど回帰する要素の1つです。
あと大人がはまる要素としてカスタマイズがいいですよ。
生田
安田なるほど。
パーツを集める人とか多いんじゃないですか。
タカラトミーもかなり仕掛けているはず。ラインナップを揃える釣り道具みたいな。
生田
安田確かに集めたくなりますよね。
大人はそっちに行っちゃう気がします。
生田
安田デジタルとの融合もよく考えられていて。
コミュニティはオンラインで運営して大会はリアル。そのバランスがいいんでしょうね。
でも嬉しいですね。
世界的に見ると日本という辺境の国の、その中でもニッチな伝統遊びじゃないですか。コマ回しって。
生田
安田竹馬みたいなもんですよね。お正月に凧を上げてコマを回して。
そのニッチな遊びが世界的なマーケットを生み出したわけですよ。
アニメの影響はもちろんあるんでしょうけど。
生田
安田日本人が作るものって面白いんでしょうね。海外の人から見たらすごく魅力的で。
ポケモンGOもそうですけど、物と物がぶつかり合って弾かれて戦うのは、非常に男心をくすぐるポイントがありますよ。
パーツやギミックの種類がたくさんあるのもいいし。
生田
安田日本のおもちゃって、すごいよく出来ていますから。
職人技というか、ものすごくこだわりが詰まっている。完成度が高い。
この30年の間にめちゃくちゃ進化してるんでしょうね。
すごく高速回転するとか。めちゃくちゃ強いコマがあるとか。
日本の職人ってそういうのにどこまでもこだわっていきそう。
生田
安田そう考えると日本にはまだまだ有望な市場が眠っているんでしょうね。
僕も全く同じことを考えていました。
日本のいろんな伝統文化をリメイクしてニッチに極めていくと世界中で再熱する可能性が十分にある。
生田
安田ニッチに極めるんですか?世界中でヒットしているのに。
そうです。めちゃめちゃニッチを極めてグローバルで戦う。
それをグローバルニッチと呼んでるんですけど。
ベイブレードも日本だけの市場だったらここまで盛り上がっていないと思う。
生田
安田確かに。
アニメとコラボして、品質をめっちゃ高くして、なおかつ世界中に発信すること。
世界70億人の中から熱狂的なファンが集まってくれば凄いマーケットになりますよ。
生田
安田MLBよりすごいマーケットが出来たりして。
大谷翔平さん以上に稼ぐプロベイダーが出てくるかもしれないです。
生田